その12「幻惑す(まどわす)」はこちら。
ものすごく長い間このシリーズをお休みしてました。一度始めたネタは必ず最後までやると大言したわりに、なんでだっけ。どうやら新シリーズと新作映画も動き出したようなので再開します。みんなもう忘れてるだろうなあ。
今回の眼目はダウジング。金属の棒とかを握り、その反応で水源を探し出すというあれです。湯川教授(福山雅治)は肯定も否定もしない。科学的に立証はされないけれども、ダウジングによって水が見つかっているのも確かなのだ。実はわたしも昔つとめていた学校で水道の修理を依頼したら、その業者がいきなりダウジングを始めたのでびっくり。ま、なんの意味もなかったですけれども。
親切な、そして実は金満家のおばあさんが惨殺され、飼い犬が消えている。岸谷刑事(吉高由里子)は例によって湯川に協力を求める。犬の死骸を見つけたのは近所の女子高生であり、彼女は水晶の振り子の示す場所で見つけたと。
科学者である湯川はあらゆることを想定する。風は?異臭は?電線はなかったか?……すべて否定される。
この犯罪のキモは、なぜ犯人は犬の死骸をわざわざ運んで捨てたかだ。そして、女子高生の水晶は本当に謎に答えたのか?
今でもやっている子はいるのかな、こっくりさん。なぜこっくりさんは字を指し示すのかが理系ミステリとして面白いところ。
ドラマとしてみごとなのは、女子高生は水晶に、犬の死骸のありかを訊いていたわけではないあたり。ここはうなりました。
女子高生を演じたのは、「麒麟が来る」で織田信長を手玉にとった帰蝶を演じた川口春奈だったのでびっくり。久しぶりに見ると、実に面白い。
その14「心聴る(きこえる)」につづく。