事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

第10報~自転車

2011-03-22 | ニュース

第9報はこちら

ひさーしぶりの自転車通勤……じゃないな。自転車で職場に行ったのって初めてかも。これまで、通勤距離が10キロ以下だったことってないし

で、その8キロの通勤路を、息子のチャリで飛ばす飛ばす……ともいかなかった。太ももにチカラが入らず、男子高校生に軽く引き離されてしまう。このうえ、あとからやってくる娘に抜かれては父親としての沽券に関わる、とがんばった結果、およそ35分でつきました。ふうう。

陸橋の坂にへたばり、歩道と車道のコースどりにとまどい、しかも学校についたら自転車で来てたのはわたしも入れて三名しかいなくて「あんな遠いとこから自転車で来たの?!」と驚かれてしまいました。うー。

明日は雪みたいだからどうすっかな。あまり意地を張ると長続きしないので、ゆっくりやろうか。まだガソリンはあるし(まだ警告灯はつかない)。

さて、今日は職場近くのスタンドで給油をやってました。事務室の窓から“行列の誕生”の瞬間を拝見。

スタンドマンが「整理券をお持ちでない人は給油できません」というプラカードを持ち、道端に立つ。それを見たドライバーは停止して何ごとか彼に質問。そして誘導される。ある程度まとまるとそこに立派な行列ができ、そこから整理券をもとめていきなり長蛇の列に。要領のいいウチの職員がさらりと整理券ゲット。一時期にくらべて、確かに困難さは薄れているみたい。

「ぶっちゃけ、今日は何人に整理券発行したんです?」

例によって無邪気にスタンドマンに質問。

「100から……150の間ですかね」

その案配はすべて経営者にゆだねられているのだとか。

「あっちの店では満タンデーでしたー」

ふううん。おそらくはタンクを空にはしていない。正常化はもうすぐだ。

しっかしこんなときにかぎって自転車通勤だったとは……ひきが弱いよなーオレも。

第11報につづく

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第9報~世論

2011-03-21 | ニュース

第8報はこちら

字義通り未曾有の天災。

こんなとき、世論がどうふれるかは誰にもわからない。おそらくは政府や広告代理店は綿密なシミュレーションをしていただろうけれども、それを実証する機会もなかったわけだし。

セ・リーグの開幕をめぐるゴタゴタにしても、まさかここまでバッシングされるとは予想もしなかったのだろう。

保険業界の人間と少し話した。

損保はたいへんじゃないか」

「うん。会社の格付けも下がるしな。でも、生保よりはマシだ」

「そうか?でも天災の場合は免責されるんじゃなかったっけ」

「本来はね。でも、被災者に向かって『免責だから払えません』なんて言ったら……」

「そうか、その会社つぶれちゃうか」

「違うよ。生保って業界がつぶれちゃうんだ」

……なるほど。

第10報につづく

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第8報~原発

2011-03-20 | ニュース

第7報はこちら

覚悟を決めました。自転車購入。まあそれは帰省中の息子対策ではあるんだけど。

やっぱり原発のことは考えておきたい。

いま東京電力を責めるのは簡単で、首都圏ですらガソリンスタンドに客が行列をつくっているのは(やめてください。マジで)、“逃走用”なんでしょう。

山形県でも、チェーンメールまがいのことが(誰にも悪意はなかったにしろ)起こったので、子どもたちに原発への恐怖心は否応なしに植え付けられた。

でも、現場では職種や所管官庁を超えてがんばっている人がいる。応援しなきゃ。

さて、そこから先にわたしが危惧するのは“千年に一回の災害”がすでに起こってしまったんだから、これから千年は原子力発電でだいじょうぶ、という論調が出て来はしないかと。

原子力発電推進派の論拠は、日本にとって石油に頼ってばかりではリスクとコストの問題がある。だから資源関係にあまり左右されず、“ついでに”二酸化炭素をあまり排出しない原子力が有効だということだった。

すべて、否定されました。

環境破壊によって最もコストが高く、そして危険であるのが原子力発電だったのがこれであからさまに。

テレビではひっきりなしにACのCM(じゃないけどね)が流れているので批判があるみたい。

でも、CMがふたたび以前と同じようなパターンで流れたとしましょう。以下の企業CMには絶対に反発がくる。

・オール電化

・原子力発電

・一瞬でも“火事場泥棒”な姿勢を見せたところ(名は秘す)

微妙なのが電気自動車で、これは最悪の選択肢で、ハイブリッドの天下がしばらく続くのかなーと思っていたけど、ガソリンがこんな状態では……

第9報につづく

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第7報~経験

2011-03-19 | ニュース

第6報はこちら

さて、ガソリンを手に入れるには、まだまだよほどのコネと時間(と運)が必要みたい。

コネ……自分がガソリンスタンドの経営者なら、お得意さまにまず提供したい。ちょこまかといろんなスタンドをあさっている客よりも。そこで、メールなどで開店予定を周知したら、前日の夜から道路脇に無人のままクルマを置いていく客が多かったとか(警察に撤収を求められたみたい)。

……ないことを信じたいけれど、金にあかせて裏から手に入れる客や、携帯缶につめたガソリンを横流しする輩はいないだろうな。それって要するに闇の発生。終戦直後じゃないんだから。

「なにかあったときに不安だから」という心理はわからないではないですが、「なにか」とは今です。本当に必要とされている人に行き渡るように、少しずつ我慢しましょうよ。

ネガティブなことだけ数えるのはやめましょう。なにも生産しない。

全国で一斉に義援金を集めたり、献血にかけつける若者が多いことに心底ホッとする。

独居老人である義母のもとへ、お向かいさんがさっそく訪ねてくれてありがたかった。

全国には善意があふれている。

その、善意の表し方も、阪神大震災の経験からか、関西の方が迅速でスマートだった。

日清食品がいきなりカップ麺100万食を無償提供し、給湯機能付きキッチンカー(あるんすね)7台を派遣というニュースにはうなった。阪神大震災のときは、山口組の炊き出しが、なにしろ初動が早くて評判になったけれど(確かに、あそこには起案などの面倒な手続きはなさそう)、やはり経験のあるなしは大きい。

無理のない範囲でいいので、長い時間をかけて被災地を支援しましょう。“奇跡の復興!をめざすより、ある程度のダウンサイジングは仕方がないとしても、礼儀正しい、あたたかい国として復活したい。っていうか、徹底的に痛めつけられたときの日本人は強いぞぉ。なんせ経験がありますからね。

第8報「原発」につづく

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第6報~優先順位

2011-03-18 | ニュース

第5報はこちら

マスコミについてやっぱり考えこんでしまう。

わたしの立場を表明しておくと、

・小沢一郎へのバッシングは理解しがたい。

・小沢を叩くことで延命を図っている菅政権はいかがなものかと思っている。

・だからといって自民党の時代に戻ってほしいとは毛ほども思っていない。

……よろしいですか。こういう人間の意見表明です。

震災への対策が充分だとは誰も思っていない。でも、そのことを批判する言辞に、誰もが違和感をもっているのが現状ではないのか。

メディアは体制を批判する義務がある。もちろんそれは承知している。ところが、前政権が倒れたことにくやしくてくやしくて仕方のないメディア(気をつかった表現)は、今日もさまざまな揚げ足取りをやっている。

効率が悪い。

これが、東北に住む人間の本音です。

そんなことをやっている暇があったら、原発のホントのところはどうなのか、新年度予算関連法案を通さない理屈はどこにあるのか、物流の回復への道筋はどうなんだ……語ることはいくらでもあるのに、彼らにとってそんなものの優先順位は低いようだ。

本当の意味での取材力を失っているからだと思う。

次から次へと首相がかわり、国民はそのたびに“溜飲を下げて”きた。言い換えれば、そのたびに新聞は売れ、何もしなくても視聴率はアップしてきたのだ。その理屈がいま崩壊しているのに気づいていないせいで、旧来の弾劾報道に終始しているのではないか。

翼賛的になってくれとはわたしも思わない。でも、被災地の人間に貢献する報道をもっと地道にやってくれよ。

批判的言辞が効率が悪いことを承知しながら、なんでこんなことを言うかというと、南相馬市の首長が、いくらなんでもなコメントをマスコミにたれながし、それを「しめた」と思っているメディアの姿勢が見えたから。首長の気持ちもわかる。でもそれを伝えるメディアのスタンスの拙劣さはどうだ。

批判はもうちょっと後でもいい。いま必要な情報をもっとくれ。

第7報につづく

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第5報~ガソリン

2011-03-17 | ニュース

第4報はこちら

ガソリンがこんなに問題になるとは。

まず首都圏のスーパーからお米が消えつつある、ってあたりの事情がわかりやすい。

お米、余ってます。それはもう確実。明日食べるお米がないというならともかく、現物は日本に哀しいほど存在します。

外米が輸入されるきっかけになった不作のときですら、実はお米はちゃんとあったわけですから、まず冷静になりましょうよ。

同じことをガソリンに敷衍するのは確かに乱暴。医者におばあちゃんを連れて行くガソリンがない!緊急時のためにガソリンは絶対に必要だ!とか、不安になる要素はたーくさんある。

でも、携帯缶が売れているというニュースを聞くと考えこむ。オイルショックのときの教訓はどこへいったのかと。集団心理おそるべし。

酒田では時候のあいさつのように「今日、どこのスタンド開いてた?」と言い交わしているけれど、こんなことがいつまで続くものだか。

わたしが応援したいのは全国の気弱な方々。

「被災地のことを考えて、少しずつ我慢しよう」

そんな小声の正論を「この甲斐性なし!」と怒られちゃう感じは、おそらく終戦直後はすごかったんでしょうね。

でも、被災地以外の人たちは、少しなら我慢できるでしょう?計画停電にはいろいろと問題もあるし、もっとスマートにやれないのかとも思うけれど、まず、ヒステリーになることだけは避けましょう。

で、気弱な方々を批判しないでいてくれるとうれしい。それって、GSに並ぶ根性のない、まさしくわたしのことだから。あ、別にウチの妻が怒ってるわけじゃないですよ。ウチは逆に、原理的エコロジストである妻に……

第6報につづく

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明細書を見ろ!2011年3月号「危険な話」

2011-03-17 | 明細書を見ろ!(事務だより)

N_605gnbr1012pl 2011年2月号「内示」はこちら

修了式だわ内示だわ給料日だわ……でも文句は申しますまい。小学校はこれに卒業式まで。

事務職員としても忙しいので、ひょっとしたら二校の事務だよりをお目にかけるのは最後かもしれないのに、ネタは使い回し。すみません。しかも深い意味はありませんが原発ネタです。

北海道と東北の事務職員たちが集まる会で、定年近い福島の事務職員に、“住民でなければ知ることもない”ディープな原発話をたっぷり聞くことができました。

この人は太平洋側の相馬地区に勤務していましたが、ここは今回の事件でおわかりのようにいわゆる原発銀座。

「だいたいね、東電は絶対安全なんて言ってるけど、そんなこと全然ないんだ。」

福島弁のアクセントは内陸弁に良く似ています。

「あ、やっぱり。」

「従業員の放射能対策だってちゃんとやってるっていうけど、それは正社員だけのことでね、炉心の近くには下請けとか外人が特攻してんのよ。」

「へー」

「地元じゃみんな知ってるんだぁ。原発出るとき汚いジャンパー着てるのは危なくないとか。」

「は?」

「汚いのを着てるってことは、帰りに着替えてないってことだろ?そーゆーのは塗装とか危なくない方をやってるわけ。」

「あ、そうか。じゃあ特攻組は……」

「そう、ちゃんと着替えて出てくるわけよ。」

「なるほどねぇ。」

「それにね、私は釣りが好きなんだけど、あの辺りの漁業権はみんな東電が買ってるんだ。それでも漁は禁止されてるわけでもないからみんな獲ってるの。漁師も私も。」

「はあ。」

「でまたこれが何でか知らないけどでっかいのが揚がるのよ。」

「魚が、でっかいんですか。」

「うん。まあ温水が出てるってこともあるんだろうし、他の理由もあんのかもしんないねぇ。」

「他の理由って……ヤじゃないですか。」

「そうだねえ。でもそのでっかい魚、地元じゃ食べなくて、陸送で築地に持ってくと高く売れるんだって。なんたって大ぶりだから。そいで高級料亭に出てるんだってよ、原発近くの魚が。」

「しっかし何でその……」

「地元は分っててなんで文句言わないのかってことでしょ?東電に。いやそれはさあ、私の前任校に行けばわかるよ。そりゃもう凄い設備だから。町のグランドだって観客席可動式だよ。交付金あるうちは町民は何にも言えないの。」

「うーん」

「そのくせ事故対策に公民館にヨウ素用意しろっていう要望は却下されるんだよ。」

「何でですか?」

「だってほら、事故は絶対に起こんないって建前だから。」

「…………。」

※画像は、山形県人である池田敏春が撮った反原発映画「人魚伝説」。主演の白都真理は宗教に走ってしまい、清水健太郎はご存じのとおり。しかも池田がこのあいだ入水自殺してしまった呪われた作品でもあります。

2011年4月号~出勤簿のルールにつづく

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第4報~コンビニ

2011-03-16 | ニュース

第3報はこちら

さてコンビニ。わたしはほとんどが自家発電を備えているものだと思っていたのに、そうでもないんだなあ。

よく行くデイリーヤマザキには長蛇の列。

わたしは二日酔いをさますために(地震の夜なのに、っていうか、だからこそいっぱい飲んでしまいました。人間失格)ペットボトルのソフトドリンクが欲しかっただけなのに、こりゃ午後にもう一回買いに来るのはむずかしいのかも、と娘にカスタードシュー、わたしに夜のおつまみなどを買いこむ(人間失格)。

なぜ列がなかなか短くならないかというと、停電のためにレジが機能せず、電卓で計算し、買われた商品をいちいちノートにメモっているからである。うわーアナログ。

前任校の校長がやってきて、携帯の充電池をさがしていたが、もちろん売り切れ。まだこの時点ではカップ麺やお菓子はあったけれど……

……二日後に、先日強盗に入られたセブンイレブンに行ってびっくり。んもう何にもなくなっている(でも今日久しぶりにスーパーに行ったら商品があふれてました。インスタントラーメンもたっぷり。えらいぞト一屋!)。

でも何にもないったってわたし向けに芋焼酎とおつまみは残っていたのでラッキー。やっぱり人間失格。

あ、第3報における東北電力の復旧順位にはメルマガの読者から訂正が。おえらい関係者から直接きいたことなのでこりゃ正しいはず。納得できる話だし。

まず優先すべきは

だから水道施設があるところが最初に復旧。ついでに、その施設に至る地域も復旧することになる。

次に医療機関。これまた、ピンポイントにそこだけ復旧するわけにもいかないので、不公平なようだけれど、そこに至る部分がライン的に復旧するというのが正解のようだ。

わたしたちは行政単位でものを考えがちだけれど、電気関係はあくまで電気の通る道としてとらえるしかないみたい。

第5報につづく

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第3報~停電

2011-03-15 | ニュース

Toriiimg01 第2報はこちら

地震直後に停電し、それから復旧までには(ウチの地区は)丸一日以上かかった。

ところが、この復旧は地区によって大違い。当日の夜に通じたところもあれば、翌朝早くという町もある。土曜日は出勤日だったので職員の事情をうかがうと、亀ヶ崎(の一部)、上安町、本町などはかなり早いうちに復旧している。

ラジオでも旧平田町回復、とか旧八幡町も、と次々に。

この差はなんで?

職場では、公的機関があるところは早いのではないか、という意見が多かった。警察や役所関係か。

真相は薮の中……でも今日、ある関係者に

「どういう順番で復帰したんですか?」

と素直に質問したら

「あの、まあ、(東北電力の)事業所があるところはやっぱり……」

なるほど、そりゃそうだわな。

わからないのは信号で、どうやらキーになる信号には電力が提供されていた。そのあたりの事情、どうやって電力を持ってきているのかはさっぱり。

地震翌日、帰宅途中にコンビニに寄ると、なんと大行列。そうかコンビニって自家発電が普及してるんじゃないんだ!これは第4報で。

画像は近所の神社の鳥居。地震で倒壊したわけではなく、傾いてしまったので危険だからわざと倒したのだそうです。

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第2報~その夜

2011-03-14 | ニュース

第1報はこちら

酒田市民(だけではなかったようだ)の、地震後の最初の行動が“ガソリンスタンドに向かう”だったのは意外だった。あ、この時点でわたしにはラッキーなことがいくつかあった。

携帯の電池を交換したばかりなので、電池切れをあまり心配しなくてもよかった。

・同様にガソリンは半分以上残っていたのでしばらくだいじょうぶ。

・法事を日曜日にやる予定だったのでロウソクはいくらでもある。

・畑仕事のお供なので携帯ラジオもたっぷり。

だからのんきにかまえていられたにしても、大渋滞を引き起こすほどみんながガソリンスタンドに向かうとは……

さて、金曜の夜にわたしは土蔵から燭台を引っぱり出し(翌日にはどうせ用意しなければならなかった)、ラジオを聴きながら夕食を。そのときまで、わたしはこの地震を“いつもの地震”だと油断していたのだ。

することもないので布団に入り、いつの間にか寝入る。

あまりに早く寝すぎたので、午前4時前に目が覚め、ラジオを聴くと例の長野の震度6が。
アナウンサーの「いま揺れています」という声にわずかに遅れて酒田も揺れる。こんな経験は初めてだ。第3報につづく

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