民謡 会津磐梯山(福島) 大塚文雄
うちの学校のPTA広報に載せたネタその2(その1はいずれ)。毎号、「おぼげだ」というタイトルで驚いたことを職員が披露するのである。
校地内全面禁煙なので、前任校でも正門前でタバコを吸っていました(どうもすみません)。すると通りすがりの住民の方々からさんざん説教されることに。
「まだきみは禁煙できないのかね!」
「はあ」
そんな会話をしているうちになぜか深い話になってしまい
「やはり、自分の子どもには本を読ませるべきだと思うよ」
「はあ」
「まあ、そのせいもあったか、うちの娘は物書きになったんだけどね」
「……物書き?」
「○○というんだ。まあ、知らないだろうけど」
でええええ、某芥川賞候補作家じゃないかっ!おぼげだ。
……この、○○の部分に入るのが、石田千。わたし、彼女の「あめりかむら」しか読んだことがなくて、おとうさんが近所に住んでいることも知りませんでした。おぼげだ(驚いた)。
「唄めぐり」は、芸術新潮の連載で、石田が日本各地を訪ねてその地の民謡にまつわるあれこれを取材したルポ。さすが、嵐山光三郎門下だけあってさりげないユーモア(とにかく酒を飲みまくり、神社では良縁がありますようにと祈っている)がたっぷり。その土地の人たちへのリスペクトも感じられて気持のいい本だ。ボリュームもたっぷり。
民謡が、それぞれオリジナルな曲として存在するのではなく、ある地方の唄が、商人や職人によって伝えられ、違う曲になっている例が多いことに驚く。
そして、レコードという存在が、そのままであれば常に形を変えるであろう民謡というものに、良かれ悪しかれ一種の完成形を与えた事実には考え込まされた。
「小原庄助さん♪」という会津磐梯山の一節が、レコード化の際に勝手につけ加えられ、地元が反発したなどと聞くと、民謡についてわたしは何にも知らなかったんだなとつくづく。いやーおぼげだ。
ということで本日の一曲はまたしても大塚文雄さんの「会津磐梯山」。これには本当に慄然としてしまいました………え、この人は山形県の出身だったの?マジ知りませんでした。あー怒らないでー。バックコーラスはシュープリームスもびっくりのファンキーさです!