事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

初めて有権者になったあなたへPART2

2016-07-07 | 国際・政治

タイマーズ ロックン仁義

PART1はこちら

大人が投票しない理由として……

1.立候補者にろくなのがいない

まったくだ、と同意したくなる選挙区もあるだろう。でもはたして本当にそうかな。その立候補者を知る努力を有権者の側がしているか?そんなもん向こう(候補者、政党)がアピールするだろう、というのは傲慢な態度というものではないだろうか。だいたい、ろくなのがいないのなら、少しでもましな方を選ぶべきだし、いくら考えても誰にも投票したくないのなら白票を投ずるべきだと思う。

2.政治に関わること自体がけがらわしい

わかるぅ!……じゃないか。投票に行かない理由の最大の部分がこれかな。テレビで国会中継を見れば、汚くて、あざとくて、礼儀知らずなふるまいを、なにしろ人相の悪いお歴々がくりひろげているのに気が遠くなるはずだ。

しかも、国会や地方議会におけるパフォーマンスよりも、それとはまったく関係のない、わたしたちに見えない部分で政治が動いていると思えば、投票などという迂遠な行為になんの意味があるだろうという気にさせられる。むしろ、投票所に行くことは自分を貶めることではないか……

しかしわたしはこう思う。だからこそ、投票すべきだと。政治を薄汚いものだと多くの人たちが忌避することで、それでいったい誰が得をする?低投票率で有利なのは誰だ?

業界団体、宗教団体、労働組合(笑)など、あなたがたがあまり好きではない(んでしょう?)圧力団体のいうがままの政治がくりひろげられ、なおさら政治はゆがみ、密室化するではないか。

第一、政治家が醜悪なのは、投票する側が、そして投票しない側が醜悪だからです。

3.政治ってよくわからない

こういう人ってけっこういる。わたしだってよくわからない。でも、とっかかりとして判断材料はごろごろ転がってるじゃないですか。今回の選挙でいえば……以下次号

本日の一曲はザ・タイマーズの「ロックン仁義」。清志郎、じゃなかったゼリーの本音が泣かせます。オリジナルと微妙に歌詞が違っているのが笑える。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

明細書を見ろ!2016年7月扶養確認号 年に一度のおつとめを~扶養手当、共済篇

2016-07-06 | 明細書を見ろ!(事務だより)

今回は扶養手当を受給しているか、共済組合の被扶養者がいる人にだけお届けする号外です。

目的はシンプルで、対象の収入が扶養の条件である

・年額130万円を下回っているか

・給与の場合は、月額108,300円を下回っているか

を確認するため。まあ、例外は何にでもあって、年金を受給している60才以上の人はまた別の条件になります。近ごろトラブルのもとになっているのは

・日々雇用などで勤務日数が事前に確定している場合、月額108300円を上回ることが予想されるときはその扶養を外す(扶養手当。共済のほうはちょっと違う)

学生のバイトはなかなか侮れなくて、けっこう稼ぐために返納が相次いでいる

……などです。別添の提出書類一覧表をもとに、7月25日(木)まで、このハーフブラインドフォルダにはさんだまま事務室に提出してください。疑問点があったら何でも相談を。

なにしろこの学校の事務職員は、息子がバイトをかけもちしていることに気づかず、多額の返納のために財形貯蓄を切り崩したという情けない体験の持ち主なので、いくらでも語ってさしあげます(泣)。

画像は「海よりもまだ深く」(2016 ギャガ)
監督:是枝裕和 主演:阿部寛、樹木希林

「歩いても 歩いても」(♪ブルーライトヨコハマ)につづいて昭和歌謡の名曲からいただいたタイトル。今回はテレサ・テンの「別れの予感」より。

別れた妻(真木よう子)に未練たらたらで、息子にだけはいい格好をするダメ亭主&ダメ父親。ひとごとじゃないような気がして客席で恐縮してました。そんな阿部寛にリリー・フランキーがかける言葉が名言。

「誰かの過去になる勇気をもつのが、大人になるってことじゃないか」

かっこいー。いつか使おう。どこでだ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

初めて有権者になったあなたへPART1

2016-07-05 | 国際・政治

今度の参院選から、未成年であっても、18才以上のあなたたちに選挙権が“与えられた”と聞く。おめでとうございます。税金をある程度以下しか納めていないとか、あるいは単に女性であるというだけで、政治家になるどころか投票する権利すらなかった時代にくらべれば夢のようだ。

え、別にそんな権利いらなかったって?

まあ聞けよ。これまで、どうして未成年に選挙権がなかったかを考えてほしい。あなたがたには自分が支持する政治家、政党に投票する権利がなかった。それはなぜかといえば、あなたがたにはまともな判断ができるはずがないと思われていたのだ。要するになめられていたのである。

もちろんその背景には、大学生や高校生が60年代末から70年代初頭にかけて、きわめて壮絶な政治的闘争をかましていたことがある。あるいは、高校の場に政治をもちこめば、“寝た子を起こす”ことになるのではないか、ノー天気にスマホをいじっていてくれた方が都合がいいと考える誰かがいたのだ。

誰か、とは政治家にかぎらない。わたしたち大人、いわゆる世間の気分としてそんな感じだったのが正直なところ。やっぱりいずれにしても、あなたがたはなめられていたのである。だから冒頭で“与えられた”と念押ししたのは、選挙権を獲得するためにあなたがたが何かしたわけではない、ということをおぼえておいてほしかったから。

そうは言っても、有権者だった大人たちはこれまでだって半分は権利を行使していないじゃないかって?……痛い。痛いなーその指摘は。

まったくそのとおりだ。せっかく権利を持っていても、投票所に行ったこともないと自慢げに語る大人も多い。それはいったいどうしてなんだろう。いろいろと、考えられます。以下次号


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「本当の学校事務の話をしよう」 柳澤靖明著 太郎次郎社エディタス

2016-07-04 | 学校事務職員

読んでいるあいだ、ずっとドキドキしていた。ここには確実に“自分と同じようなことで思い悩み、しかし自分と違ってはっきりと問題解決に動き出した”学校事務職員の姿がある。学校事務職員のリアルが存在するのだ。もっと若いころにこんな本が出ていたらなあ。

「あの……この本を書いた人って、どんな商売の方なんですか?」

ヤナギサワにもらったチラシを若手にぶんまいていたら、著者近影にいきなりつっこまれた。確かにホスト系のルックスだけどさあ(笑)。

彼はなによりも埼玉県の現役の学校事務職員なのであり、現役であるからこその試行錯誤の日々がつづられている。しかし誰かさんの馬鹿げたエッセイと違い、歴然と学校以外の世間に向けて、いま学校はこうなっているんですよ、学校事務職員とはこんな仕事をしているんですよと発信している。閉じていないのだ。学校をむしろ客体化しているというか。

その意味で、彼がいつも手がけている保護者向けの事務室だよりの姿勢に近い。だから各ページに、われわれベテラン学校事務職員なら誰でも知っていることがらについて注釈がついていて、事務職員以外にもまことに読みやすくなっている。

あ、おれは今うそをつきました。ベテランの事務職員でもよくわかってないことが懇切丁寧に解説してあるので「おー、そういうことだったのか」と目からウロコがバランバランと落ちる仕掛けになっている。その意味でも必読。

もちろんこの本をもっとも面白く読めるのは学校事務職員自身だろうとは思う。公費と私費の区別に悩み、公費増額に学校事務職員ならではの手法で取り組むその手練手管が直接参考になるし、就学援助や未納問題について、若いくせにこれだけ冷静に対処できるのだから腹も立つ(笑)。

それは違うんじゃないかという点や、埼玉だけしか通用しない話でもあるんじゃないかとつっこむ人もいるだろうし、もっとすごい実践を自分はやっているぞという手ごわい人もいるかも。

でもこれだけは言える。その話を、ここまで面白く語れるのはヤナギサワだけだ。ほんとうなら一気に読めるのに、こりゃもっとだいじに読まなきゃ、とセーブしながら読みました。絶対のおすすめ。あなたが、学校事務職員であってもなくても。

amazonで買うならこちら。

https://www.amazon.co.jp/%E6%9C%AC%E5%BD%93%E3%81%AE%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E4%BA%8B%E5%8B%99%E3%81%AE%E8%A9%B1%E3%82%92%E3%81%97%E3%82%88%E3%81%86-%E3%81%B2%E3%82%8D%E3%81%8C%E3%82%8B%E8%81%B7%E5%88%86%E3%81%A8%E3%81%93%E3%82%8C%E3%81%8B%E3%82%89%E3%81%AE%E5%85%AC%E6%95%99%E8%82%B2-%E6%9F%B3%E6%BE%A4-%E9%9D%96%E6%98%8E/dp/4811807944

e-honならこちら。

http://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000033448811&Action_id=121&Sza_id=E1

でもわたしの読者のなかには、あえて教育用品系で注文してくれた人もいた。なるほどなるほど。彼らにも学校事務職員とはなにかを知ってほしいしね。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

真田丸 第二十六回「瓜売(うりうり)」

2016-07-03 | 大河ドラマ

第二十五回「別離」はこちら

前回の視聴率は18.3%と予想を上回り、好調をキープ。とはいえ、往時の「独眼竜政宗」や「武田信玄」のようなばかげた視聴率は無理にしても、もうひとつ突き抜けないのはなぜだろう。

わたし、お茶の間で見るにしては「真田丸」は濃密すぎるんだと思います。

シーンそれぞれにダブルミーニング、トリプルミーニングの嵐では、たとえコント芝居が勘所で用意してあったとしてもテレビドラマとしてはしんどい。今回もかましていますよ。直接的なタイトルのとき、三谷幸喜はドラマをひねりまくる。で、今回のように突拍子もないタイトルのときは、かえってドラマの本音のところが出て来やすい。もっとひねりまくっているとも言えるけれど(笑)。たとえば……

・朝鮮、明に攻め込むことで息子を失った哀しみをふりきったように見える秀吉。信繁に向かって「わしの頭がおかしくなったと思っているのであろう?」と例によって目は笑わずに問う。天下を統一したからこそ諸大名に“仕事”を与えなければならないとする主張には説得力がある。もう恩賞の土地は国内にはないし……でも、これはやはり秀吉の頭がおかしくなったための所業だと視聴者にうっすらと悟らせる。

・だめ押しに仮装大会を秀吉に開かせる。このばかげた史実に三谷幸喜は狂喜したと思う。実は士気が下がっていることなど承知の秀吉(次の子が生まれるから無理をする必要はなくなったという扱い)、うんざりな家康(今回は内野聖陽が脱いでます)、演し物が秀吉とかぶったために欠席せざるをえず、プライドがズタズタになる昌幸、妙にはりきっている片桐且元(小林隆)など、キャラ中心のドラマづくりの名手にとって、これほどおいしいネタはない。当時の世相をすべてぶちこんである。自分の芸の未熟さに気づかない秀吉に、朝鮮出兵の無謀さを象徴させたのはうまい。

これだけだったらこの回は頭でっかちに終わったろう。でも婆様(草笛光子)が、臨終のシーンの定型を大きく裏切って信繁と信幸に遺した言葉にはグッとくる。

ただちょっと演出がぬるい部分もあって……あ、その方が視聴率はアップするんだろうか。朝鮮出兵という歴史的タブーの回だけれど、まさかの19%台と予想。

第二十七回「不信」につづく

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今月の名言 2016年6月号 バラ色の未来

2016-07-02 | ニュース

The Beatles - Let it be Lyrics

2016年5月号「都知事」はこちら

「未来に向かって責任感の強い人たちと3分の2を構成していきたい。参院選でしっかりと訴えていく」

1月の安倍首相の発言。ところが肝心のその参院選では憲法改正を論点としないと強調。わたし、思うんだけど、参院選で論点としていなかったから憲法改正に首相が意欲的ではないと考える人はいないでしょう?でも報道や野党は、まず第一にアベノミクスがどうしたのと、“むこうの土俵”に立っているように思える。

TPPにしてもそうだ。これが「農業を切り捨てて工業製品の輸出をしやすくする」ものであることは確実で、その基本を踏まえた上で日本はそれを受け入れるかの話をする人はほとんどいない。攻めの農業?もちろんそれを望む人はいるだろう。しかしその数は驚くほど少ないはずだ。しかしバラ色の未来を描いてみせるために大きくフューチャーされている。

本気の論議はどこにもない。そしてわたしが恐れるのは、今度の参院選も低投票率に終わり、なし崩し的に憲法まで変えられるのではないかということだ。なんか、盛り上がってないですもんね。


「EUに吸い取られていた金を、これからは自分たちの福祉や教育、医療のために費やすことができる。子どもたちの将来のため正しい選択をした。」

EU離脱派の男性が胸を張って。明確に嘘であることが投票後にどんどんあからさまになっているのに。イギリスも同じように有権者に安易な美辞麗句がふりまかれ、そして有権者は安易にその虚言にのってしまった。オトナの国でなどなかったわけだ。

EUにいることに不満はどこだってある。でも、なによりもこの組織は、血塗られたヨーロッパをまた戦場にしないための知恵の存在だ。結成されたのはほとんど奇跡ではないかと思う。そこを、イギリス人が壊そうとしている。まあ、どっちが勝つにしろ、国民投票にしてしまった時点でどっちも負けだったわけだが。

「奴ら(政治家たち)は戦争に出向くかって時には投票で俺たちに訊きやしなかった。そうだろ?」

ノエル・ギャラガーの発言は勘所を突いてますね。それにしても日本のマスコミは右も左も一斉に離脱を非難してます。これもちょっと気持ち悪い。ベネディクト・カンバーバッチキーラ・ナイトレイが残留を強く支持したのは心強いけれど。

本日の一曲はビートルズ「レット・イット・ビー」ポールの投票への態度。これもひとつの見識か。賢き言葉ですもんね。彼の、特にソロになってからの曲はイギリスの民謡に深く傾倒しているように聞こえる。

そういえば、若いころALTと酒を飲みに行くときに
「お待たせ。何を考えていたの?」
「人生について」
「結論は?」
「なるようになるさ(Let It Be)」
「賢いわ(笑)」
とほめてもらったものでした。

2016年7月号「ポケモンGOでGO!」につづく

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする