あの名作(ちゅうか悪夢)ジョージ・A・ロメロの「生ける屍の夜(ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド)」以降、数多くのゾンビ映画がつくられてきた。わたしも嫌いではないのでつき合ってきたわけだが、このジャンルの強みはこんなところか。
1.ヴァンパイアムービーのノウハウを継承できる
2.特に、さっきまで仲間だった人間が一転して襲ってくる恐怖を描くことができる
3.アンデッドだから、笑っちゃうぐらいグロテスクなメイクをしても可
4.同じくアンデッドだから、いくら殺しても倫理的な反撥を逃れうる
5.ジャンルムービーなのでビッグスターを使わなくてもすむ
6.必然的に製作費が安くあがる
数多くのメリットがありながら、さすがに「バイオハザード」も4作目ともなれば興行収入も下降するだろう……大ヒットです。むしろ上昇している。その理由は、もちろん何といっても3D。ファンなら内心ほくそえんだはず。「あのシリーズが3Dかぁ。ってことはナイフが観客席に向かってきたり、ゾンビの身体がこっちにふっ飛んでくるんだろうなあ」
まったくそのとおりに展開。眼が疲れるー。「マトリックス」のアクションシーンが3Dで展開された感じ。剣が飛ぶ、銃弾がアンデッドの頭に突きささる、マサカリが頭の上をそいでいく。特に縦移動の撮影がいつもどおりに派手なのでうれしい。
あまりにも特撮が「遊星からの物体X」なのでロブ・ボッティンが化けてでるんじゃないかと心配。死んでないけど。
オープニングは渋谷。んもう「AKIRA」そのまんまなのがうれしいし、「ブルークリスマス」(岡本喜八)が描けなかった“神の目”も金がかかってるもんだから軽く達成しています。“あのアーティスト”(わたしは「Love Addict」が好きです)の出演は、レーベルがソニーの人だからいいのかな。いいんだよな。
ミラ・ジョヴォヴィッチは、女性ならこうなりたいであろうプロポーションをいかして(巨乳じゃないあたりがいいですわね)今回も切れ味鋭いアクションを見せている。まだまだ元気いっぱいだし、旦那である監督との仲もよさそう。あと3作ぐらいはソニーに利益を与えてくれるのではないでしょうか。