事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

隠れ教育費 解答篇その9 修学旅行

2019-12-02 | 受験・学校

緑の街 / 小田和正 by Uru

解答篇その8「学校給食」はこちら

「隠れ教育費」では修学旅行についてもふれられていて、いやはや地方によってこんなに在り方が違うのかと驚いた。山形の中学校の多くは東京へ2泊3日、あるいは沖縄に向かうのだが、そういえば首都圏の中学校はどこに行くのか考えたこともなかった。

入札を自治体が一括して行うところもあったりするなど、なるほど考えてある。しかし、旅行の内容が娯楽に流れすぎていないかという指摘は全国の学校事務職員が痛感しているはずだ。

わたしが学校事務職員になって、中学校に勤務しているときは例外なく東京が行き先で、そして例外なく東京ディズニーランドがコースに入っている。

生徒たちがディズニーを最大の喜びとしているのはわかる。わたしだって初めて行ったときは

「ここに住みたい!」

と思ったくらいだし。だから仕方がないのかなあと思いつつも、でも劇団四季まで見るのは贅沢ってものじゃないのか。これはわたしが劇団四季嫌いだからこその偏見かしら。

あ、思い出した。わたしの娘が中三のとき、担任はクラスみんなに

「ディズニーランドに行ったことある人?」

と無神経な質問したそうで、

「お父さん、ディズニーに行ったことないの、あたしだけだった」

す、すまん。普通のパパじゃなくて……でも逆に言えば、これほどみんなが既に体験しているディズニーランドを、わざわざ修学旅行のコースに繰り入れる必要性はないんじゃないか。わたしだけはそれ言っちゃいけないけど。

このほかにも「隠れ教育費」には多くのネタが満載。そしてその背景の解説も懇切丁寧だ。私費負担を保護者が当然のものとして考えてくれているうちはいい。しかしいずれは

「それ、ちょっとおかしいんじゃないか」

と指摘される日はくるだろう。なにしろヤナギサワと福嶋さんはこの書でそう煽っているし(笑)。その日にそなえて、自分の学校、自分の子が通う学校のお金に、もっと意識的になろう。その意味で、この本は必読だ。

え、ヤナギサワはまた新刊を出したの?学事出版からかよ。タイトルは

「学校徴収金は絶対に減らせます。」

やられた(笑)。

本日の1曲は最後まで突っ走ったぞUruの「緑の街」ほんとにこのお姉ちゃんの歌は快感だったのである。アルバム、買わなきゃな。

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今月の名言2019年11月号PART4 下品なパーティ

2019-12-02 | ニュース

PART3「アジア好き嫌い」はこちら

「『反社会的勢力』は様々な場面で使われ、定義は一義的に定まっているわけではないと承知しています」

「決められたルールと手続きに沿って保存期間1年未満の文書とされている。技術的なことは承知していないが、(招待者のデータの復元は)事務方からできないと聞いている」

桜を見る会をめぐる右往左往。つまらないネタにいつまでも食いつきやがってと政権が油断していたら、出るわ出るわ不都合な事実が。

各界で活躍した人を招待し、新宿御苑で一杯やりましょうって企画は、別にあってもかまわない。でも、安倍晋三が首相になってからの支出の増加は異常だし、予算が1700万円なのに決算が5500万円って会計はどうなの。

彼の体質に、王侯のようにふるまいたいという抜き難い志向があることは承知しているが、後援会の招待など、あり方として下品なパーティになっている。

で、上の官房長官の会見はいかにも苦しい。質問する側も嘘だとわかっているし答える方も平然と虚偽をたれながしている。こんな騒ぎ、すぐにおさまるさとばかりの開き直り。そしてそれはきっと森友・加計の問題で政権が学習したことなのだ。日本の政治のレベルがこうやって海外に知られていく。

本日の1冊は「攻殻機動隊小説アンソロジー円城塔・三雲岳斗・朝霧カフカ・秋田禎信・冲方丁著 講談社刊

気鋭の作家たちによる攻殻機動隊小説版。誰にとっても少佐=草薙素子という存在がひたすら魅力的であることがひしひしと伝わる。

 2019年12月号PART1「キャリーが生きていたら」につづく

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