第十七回「長良川の対決」はこちら。
道三が高政に敗れた(道三はそう思っていないし、高政も勝ったとは思っていないけれども)ために、道三にくみした明智家は絶体絶命のピンチ。
そこは覚悟の上なので、たとえば光秀の母(石川さゆり)が「わたしはここに残ります!」的な愁嘆場にはならない。お駒(門脇麦)の伝手によって越前に流れることになる。
よく考えてください。むかしつきあっていた女のおかげで妻(木村文乃)と母を安堵することができる……光秀、やるなあ。っていうか彼女たちはいっしょに質屋に行き、夫の宝を質に出さず、自分の帯を質草にする本妻の姿に愛人は幸福な表情を。光秀、やるなあ(笑)。
越前(市場にちゃんとカニが出てくる親切な演出)で待っていたのはご存じ朝倉義景。今までの大河では、織田信長経由でしか語られなかったけれども、ユースケ・サンタマリアがバカ殿的に演じていて、しかもちょっと怖い。これはキャスティングの勝利でしょ。これから楽しみだ。
ギリシャ悲劇が続いているのは織田家のほうで、母(檀れい)が溺愛する弟をやっかんでいたと告白する兄、自分がなそうとしていることをことごとく実現する兄を嫉妬する弟。そして今回も肉親が殺し合うことに……
越年が決定したこの大河だけれど、そうかそこまでドラマの完結に気を使ってくれるのかと思ったら、来年の大河も撮影できてないんだね。突貫工事で撮影した「花燃ゆ」はなかったことにしたいのかな。
それはともかく、テレビ局は禁じ手に手を伸ばしている。“再放送”だ。
「JIN-仁-」や「野ブタ。をプロデュース」の“特別編”でのオンエアが高視聴率だったのはおそろしい事態でしょう?単なる再放送だとお金にならないからと特別編にしている工夫はあるにしても、再放送に人気が集まるのはしんどいはずだ。配信へ視聴者を誘導することにもなるわけだから。
考えてみれば、どんな出来かわからないドラマを、ちゃんと第1回からリアルタイムで見てくれるこれまでの視聴者って、どんだけいい客だったかってことだよなあ。
第十九回「信長を暗殺せよ」につづく。
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