今度の参院選から、未成年であっても、18才以上のあなたたちに選挙権が“与えられた”と聞く。おめでとうございます。税金をある程度以下しか納めていないとか、あるいは単に女性であるというだけで、政治家になるどころか投票する権利すらなかった時代にくらべれば夢のようだ。
え、別にそんな権利いらなかったって?
まあ聞けよ。これまで、どうして未成年に選挙権がなかったかを考えてほしい。あなたがたには自分が支持する政治家、政党に投票する権利がなかった。それはなぜかといえば、あなたがたにはまともな判断ができるはずがないと思われていたのだ。要するになめられていたのである。
もちろんその背景には、大学生や高校生が60年代末から70年代初頭にかけて、きわめて壮絶な政治的闘争をかましていたことがある。あるいは、高校の場に政治をもちこめば、“寝た子を起こす”ことになるのではないか、ノー天気にスマホをいじっていてくれた方が都合がいいと考える誰かがいたのだ。
誰か、とは政治家にかぎらない。わたしたち大人、いわゆる世間の気分としてそんな感じだったのが正直なところ。やっぱりいずれにしても、あなたがたはなめられていたのである。だから冒頭で“与えられた”と念押ししたのは、選挙権を獲得するためにあなたがたが何かしたわけではない、ということをおぼえておいてほしかったから。
そうは言っても、有権者だった大人たちはこれまでだって半分は権利を行使していないじゃないかって?……痛い。痛いなーその指摘は。
まったくそのとおりだ。せっかく権利を持っていても、投票所に行ったこともないと自慢げに語る大人も多い。それはいったいどうしてなんだろう。いろいろと、考えられます。以下次号。