ホタルの独り言 Part 2

ホタルの生態と環境を52年研究し保全活動してます。ホタルだけでなく、様々な昆虫の生態写真や自然風景の写真も掲載しています

ほたる出現予想(2024)

2024-04-16 21:57:05 | ホタルに関する話題

 ほたる出現予想2024を、民間の気象情報会社㈱ウェザーニュースが4月11日に公式Webサイトにて発表した。(ウェザーニュース ほたる出現予想2024
 それによると、2024年の傾向として「高温傾向で例年並み~やや早く出現 西日本や東日本では5月中旬から出現ピーク」だと言う。その理由として「冬の終わり頃から春にかけての気温が高いほど、飛び始める時期も早くなる」とし、都道府県別のほたる出現傾向のページでは、「2024年のほたるの見頃予想日を都道府県別にズバリお伝えする」と言い切っている。
 東日本では、「東日本のほぼ全域で5月下旬までに飛び始め、5月中旬~6月上旬に出現ピークを迎える予想。東京など関東南部でも5月下旬には出現ピークとなる。」らしい。東京に関しては、5月13日を出現開始とし、5月27日をピーク開始として公表している。尚、出現開始とピーク開始は、各都道府県の中で最も早いタイミングを記載としている。

 ほたる出現予想のほたるとは、ゲンジボタルのことで良いと思う。(北海道はヘイケボタルでなければおかしい)ウェザーニュースは、出現開始とピーク開始ともに、各都道府県の中で最も早いタイミングを記載という逃げ道を作って記載しているのは、同じ都道府県の中でも標高差があり発生時期が異なるから無理はないだろう。そのことも考慮して判断すると、私の予想では、西日本は例年通りで、中部地方を含む東日本では、例年通り~やや遅いと思っている。年々、発生が少しずつ早くなっている傾向があるから「例年」の時期も分かりにくくなっているが、昨年に比べれば一週間ほど遅い場所もあると思っている。その理由は、これから解説したいと思う。

  まず、皆さんには正しい知識を持って頂く必要がある。ウェザーニュースの言う「冬の終わり頃から春にかけての気温が高いほど、飛び始める時期も早くなる」は、必ずしも正解ではない。それに「冬の終わり頃から春にかけて」という言葉も曖昧で分からない。飛び始める時期を決定するのは、蛹になるために上陸した日とその後の気温(正確には地温)である。
 幼虫の上陸時期は、西日本は3月下旬頃から4月中旬頃で、東日本は4月上旬頃から下旬にかけてだが、各地域によってだいたい決まっている。そして上陸を開始するには条件がある。日長時間と気温と降雨である。幼虫は体内時計によって日長時間から季節を判別している。概ね12時間から13時間にならないと上陸しない。月日で言えば春分の日以降になる。(ただし、室内で人工飼育した幼虫を放流すると、体内時計が狂っているために早く上陸したり、上陸しなかったりもする。)次に、18時頃の気温が10℃以上でなければ上陸はしない。更に、雨が降らなければ上陸はしない。しかも、昼前からしっかりと降る雨でなければならない。つまり、冬の終わり頃から春にかけての気温が高くても、条件が合わずに上陸が遅い時期になれば、成虫になる時期も少し遅れるのである。上陸後から羽化までは積算温度が関係しているから、上陸後に日々の温度を計測すれば出現日を予測できる。(参照:ホタルの発生に及ぼす温暖化の影響について

 では、東京に限るが、私も今年2024年のほたる出現予想をしてみたいと思う。ウェザーニュースでは、最も早い場所で、5月13日に出現を開始し、5月27日からピークが始まるとしている。私が言う「出現」とは、完全な自然発生地でのことである。先に記したように、室内飼育した幼虫を放流している場所は、体内時計が狂っていて早く上陸することもあるので該当しない。また、養殖した成虫を放っている場所は、論外である。

 東京都には自然発生地がいくつもあるが、例として出現の早い順でA地区(三鷹市 標高47m)、B地区(標高180m付近)、C地区(標高220m付近)、D地区(標高400m付近)の4地区について予想してみたい。三鷹市は昨年に公表のもとで観察会を行い、当ブログにおいても掲載しているので地名を記したが、他の地区の具体的な場所については、非公開とさせて頂きたい。
 まず、出現日の決め手となる幼虫の上陸についてであるが、実は、まだ上陸が行われていない。3月と4月16日現在まで、条件がまったく合致せず、4地区とも上陸していないのである。したがって、各地区で、それぞれこの日に上陸するであろうと思われる日を設定し、気温については、気象庁の長期予報から4月~6月は平年より高いとの予測であるから、昨年の気温を当てはめて有効積算温度を計算し、ほたる出現予想をしてみた。結果は以下である。尚、ピーク日はメスも発生して個体数が一番多い日を指している。ただし、発光飛翔数は、天候や月明かりによって影響を受けるので、光っている数と全体の生息個体数は、必ずしも一致しない。

東京都内のほたる出現予想出現開始日、ピーク日(実際の出現開始日、ピーク日)
  • A地区 / 5月29日、6月7日(5月10日、5月24日)
  • B地区 / 6月5日、6月15日(5月26日、6月8日)
  • C地区 / 6月12日、6月22日(6月5日、6月20日)
  • D地区 / 6月24日、7月1日(6月23日、〇月〇日)

 私の東京都内におけるほたる出現予想2024では、比較的早くホタル(ゲンジボタル)が出現する場所でも5月29日で、ピークは6月7日、最も遅く出現する場所では、6月24日に出現、ピークは7月1日となった。勿論、この予想日は、実際に上陸が行われた日とその後の気温で大きく変わる。
 他の県では、高知県土佐市在住の知人から4月4日から上陸が始まったと連絡を頂いたので計算すると、5月16日から出現し、ピークは5月25日となった。四万十市など南部は、これよりも数日早いだろう。ちなみにウェザーニュースでは、5月8日から出現し、ピークの開始は5月17日としているから、南部の方は当たっているかもしれない。
 私的には、どちらの予想が当たるのかは、どうでも良い。ただウェザーニュースの「冬の終わり頃から春にかけての気温が高いほど、飛び始める時期も早くなる」という曖昧な記述によって、一般の方々に誤解を生んで欲しくないのである。「ホタルは、きれいな水でないと棲めない」と未だに思っている方々が多いのと一緒で、曖昧な知識は間違いの選択肢を選ぶ一番の要因となってしまう。細かな生態は知らなくても、100の曖昧な知識より10の確実な知識を持って頂きたい。
 ホタルの発生時期が近づくと、様々なWebサイトで桜の開花情報と同じように「ホタルの見頃」などが掲載される。観賞目的の方々にとってはスケジュールが組みやすいだろう。どうか10の確実な知識の精度を上げて頂き、ホタルに懐中電灯やスマホの明かりを向けることなく、今年も、多くのホタルが飛び交う様に感動し、その背後の自然環境の大切さに思いを馳せて欲しいと思う。
 今年も、各地のゲンジボタルやヒメボタルの観察と撮影を予定しており、その都度、当ブログで報告したいと思うが、まずは岐阜県郡上市のゲンジボタル幼虫の上陸観察である。現地の守る会の観察では、本日ようやく上陸開始となったようである。次の降雨の日に訪れたいと思う。

以下の掲載写真は、東京都内の自然発生地において、ストロボを使用せず自然光だけで撮影したゲンジボタルです。1920×1280ピクセルで投稿しています。写真をクリックしますと別窓で拡大表示されます。

発光するゲンジボタルの写真
発光するゲンジボタル
Canon 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F2.8 10秒 ISO 1600(撮影地:東京都B地区 2012.06.16 19:30)
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TOKYO-FM にゲスト出演しました

2023-04-21 19:10:18 | ホタルに関する話題

TOKYO-FM にホタルの話題でゲスト出演しました。

事前収録で、TOKYO-FMに行って、ホラン千秋さんと1時間強おしゃべりしてきました。
ホランさんは、とてもチャーミングで気さくで、楽しい時間を過ごしてきました。
放送は4月30日(日)と5月7日(日)の何と、2週連続のゲスト出演。時間は12:00~12:25です。
全国38局ネットの全国放送!!お聴き下さった方々、ありがとうございました。

番組を聴き逃してしまったり、もう一度聴きたい時は、番組ポッドキャストで聴くことができます。
4月30日放送
5月7日放送

TOKYO-FM Drive Discovery PRESS https://www.tfm.co.jp/discovery/

コロナ過では、講演の依頼やマスコミの取材も少なかったのですが、今年は多くなりそうです。 ご要望があれば、ホタルと環境保全のために全国どこへでも出向きますので、お声かけください。

東京ゲンジボタル研究所 古河義仁 furukawa@tokyou-hotaru.com


ホタルの本の執筆

2023-01-30 13:23:11 | ホタルに関する話題

 このところ全く更新していないので、ご心配頂いている方もおられると聞き、近況を報告したいと思う。

 私はこれまでに著書が2冊あるが、また本を出しませんかというお話を頂き執筆を始めた。もちろんホタルの本だが、今度は小学4年生以上対象の児童書である。私のホタル研究51年の自分史でもあり、200ページ程の内容にしたいと思っている。
 児童書は何冊か監修の経験はあるが、自身で書くのは初めてで、なるべく専門用語は使わず、それでいて生態や光害等の問題を分かりやすく書くのがたいへんで、少々手こずっているのが現状。今のところ発行時期は未定だが、休日の時間のすべてを執筆に費やしており、少しずつ内容が出来上がってきている。2月中には書き上げたいと思っている。
 個人的には、いつかホタルでも自然風景でも良いのだが、立派な写真集を出してみたい。

 そんなわけで、全く写真撮影には出掛けていないが、来週のこの時間には、初めて撮影する光景を紹介できると思うので、訪問頂きたいと思う。

ホタル百科
ホタル百科
東京ゲンジボタル研究所 著/丸善出版(株) B6判 112ページ \1,680(税込)
ISBN 978-4-621-07435-0
2004年05月 初版発行
2012年09月 第6刷発行
ホタル学
ホタル学~里山が育むいのち~
古河 義仁 著/丸善出版(株) A5判 144ページ \1,995(税込)
ISBN 978-4-621-08389-5
2011年05月 初版発行
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ヒメボタル幼虫観察会

2022-11-07 16:24:10 | ホタルに関する話題

 今年の6月にヒメボタルの保全指導で訪れた高知県いの町波川地区の木漏れ日公園に、再度、国土交通省 四国地方整備局 高知河川国道事務所から依頼があり、今回はヒメボタルの幼虫の生息場所調査と観察会のため訪れてきた。
 2週間前に公園内の13カ所に10個ずつのトラップを仕掛けておいてもらい、午前中にすべてを回収して中身を確認し、夕方から参加者とともに大鍋をご馳走になり、陽が沈んでから林内を探索した。
 残念ながらトラップにヒメボタルの幼虫はかかっておらず、また夜間においても幼虫の発光を確認することはできなかった。そのかわり、オオマドボタルの幼虫数頭が発光している様子を観察することができ、ウスカワマイマイを食べている様子も見ることが出来た。多くのお子さんを含む参加者全員が、ホタルの幼虫の発光を初めて見たとのことで喜んで頂き、無事に終了した。
 目的は、公園の整備とヒメボタルの保全であり、来年も引き続き調査を行いながら整備保全計画を進める予定である。

 高知へは、11月6日(日)羽田7:35発JAL491便、高知龍馬空港9:00着で向かい、その夜は高知グリーンホテルに宿泊。翌7日(月)に高知龍馬空港11:45発JAL494便、羽田13:00着で帰路に就いた。6日は、駐車場が空いていないといけないという不安から朝6時に羽田に着いたが、駐車場の空はかなり多かった。しかしながら、空港の出発ロビーは人で溢れていた。こんなに混雑している羽田は3年ぶりである。
 以下には6日の昼間の空き時間に高知河川国道事務所の方々とともに訪れた仁淀川の名越屋沈下橋とにこ淵の写真も掲載した。にこ淵では「仁淀ブルー」と呼ばれる美しい水の色を見ることが出来た。写真はすべてスマートフォンでの撮影である。昼食は、いの町のトンカツ専門店「とんかつ芳松」にて四万十とんかつ定食160gを頂いた。ちなみにここのカツサンドは、「高知家のうまいもの大賞」を受賞している。

関連投稿記事「高知県いの町のヒメボタル保全

ヒメボタル幼虫観察会
ヒメボタル幼虫観察会
ヒメボタルの生息環境の写真
ヒメボタルの生息環境
大鍋を囲んでの写真
観察会参加者と大鍋を囲んで
オオマドボタルの幼虫の写真
オオマドボタルの幼虫
名越屋沈下橋の写真
名越屋沈下橋
にこ淵の写真
にこ淵(仁淀ブルー)

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日本ホタルの会オンライン談話会 開催のお知らせ

2022-08-28 11:32:02 | ホタルに関する話題

日本ホタルの会オンライン談話会を開催します。
今回は、7月23日に3年ぶりに開催しましたヒメボタル観察会を振り返りたいと思います。観察会では、写真撮影の講習会も行いましたので、私の写真と映像、そして皆様の成果もご紹介できたらと考えています。ズームを用いたオンライン談話会となりますので、お気軽にご参加いただければ幸いです。どなたでも参加できます。参加費は無料です。

日 時  2022年9月17日(土) 20時から(90分程度を予定)
テーマ  ヒメボタル観察会に参加して-感想を聞かせてください-
進 行  日本ホタルの会  本多 和彦

参加方法
オンライン談話会は、Zoomを使用します。アプリを起動し、ミーティングに参加するクリックあるいはタッチしていただき、次のIDとパスコードを入力してください。ミーティングに参加するだけでしたらサインインの必要はなく、 アプリも無料で使用できます。
ミーティング ID 815 6749 1304
パスコード     815199
Zoomミーティングに参加する
https://us02web.zoom.us/j/81567491304?pwd=ay9JOGRoT1RIMHgzMnFYdFBZNDMyUT09

お願い

談話会の録画、録音はご遠慮ください。
観察会に参加された方へ
今回の談話会は、ヒメボタル観察会に参加された皆様の感想や撮影した写真の紹介などを中心に進めてまいります。撮影した写真のご紹介をいただける方は、あらかじめその旨をメールにてお知らせください。 うまく撮影できなかった方からのご質問もお受けします。メールは、前日9月16日(金)までにお願いします。当会スタッフが撮影したものも紹介させていただきます。

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日本ホタルの会主催 ヒメボタル観察会・写真撮影講習会開催のお知らせ

2022-06-20 20:31:23 | ホタルに関する話題

日本ホタルの会では、コロナ禍により2年連続で開催を見合わせていた発生地でのホタル観察会を再開します。今年度は、掲載した写真の場所の静岡県でヒメボタルを観察します。また、ヒメホタルの写真撮影講習会も行います。どなたでもご参加頂けます。以下をご一読の上、メールにて参加申し込みをお願いします。尚、写真撮影の講師は、私、古河が担当します。

日  時 2022年7月23日(土) 19時ころから23時 雨天決行
観察場所 富士山麓(静岡県・掲載写真の場所)
募集人数 20名(先着)

集合場所及び観察会の流れ
集合場所  道の駅すばしり(静岡県駿東郡小山町須走338-44)足湯前
集合時間  16時までに参集
事前説明  足湯近辺で事前ミーティング
      ・全体スケジュール説明
      ・ホタル観察のレクチャー(ヒメボタルとは、ホタル観察の諸注意)
      ・ホタル発生地保全のお願い
      ・保険の適用について
      ・ホタルの撮影方法講習について(希望者のみ)
夕 食  各自レストラン等で食事、再集合時間までは道の駅内で自由行動
再集合  18時00分に足湯前に再集合
出 発  駐車場の場所(所在地)をナビに入力してもらい出発(道の駅から目的地まで30分ほど)
到着後  観察地の概要及び時間・観察方法を再レクチャー。写真撮影者はスタンバイ。
待 機  発光開始時間までは、各自星空の観察など自由に過ごしてください。ただし、駐車場外には出ないようお願いします。
観察会  ホタルの発光が始まる頃にお声がけしますので、集合してください。
     ホタル観察の注意事項及びポイントをご説明しますので、スタッフの指示に従って行動してください。観察時間が長くなるので、途中で帰る場合はスタッフに申し出てください。
     23時ころに終了とする予定です。ヒメボタルは、23時ころから乱舞しますので、残っていただくことは可能ですが、最後のスタッフが引き上げるときには、
     必ずご一緒くださるようお願いします。
参加費  無 料
申込方法 メールによる事前申し込み      お名前(代表者名)と参加人数、写真撮影講習希望の方はその旨記載してください。
      hotarunokaijimukyoku@gmail.com
申込期限  2022年7月15日(金) 参加申し込みされた方には、後日、確認のメールを事務局より致します。

ご参加にあたって
・現地集合、現地解散の観察会です。道の駅から観察場所までの交通手段はありませんので、自家用車でご参加ください。
・ヒメボタルは、雨でも発光しますが、濃霧の場合は見られないことがありますので、あらかじめご承知おきください。
・夜になると気温が下がること、また、自然の中での活動になりますので、長袖、長ズボンでの参加をお勧めします。上に羽織るものがあるとより良いと思います。
・駐車場にトイレはあります。
・ヒメボタルの観察は、暗い場所になりますので、あるきやすく滑りにくい、はきなれた履物での参加をお願いします。
・懐中電灯は、使用できませんので、ご注意ください。(ホタルへの影響があり、写真撮影をしている人の妨げにもなります)
・帰りの道中(自動車移動も含む)は、深夜となりますので、十分に注意してください。

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高知県いの町のヒメボタル保全

2022-06-20 12:40:37 | ホタルに関する話題

 「仁淀ブルー」の愛称で知られる高知県の仁淀川。いの町の波川地区には、仁淀川の河川敷に木漏れ日公園があり、観光客を誘致しようと公園を整備するなどの事業を進めているが、今年の5月になってから木漏れ日公園内の林でヒメボタルが乱舞していることが分かった。
 この情報はSNSで拡散され、「いの町の仁淀川でヒメボタル見頃 暗闇に光を放ち飛び回る」とNHKのニュースでも取り上げられ、地元の関係者、学識者、いの町、国土交通省でヒメボタルの観察会を実施したところ、ヒメボタルの生息を確認。公園整備事業とヒメボタル保全の両立が課題となった。
 そこで、高知県ホタルネットワークの石川憲一氏を介して国土交通省 四国地方整備局 高知河川国道事務所より連絡があり、私がヒメボタル保全のための現地視察と指導に呼ばれることとなった。

 6月18日の19時羽田発で高知へ。その日は西鉄イン高知はりまや橋に宿泊。翌19日は10時より木漏れ日公園にて「第2回 波川地区かわまちづくり推進協議会」に参加する形で視察を行った。参加者は、高知河川国道事務所長、いの町の町長をはじめとする各関係者の他、NHKと高知新聞社も取材に来ており、保全の本気度が伺える。NHKのインタビューも受け、早速19日夕方には高知県内で放送された。「仁淀川流域の公園整備事業 ホタルの保全との両立目指し調査
 ヒメボタルのより良い生息環境の整備と維持、そして公園整備の両立ための課題が明確になり、幼虫の生息調査など今後も指導を行っていくこととなった。19日は16時20分発のJALで羽田へ。

 以下には、スマートフォンでの撮影だが、ヒメボタルが生息する木漏れ日公園や、視察後に高知県ホタルネットワークの石川憲一氏にご案内いただいたゲンジボタルやヒメボタルの生息地の写真を紹介した。どこにでもゲンジボタルやヒメボタルが生息しているといった感想だが、ヘイケボタルにおいては、放棄水田が多く、かなり減少傾向にあるという。
 来年の飛翔時期には、木漏れ日公園をはじめ各生息地を訪れたいと思っている。

ヒメボタルが生息する木漏れ日公園の写真

ヒメボタルが生息する木漏れ日公園(高知県いの町波川地区)

ヒメボタルが生息する木漏れ日公園の写真

ヒメボタルが生息する木漏れ日公園(高知県いの町波川地区)

ヒメボタルが生息する木漏れ日公園の写真

ヒメボタルが生息する木漏れ日公園(高知県いの町波川地区)

ヒメボタルが生息する木漏れ日公園の写真

ヒメボタルが生息する木漏れ日公園(高知県いの町波川地区)

ゲンジボタルが乱舞する川の写真

ゲンジボタルが乱舞する川(高知県)

ヒメボタルが乱舞する神社の写真

ヒメボタルが乱舞する神社(高知県)

ヒメボタルが生息地の写真

ヒメボタルが生息する山林(高知県)


ホタル研究50年

2022-01-01 10:37:36 | ホタルに関する話題

皆様、新年明けましておめでとうございます。
ホタル研究50年を迎えた本年、新年に当たり私の思いを綴りました。お読みいただければ幸いです。
素晴らしい自然とホタルが、いつまでも存続し続けるために私のやるべきことは、まだまだ山ほどあります。
コロナに打ち勝ち、皆様とともに歩んで参りたいと存じます。
どうぞ、2022年もご指導ご鞭撻の程、よろしくお願い申し上げます。

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ホタル研究50年

 都会の高級レストラン。ドメーヌ・ルフレーヴの余韻を楽しみながらのオードヴル。窓越しに見える庭園では、高層ビルを背景に小さな命が灯をともす・・・。
 或いは、家族連れで賑わう商店街。傍らの殺風景な流れでは、露店の明かりが途切れた一角で、1つ、2つとかすかな光。見つけるたびに、歓声があがる・・・。
 これはいずれも、最近のホタル狩りの光景である。豊かな里山環境の象徴と言われるホタルだが、学校、公園、ホテル、会社の受付等々、今や至る所で見ることが出来る。果たしてこれは、すばらしい自然が戻った結果なのだろうか。

 ホタルと出会って50年。千葉県松戸市の水田でヘイケボタルを見たのが最初である。子供心にも感動し、その時の光景は今でもはっきりと覚えている。仙台ゲンジボタル研究所の故浅田義邦先生をはじめ矢島稔先生(現ぐんま昆虫の森名誉園長)にご指導を頂き、これまでホタルの生態や生息環境の地域特性を調べてきた。いつも自然とホタルは多くのことを教えてくれる。そして感動を与えてくれる。
 数年前にある場所を訪れた時もそうであった。そこは、今でもすばらしい自然環境が数多く残されており、関東で一番早くゲンジボタルが発生する地域である。高速道路を降りると直ぐさま現れる水田と、その傍らにまっすぐに延びる単線は、都心から僅かな距離でありながら、さわやかな風と共に「田舎」というイメージを強く心に刻み込んでくる。

 幾重にも連なる低い山並みと緑の谷戸。(谷津ともいう)おそらく、どこを歩いても多くの生き物たちに出会えるに違いない。何気なく立ち寄った溜め池ですら、モリアオガエルの卵塊がせり出した木の枝に幾つもぶら下がり、水中ではトウキョウサンショウウオの幼生が、マルタンヤンマのヤゴに食われぬように逃げ回っている。道草を食うと思いがけない味わいに驚くものである。
 前菜を終えて、いよいよメインディッシュ。私を至福の時空へと誘うのは、こんもりとした茂みと広がる稲の原。それに沿うように流れる小川。土手は草刈りもされていない。草の匂い、土の匂い、そしてホタルの匂いを感じる。
 近くで農作業をしていた方に尋ねれば、「ホタルなんかいっぱいおるよ。」とぶっきらぼうな返事。ここでは、ホタルは珍しくもない普通の虫なのだろう。剛毅木訥な主人との会話は、あっという間に夕暮れの田園風景の中に吸い込まれていった。

 日没までの間、コンクリートジャングルを離れ、緑の大地を踏みしめながらゆっくりと散策すれば、普段は気づかないものもよく見えるものだ。新たな発見もある。フィールドワークの大切さをかみしめながら周囲の景観と一体になる自分を感じる時、ホタルに対する熱い思いが込み上げてくる。
 19時。日は沈んでもなかなか暗くならない。いつ光るのか?本当にホタルいるのか?不安と期待を胸に待つ。やぶ蚊の襲来に抵抗しながら、ひたすら待つ。西の空から残照が消える頃、小川を覆う茂みの中でぽつりと光り出す。しばらくすると、それに呼応するかのように、またぽつりと光る。そして暗闇というタクトに合わせて彼らのシンフォニーが幕を開ける。
 ドビュッシーの「牧神の午後への前奏曲」の冒頭を思わせるかのように、一匹が静かにゆっくりと飛び始める。そして、いつしか光のハーモニーは谷戸という舞台を埋め尽くし、やがて壮大なコーダへと展開していくのだ。民家も点在し、「里山」という人々の暮らしと共にある場所でありながら、車のライトや懐中電灯に照らされることもない。
 このホタルの舞う風景は、ここでは当たり前の事として、遙か昔から何ら変わることなく毎年続いてきたのだ。そして、里山という豊かな生態系に支えられる自然環境が、ホタルを育て身近な生き物として大切に守ってきたのだと改めて気づかされる。ふと気が付けば、何もかも忘れて「無」になっている自分がそこにいる・・・。

 日本各地でホタルの飼育や養殖が盛んに行われている昨今、水槽でたくさん飼育して、3月に幼虫を放流し、何百も成虫が飛んだと喜んでいる。一体、何年放流し続ければ定着するのだろうか。
 生態観察ではなく、いかに簡単に沢山の幼虫を飼育するかに終始する環境教育。餌とともに放つビオトープで成虫が産卵することはない。自然河川があるにも関わらず、河川の保全には目もくれず、その隣に何千万円という税金で人工的なホタルの小川を建設することも珍しくない。こうした施設の中には、担当者が変わっただけで飛ばなくなる所もあると聞く。
 ホタルが生息できない環境にも関わらず、イベント用として養殖業者から購入して何千匹と放す。彼らにとって、ホタルは単なる商品にすぎず、生態系だの遺伝子など関係ない。法的規制がないホタルビジネスは、もはや3億円市場だ。故に養殖業者が跳梁跋扈する。裏では、自然に発生している貴重なホタルが、次々と乱獲されているのである。
 遠方への移動によって遺伝子攪乱も頻繁に起こり、固有種は絶え続けている。餌として外来種の巻き貝も持ち込まれ、河川の生態系が崩れ掛けている。
 自然環境から離され、まつりやイベント等の客引きとして放される孤影悄然なホタルたちを見て、人々は自然環境に思いを馳せるのだろうか。真に癒されるのだろうか。「美しい国、日本」は、どこへ行くのだろう。
 里山という自然環境の中で本来のホタルの姿と出会う時、私はいつもこう思う。「彼らのためにできることは何か」と。

 平安時代から日本人の目を楽しませ心癒してきたホタル。しかし現在の風潮は、人間の管理の下にホタルを出すこと飛ばすこと、ホタルを見て楽しむだけで、その先の風景に目は届いていない。このままでは、ホタルの舞う本来の情景も、風情を感じる感性も忘れてしまうのではないか。ホタルが飛ぶということの意味さえ忘れ、里山に乱舞する姿も消えてしまうのではないだろうかと心配でたまらない。
 レストランの恋人同士や商店街の親子の会話の中には、自然を慈しむ言葉は出てこない。まして、光でしか会話することのできないホタルが、光害によって言葉を失っていることなど知る由もない・・・

 ホタルは、里山という豊かな自然環境の結晶である。誰もが、彼らの叫びに真剣に耳を傾けなければならない時である。素晴らしい自然とホタルがいつまでも存続し続けるために、私のやるべきことは山ほどあるのだ。

2022年 元旦 東京ゲンジボタル研究所 古河 義仁

ゲンジボタルの写真
発光するゲンジボタル(高感度撮影)

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日本ホタルの会オンラインシンポジウムのお知らせ

2021-11-12 22:44:45 | ホタルに関する話題

日本ホタルの会オンラインシンポジウムのお知らせ

-ホタルを通じて身近な自然環境を考える-ヒメボタルの魅力と多様性

昨年同様、新型コロナウイルスの感染拡大のため、今年度も日本ホタルの会シンポジウムをオンラインにて開催します。
テーマは、ヒメボタルを取り上げ、その魅力と多様性に迫ります。
ヒメボタルは、ゲンジ、ヘイケに次いで知られていますが、生息場所や発光時刻の違いなど、謎も多いホタルです。
どなたでもご参加いただけますので、是非、ヒメボタルの世界へご一緒しましょう。

期日 2021年11月28日 14時から

https://us02web.zoom.us/j/85838215074?pwd=N0czRjkwSzh4RVVSWSthcWd0ajlUUT09
ミーティングID:858 3821 5074
パスコード:464907
※ミーティングは、Zoomで行います。Zoom アプリを用意してください。(アプリがあれば無料で参加できます。サインアップは必要ありません。)

プログラム

14:00 開 会 (ご挨拶とお願い)
14:05 趣旨説明 鈴木 浩文(日本ホタルの会 副会長)
14:10 講 演 鈴木 浩文(日本ホタルの会 副会長)「ヒメボタルの分類 について 」
14:35 講 演 古河 義仁(日本ホタルの会 理事)「ヒメボタル生息地の環境特性と発光・飛翔等の特性、形態について-生息地域による比較-」
15:05 講 演 斎藤 昌幸(山形大学農学部 准教授)「ヒメボタルの生息環境を評価する:山形県庄内地方の高館山周辺における事例」
15:35 休 憩
15;45 総合討論
※総合討論では、司会者の進行に沿って、ご意見・ご質問をお願いしま す。ご質問は、チャットでもお受けします。休憩時間中にチャットに記載してください。
16:20 閉会

リモートシンポジウムご参加の皆様へのお願い

① 講演中は、ご自身のマイク、ビデオは切っておいてください。ただし、総合討論の際は、マイク、ビデオは、使用可能となります。
② 著作権、肖像権等に関わりますので、シンポジウムの録音・録画はご遠慮ください。

シンポジウム後の懇親会について

シンポジウム終了後にオンラインによる懇親会を開催します。
シンポジウムの講演、総合討論で聞けなかったことやその他のホタルの話、みなさまの地域の話題など、お聞かせいただければと思います。 シンポジウム終了後、15分ほどの休憩を取った後に1時間程度を考えております。お好みのアルコールなどもご用意いただき、お気軽にご参加いただければと思います。


ホームページ開設20周年

2021-04-20 16:58:46 | ホタルに関する話題

 ホタルと出会って49年が経ちました。千葉県松戸市の水田でヘイケボタルを見たのが最初です。子供心にも感動し、その時の光景は今でもはっきりと覚えています。その後、仙台ゲンジボタル研究所の故浅田義邦先生をはじめ矢島稔先生(現ぐんま昆虫の森名誉園長)にご指導をいただき、ゲンジボタルを中心に彼らの生態や生息環境の研究に取り組んで参りました。
 そして2001年にホームページ「東京にそだつホタル」を開設致し、本年で20年となりました。このブログ「ホタルの独り言」もコンテンツの1であります。ホームページ「東京にそだつホタル」は、私のホタルに関する観察や研究をまとめた「自分史」のようなものですが、今後のホタルや自然の保護に役立つのであれば、私にとってこの上ない幸せでありやり甲斐でもございます。
 必要な情報がインターネットを通じていつでも取り出せるこの時代。「東京にそだつホタル」は、ホタルを見るため見せるためといった人々のためではなく、「ホタルのため」にその保護に役立つよう、今後とも常に正しい情報を発信して参ります。

 来年は、ホタル研究50周年になります。まだまだ謎が多いホタルの生態。興味が尽きることはありません。更なる探求心と愛情をもってホタルたちと向き合っていきたいと思います。
どうぞ、ご指導ご鞭撻の程、よろしくお願い申し上げます。

東京ゲンジボタル研究所 代表 古河義仁

ホームページ東京にそだつホタルの写真

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ホタル舞う谷戸を埋めるな!

2020-06-28 17:55:01 | ホタルに関する話題

ゲンジとヘイケが同時に舞う貴重な自然 ~東京都八王子市川町 大沢川源流の谷戸~

 私のブログでは、ホタルをはじめとする昆虫類の記事では、撮影場所の明記は都道府県までとしているが、この記事に関しては、地名の詳細を記している。 これは、地元の方々のご意向でもあり、日本全国の皆様に現状を知って頂きたいという願いからである。

 東京都八王子市川町を流れる大沢川の源流部には、0.2haほどの小さな谷戸がある。雑木林と小川、そして湿地(以前は水田)という典型的な里山環境を呈している。この谷戸には、ゲンジボタルとヘイケボタルが生息し、6月末~7月上旬には、両種が同時に舞う光景が見られる。2種が生息する場所は都内では他にも存在するが、同時期に2種が飛翔する所は極めて珍しい。しかしながら、「源平合戦」の貴重な谷戸は、無くなる危機にある。民間の事業者が大量の建設残土で埋め立てを行い、スポーツ施設を作ろうとしているのである。谷戸は、すでに事業者が土地所有者から買い取り、大部分が立ち入り禁止になっている。しかしながら、事業者にはスポーツ施設を作り、運営するだけの資金がなく、おそらく各地の建設現場で発生する捨て場に困っている建設残土で谷戸を埋める事業だけで終わるだろうと言われているのである。
 この谷戸のホタル保全には、開発以外にもう一つ問題がある。現在は放棄放置されているため、湿地の植生遷移が進行し大部分が草原となっており、ヘイケボタルの生息が危ぶまれている、また、周囲の雑木林も何の手入れもされていない(手入れすることができない)状態のため、急斜面では昨年の台風で崩落が進み、ゲンジボタルの幼虫が生息する小川に大量の土砂の流入が見られた。大木も傾きかけており、このままでは更に大規模な崩落があるかもしれない。里山環境は、放棄放置によって環境悪化が進むのであるが、今は、悪化を見ているだけの状況なのである。

 当地には昨年の7/5に初めて訪れ、ゲンジボタルとヘイケボタルが舞う「源平合戦」を写真に収めているが、今回は、映像を撮ることを目的に27日に再訪した。当初の予定では、7/4に行く予定であったが、地元の「八王子市川町の環境を守る会」の方々から連日観察報告がメールであり、発生状況と天気・天候から6/27に行ってみることにした。
 天気は曇りで無風。19時の気温は26℃で、まさにホタル日和である。林道で待機していると、19時20分。足元と背後の草むらでヘイケボタルが発光を始めた。20分後に飛翔を開始。ヘイケボタルは、あまり広い範囲や高い位置まで飛びまわることは少ないが、当地の暗くて風のない谷戸では、湿地中央や雑木林の高い梢の方まで飛んでいく。
 20時を過ぎると、湿地と雑木林の間を流れる小川上をゲンジボタルが飛び始めた。昨年10月の台風19号の影響で幼虫が流されたのであろう、ゲンジボタルは10頭ほどの飛翔数であったが、ヘイケボタルは100頭以上が湿地のあちらこちらで飛び回っていた。
 20時40分頃になるとヘイケボタルはどの個体も雑木林脇の下草や、高い梢に止まり、静かに発光するようになった。しばらくすると発光も止め、活動時間は終了となった。ゲンジボタルもいつの間にか姿を消していた。

 この「源平合戦」が見られる東京の貴重な自然が、開発と放棄放置によって失われる危機にあることを一人でも多くの方々に知って頂きたいと思う。そして、一刻でも早く良好な里山環境が維持できる状況になるよう、微力ながら地元の方々に協力していきたいと思う。

 今年のゲンジボタル(ヘイケボタル)の調査・観察・撮影は、来週末が最後である。その後は、7月末までヒメボタルの連続になる。

参照:東京のホタル(源平合戦の危機)川町の残土埋立に反対する住民集会

お願い:なるべくクオリティの高い写真をご覧頂きたく、1024*683 Pixels で掲載しています。ウェブブラウザの画面サイズが小さいと、自動的に縮小表示されますが、画質が低下します。Internet Explorer等ウェブブラウザの画面サイズを大きくしてご覧ください。また動画においては、Youtubeで表示いただき、HD設定でフルスクリーンにしますと高画質でご覧いただけます。

ゲンジボタルとヘイケボタルが舞う谷戸の写真

ホタルの生息地
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / 絞り優先AE F1.4 3分相当の多重 ISO 250(撮影地:東京都八王子市川町 2020.6.27)

ホタル舞う谷戸を埋めるな!ゲンジとヘイケが同時に舞う貴重な自然~東京都八王子市川町 大沢川源流の谷戸~

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ホタルを滅ぼすホタル観賞 これが光害だ!!

2020-06-14 15:29:14 | ホタルに関する話題

 今月はゲンジボタル、来月はヒメボタルの生息環境の調査・研究を進めるための計画を立てているが、この週末は伊豆方面に遠征する予定であったが、悪天候であったため、急遽、場所を変更し、山梨県内の生息地へと足を運んだ。
 その場所は、ゲンジボタルの自然発生地であり、幼虫の上陸観察には何度も訪れているが、成虫が舞う時期の訪問は、2005年6月11日以来である。15年もの間、6月に一度も行かなかったことには理由がある。それは、あまりにもホタル観賞者が多いからである。ホタル祭りが行われ、観光バスや乗用車が何十台も来る。川沿いは人で溢れる。当然のことながら「光害」が酷く、ゲンジボタルは、ほとんど発光飛翔しないのである。その光景が、とても悲しく、悔しい思いをしたので、二度と行くまいと思っていた。
 ところが、今年は新型コロナウイルスの感染拡大防止のために「ホタル祭り」は中止となったため、また、最盛期でもあり、更には天候も雨のち曇りという予報であったことで当地に行って見ることにしたのである。

 13日の14時に自宅を出発。途中の中央道は本降りの雨。現地には16時半にし、日暮れを待った。
 19時には雨も止み、川沿いで待機していると、19時24分、一番暗い茂みの中で一番ボタルが発光を始めた。ホタル祭りが中止となった影響だろう、観賞者は私以外には一組だけであった。気温は22℃。蒸し暑く、まさにホタル日和。次第に発光する数が増え始め、飛翔するようになった。
 20時近くになると、川沿いの県道を通る車がいきなり多くなった。小さな集落はあるが、車は地元の方ではなく、すべてホタル観賞に訪れた車である。車が通るたびに、少しの間だけヘッドライトの明かりが河川に当たるが、それほどの影響はない。問題は、駐車場所である。ゲンジボタルが飛び交う河川に横づけで止め、しかもヘッドライトを消さない。ハザードは付けたまま。路上には、それが何台も止まっているのである。ちょっと見たら帰る。ドライブスルー的ホタル観賞である。
 当地には、大きな駐車場があるのだが、祭りが中止のために駐車場も閉鎖。(この駐車場にも問題があり、駐車した車のライトがすべて川に当たるのである。)私は離れたスペースに車を止めたが、他の観賞者はすべて路上駐車である。当然、ゲンジボタルは発光を止める。車がいなくなり、やっと暗がりが戻っても、すぐには発光飛翔を再開しない。茂みの中から徐々に発光を始めるが、また車のライトが当たる。今度は、遊歩道を懐中電灯を照らしながら歩いてくる。またゲンジボタルは発光を止めてしまう。ずっと、その繰り返しであった。私は、終始無口を通したが、懐中電灯を振り回すお子さんが私の横を通り過ぎようとした時、「写真を撮っているから灯りを消しなさい」という声。相変わらず、分かっていない。私は軽く会釈はしたが、心の中で「ホタルのために灯りを消してほしい」と言った。結局、今回もやるせない気持ちで当地を後にした。当地にはホタル保存会が存在するが、いったい何のために活動しているのか疑問である。先々週に訪れた千葉県は、保存会すらない、まったくの自然のままの里山である。そこがいかに素晴らしいかが良く分かる。
 この日は、当地のゲンジボタルの発生時期のピークであると思うが、発生数はここ15年で10分の1にまで減っているように思う。

 以下の写真は、当地での光景であるが、上記の現状を表してはいない。19時半の光り始めから、9秒間の露光を1秒間隔で光終わる21時まで撮影したカットの中で、ホタルが発光飛翔したカットだけを全て重ねたものだからである。その露光時間はのべ8分である。つまり、ホタルの活動時間約90分の中で、ホタルがまともに光りながら飛べたのは、わずか8分ということになる。
 ホタルは、光る昆虫である。オスは光ながら飛ぶ。メスは、飛ばずに下草で光っている。メスは、飛んでいる光を見つけると下草で光りだす。オスは、飛びながら、メスの光を見つけるとメスのいる所へ降りていく。そして、光で会話が始まるのである。フラれてしまうオスもいる。メスは、たくさんいるオスの中で一番、光の強いオスを選び、結ばれるのだ。お互いの光は、暗闇でなければ見えない。0.1Luxの月明りでさえ、ホタルの会話を邪魔するのだ。
 暗闇が必要なホタルに車のライトが当たる。懐中電灯が当たる。ホタルは、光ることを止めてしう。これが「光害」である。ホタルは、灯りの当たらない僅かな瞬間で会話をしなければならないのである。こうしたホタル観賞がホタルを滅ぼすのだ。
 ホタル観賞に車で行く時は、ホタルが光りだす前の19時に行く。帰るのは、光終わった21時。(私の車はハイブリッド車で、生息地近くではEVモードで走行している。)あるいは遠くに車を止めて歩いてくる。日暮れ前の19時から小川のほとりで待っていれば、目が慣れるので懐中電灯は必要ない。これは、ホタル観賞のマナーではない。ホタルと自然環境を保全する鉄則だ。そうしなければ、ホタルは滅びてしまうのだ。
 こう書くと「お前も来てほしくない部類だ」とか「カメコはわがままだ」という批判をコメントで頂くが、まずは、光害の動画を是非ともご覧頂きたい。それから議論したい。私は撮影者として、研究者として現場に立っているが、本来は、私も含めて誰も行かなければホタルにとっては幸せなんだろうと思う。ただ、こうした現状を多くの方々に理解していただくことも必要である。このような記事がホタルと自然環境の保全に少しでも役立てば幸いである。

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ゲンジボタルの飛翔風景の写真

ゲンジボタルの飛翔風景
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Carl Zeiss Planar T* 1.4/50 ZE / バルブ撮影 F1.4 8分相当の多重 ISO 800(撮影地:山梨県 2020.6.13)

ホタルを滅ぼすホタル観賞 これが光害だ!!

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日本ホタルの会シンポジウム開催のお知らせ

2019-10-15 18:56:02 | ホタルに関する話題

日本ホタルの会シンポジウム開催のお知らせ

第26回 日本ホタルの会シンポジウム
-ホタルを通じて身近な自然環境を考える-

主催:日本ホタルの会
日時:2019年11月9日(土)14:00~16:30
場所:工学院大学 新宿校舎 高層棟8階 A-0815教室 東京都新宿区西新宿1-24-2
参加費:500円(日本ホタルの会会員は無料)
事前登録不要, 定員170名

シンポジウムのテーマ:生物多様性を考慮した自然環境の保全・再生活動

 ホタルに関連する生物多様性の問題としては、ホタルを優先的に保全しようとする弊害やカワニナへのえさやりなど、生態系の多様性(環境)に関するものが少なくありません。一方,販売されているホタルを観光や興行目的で放出するケースや、ホタルの再生を進めたいが適切なホタルを容易に入手できない、ビオトープへの導入ホタルはどのように考えればよいのかなど、遺伝子の多様性への関心も高いと考えられます。しかし,他地域からの持ち込みは、感覚的には好ましくないと分かるのですが、その影響がどのように進み、何がもたらされるのかについて明確に答えることは難しいと考えられます。
 ホタルを身近に楽しみたい、子どもたちに見せてあげたい、遺伝子の多少の違いにこだわる意味が分からないなど、そういった声に答えられるようにしていかなければならないと思います。
 今年のシンポジウムでは、まず、東京近郊におけるゲンジボタルの遺伝子攪乱現況を解説します。そして,ユネスコ・未来遺産「見沼たんぼプロジェクト」に参加している「見沼田んぼ保全市民連絡会」代表の村上氏より、30年に渡る市民活動を通して、遺伝子の保全を含めて生物多様性を保全できるような保全市民活動の進め方をご講演して頂きます。その後,会場の皆様と共に、生物多様性を考慮した自然環境の保全・再生活動のあり方を考えていきたいと思います。

【プログラム】

2019年11月9日(土)

13:30 開場

14:00~14:05 開会の挨拶
日本ホタルの会会長 本多和彦

14:05~14:30 シンポジウム趣旨説明
『東京近郊のゲンジボタルの遺伝子攪乱現況』/日本ホタルの会副会長 鈴木浩文

14:30~15:30 基調講演
『見沼田んぼ保全活動30年から市民活動への伝言』/見沼田んぼ保全市民連絡会代表 村上明夫

15:30~15:40 休憩

15:40~16:25 質疑応答
司会:日本ホタルの会理事 渋江桂子

16:25~16:30 閉会の挨拶
日本ホタルの会理事 井上 務

ホタルの写真

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川町の残土埋立に反対する住民集会

2019-08-25 19:06:11 | ホタルに関する話題

 川町の残土埋立に反対する住民集会が、8月25日、高尾の森わくわくビレッジにて開かれ、ホタル保全の立場から特別ゲストとして講演を行ってきた。

 ブログ記事「東京のホタル(源平合戦の危機)」で記したが、東京都八王子市川町にある大沢川源流部の谷戸では、ゲンジボタルとヘイケボタルが同時に飛び交う「源平合戦」が見られるたいへん貴重な場所である。周辺には、食物連鎖の頂点であるオオタカが生息し、毎年その雛が巣立ちをしている。これは、この地域に多種多様な生物が生息し、豊かな生態系が維持されていることを意味し、物理的環境を含むその豊かな生態系に支えられてゲンジボタルとヘイケボタルが生息しているのである。
 しかしながら、民間の事業者が大量の建設残土で埋め立てを行い、スポーツ施設を作ろうとしているのである。谷戸は、すでに事業者が買い取り、大部分が立ち入り禁止になっている。ただし、事業者にはスポーツ施設を作り、運営するだけの資金がない。収支計画(施設管理費-施設利用費)をみても、毎年2千万円以上の赤字になっている。おそらく各地の建設現場で発生する捨て場に困っている建設残土を谷戸に埋める事業で終わるだろうと言われている。
 盛土高38mの残土埋立は、55万立方メートルで1日に130台のダンプカーが4年間も行きかう量に相当するが、それを抑える堰堤は、昨今の大雨に耐えられるだけの設計ではなく、大規模土砂災害の危険性も示唆されている。2年前には、同じような盛土をした戸沢峠が崩壊したが、当地に計画している残土による盛土は、遥かに規模が大きく、崩壊した場合に土砂が襲ってくる場所には宅地が広がっているのである。しかしながら、事業者が行政に提出した図面には誤りが多く、あまりに乱暴な計画だと建設コンサルタントは言う。
 計画が実行されれば、直接的もしくは間接的にホタルの生息する谷戸には影響があり、おそらく壊滅的ダメージを受けるだろう。この谷戸を守ろうと「川町の環境を守る会」が結成され、7年前にはTBSテレビ(噂の!東京マガジン)でも紹介されたが、何の進展もなく、八王子市の開発許可のGoサインがでれば大量の建設残土が持込まれる状況にある。

 そこで今回、川町の残土埋立に反対する住民集会が開催され、市議会議員や弁護士を含め100名を超える住民集会参加者、グリーンタウン高尾自治会、グリーンタウン高尾管理組合法人、川町の環境を守る会によって以下の「行動宣言」がなされた。

  1. 私たちは、誰もが安心して暮らせる生活環境の実現を目指します。
  2. 私たちは、自然を破壊し、災害発生の恐れがある開発に断固反対します。
  3. 私たちは、八王子市に対し住民本位の仕事をするように要求します。
  4. 私たちは、東京都及び八王子市に対し、破綻することが明白な(仮称)八王子スポーツパーク計画を許可しないよう要求します。

 ゲンジボタルとヘイケボタルが同時に飛び交う、東京唯一の貴重な谷戸。これは八王子市だけでなく、東京都の財産であり自然遺産である。今回、講演を行うとともに、東京都及び八王子市に対し、ホタルと環境保全に関する意見書も作成した。是非とも、この事実を多くの皆様に知って頂き、ご意見を頂戴したいと思う。
 以下の写真は、今年の7月5日に撮影したゲンジボタルとヘイケボタルが舞う光景と、そこに計画されているスポーツパークの看板である。

ホームページ:八王子市川町の環境を守る会

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ホタルの写真

ゲンジボタルとヘイケボタルの舞う光景
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Carl Zeiss Planar T* 1.4/50 ZE / バルブ撮影 F1.4 ISO 320 18分相当多重露光(撮影地:東京都八王子市川町/大沢川源流部の谷戸 2019.7.05)

(仮称)八王子スポーツパークの写真

(仮称)八王子スポーツパーク

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東京のホタル(源平合戦の危機)

2019-07-06 21:40:50 | ホタルに関する話題

ゲンジとヘイケが舞う谷戸が埋め立ての危機~東京都八王子市川町/大沢川源流部の谷戸~

 東京のホタルも、そろそろ終わりであるが、今回は、たいへん貴重な観察と撮影ができた。何とゲンジボタルとヘイケボタルが 同時に飛び交う「源平合戦」が小さな谷戸で見られたのである。場所は、東京都八王子市川町にある大沢川源流部の谷戸である。
 東京都内では、ヘイケボタルの自然発生地は極めて少ない。農薬を使わない水田がなくなり、里山の谷戸にある湿地で細々と生きているが、その湿地も里山の放棄・放置で植物が生い茂り植生遷移が進み、また土砂が少しずつ流れ込み、乾燥化・陸地化が進んでいることにより、絶滅が危惧されている。
 東京以外では、ゲンジボタルとヘイケボタルが生息している里山は多いが、ゲンジボタルの方が発生時期が早く、両種が同時に舞うことは多くはない。今回訪れた谷戸の下流域は、2週間ほど前からゲンジボタルの発生が始まっているが、上流域は遅れて発生することにより叶ったと言える。写真では、湿地の上をヘイケボタルが低く飛び、その上をゲンジボタルが飛び交っているのが分かる。
 19時15分。谷戸の最奥の杉の梢で1頭のヘイケボタルが光り始めた。次第に雑木林から湿地に続く斜面でも草むらの中で光り始め、19時半に飛び始めた。すると、向かいの雑木林の中で強い発光が。ゲンジボタルである。幼虫は、湿地と雑木林の間を流れる細流に生息している。この日の天候は曇り。気温23度で無風。ただし空一面を覆う雲に都会の灯りが反射して明るいため、条件は最良ではない。ゲンジボタル20頭、ヘイケボタルは30頭ほどであったが、20時を過ぎる頃からは、見事な「源平合戦」が見られた。

 この源平合戦が見られる貴重な谷戸は、無くなる危機にある。実は、民間の事業者が大量の建設残土で埋め立てを行い、スポーツ施設を作ろうとしているのである。谷戸は、すでに事業者が買い取り、大部分が立ち入り禁止になっている。ただし、事業者にはスポーツ施設を作り、運営するだけの資金がなく、おそらく各地の建設現場で発生する捨て場に困っている建設残土を谷戸に埋める事業だけで終わるだろうと言われている。「八王子市川町の環境を守る会」が結成され、7年前にはTBSテレビ(噂の!東京マガジン)でも紹介されたが、何の進展もなく、八王子市の開発許可のGoサインがでれば大量の建設残土が持込まれる状況にある。
 これまで、この谷戸における源平合戦の証拠となる写真がなかったこともあり、「八王子市川町の環境を守る会」に協力する形で訪れて撮影した。今後は、東京都に対しても保全に向けた運動を展開するにあたって、ホタルと環境保全の勉強会等も開催し、協力していきたい思う。また地名は「八王子市川町の環境を守る会」の要望で、あえて記載することにした。

 写真2と映像は、前記事で紹介した東京都内多摩西部の山間部の渓流に再度訪れて撮影したものである。今回は、上流方向にカメラを向けて撮影した。 発生のピークは過ぎ、前回よりも飛翔するオスの数は少なかったが、写真も映像も自己満足できる出来であった。
 ただし、今回も気になったことがある。前回はカメラマンのマナーだったが、この日は車のライトであった。渓流は深い谷の底であるから、道路の街灯や走る車のライトの影響は全くない。では、なぜ「車のライト」が気になったかと言うと、実は渓流のすぐ傍にお寺があり、そこには車が数台止められる駐車スペースがあるのである。私は、わざわざ約1km手前の大きな駐車場から歩くが、お寺の駐車場を知っている方は、そこに車を止める。川までほんの数メートル。数段の階段を降りればホタルを見ることができる。平日でも満車になる。
 問題なのは、車のヘッドライトがホタルが飛び交う川を照らすということである。暗くなってから来る。まだホタルが飛んでいる時間に帰る。狭い駐車場で何度も切り返せば、ヘッドライトが川の広い範囲を照らす。ホタルは発光を止め、暗くなってもしばらくは発光しない。観賞に来られる方の中には、脚の不自由なご老人もいらっしゃるので、その駐車場は便利ではあるが、何か対策を講じないと、いつか影響がでるだろう。

 東京のホタル。残すはヒメボタル。2009年7月11日にツキノワグマに遭遇しながら、命がけでフィルムで撮影した都内の山間部のヒメボタルを今度はデジタルで奇麗に撮影したいが、この週末は雨で気温が低く断念。降雨は問題ないが、気温が15℃では活動が鈍い。次の週末に決死の覚悟で、再挑戦したい。
 またヒメボタルは、昨年、レンズキャップを外し忘れて一枚も撮れていなかった場所においてのリベンジも予定している。この写真と映像を撮り終えたら、今年に撮影した映像を編集してまとめたい。

参照ホームページ:八王子市川町の環境を守る会

お願い:なるべくクオリティの高い写真をご覧頂きたく、1024*683 Pixels で掲載しています。ウェブブラウザの画面サイズが小さいと、自動的に縮小表示されますが、画質が低下します。Internet Explorer等ウェブブラウザの画面サイズを大きくしてご覧ください。また動画においては、Youtubeで表示いただき、HD設定でフルスクリーンにしますと高画質でご覧いただけます。

ゲンジボタルとヘイケボタル
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Carl Zeiss Planar T* 1.4/50 ZE / バルブ撮影 F1.4 ISO 320 18分相当多重露光(撮影地:東京都八王子市川町/大沢川源流部の谷戸 2019.7.05)

ゲンジボタル
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Carl Zeiss Planar T* 1.4/50 ZE / バルブ撮影 F1.4 ISO 320 4分相当多重露光(撮影地:東京都 2019.7.02)

ゲンジボタルの飛翔映像
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Carl Zeiss Planar T* 1.4/50 ZE (撮影地:東京都 2019.7.02)

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