「聖女の救済」後篇の放映2日前に土曜プレミアム枠でオンエアされたスピンオフ。
主役はタイトルでおわかりのように内海刑事役の柴咲コウ。なぜ彼女がシーズン2にほとんど出演せず、アメリカに研修に行くことになったかの物語。
メインライターの福田靖さんの講演会に行ったとき、もうひとつの代表作である「HERO」についてこう愚痴っていたのが印象的だった。
「HEROの続篇に、松たか子さんが出ないってありえないでしょ。だけどスケジュール的に絶対に無理だったし、フジテレビの何十周年記念だからって撮ることは決まってたし」
脚本家はたいへんです。相手役は北川景子に変更され、ガリレオの場合は吉高由里子が起用されている。こっちはどんな事情があったんでしょう。
ただ、柴咲コウと吉高由里子は実生活でも仲がいいそうだし、スピンオフで主役までまかせているのだから黒い事情があったわけではなさそうだ。しかも、このドラマのキャストがやけに豪華なのである。ユースケ・サンタマリア、余貴美子、伊武雅刀、柳楽優弥、永島敏行……もっとも、うれしかったのは福山雅治や北村一輝が顔を出してくれたことでしたが。
このドラマにはしかしガリレオの匂いがほとんどしない。ストレートな刑事ドラマと言っていい。男社会である警察で女性が生きぬくにはどうすればいいか、長野県警と警視庁の険悪な関係……介護されている老婆の仏壇に「ローソクは消す」「線香はつけない」とメモが貼ってあるなど、細かい演出もガリレオっぽくない(笑)。
ラストに柴咲コウが泣き崩れるのが男子トイレだったという描き方もうまい。さて、ガリレオを全部観るシリーズは、シーズン3と劇場版の新作まで一休み。また、お会いしましょう。