事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

明細書を見ろ!2021年6月号 PayPayの町をもうちょっと。紙上初任者研修PART2

2021-06-21 | 明細書を見ろ!(事務だより)

Gaucho

2021年5月号 PayPayの町アゲイン 紙上初任者研修PART1はこちら

21日付けでこの事務だよりをつくってはいますが、給料袋を開けてこれを読んでいるのは23日以降ですよね。給与支給日が振替休日になっているとき、口座振込というのはまことに便利なシステムだと痛感します。今回から全員全額振込になったので、休日出勤しなくてもよくなった学校事務職員は特に。

さて、山形県の場合は21日が給料日。他の地方公務員もおおかたはそうなっています(例外もいっぱいある)。しかし国家公務員は16日、17日、18日のいずれかです(職種によって違う)。

これは、民間会社の決済や給料支払いが5日、10日、15日、20日、25日(「五十日=ごとおび」と言って、金融機関が混む日です。特に偶数月の15日は年金支払いもあるので激混み)であることが多いので、意識してずらしているのかも。先月特集した給料の原則のひとつ、「⑤一定期日払いの原則」が順守されていることがわかります。

さて、給料のデジタルマネー払い解禁に向け、政府内で検討されている件ですが、そのメリットとデメリットを考えてみます。

◇メリット

・口座から引き落としてデジタルマネーに変換する手間がいらなくなる

・ATMの手数料負担軽減

・ポイントやキャッシュバックなどの恩恵を受けやすくなる

・外国人(と反社会的勢力)のように、口座開設がむずかしい人たちに便利

・コロナの影響で現金の受け渡しにナーバスになっている状況を改善できる

◆デメリット

・デジタルマネーの業者が倒産したときのケアがまだ十分ではない(銀行は元本一千万円まで保証)

・支払先が多様化することで、給与事務担当者の負担が増える

・現金しか使えない店はまだたくさんある

・ドコモ口座のトラブルのような、なりすましなど不正への懸念

・そもそもスマホを持っていない

……日本は先進国の中でキャッシュレス化が遅れていることで知られています。そこに現首相がデジタル化推進をうたい上げる余地があるわけ。

しかしこの動きはなかなか具体化しないのではないでしょうか。だって、銀行がだまって見ているはずがないからです。

山形県職員に口座振込制度が導入されたとき、それはもう金融機関はやっきになって獲得競争を展開。いまでもCMなどで新入社員たちにぜひとも給与振込は当行へ、と連呼しているぐらいなのです。

一度指定してもらえば、毎月かならず1回は(④毎月1回以上払いの原則)なにもしなくても預金がころがりこむ仕組み。しかも、指定口座がある銀行に、まず人はローンを申し込む可能性が高いと言われていますし。

市場に直接コンタクトするメガバンクと違い、個人客や中小との付き合いが多い地銀は、店舗に客がやってくること自体が生命線。きっと反撃に出てくることと思います。

本日の1曲「ガウチョ」 Gaucho スティーリー・ダン

前年度の給料袋にはパウル・クレーの作品を貼りつけておきましたが、今年度はアルバムジャケット。生きてきたなかでいちばん数多く聴いた作品かも。

スティーブ・ガッド、ジョー・サンプル、マーク・ノップラーなど超豪華ミュージシャン集結。特にタイトル曲のバックボーカル(パティ・オースティン、ヴァレリー・シンプソン)には陶然。全員全額振込になったので、実はもう給料袋はいらないんじゃないかという話もあるので一応紹介。

2021年6月期末勤勉手当号「祝!初ボーナス」につづく

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「教養としての平成お笑い史」ラリー遠田著 ディスカバー・トゥエンティワン

2021-06-21 | 芸能ネタ

なにしろ64年まであったのだから、昭和というのはそれにしても長かった。でも平成だって考えてみれば十分に長い。そんな三十年を、お笑い関係の14の事件をもとに概観。ネタはお笑いだけれども、意外なほどシリアスな語り口。品川祐へのむき出しの嫌悪(表紙にまでなってる)だけはちょっとたじろぐぐらいでしたが。

歴史を総括するのだから、その登場人物たちには終わりが見えているはず。でも平成に活躍した芸人たちは(上岡龍太郎と島田紳助をのぞけば)ほとんど代替わりしていない。

タモリたけしさんまのBIG3は現役だし、彼らを追撃するのがウンナン、とんねるず、ナイナイ、爆笑問題という構図に変化はない。ニューフェイスと断言できるのはサンドウィッチマンとオードリーぐらい?なんかいろんなファンから怒られそうだけど。

それはおそらく、お笑い芸人と他ジャンルの芸能人(たとえば大泉洋とか、佐藤二朗とか)の境目が……いやいやえらいことはわたしは言えないのでした。

だって、だいじな場面を、わたしはことごとく見逃しているからだ。この書でもとりあげられている、笑いの潮流を変えたとすら言われる「鶴瓶上岡パペポTV」を一度も見ていないし、「笑っていいとも」のグランド・フィナーレもスルー。

要するに平成という長い時間は、人々が、は言い過ぎかもしれないけれども少なくともわたしが次第にテレビを見なくなっていった過程そのものではなかったか。お笑いだけでなく、ひとりのスターにみんなが熱狂する時代の終わりの始まり。

それでは令和は、令和のお笑い芸人たちは、はたしてどんな時代をつくるのだろう。意外に、とんでもないトリックスターが登場するのかなあ。

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