事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

明細書を見ろ!2019年差額号 先生になりたくない最終回

2019-12-23 | 明細書を見ろ!(事務だより)

2019年12月号PART2「差額支給日」はこちら

さて、長々とつづけてきたこの特集もさすがに終わりにします。講師が足りないという話でしたね?

少人数指導などを達成するために、同じ金額で教員を増やすには非正規の職員を増やせばいいのは道理。それが恒常化したことで、いざという時に欠員を補充する候補者が物理的に減ったのが原因のひとつ。

もうひとつは、採用試験の倍率が低くなったために、合格するまで講師として勤めようという人材も少なくなったことです。

その結果、今年の5月1日現在で(確定値はこの日に出ます)全国の小中学校で1200人以上の教員が足りていないという衝撃の数字が出ました。そしてこの欠員は年度末に向けてどんどん増えています。これは決してよそのお話ではなくて、この地域でも実際に起きたことなのです。

学校という職場のブラックさが表ざたになる → 教員の志望者が減る → 採用試験の倍率が下がる → 講師の候補がいない → 欠員が生ずる → ますます学校という職場がきつくなる

……こんな負のスパイラルに陥っているのが現在の学校かと。この流れを断ち切るにはどうすればいいのでしょうか。

簡単です。誰でも思いつくことです。

解決策その1:人を増やす

解決策その2:4%の支給をやめて教員にも時間外勤務手当を支給する

解決策その3:講師の待遇を改善する

変形労働時間制などというわけのわからない策(ですらない)などより、はるかに実効が上がるはず。

もちろんすべての解決策には金がかかります。だからこそ効果があると考えられるのです。もしも教職調整額の支給をやめて、教員の時間外勤務に手当を出すことにしたら、総がかりで教員の勤務を短くする方策が本気でとられるはず。

講師の待遇に至っては、号給が頭打ちになるなど、現在の待遇が悪すぎるのです。正規採用になったら改善されるから、という理屈が通じる時代ではなくなったのに気づかない結果がこの状態を生んだのではないかと。【先生になりたくない・おしまい】

画像は「興行師たちの映画史 エクスプロイテーション・フィルム全史」柳下毅一郎著 青土社
映画とは単体では成立せず、そこに観客がいることでようやく映画になる。だから興行という側面はとてもあのメディアにとってだいじ。多くの、そしてそのなかの多くが多分に山師である興行師という存在はひたすら面白いっす。

PART2「袋の中身」につづく

 

コメント (4)
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