原作が「血と骨」の梁石日、脚本が「焼肉ドラゴン」の鄭義信、音楽が四人囃子の佐久間正英、そして監督が「マークスの山」で名取裕子をヘアヌードにした崔洋一。製作はこの作品が初プロデュースの李鳳宇……映画好きにとって夢のようなメンツがそろっている。
キャストもそれに負けずに豪華で、岸谷五朗、小木茂光、絵沢萌子、有薗芳記、遠藤憲一、國村隼、金田明夫、麿赤兒、萩原聖人、古尾谷雅人、そしてルビー・モレノ。豪華っていうより、わたし好みの役者たちですか(笑)。
これだけ列挙したのは、世紀末の日本の空気をこれほど伝える作品はないと思えるから。彼らのアンサンブルこそが時代を象徴するにぴったりだった。
日本人から差別、というより目に見えない存在のように無視される在日とフィリピーナ。彼らの、“強い恋愛”“強い生活”がこれほど描かれたのは初めてのことだった。ある理由で見返してほんとうによかった。今度はWOWOW版を見てみよう。