事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

真田丸 第二十四回「滅亡」

2016-06-19 | 大河ドラマ

第二十三回「攻略」はこちら

前回の視聴率は18.9%。華やかな回だったからなあ。さあ今回は北条がいかに滅んでいくかを、世代の違いによって描く。

旧世代である北条氏政は死を覚悟していて、それを家康、上杉景勝、真田パパは翻意させようと必死(でもパパは上杉のように髻=もとどりを切る覚悟はない)。しかし氏政は例によって汁かけ飯を最後の晩餐にして冥土に向かう。

籠城するうちに、外の世界が見えなくなるのは“城のなかの人”秀頼といっしょ。小田原城の鉄壁さを信じた彼もまた、偉大な祖先に負けたといえるかもしれない。にしても、高嶋政伸はずいぶんと奇怪な役者になってたんだなあ。かつてナンシー関に“ぬいぐるみ演技”と喝破された彼だけれど、ぬいぐるみも突き抜ければ味が出てくるわけだ。

新世代の信繁や信幸は、無駄な争いはもうおしまいだと考えている。しかし新しい世の代表格である石田三成は、頭でっかちな戦しかできず、真田パパの卑怯な手を評価せざるをえない。このあたりの皮肉は効いています。

問題は、伊達政宗。真田パパは「片倉某」に謀議を持ちかけようとする。おお、「独眼竜政宗」でひときわ目立っていた(名前も最高)の片倉小十郎ですか!あのときの西郷輝彦はよかったなあ。しかしいざ現れた政宗は、秀吉のご機嫌取りに終始する。失望する旧世代。彼が最後の望みだったのに。しかし、政宗の胸中は……

おそらく宮城県の方々は激昂するかもしれない設定なので、彼がやるのは秀吉のためにずんだ餅を搗くことだ。わたしは苦手だけど、山形県の内陸から宮城の方々は大好きなんだよねあれ。うーん、わからん。

今回のテーマが集約されているのは、氏政を旧世代がうらやみ

「あやつは、おのれのための戦をやっておる」

というセリフ。戦のない世のために、新世代は面白くもない戦を志向しているではないかという苦言に聞こえる。しかし、何万という兵を率い、日の本を分ける戦を行うのは、無駄な争いを拒む信繁だったという歴史の皮肉もこれから効いてくる。

ラストシーンでようやく女優登場(笑)。こりゃあ視聴率的には苦しいだろう。17%台かな。

第二十五回「別離」につづく

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明細書を見ろ!2016年6月号 特別徴収・普通徴収

2016-06-18 | 明細書を見ろ!(事務だより)

2016年5月号「服務事故その1」はこちら

今月の給料袋には、住民税の特別徴収税額通知書というのを同封しておきました。これ、なかなか味わい深い書類です。源泉徴収票と違い、給与所得以外も含めてすべての所得が記載されていることと、居住している市町村によって微妙に税額が違うのが透けて見えるから。

それはともかく住民税。ほとんどの人がまったくこれについて意識していません。自分が山形県にどれだけ税金をおさめているのか、酒田市民、鶴岡市民、遊佐町民、庄内町民、三川町民として地元にどれだけの貢献をしているか、考える人は少ないのです。

理由は簡単。天引きされてるから。

よほど明細書を毎月読みこむ優等生でもないかぎり、ひと月あたりいくら住民税を納めているかすぐに答えることは……(実はわたしもできません)。

所得税だって天引きされているじゃないかとお思いでしょうが、あちらはまだしも年末調整という機会があるので、11月から12月にかけていろいろと考えますよね(考えろよ)。

でも住民税は、前年の所得が確定してからおよそ半年後に反映するし、(引っ越すとか、扶養親族の数が変わるとかしないかぎり)あまり変化がないので興味を持てないのも仕方ないかな。

でも「税額」「納付額」の欄を見てください。びっくりするはず。こんなに払ってたのか!と。住民税って実はけっこうでかいんですよ。それでも意識されないですんできたのは、さきほども言ったように

特別徴収」

という形で給料から“天引き”され、しかも毎月だから12分割されているからです。おいおいそれって普通のことじゃないのか、なにが特別なんだと思うのも当然。しかしこれはあなたがサラリーマンで、事業所(わたしたちの場合は山形県)が給料から差し引き、税務署に翌月の10日までに納付するという代行しているわけで、税の在り方としてはやはり特別。

それでは普通徴収とはどんなものかというと、年に4回、自分で銀行やコンビニに納付書をもっていき、身銭を切るのです。普通徴収でも特別徴収でも税額に変わりはありませんから、さきほどの年税額を4分割してください。それを自分で用意することを考えると、いかに住民税が大きいか、なお理解できます。

前は期限付職員もそのような形態をとっていましたし、経験のある人はその重みを十分に理解している。で、どうして税務署は必死で特別徴収にシフトさせようとしているかといえば、こちらの理由も簡単。普通徴収だと、払わない人が出てくるからです。だからいかに特別な徴収が、県民市民に税を意識させないようにはたらいていることか。

逆に、負担感があれば、税金の使い方にも敏感になる。どこかの知事が王侯さながらの生活をしていることに怒りが爆発したのも無理はない話。

でもまあ、あれは一種の意趣返しの色彩が強く、都知事(あ、言っちゃった)が辞めたことで問題点など都民はすっかり忘れ、次の知事は誰だという報道に興味は移っていくのでしょう。まるでマスコミに鼻面を引きまわされるかのように。

さて、住民税への負担感を逆手にとって、知恵者が創設したのが「ふるさと納税」制度。寄付行為によって税の控除を受けるというシステムが浸透するのはいいにしろ(日本に寄付はなかなか根付きませんでしたから)、でもなんかお返しを期待する制度になっちゃってるのはどうもなあ。

え、酒田のお返しに富重の胡麻豆腐とおむすび用の岩のりセットが加わったって?お店でも岩のりおむすびが出てくることは少なくなったのに!

画像は「64(ロクヨン)前編後編

原作:横山秀夫 主演:佐藤浩市

前後編大ヒット続映中。しかし不満もある。このミステリの最大のキモである“犯人が平成元年から14年間にわたって行ったこと”が、後編のしょっぱなに明かされてしまうのだ。うーん。まあ、三浦友和の好演があるから許す。元クラリオンガール烏丸せつこを久しぶりに見たので許す(何様だおれは)。

2016年6月期末勤勉手当号「服務事故その2」につづく

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ひょうたん島航海記PART5

2016-06-16 | アニメ・コミック・ゲーム

PART4はこちら

井上ひさしと山元護久の共作の仕方はとにかく変わっている。

お二人(井上ひさし、山元護久)が、喫茶店でストーリーを話し合い、一回分の話の構成を練り上げると、奇数シーンと偶数シーンとを手分けして書くのです。そして最後はそれらをつなぎ合わせて一回分の台本にする……こんな合作スタイルは前代未聞、これからもたぶんありえないでしょう。

……ありえないですよね(笑)。どれだけ信頼し合っていたか、そして、どれだけ同じくらいの才能に恵まれていたかだ。そして、彼らの姿勢そのものが前代未聞だったようだ。

幸か不幸かお二人は人形劇の表現力を信用しなかったために、ちょうどラジオ番組を作るような気持ちでひょうたん島のせりふを、なんの遠慮もなく書きこんでいったのです。それが、あの饒舌で、ユーモアにあふれた、テンポの速い台本となったのでした。

……なるほど、なるほど。さて、これだけ成功をおさめた「ひょっこりひょうたん島」が、それではなぜ終了したのか。

番組の中でつかった「三等郵便局」という言葉が問題になったのだそうです。その言葉は郵政の世界ではやや差別的なニュアンスを持つらしいのです。ただしお二人はそういう言葉を原稿には書かなかった。その回の担当ディレクターが書き加えた言葉だ、と私に釈明されたのです。

……異説もあるようだが、監督官庁だった郵政省の意向が影響したのは確からしい。ドラマの内でも外でも、大人たちは馬鹿げたやりとりをやっていたわけだ。

山元は早世し、井上ひさしも世を去った。藤村有弘、熊倉一雄もいない今、それでも伝説としてひょっこりひょうたん島は生きている。くたびれた中年男となりはてたわたしも、地球のどこかであのゆかいで破天荒な島が漂流しているのではないかと想像するだけで楽しい。あの番組を見ていたことは、まちがいなく、まちがいなく財産だった。感謝。

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ひょうたん島航海記PART4

2016-06-15 | アニメ・コミック・ゲーム

PART3はこちら

川西町に生まれた井上ひさし(隣家に疎開してきたのが亡くなった白川由美)が、過酷な幼少期を経て仙台のキリスト教系の養護施設(つまりは、孤児院である)で育ったことはよく知られている。両親の駆け落ちの果てに生まれた彼は、戸籍上は非嫡出子だった。

共作者の山元護久もまた、私生児として生まれ、武井さんも前に紹介したように家庭的には恵まれない人だった。

つまり「ひょっこりひょうたん島」は、家族というものに愛憎相半ばする思いを抱いていた人間たちによって紡ぎだされた作品なのだ。

だから住人のなかで冷静な判断を下すのは常に子どもの方であり、大人たちはやりこめられる対象だった。家父長制に代表される封建的なるものを徹底的にコケにした番組だったのである。その意味で、子どもたちは熱狂したし、眉をひそめる大人の視聴者もいたのだとか。

ファンの代表が、いかにもな人だったのには笑った。

羽仁進さんのお嬢さんの未央さんがまだ四歳か五歳の時、ひょうたん島のスタジオに見学に来られたことがあります。人形たちが未央さんを迎えると、未央さんはトラヒゲがお好きだったのでしょうか、駆け寄って「トラヒゲさん、好きよ!」と叫びながら、トラヒゲを抱きしめて頬ずりしたあの可愛いお姿は、今でもはっきり覚えています。

羽仁さんは、放送がすべて終わったあと、わざわざ私をご自宅に呼んで、奥様の手料理でもてなしてくださいました。このときのありがたいお心遣いには涙が出ました。

羽仁と左幸子(のちに離婚)の娘である未央がファンなのはよくわかるなあ。奔放に育てられた彼女をメディアは面白おかしく報じたりもしたけれど、エッセイストとして……ええええっ、彼女は亡くなってたの!?うわあ(享年50才)。

さて、井上と山元の共作のやり方がとんでもなかったのでこれはぜひとも紹介しなくては。以下次号

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「海よりもまだ深く」 (2016 GAGA)

2016-06-14 | 邦画

直前まで、違う映画を見るつもりでした。正直に言うと「スノーホワイト」の続篇(笑)。確かにシャーリーズ・セロンは魅力だけれど、しかし待て。くたびれた中年男が休日の朝に独りで白雪姫ってのはどうなの?と冷静になって路線変更。

幻の光」「ワンダフルライフ」「奇跡」「誰も知らない」そしてあの傑作「空気人形」を撮った是枝裕和の新作なのだから、さっそく飛びついてもよさそうなものなのに、どうも気が重かったんですよ。

妻(真木よう子)との離婚が成立しているのに未練たらたら、養育費も払えないのに息子にはいい格好をするダメ親父(阿部寛)……くたびれた中年にとって、あまりにも他人事じゃなさすぎて。

歩いても 歩いても」がいしだあゆみの「ブルーライトヨコハマ」の歌詞からタイトルがとられていたように、この作品はテレサ・テンの「別れの予感」からいただいていて、だけでなくキャスト(阿部、樹木希林が母子)、肌合いもふくめて「歩いても 歩いてもPART2」と言ってさしつかえない。

「しあわせってのはね、何かをあきらめないと手にできないもんなのよ」

「誰かの過去になる勇気をもつのが、大人になるってことじゃないか」

「海よりも深く人を愛したことなんかないわ」

とにかくみんな名言吐きまくり。だからこそちょっと息苦しくもある。樹木希林と阿部寛はうますぎるし。

そこを救っているのは主人公が興信所の職員であること。私立探偵らしく、出がらしのコーヒーをまた入れるあたり、「動く標的」のポール・ニューマンそのまんま。

くわえて、ダメな先輩に呆れながらも、同時に尊敬もしているらしい後輩を演じた池松壮亮がとにかく気持ちいい!「ぼくたちの家族」にしてもそうだったが、名優たちに囲まれると、なおチカラを発揮するタイプみたいだ。末恐ろしいな。

草野球で、ホームランよりもフォアボールで出塁したいと願う渋い息子が愛おしい。是枝映画において、子役と編集がすばらしい伝統は、めでたく今回も守られました。PART3希望。タイトルは「空よりもまだ青く」で。

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ひょうたん島航海記PART3

2016-06-13 | アニメ・コミック・ゲーム

ひょっこり ひょうたん 島 OP

PART2はこちら

子どもたちのリーダー格、博士(わたし、大好きなキャラでした。なにしろオトナたちよりもはるかに冷静)を演じたのは天才子役だった中山千夏

私のディレクター人生で、直接オタクまで押しかけて出演をお願いしたのは、後にも先にも中山千夏さんだけです。
あとでご本人から聞いた話ですが、千夏さんは「ひょうたん島」のテーマソングを自分で歌いたかったそうです。他の子が歌うと聞いて、ちょっとつむじを曲げたとか。

実は彼女は自身の著作「芸能人の帽子」で、この当時NHKの若手ディレクターと恋に落ちていたことを告白している。幼いころから芸能界しか知らなかった彼女(まだ高校生だぞ)に、学問のすばらしさを説いたのも彼らしい。彼、って誰なのかはわからないのだけれど。

さて、そのテーマソングだが……

歌詞の中で「波をジャブジャブかき分けて」という出だしの歌詞は「ジャブジャブ」です。ところが、前川陽子さん(当時中学一年生)が可愛く歌ったものですから、たしかに、「チャプチャプ」と聞こえるのです。ですから、今ではCDについている歌詞も「チャプチャプ」となっていますが、これは間違いです。

そうだったのかっ!わたしもすっかりチャプチャプだと思ってました。まさか歌っているのが中学生だったとはなあ。前川さんはいまでも歌の世界にいるんだそうですよ。

「ひょっこりひょうたん島」が伝説になった最大の要因は、その脚本にあった。担当した井上ひさし、山元護久、そして武井さんには、ある共通点があった。以下次号

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真田丸 第二十三回「攻略」

2016-06-12 | 大河ドラマ

第二十二回「裁定」はこちら

前回の視聴率は16.6%。やっぱり、黒い回はそんなものなのであろう。

でも今回は小田原攻め。大河ドラマで何度も何度も描かれ、「軍師官兵衛」のオープニングも確かこれ。きわめつけは「独眼竜政宗」の勝新太郎(秀吉)と渡辺謙(伊達政宗)の小便遭遇。それまでこの二人をNHKは会わせなかったってほんとですか。いわゆる、名場面です。

三谷幸喜はそのあたりを十分に承知していて、基本線は秀吉や家康のオシッコ。どんなリスペクトだ。それぞれのイチモツ(すみません下品な表現で)に関して、信繁がいちいち驚くのがおかしい。どんな驚きだったかはわからないのだけれど(なんとなくわかるんだけどさすがにそれは)。

話はオシッコだけではなくて、「のぼうの城」の引用も露骨に。これは次週がメインかな。いくさとは勝たなければ無駄の極致、という石田三成の考え方は理にかなっている。しかし、一見して無駄なことをやらなければならない局面もあるというのがあの映画の教訓だった。有能な官僚ではあったけれども、三成がそれを突き抜けることができなかった経緯は、これから徹底して描かれるんでしょう。

茶々(竹内結子)に、

「城が焼け落ちるまで見ていたい」

と自虐的なセリフまで吐かせるあたり、戦国ドラマとしてやはり真田丸は秀逸だと思います。自分のトラウマに、なお塩をすり込むようなことをしたい女性という伏線だ。

伏線といえば、この小田原攻めほど、あのときあいつはこう動いたというオールスターな合戦はないのでは?関ヶ原は、肝心の秀吉がいない。その点、小田原攻めは上杉、徳川、伊達などの名家をそろえ、なんと総勢21万。それでも、出浦(寺島進)は小田原にくみしたいという業の深さ(笑)。まあ、合戦というより政治的パフォーマンスな場でしょうが。

信繁はメッセンジャーとして背中に金ぴかの袋をつけて右往左往。この設定でなければ、歴史の分岐点にはおよそいることができなかったはず。北条氏政(高嶋政伸)は、その視点が持てなかったわけだ。

小田原評定とはいうけれど、しかし最後に小田原は小泉今日子というおそるべきトリックスターを生み出す風土を残すことができたじゃないですか。もって瞑すべし。今回はさすがに視聴率18%近辺と読みました。

第二十四回「滅亡」につづく

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日本の警察 その85「64(ロクヨン)後編」 (2016 東宝=TBS)

2016-06-11 | 日本の警察

その84「64(ロクヨン)前編」の特集はこちら

原作の特集はこちら

初日の1回目で見る。前編のボルテージがそのまま維持できれば、確かに“映画史に残”ったかもしれない。佐藤浩市の、記者たち相手の大芝居や、ポツンと立つ公衆電話が、ある人物の孤独を象徴したりもしていたので。

見終わって、うーんそうきたかと思う。前編で広げた大風呂敷を、妙にお行儀よく小さく折りたたんだなあという印象。ミステリが原作なので紹介がむずかしいのだけれど、64のストーリーの核は

・被害者が加害者になる

・加害者が被害者となり、なおかつ邪悪な瞬間を垣間見せる

これでしょう。誘拐犯を見つけ出すためにある人物がとった行動で読者はみな度肝を抜かれ、この驚きで感動した。ピエール瀧が主演したNHKのドラマも、瀧の地味ぃが演技もあって泣かせてくれたものだった。

でもこの後編はちょっと意外な展開を。まず、ミステリのキモとなる部分を、最初っから明かしてしまうのである。おいおいこれからどうするんだろうと思ったら、主人公が広報官らしくない行動をとる改変が行われている。

確かに、あの行動によって感動は生み出せたかもしれない。しかし三上(佐藤)自らがセリフで説明したように、自分の娘だけでなく、同じように別の人物たちも傷つける結果となってしまったのはなんともしんどい。そのあたり、計算が狂ったのではないでしょうか。

ラストの、公衆電話からの電話で救われた思いをするにしても、わたしは最後まで三上には広報官としての矜持を守ってほしかったと思う。

地方マスコミと中央の大新聞が根っこのところで反目し合っているとか、いやみな警務部長(滝藤賢一)の落胆が気持ちいいとか(笑)、確かに見せはする。

ただ、横山秀夫原作ものではおなじみの二渡(仲村トオル)の行動は不確実にすぎるとか、なぜ嫌味であると同時に魅力的だった県警本部長(椎名桔平)が登場しなかったのかとか、やはり不満は残る。

別に烏丸せつこの登場シーンが少なかったから怒っているわけではございませんよ。ええ、わたしはそんな小さい人物ではございませんよ!(笑)

それにしても、三浦友和はどこまで演技者としてすばらしいんでしょうかね。受けの芝居なのに、同時に攻撃的な刑事であることを納得させるあたり、渋い。

その86 法医昆虫学捜査官シリーズにつづく

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ひょうたん島航海記PART2

2016-06-09 | アニメ・コミック・ゲーム

PART1はこちら

ただ、この武井さんがやさしいだけの人なのか、といえばそれもちょっと違うようだ。なぜなら、彼はなかなかの戦略家でもあったのだ。

自分が準備を始めている連続テレビ人形劇の企画について、須田さん(ひとみ座代表)たちにお話ししました。すると、TBSテレビで放送中の「伊賀の影丸」という番組の人形を見せてくれました。すっきりとした、シャープな作りの人形です。これなら「チロリン村」の人形とはだいぶ雰囲気が違うなと思いました。とにかく、新しい番組をスタートさせる時のポイントは、なによりも、前の番組とは似ても似つかないものにすることだ、と私は考えていたのです。

チロリン村というのは、ひょうたん島の前番組「チロリン村とくるみの木」のこと。黒柳徹子や八波むと志などが声を担当した人気番組。さすがにわたしは一度も見たおぼえがない。二十代で制作をまかされた若きプロデューサーは、それなりに気負いこんでいたようだ。それは声優選びにも顕著で……

(大統領ドン・ガバチョを演じた藤村有弘について)
ドン・ガバチョ大統領の声の藤村有弘さん。この人の評判は、ディレクターの間ではあまりかんばしくありませんでした。遅刻常習、態度尊大、無自覚無反省、などなど。

……それでも、彼の起用にこだわったわけだ。結果的にそれは奏功した。彼のキャラこそがひょっこりひょうたん島の魅力の中心だったからだ。

「~ですぞー!」

という(誰も信用していない)彼の演説は好きだったなあ。大人になってから、彼の性的指向、病気、金銭的苦境などを知ることになったわけだけれど、たとえば「紅の拳銃」における

「お国離れて何百里」

なんて妙な中国語的日本語こそ彼の真骨頂だったわけで、タモリが彼のフォロワーであることが十分に納得できる。以下次号

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明細書を見ろ!2016年6月児童手当号 年に一度のおつとめを。

2016-06-08 | 明細書を見ろ!(事務だより)

2016年2月児童手当号「児童手当とマイナンバー」はこちら

今回は児童手当を受給している人にだけ発行する増刊号です。で、のっけから申し上げますが、本日のあなたの受給額は0,000円です。

さて、児童手当受給のベテランとなった方にはすっかりおなじみのおつとめがあります。市役所に行って書類をとってきてもらいたいのです。なにをとるかというと

・住民票の写し

・あなたの所得額証明書

・(配偶者を税法上の扶養親族にしていなければ)配偶者の所得額証明書

この三つです。

それぞれ、注意しなければならないことがあります。まず住民票ですが

・世帯の全員が記載されていて

・続柄が載っていて

・しかもマイナンバーが載っていないもの

リクエストが多いようですが実は簡単です。酒田市でいえば、申請書の「必要な住民票」の欄では「住民票謄本」を指定し、「住民票に本籍(国籍)・続柄を記載しますか」の欄では「両方記載」か「続柄のみ記載」に○をつけてくれればOK。

鶴岡市の場合は続柄を「のせる」の部分を○でかこんでください。マイナンバーに至っては、「載せてくださいと言われない限りマイナンバーが載っていないのを発行しています」と市民部の職員は言ってましたから、要するになにも言う必要はありません。免許証とお金を市役所に持っていけばなんとかなります。

所得証明は、給与所得だけの人なら最新版はいますぐにでも発行できるそうです。もしも確定申告をしている場合でも、6月15日から発行可。そうです。地区中総体の振替休日とは、このおつとめのためにあると言ってもさしつかえありません(あるけど)。

6月23日(木)までに、事務室に提出してください

今回の1本は、またR-15な映画でもうしわけありませんが「デッドプール」。必見です。恋人同士の愛の語らいが、子どものころいかに不幸だったかの自慢合戦。

「うちは子だくさんでさあ」

「うちがあっただけいいわ」

2016年10月児童手当号「不公平なお手当」につづく

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