Vol.04「とみ将、川柳」篇はこちら。
わたし、今日は所用があって(どうとでもとれる言い方)、山形市へ妻と娘といっしょにクルマで。山形市なんだから名物のお蕎麦でも食べようということになり、とくれば名店で有名な三津屋がいいのではないかと。いつもラーメンばかり食べているので行ったことないですわたし。
確かこのあたりだと思ったのに判然としない。娘のスマホでナビらせてようやく到達。十日町の出羽路庵。うわ、こんなに混んでるのか。駐車場はおとなりの神社のを使わせていただけるようだけれども、しばらく路上で待たなければいけない状態。
どうしても2時にはこの店を出なければならないのに、なにしろ激混み。でもなんとかすべりこめて「時間がないんだからシンプルなオーダーにしよう。」
『大板そば一枚!』
この、板そばというシステムが山形だけだと知ったのは日テレの例の番組のおかげ。
「あ、雨が降ってきたわ」妻が気づく。
「へー、そんな気配ぜんぜんなかったのにな」
「お父さん、それどころじゃないわよ」
車軸を転がすような(一度使ってみたかった表現)雨。そして雷鳴。店に飛びこんできたお客さんが「えらいことになってるー」と。
「食べ終わるころには晴れるだろ」
わたしはあくまで楽天的。食べ終えたら、クルマに行くためには足首まで水につかる状態。なんとか妻と娘を乗せてさあ駅前通りを……でえええええ、車道どころか舗道まで濁流。
県庁方面に向かうも、工事現場のカラーコーンやら、どっかの店先から出て来たスプレー缶、そしてなんでこんなのがと思うぐらいのタイヤが流れてくる。
冠水したら、クルマの電気系統がやばいんだよな。予想どおりわたしのゴルフはいきなり調子が悪くなってしまい、近くの小路に逃げる。なんだこりゃあ。わたし、道路がこんな状態になったの見たことないです。
土地が(標高として)高い部分を選んでなんとか目的地に着く。実は娘のシューカツの一環だったんだけど、いっしょに面接を受ける男性たちはコンビニから出られなかったらしく、その企業の人から迎えに来てもらったそうだ(笑)。親切なところで助かった。
その後、クルマはどうも咳き込むようになり、酒田まで帰ってくるのがすごく不安。交差点ではエアコンを切り、ギアをPに入れてふかし……なんとか帰宅。疲れたぁあああ。
あ、三津屋のお話でしたね。まことにけっこうなお味だけど、また来たら今日の光景を思い出すんでしょう。ま、それもいいか。「団扇どうぞぉ」と、記念にいただいた品をみるたびに(三人で三枚いただきました!)、やはり今日を思い出すはず。それもいいか。
明日、クルマ動くかなあ……。
VOL.06「麺屋まるぶん」につづく。