第24回「変わらぬ人」はこちら。
え。もう殺しちゃったの頼朝(大泉洋)を。確かに伏線バリバリはりまくり。彼は死ぬ運命にあったと。それは天が望んだ話なのか……
というくくりなんでしょう。源頼朝はそういうことをするために存在したと。
鎌倉幕府がどのような意義があったか、今朝(眠たかったんで)司馬遼太郎がらみのMOOKをお布団のなかで読んでました。すごい評価。「峠」を見たばっかりだしね。
彼の1990年の講演の採録にこうある。
「十二世紀に鎌倉幕府が成立しますが、それ以前から関東の武士たちの気風の中に、文字にする必要もないほどの強い倫理観がありました。ひとことで言うと
『名こそ惜しけれ』
という言葉になります」
ここから、日本という歴史が始まったのだと。日本人という倫理がスタートしたのだと。続いて北条政子への激賞が……
三谷幸喜はそのディープな部分をうまくすくい上げていく。現代人の眼からすれば源頼朝が死ぬことは不可避であることを承知で、そのまわりの人物を“そうすることが必然”のようにセッティングしていくのだ。
誰もが頼朝がしばらくは生きていくだろうと思って布石を打っている。でも、わたしたちがこのドラマで(みんな裏切るから)唯一心を許せるのは頼朝の腹心、安達盛長(野添義弘)なのも納得。
そうです、この人が最初の「鎌倉殿の13人」のメンバーです。ようやく「七人の侍」や「荒野の七人」みたいになってきた。「十二人の怒れる男」みたいになるのはしんどいけど。
第26回「悲しむ前に」につづく。
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