第45回「火の鳥」はこちら。
「次週最終回!」
のテロップに妻もわたしもあたふた。わかっていてもあたふた。そうか、もう終わっちゃうんだ。
今日もすばらしいドラマだった。オリンピックに向けて、あらゆる人があらゆる形で愛情をそそぎ、夢を託す。
・河西昌枝(安藤サクラ)は父親の死に目に会えないことを覚悟で練習に戻り
・黒澤明が断った記録映画の監督を、市川崑(三谷幸喜!)は引き受け
・金栗四三は聖火ランナーになれなかったことを嘉納治五郎の像に詫び
・わずか2名のコンゴ選手団に三島(生田斗真)と金栗がオーバーラップ。
・古今亭志ん生はどんな噺のまくらにもオリンピックをとりあげ
・五りん(神木隆之介)は『いだてん』になる決意をする
……波状攻撃ともいうべき展開に呆然。そしてとどめは、みずからのアイデンティティを賭けて占うマリー(薬師丸ひろ子)だ。何度も何度も当たらない占いネタをふってきて、最後の最後にわざと間違えてみせる。長いことこの大河を見続けてきて本当によかった。
聖火リレーにおいて、米軍統治下の沖縄で日章旗が禁じられていたという話には、先週「カメジロー不屈の生涯」を見ていたおかげで深く納得(今週は妻が見に行きました)。だから平沢和重(星野源)のアイデアで日章旗を実現させた経緯には深く感動。
その、マダムキラー平沢にポーッとなる菊枝に
「なんだその裸眼はっ!」
という田畑のセリフには大笑い。でも菊枝さん(麻生久美子)はカッパの田畑にキュウリを渡すし、そのキュウリを聖火に見立てるなど、今週は大活躍。かわいい。
五輪開会式直前のドタバタを、「降る雨、降らない雨」だけでドラマを構築した宮藤官九郎のテクニックにあらためて脱帽。ほんとに最終回なんですか来週。悲しいよー。
最終回「時間よ止まれ」につづく。