事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

いだてん 第45回 火の鳥

2019-12-01 | 大河ドラマ

第44回「ぼくたちの失敗」はこちら

わたし、近ごろ毎週月曜日はまぶたが腫れぼったいです。「いだてん」で泣き、そのまま寝ちゃうから。今日もすばらしかったなあ。

でもここはむずかしいところだと前から思ってたんですよ。学校事務職員として、体罰は絶対にゆるせねー。でも東京オリンピックにおいて東洋の魔女をスルーするわけにはいかない……こうきたかあ。

女性のアスリートたちは、これまで自らすすんで選択することができなかったと。でも今回はこのとんでもない男(大松)について行くことをわたしたちが選んだのだと。ここまでのドラマをやっといて徳井のシーンはさすがに切れない。安藤サクラ以外の女性にうまいことを言わせるあたり、にくい。

いつかやるんだろうと思っていた菊枝(麻生久美子)の大演説がここで炸裂。しかも「あれ」とか「それ」で表現されていた夫のリクエストをなぜ理解できるかの解説まで。そうか、理解なんかしてなかったんだ(笑)。

にしても、東洋の魔女というフレーズはよく考えると凄い。言われたほうはつらかったかもしれないが、広告代理店的感覚から言えば絶妙。この、広告代理店的感覚が前面に出てきたのも1964年の東京だったと知れる。ブルーインパルスの発想が自衛隊から出てくるなんてね。

それにしても、ここまで来て主演の娘がようやく登場し、まわりが

「誰?」

という展開はすごい。すごいすごい。役所広司の思いを、松坂桃李が実現するという運びも「孤狼の血」そのままなのは偶然なのか。

低視聴率で評判のこの大河。でもね、くどいようだけどこんなに面白い大河はなかった。あと2回あるの?それとも3回?完走しているつもりでいたら、1回見逃してるじゃんねー。それも含めて、「いだてん」はもう1回見返すことにします。早くDVD出してくれ

わたしが不安なのは、この大河の主人公、金栗四三、田畑政治、古今亭志ん生の真の意味での退場がまた描かれていないということなのだ。その翌日のわたしのまぶたはどうなっているんでしょう。

第46回「炎のランナー」につづく

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今月の名言2019年11月号PART3 アジア好き嫌い

2019-12-01 | 国際・政治

2019年11月号PART2「神戸方式」はこちら

「安倍政権は、無意識的にではあるけれども、中国の強権政治に憧れに近い感情を持っている。彼が目指している『改憲』なるものは要するに単なる『非民主化』のことである。それと市場経済を組み合わせたら、中国やシンガポールのような劇的な成功が起きるのではないかと官邸周りの人々は本気で信じているのである。本気で。」

なぜか近ごろ右派、というか極右メディアが嫌韓ばかりがなり立てて、中国の習近平体制への批判が影を潜めていることへの内田樹の考察。まったく、正しいと思います。世間の空気もまたそうなっている。

マーケットやビジネスパートナーとして中国が無視できない、というより、もう一歩すすめて中国なしに日本経済が成り立たないことに気づいたからこそ、その反動もあって韓国批判がパワーアップする……とても、わかりやすい構図。そうでもなければ香港の騒動など、もっと大きく報じられるべきだし、台湾の政治体制についても冷静に語り合わなければならないところではないか。

PART4「下品なパーティ」につづく

本日の1冊は万城目学「べらぼうくん」文藝春秋
あの万城目学が「鴨川ホルモー」でデビューする直前までの青春記。おそらくは東○に入社し、それでも小説をあきらめない優等生。
どこか苦みがあるのは、青春というのが誰にとってもそんなに優しいものではなかったからかも。彼の取り柄が、無職の才能だったあたりに笑わせていただき、そしてしみじみ。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする