事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

19(Nineteen)

2011-03-04 | ニュース

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YouTube: Nineteen - Paul Hardcastle

タイトルはポール・ハードキャッスル「19(Nineteen)」のいただきです。

 別にわたしは同じ山形県出身者であることで“彼”を擁護するつもりはない。同じdocomoの契約者であり、同じ19才の息子にその端末を持たせていることにシンパシーは感じるけれども、カンニングという行為自体は卑劣だしね。

 ただ、彼の行為に対する処罰として、この騒ぎは明らかにバランスを欠いている。警察が逮捕に踏み切ったのは、彼の自殺をおそれたためなのは理解できる。しかしそこまで追いこまれるようなことを彼はしたか?

 ここで何度もくり返されるフレーズが「社会的影響が大きい」だ。行為自体は小さくても、入試や大学、ひいては教育制度の根幹を揺るがすというわけ。翻訳すれば「見せしめ」

 犯意、悪意に比して処罰が圧倒的に大きいという意味で贋札づくりに構造はよく似ている。彼のとった手法を「幼稚な」と形容する報道が多く、ネットの匿名性を否定するコメントが多いのも「バカなことをすると社会的制裁が大きいんだからな。よくおぼえとけ」というオトナの恫喝だろう。

 でも、年配者の旧制高校などの思い出で、いかに試験官をごまくらかしてカンニングを完遂したか、という自慢はおなじみのものだし、わりに日本はその手の不正に鷹揚だったはず。

 でもオトナたちの「ネット」「質問サイト」「ケータイ」など、得体の知れないメディアへの反発が今回のバッシングを加速したのだと思う。

 だから、実は父親を亡くし、母親に経済的負担をかけたくないからという動機が報じられた途端、バッシングが大学側に向かう理屈もよくわかる。「なーんだ、親孝行な子なんじゃないか」と。世間はむずかしいようで簡単。

 わたしが怖いのは別のことだ。19才の予備校生はネット上に“質問”をさらしたからカンニングがばれた。しかし試験会場で携帯が使えるとすれば

「頭のいい誰かに」

「個人的に」

質問するやり方だってあったはず。そしてもしかしてそれはもう現実化しているのではないか。あるいは、もう一歩すすめて考えれば、“それってすでに商売になっているんじゃないのか”だ。

 妄想がすぎる、と言われるかもしれない。でも、ベストアンサーの称号を獲得することでえられるのがプライドではなく、金銭的報酬である時代はもう来ているのでは?

コメント
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