2016年期末勤勉手当号PART2「学校事務職員募集中!」はこちら。
今年の4月から、酒田市が全日空の関連会社であるシンクタンク、ANA総研と地域の活性化をめざして提携を結んでいることをご存知ですか。
酒田市は、観光資源開発や人材育成のためにANAのノウハウを活用したいと願い、ANAの側は、地域の魅力を高めて人やモノの流動を増やしたいと思惑が一致。さっそく、市長公室の政策参与として総研の社員がひとり勤務しています。
一方、山形県の学校事務職員は、この8月に全国学校事務研究大会が山形市で開催されるため、日々その準備に追われています。わたしがたまに消えるのはそのためです。酒田市の事務職員も、その多くが大会で受付業務などを行うため、事前に接遇講習をセッティング。講師として招かれたのが、例の政策参与が「いいタマがいます」と紹介してくれたANAのキャビン・アテンダント。おお。
「でもさあ」
案内文書を読みながら
「CAとは言っても、こういうマナー講習みたいのをやる人って、OGじゃないのかな」
うちの教頭は冷静ですね。実はわたしもそう予想して会場に行ったら、バリバリの現役、バリバリの美人でした。いきなりテンション高まる。
研修はなかなかけっこうでした。つかみのネタは
「成田~ロスアンゼルス間の、片道ファーストクラスの正規料金はいくらだと思います?」
正解はなんと103万円。片道でですよ。
つまり航空会社としては、対価103万円に見合うサービスを用意しなければならないのだと。具体的には……
・常に笑顔を絶やさず、待機中も口角をあげて微笑を保つ
・物を渡すとき、方向を示すときには指をそろえる
・相手に合わせた声の大きさを工夫
・相手の話は、相づち・うなずき、アイコンタクト(目を合わせるのが苦手な人は鼻でも可)でしっかりと聞く
・お見送りは感謝の言葉とともに、見えなくなるまでしっかりと
……で、できねえ。おれにはできねえ。しかしANAだけでも7000人いるというキャビン・アテンダントたちは、このようなおもてなしを行うことで、究極の密室である飛行機における突発事項に備えている。別に事務職員の全国大会において
「お客様のなかにお医者様はいらっしゃいませんか!?」
的なことは起こらないだろうけれども、理不尽な、予想もつかないトラブルはきっと起こるだろう。そんなとき、はたして彼女たちのように“笑って”対処できるかははなはだ心もとない。
え、長々と研修を復命したのは、保護者との面談に有効だからかって?まさか。来月の上旬、わたしは山形市に出張なので、なにも期待するな、それだけが言いたかったのです。
研修終了後、講師は函館出身だと明かしてくれました。おいおい、函館出身で全日空とくれば、うちの奥さん(むかし北海道で勤務してました。カーゴ担当)といっしょじゃないか。なのにだいぶ違うなあ。これがCAと地上勤務の差というものかしら(泣)。
画像は「TOO YOUNG TO DIE!」(2016 東宝)
監督・脚本:宮藤官九郎
主演:長瀬智也、神木隆之介、宮沢りえ
バス事故のせいで公開が延期されたいわくつきの作品。でも地獄めぐりの意匠をはぎとってしまえば、今どきめずらしい純愛学園ドラマでした。まあ、校長(古田新太)が閻魔大王ってのは変わってるけど(笑)。Charと野村義男がギターバトルをくり広げるシーンで笑える世代の方が楽しめると思います。
2016年8月号「学校事務全国大会報告。」につづく。