「伍長、今回は『眠れる森の美女』のリメイク、ということになっている『マレフィセント』です。」
「……“ということになっている”ってあたりにキモがあるんじゃな?」
「そのとおりです。眠れる姫、オーロラをダコタ・ファニングの妹って紹介がすっかりいらなくなったエル・ファニングが演じてるんですけど、でもタイトルからわかるように徹底的にこれはオリジナルでは悪役だった魔女、マレフィセントが主役。演じたアンジェリーナ・ジョリーのために用意された映画でした。」
「製作にもアンジーがかんでるんだから当然とはいえ、戦う女優である彼女の本領発揮だったぞい」
「白馬の王子様がやってきてキスをしてハッピーエンド、って具合にだけは絶対にしないぞって気合いが感じられました」
「幼いマレフィセントと恋に落ちた男がとにかく悪い悪い(笑)。マレフィセントの男性不信がよくわかる」
「アンジーも父親や結婚相手には苦労させられましたからねえ。養子も含めて、子だくさんな彼女にとって、永遠の愛は子どもにしか与えられないってテーマはぴったり。あ、ネタバレ。それはともかく彼女の飛翔シーンはすごかったですね」
「CG云々っていうより、あれはアンジェリーナ・ジョリーの身体の美しさも影響してるぞ絶対。他の俳優と比べればわかるけど(比べるように撮ってある)、モデル体型きわまれりじゃ」
「にしても、いつのまにかアンジーは頬骨が出て人相が変わってしまいました」
「あれはオリジナルのアニメに似せたの!メイクアップがあのリック・ベイカーなんだから、狼男(「ハウリング」「狼男アメリカン」)やゾンビ(スリラーPV)になんないだけよかったんじゃ!」
「続篇が楽しみですねえ」