第二十八回「受難」はこちら。
前回の視聴率はめずらしく的中して17.0%。この数字を基調として動いていくのかな。
今日のお話は、信繁(堺雅人)が正室を迎え(誰かわたしに彼女の魅力を解説してくれないですか)、ついこの間までさみしい生活を送っていた信幸(大泉洋)が、あろうことか本妻(吉田羊)と前妻(長野里美)を同日に懐妊させるという離れ業を演じ(誰かわたしにこのようなことができる方法を教えてくれないですか)、昌幸(草刈正雄)は伏見城の普請にかこつけて吉野太夫のもとへ通い、薫(高畑淳子)を激怒させる……
要するに緊張感ただようホームドラマなのだが、歴史ドラマとしてそれにいちいち陰を仕込んでいます。
・信繁の義父となった大谷吉継には、のちの宿痾がうかがえるシーンが出る(大河ドラマとしてギリギリの線だったかも。関ヶ原のときはどうするのだろう)。
・信幸の前妻がすぐそばにいることに、妻がどの時点で気づいたかは描かれない。しかしそのことを父親(本多忠勝)に伝えていなかったことで、夫を憎からず思っていたことをさりげなく。
・昌幸は妻が公家の出ではなかったことを息子ふたりに告げ、それ以降の薫の言行にこれまでとは違った色をつける
……といった具合に例によってダブルミーニングの嵐。やれやれ。しかしそれ以上に強調されたのは秀吉の老い。おねしょは軍師官兵衛でも描かれていたけれど、あちらは二階堂ふみという若くて若くて仕方がない淀君の前で失禁する悲哀があった。こちらは三成と信繁が、ある方法でごまかすコント芝居(笑)。こちらもけっこうですけどね。
秀頼が秀吉の本当の子であったか、それは淀君以外の誰にもわからない。でも秀吉に権力への妄執があったとすれば、誰の子であったとしても秀頼にすがるしかない。とすれば徳川を……この構造が真田家の兄弟にしっかりシンクロする回。
年をとってから子が初めて出来た気持ちを、三谷幸喜はこれからうっすらとドラマにしのばせるのかもしれない。視聴率はやはり17%台維持と読みました。フジテレビがなんかやっていたとしても。
明日の朝は検診。自分の身体はどうなっているのかしら。秀吉の気持ちもちょっとわかるわあ(言いすぎ)。画像は山形出身の橋本マナミです。細川ガラシャで島田陽子を超えるのはきついなあ。
第三十回「黄昏」につづく。