事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

港座通信~「見知らぬ乗客」Strangers on a Train

2010-09-21 | 港座

Strangersonatrain01 原作パトリシア・ハイスミス、監督アルフレッド・ヒッチコック、脚本レイモンド・チャンドラー、音楽ディミトリ・ティオムキンという豪華な作品。

交換殺人のお話。確かに動機やアリバイを偽装できるという意味で魅力的な発想ですが、破綻するリスクも倍増するのでめったに成功はしません。この映画もその破綻に至る過程が見せどころ。見知らぬ人についていってはいけない好例。

ヒッチコックとチャンドラーが実はうまくいっていなかったあたりもうかがえるのですが、それでも一級のスリラーになっているのはさすが。特に、テニスコートのシーンは伝説になっています。

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港座通信~「本日休診」

2010-09-21 | 港座

Honnjitsukyushin03 原作:井伏鱒二

監督:渋谷実

出演:柳永二郎  (三雲八春)
    * 佐田啓二 (湯川春三)
    * 鶴田浩二 (加吉)
    * 淡島千景 (お町)
    * 中村伸郎 (竹さん)
    * 十朱久雄 (松木ポリス)
    * 長岡輝子 (お京)
    * 三國連太郎 (勇作)
    * 岸惠子  (瀧さん)
    * 多々良純  (兵隊服の男)

甥に院長の座をゆずり、休診にしておだやかな一日になるはずだったその日、三雲医院の八春先生はてんてこまいの一日を過ごすことになってしまう……

ユーモアあふれる語り口にごまかされそうですが、この映画の背景にあるのははっきりと戦争のつめあとです。戦闘のフラッシュバックに悩む帰還兵も登場しますし、三雲先生自身が一人息子を戦争で亡くしています。

しかしそれでもなお、明るく生きていけばいつかこの国にもいいことがあるという希望に満ちあふれていた時代。ちょっと、複雑ですね。でも、ニッポンは貧しかったけれど、向日性にあふれていたということを実感できますし、その明るさがあったからこそ現代があるのだと納得できるあたたかい作品。

三國連太郎鶴田浩二の若いふたりが、いかにも味があってけっこう。岸恵子と佐田啓二という「君の名は」コンビも、いかにも映画黄金時代の余裕を。

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YouTube: 本日休診(1952)柳永二郎 鶴田浩二 淡鳥千景 佐田啓二

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港座通信「君の名は」

2010-09-21 | 港座

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YouTube: 「君の名は」 監督: 大庭秀雄 岸惠子 佐田啓二

原作:菊田一夫

監督: 大庭秀雄

氏家真知子:岸惠子

後宮春樹:佐田啓二

綾:淡島千景

悠起枝:月丘夢路

加瀬田修造:笠智衆

……なにも申しますまい。伝説のラジオドラマを映画化した作品。放送時間には女湯がカラになった(誰が確認したんだ)、真知子巻きの流行など、どれだけヒットしたのか。

佐田啓二の息子が中井貴一なのは有名ですが、東宝が姉の中井貴恵をデビューさせたのは、弟を芸能界に引き込むための戦略だったという失礼な話も残っています。

数寄屋橋の出会いと別れ……これはもちろん「哀愁」(原題はウォータールー橋)のもじりですし、それをもう一回ひねったのが「ALWAYS 続・三丁目の夕日」でした。藤沢周平の「橋ものがたり」も、根っ子のところはいっしょです。

「忘却とは忘れ去ることなり。忘れ得ずして忘却を誓う心の悲しさよ」

まさか、まさかこの有名なフレーズをナレーションしていたのが来宮良子だったとは。ってことは、いったいあの人は何才なの?

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港座通信~「スティング」(最後に、ぐっさり)

2010-09-21 | 港座

Thesting02 9月の酒田港座上映会(24日と25日です)では、お待たせ「スティング」をお送りします。

ジョージ・ロイ・ヒル監督、ポール・ニューマンロバート・レッドフォードという、「明日に向かって撃て!」のトリオがふたたび集結し、悪玉ロバート・ショウだけでなく観客をもひっかける詐欺映画。おなじみのラグタイム「エンターテイナー」が象徴する、余裕ある機知とユーモア。

当時のロバート・レッドフォードは、誰もが認めるようにブラッド・ピットそのものですが、それ以上にポール・ニューマンの匂い立つような色気がすばらしい。皮肉に顔をゆがめながらも、みんなに好かれてしまうろくでなし。こんな役は彼でなければ。合掌。

※この映画はきちんと章立てされており、それぞれに小粋なタイトルがついています。ラストパートが“The Sting”(蜂がチクッと刺すこと。とどめ)。高瀬鎮夫という往年の名字幕担当者がそれを「最後に、ぐっさり」と命名(いまは違う訳がついていると思います)。さすが「ダーティハリー」を「お不潔ハリー」と訳した人は気合いが違いますね(笑)

※ちょっとネタバレですが、この映画には悪女がひとり登場します。若いときには「な、なんでこんな××(自粛)な女が……」と絶句しましたが、今はわかります。ええ、わかりますとも

※公開当時、この作品がアカデミー賞を総取りしたことには批判もありました。ノスタルジーにひたるような「スティング」よりも、先鋭的な「エクソシスト」にやるべきではなかったか、と。荻昌弘という、それはもう高名な映画評論家は特に。それもわかります。冬枯れのワシントンで起こる惨劇をクールに描いたあのホラーもわたしは大好き。マービン・ハムリッシュの穏やかな音楽と、マイク・オールドフィールドの「チューブラー・ベルズ」は確かに好対照。でも、やはりそれが70年代という時代だったのでは?みんな、60年代の狂騒に疲れてたんだと思います。

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Paul_newman08

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明細書を見ろ!2010年9月号裏版「懲戒処分5」

2010-09-21 | 明細書を見ろ!(事務だより)

Junkusaka02 オモテ版はこちら

 前号でお知らせしたように、交通安全運動期間中は、警察はその威信をかけて違反の摘発に乗り出します。昨日から運動は始まっていますから、おなじみの蛍光色のタスキを見かけたかも。

 警察だけではありません。この運動は内閣府,警察庁,総務省,法務省,文部科学省,厚生労働省,農林水産省,経済産業省,国土交通省,防衛省,そして各都道府県,市区町村が主催者に名を連ねた一大イベント。役人をなめんじゃねーぞ、とばかりにしゃかりきになっています。

 くわえて、二年前から運動の最終日は「交通事故死ゼロを目指す日」になっていますから(今年は9月30日の木曜日。月末です!)、こんな日に調子こいてスピードを出そうものなら……。

 さて、なぜ月末と年度末にも気をつけなければならないかというと、警察は所轄ごとに取締り件数の“目標”をかかげて署員にハッパをかけます。

 しかも驚いたことにその目標は月ごとに「駐車違反○件」「速度違反○件」「信号無視○件」と違反の種類ごとに定められているとか。

 未達となれば翌月に上乗せされる署もあるというからおそろしい。こうなると、月末や年度末があぶない理由はわかりますね。ノルマ、という表現を使わなくても、「目標」とはすなわち……。くれぐれも、気をつけないと。

《次回は摘発回避実践編

画像は、先日ウチの学校を訪れたFM山形の日下純。彼にはぜひともきいてみたいことがあった。毎朝「ポップン・モーニング」でおしゃれな番組づくりをめざしても、7:50ジャストに流れる「JA共済の歌」(戦後が終わっていないことを実感できます)で気が遠くなったりはしないのかと。

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明細書を見ろ!2010年9月号オモテ版「人事院勧告」

2010-09-21 | 明細書を見ろ!(事務だより)

Akunintsumabuki02 2010年8月号「懲戒処分4」はこちら

先月の10日、いろいろな意味で注目されていた人事院勧告がでました。全国に350万人いる公務員のうち、行政職などの一般的国家公務員27万人の給与などについて「こう変えるべきだ」と国会と内閣にアドバイスするもの。

わたしたちは地方公務員(286万人います)なのでこの勧告に直接の関係はない建前。でもほとんどの場合、この勧告がそのまんま適用されるので無視できないのです。

今回の勧告において重要な点はふたつ。

・給料のフラット化

・定年延長

です。このふたつが密接につながっているあたりをしばらく解説していきましょう。

フラット化……と言えば聞こえはいいようですけれど、要するに年齢が上の方の給料を引き下げて若い層との差を小さくしていこうというわけ。けっこう露骨なフレーズが並んでいます。

「55歳を超える職員について、俸給及び俸給の特別調整額の支給額を一定率で減額」

 その額が1.5%だというのです。おいおいそれはいくら何でも乱暴だろ、と減額は行政職6級以上相当の人にしか適用されないもよう。

 6級というのは課長級。地方の公立学校では校長に相当します。もっとも、いままで職務給だの能力給だのと言っていたくせに、年齢要件で給料を引き下げるのは理屈が立たないので全国の人事委員会は頭をかかえているとか。

 この1.5%の減額をまぬがれたとしても、55歳以上の減額対象者を除いた中高齢層(40歳代以上)は平均0.1%の引き下げが勧告されています。

 縁起でもない話はつづきます。ボーナスの減額も勧告。

年間4.15月分 → 3.95月分

ということなので0.2月分の減額勧告。でも、山形県の場合は最初っから3.9月分しか支給されていませんからどうなるものだか(最新情報では、減額幅は小さくなる模様)。

 さて、さまざまな手法で給与を減らした分をどうするかというと……

※解説していて虚しいのは、新首相は代表選のさなかに「公務員賃金は人事院勧告以上の減額を行いたい」なーんて発言しているから。人事院も軽くあつかわれたもんだ。

※「55歳を超える職員」というのは、4月1日に56歳になっている職員のこと。お役所ことばです。

次回「定年延長」につづきます。あ、裏版はこちら

画像は、あの原作からここまで泣かせる映画にできるとは!妻夫木聡のガッツには頭が下がる「悪人」。

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「伝える力」 池上彰著 PHPビジネス新書

2010-09-20 | 社会・経済

4569690815 めずらしくベストセラーを特集。

誰も彼もが呼び捨てにされるネットの世界で、さんづけで呼ばれるだけでも池上彰があらゆる世代に受け入れられている状況が理解できる。

彼のテレビ番組が軒並み高視聴率なのは、もはやどんな番組も“仲間うちギャグ”“仲間うちネタ”になってしまっていることの反動だろう。マスに向かっていたはずのテレビが、実は狭い範囲に網を掛けることでしか視聴者をつなぎ止められないでいるわけだ。

“池上さん”の大人気は、わかりやすく伝えるということがどれだけ難しいか、わかりやすく伝えてくれるメディアがどれだけ求められているかを痛切に感じさせてくれる。ウチの親父も「週刊こどもニュース」は大好きだったし、実は内心反発しながらもわたしもお勉強させてもらってました(笑)。

上っ面、と批判されることを恐れてか、誰もあんなに丁寧に解説してくれないもんね。力量の問題でもあるだろうし。ウチの娘が通う高校では、円高の解説を池上さんのDVD使ってるほど。まあ、著作の売り上げにつながるからと、池上さんが格安の出演料でOKということもあるのだろうけれども。

で「伝える力」。ものすごいベストセラー。彼にこの本を書かせたPHPのセンスもあったにしても、これだけの需要があるのだから、いかにみんなコミュニケート不全なのかってことの証明か。

ただね、確かにわかりやすくて、噛んで含めるような伝え方は効果的かもしれない。ひとりよがりになるな、とする警告は身にしみた。でも、本として面白いかはまた別問題。もっとも、新書で「伝える力」を得ようと考えるビジネスマン(向けだとはっきりうたわれている)にとっては、文章のコクだのひねりだのってのは単に邪魔なだけなんだろうか。

なんか、そこんとこもビシビシ伝わってきて少し悲しい。池上さんの責任ではないわけだけど。

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龍馬伝~第38話「霧島の誓い」

2010-09-19 | テレビ番組

5141gun3qbl_sl500_ 第37話「龍馬の妻」はこちら

前回の視聴率は17.6%。的中。やっぱりラブコメ強し。

夕べの飲みで、このブログをいつも見てくれている読者といっしょになる。

「毎週ネタにするなんて、よっぽど大河ドラマが好きなのねえ」

ここまでくれば意地ですから(笑)。

同じテーブルのみんなが大河ドラマで盛り上がる。

「なんだかんだ言っていちばん好きだったのは『太平記』かなあ」

「あー、あれはよかったですね。後醍醐天皇ってのがいかにもあぶなそうで」

「南北朝がらみなんでドラマ化できるとは思わなかったけどね」

なにしろこの飲みには、北畠顕家の子孫まで参加していたので強い。

「オレは『翔ぶが如く』かな」

「それって誰の話?」

「西郷隆盛と大久保利通。大久保がもう十年長生きしてたら日本は変わってたかも。形としてニッポンをつくったのって実はあの人じゃないか?」

「うーん、それはどうかな。でも殺されたときに財産がほとんど無かったらしいんだよね。清廉な人ではあったみたい」

その大久保利通を「龍馬伝」ではベッシー及川光博が演じるらしいので楽しみです。オクタヴィアヌスと大久保という、怜悧な行政執行者好みなわたしとしては特に。

さて、今回は龍馬(福山雅治)とお龍(真木よう子)がその薩摩に到着。女人禁制の霧島に登るためにお龍は男装。お好きな方にはたまらないシーンです。山頂で龍馬は天逆鉾を引っこ抜いて(よい子はマネをしてはいけません)、日本を導いていく決心を語る。ナビゲイター篇のラストらしい展開。

視聴率的に低迷した第三部だけれど、最終章は“予告された悲劇”である龍馬暗殺と、大河ドラマらしい“偉い人たちの激突”が描かれるので率としては上昇するだろう。徳川慶喜(田中哲司)をマンガチックに演出していたあたりがちょっと不安だけどね。

第39話「馬関の奇跡」につづく。今回の視聴率は、ドラマとしてほとんどうねりがなかったので16%台と読みました。

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「バイオハザードⅣ アフターライフ」Resident Evil : Afterlife (2010 SONY)

2010-09-17 | 洋画

Residentevilafterlife03  あの名作(ちゅうか悪夢)ジョージ・A・ロメロの「生ける屍の夜(ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド)」以降、数多くのゾンビ映画がつくられてきた。わたしも嫌いではないのでつき合ってきたわけだが、このジャンルの強みはこんなところか。

1.ヴァンパイアムービーのノウハウを継承できる

2.特に、さっきまで仲間だった人間が一転して襲ってくる恐怖を描くことができる

3.アンデッドだから、笑っちゃうぐらいグロテスクなメイクをしても可

4.同じくアンデッドだから、いくら殺しても倫理的な反撥を逃れうる

5.ジャンルムービーなのでビッグスターを使わなくてもすむ

6.必然的に製作費が安くあがる

数多くのメリットがありながら、さすがに「バイオハザード」も4作目ともなれば興行収入も下降するだろう……大ヒットです。むしろ上昇している。その理由は、もちろん何といっても3D。ファンなら内心ほくそえんだはず。「あのシリーズが3Dかぁ。ってことはナイフが観客席に向かってきたり、ゾンビの身体がこっちにふっ飛んでくるんだろうなあ」

まったくそのとおりに展開。眼が疲れるー。「マトリックス」のアクションシーンが3Dで展開された感じ。剣が飛ぶ、銃弾がアンデッドの頭に突きささる、マサカリが頭の上をそいでいく。特に縦移動の撮影がいつもどおりに派手なのでうれしい。

あまりにも特撮が「遊星からの物体X」なのでロブ・ボッティンが化けてでるんじゃないかと心配。死んでないけど。

 オープニングは渋谷。んもう「AKIRA」そのまんまなのがうれしいし、「ブルークリスマス」(岡本喜八)が描けなかった“神の目”も金がかかってるもんだから軽く達成しています。“あのアーティスト”(わたしは「Love Addict」が好きです)の出演は、レーベルがソニーの人だからいいのかな。いいんだよな。

ミラ・ジョヴォヴィッチは、女性ならこうなりたいであろうプロポーションをいかして(巨乳じゃないあたりがいいですわね)今回も切れ味鋭いアクションを見せている。まだまだ元気いっぱいだし、旦那である監督との仲もよさそう。あと3作ぐらいはソニーに利益を与えてくれるのではないでしょうか。

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史劇を愉しむ~第18章「蒼き狼 地果て海尽きるまで」

2010-09-16 | 邦画

Aokiohkami03 第17章~「十戒」はこちら

歴史上もっとも巨大に版図を広げた元。その強さは「来た、壊した、焼いた、殺した、奪った、去った」と形容されるような残虐性(意図的にそう宣伝していたという説もある)や、“騎馬”という機動力抜群の存在を主力にしていたこと、あるいは鉄器の普及が……まあそのあたりはお勉強してもらうとして、中国はもとより、モンゴルはイスラムやヨーロッパの一部まで占領した。こんな国はもちろん他にない。

ちょっと面白いのは、元は戦闘では負けることがあっても、国として敗れて消滅したわけじゃないのね。反乱がやたらに起きて、その鎮圧に時間や手間がとられるのに嫌気がさして、中国の統治をほっぽりだしてモンゴルへ帰っちゃった……つまりあきちゃった(笑)というのがすごい。さすが、遊牧民族。

日本にも二度攻めてきていて、これがいわゆる元寇。神風が吹いたので神国日本は助かった、と戦前は教えられていたそうだけど、元は海戦はどうにも苦手だったみたいで、対日本だけじゃなくて他の国との争いでもけっこう負けてます。それに、モンゴル人が大挙して攻めてきたように思っちゃうけど、モンゴル人って実は数が少なくて、日本にやってきたのは韓国人や罪人が多かったらしい。はい、ここ試験に出ますよ。

それはともかくチンギスハーン(反町隆史)。謎につつまれた出生のために、日本ではむかしから源義経との同一人説がとなえられたりしている。原作の森村誠一は、チンギスハーンの母が他部族に収奪され、その間に妊娠した子どもというあたりにドラマ性を見つけ、長男であるジュチ(松山ケンイチ)もまた同じ境遇にあった……この辺は史実らしい……これを原作の柱にしたようだ。

でもね、空前絶後の大帝国を築いた男が、いつまでもいつまでも自らの出生にこだわっていたはずがないし、チンギスハーンの妻を演じた菊川玲が気が遠くなるような演技を見せるため(どうしてキャスティングしたのだろう)、途中からストーリーを追うことはやめてモンゴルの風景を眺めるだけになってしまいました。

往時の角川映画の欠点が如実に出ている空疎な大作。歴史のお勉強だと思わなければやってられません。

第19章「英国王のスピーチ」につづく

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