ホタルの独り言 Part 2

ホタルの生態と環境を52年研究し保全活動してます。ホタルだけでなく、様々な昆虫の生態写真や自然風景の写真も掲載しています

2021年の自己ベスト(自然風景編)

2021-12-27 17:16:09 | 自己ベスト/風景、昆虫

 2021年の自己ベスト(自然風景編)

 2021年も新型コロナウイルスに振り回された年であった。1月初めから新型コロナウイルス感染者が急激に増え、緊急事態宣言が幾度となく発令され、8月には無観客での東京オリンピックが開催。私は、ワクチンを2回接種し、これまで一度も感染することなく過ごしているが、現在では、新たな変異ウイルス(オミクロン株)の市中感染が少しずつ出始め、第6波に備えなければならない状況で年末を迎えた。
 前記事の「2021年の自己ベスト(昆虫編)」でも記したが、自然風景の写真撮影においても、感染対策を十分に行って各地へ遠征してきた。その中でも人のいない夜間の撮影、特に「星景写真」へ挑戦し数多く撮影した。ホタル以外の分野ではアマチュア写真の域を出ないが、「星景写真」においては、新たにカメラやレンズを購入することなく、山積する課題に対して1つ1つ取り組み、何とか見られる写真を撮れるようになってきた。これまで自然風景写真では、人工物を一切入れないことをモットーにしてきたが、「星景写真」ではあえて主役にすることも必要であることを学んだ。
 以下には、あくまでも自己満足の範疇だが、今年の自然風景自己ベスト10点を選んで掲載した。ベスト1には、「アタテュルク騎馬像と星空」を選んだ。アタテュルクが指さす方向には、2022年の夢と希望が満ち溢れている・・・そこに向かおうではないか!そのような私の思いからである。全体的には、気象状況を見極めた上で積極的に遠征をし、休日とのタイミングも合致したことで初めて撮影が叶ったものも多い。リフレクションが美しい印旛沼の夜明け、星峠の雪で縁取られた棚田や富士の山頂から昇るパール富士がそうである。ただ残念ながら春の写真がない。桜は一か所でしか撮影しておらず、しかも見頃を過ぎてしまったため、撮影はしたもののベスト10には入れられない駄作であった。
 尚、カラマツ霧氷は、昨年の12月31日に撮影したもので、今年のベストに入れた。ホタルに関しては、東京都、静岡県、長野県、山梨県において撮影したヒメボタルは、いずれも貴重な記録を残すことができたが、ここではゲンジボタルの飛翔風景で締めくくりたい。デジタルではあるが、時間差で撮影した背景とホタルの光を合成したものではない。フィルム同様の長時間露光による撮影であるにも関わらず、美しい光景として残すことができたことを評価したい。
 来年も、基本的な感染対策を十分に行った上で、自然への感動と感謝、そして大切にする心を持って「美しいものを 一番美しい瞬間に 美しく残す」ことをモットーに、まだ見ぬ日本の美しい光景を撮っていきたいと思う。

  1. アタテュルク騎馬像と星空
  2. 印旛沼の夜明け
  3. 初冬の星峠
  4. パール富士(スノームーン)
  5. 乗鞍高原にて夏の天の川
  6. 四万ブルーと紅葉
  7. 山中湖リフレクション
  8. カラマツ霧氷(霧ケ峰~蓼科)
  9. 大正池
  10. ゲンジボタル(新潟)

本年の当ブログ更新は、これが最後となります。
これまでご訪問頂いた方々、そしてお世話になった皆様に、心より御礼申し上げます。ありがとうございました。
来年も引き続き、よろしくお願い申し上げます。2022年が皆様にとってよい年でありますよう、お祈り致します。

東京ゲンジボタル研究所 古河義仁

以下の掲載写真は、1920*1280 Pixels で投稿しています。写真をクリックしますと別窓で拡大表示されます。

アタテュルク騎馬像と星空の写真
アタテュルク騎馬像と星空
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / PRO1D プロソフトン[A](W)使用 / マニュアル撮影 F3.2 206秒 ISO 2500(撮影地:和歌山県 2021.10.29 19:27)
印旛沼の夜明けの写真
印旛沼の夜明け
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / 絞り優先AE F11 1/4秒 ISO 100(撮影地:千葉県 2021.12.12 6:44)
初冬の星峠の写真
初冬の星峠
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F18 0.8秒 ISO 100 1 1/3EV(撮影地:新潟県 2021.12.06 6:56)
パール富士の写真
パール富士(スノームーン)
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F8.0 1/160秒 ISO 400 -2EV / 比較明合成(撮影地:静岡県富士宮市 2021.2.27 18:35))
乗鞍高原にて夏の天の川の写真
乗鞍高原にて夏の天の川
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / PRO1D プロソフトン[A](W)使用 / マニュアル撮影 F3.2 25秒 ISO 3200(撮影地:長野県 2021.10.02 19:47)
四万ブルーと紅葉の写真
四万ブルーと紅葉
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / CPLフィルター / 絞り優先AE F8.0 1/6秒 ISO 100 +2/3EV(撮影地:群馬県中之条町 2021.11.05 8:27)
山中湖リフレクションの写真
山中湖リフレクション
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / 絞り優先AE F3.5 15秒 ISO 3200(撮影地:山梨県山中湖村 2021.2.7 0:16)
カラマツ霧氷の写真
カラマツ霧氷(霧ケ峰~蓼科)
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F5.0 1/125秒 ISO 100 +1 1/3EV(撮影地:長野県北佐久郡立科町 2020.12.31 8:56)
大正池の写真
大正池
Canon EOS 7D / SIGMA 15mm F2.8 EX DG DIAGONAL FISHEYE / 絞り優先AE F8.0 1/60秒 ISO 100(撮影地:長野県 2021.8.08 6:27)
ゲンジボタル(新潟)の写真
ゲンジボタル(新潟)
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Carl Zeiss Planar T* 1.4/50 ZE / バルブ撮影 F1.8 68秒 ISO 400(撮影地:新潟県 2021.6.17 20:37)

----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

東京ゲンジボタル研究所 古河義仁/Copyright (C) 2021 Yoshihito Furukawa All Rights Reserved.


2021年の自己ベスト(昆虫編)

2021-12-26 16:13:46 | 自己ベスト/風景、昆虫

 あっという間に2021年も残すところ数日。今年も本年撮影した写真の中から、あくまでも自己満足のベスト10を選んで締めくくりたいと思う。本記事は昆虫、次に自然風景をまとめた。

 2021年の自己ベスト(昆虫編)

 本年も昨年に引き続き「新型コロナウイルスの感染拡大」と「緊急事態宣言」で活動自粛が求められ、思うように遠征できなかったこともあるが、感染対策を十分に行い、念願であった昆虫を撮影することもできた。特に、私にとって幻のチョウであったヒサマツミドリシジミの新鮮なオスの個体を目の前にしたことは、生態を知る上でも重要な瞬間であった。また、サツマシジミとヒロオビミドリシジミの開翅も初の撮影であり、ヒサマツミドリシジミとともに、撮影まで7年を要した。何度も生息地に通ったので、車での総走行距離は3種合わせて約18,000kmにもなる。
 以下には、(1)目標の達成度、(2)撮影の苦労度と難易度、(3)写真の完成度、(4)学術的貴重度などから10点を選び並べてみたが、年々、種類や生態の1シーンなどのハードルを上げていることもあり、今年は撮影した昆虫の写真が少ない。無理やり10点を選らんでみたものの、半数以上が自己ベストには入らない写真である。また、本ブログにおいて記事として取り上げていない未掲載写真も含めた。その1つであるシルビアシジミは、千葉県の南房総に点在する生息地で撮影したものだが、食草はミヤコグサではなく「食草転換」をしシロツメクサを主食としている。生息環境も特殊性があり、貴重な1枚である。
 来年は、未だに撮影できていないトンボ類や、撮り直しをしたいゼフィルスを中心に、産卵などの生態シーンを美しい図鑑写真、生態写真として残していきたいと思う。

  1. ヒサマツミドリシジミ
  2. ヒサマツミドリシジミの開翅
  3. サツマシジミの開翅
  4. ヒロオビミドリシジミの開翅
  5. オオルリボシヤンマの青色型メス(個人的に松本市内では初の青色型メスの発見)
  6. リスアカネの連結打空産卵
  7. ミヤマシジミ
  8. シルビアシジミ
  9. ムカシヤンマ
  10. ムツアカネ(連結飛翔)

以下の掲載写真は、1920*1280 Pixels で投稿しています。写真をクリックしますと別窓で拡大表示されます。

ヒサマツミドリシジミの写真
ヒサマツミドリシジミ
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F8.0 1/400秒 ISO 3200(撮影地:北陸 2021.06.11 11:41)
ヒサマツミドリシジミの写真
ヒサマツミドリシジミの開翅
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 + Kenko TELEPLUS 2X / 絞り優先AE F8.0 1/320秒 ISO 3200(撮影地:北陸 2021.06.11 9:20)
サツマシジミの開翅の写真
サツマシジミの開翅
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F6.3 1/320秒 ISO 1000 +1/3EV(撮影地:和歌山県 2021.10.29 9:55)
ヒロオビミドリシジミの開翅の写真
ヒロオビミドリシジミの開翅
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/1000秒 ISO 6400(撮影地:大阪府能勢町 2021.06.05 8:24)
オオルリボシヤンマの青色型メスの写真
オオルリボシヤンマの青色型メス(松本市)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F6.3 1/400秒 ISO 640 +2/3EV(撮影地:長野県 2021.9.19 9:57)
リスアカネの連結打空産卵の写真
リスアカネの連結打空産卵
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F6.3 1/400秒 ISO 1000(撮影地:栃木県 2021.09.12 11:35)
ミヤマシジミの写真
ミヤマシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F6.3 1/320秒 ISO 800 +1EV(撮影地:栃木県 2021.9.12 8:48)
シルビアシジミの写真
シルビアシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 500 +2/3EV(撮影地:千葉県 2021.9.24 7:08)
ムカシヤンマの写真
ムカシヤンマ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 800 +1EV(撮影地:茨城県 2021.5.23 11:36)
ムツアカネの写真
ムツアカネ(連結飛翔)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F6.3 1/400秒 ISO 500 +2/3EV(撮影地:長野県 2021.9.19 10:07)

----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

東京ゲンジボタル研究所 古河義仁/Copyright (C) 2021 Yoshihito Furukawa All Rights Reserved.


気になる絶景story

2021-12-26 10:11:44 | 風景写真/霧氷

 じゃらん 関東東北 2月号 ~写真家さんに直撃~「気になる絶景story」に、私が長野県の霧ケ峰で撮影した霧氷の写真と私の紹介が掲載。2021年12月28日発売 690円

以下の掲載写真は、1920*1280 Pixels で投稿しています。写真をクリックしますと拡大表示されます。

じゃらん 関東東北 2月号の写真

じゃらん 関東東北 2月号「気になる絶景story」

霧氷の写真

霧氷
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F16 5秒 ISO 400 +1EV(撮影地:長野県 2013.1.27)

----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

東京ゲンジボタル研究所 古河義仁/Copyright (C) 2021 Yoshihito Furukawa All Rights Reserved.


コールドムーン

2021-12-20 17:05:09 | 風景写真/星

 コールドムーンとは、12月の満月のことで、昔、アメリカの先住民(モホーク族)たちが農作業や狩りの目安にするため、満月ごとに呼び名を付けたといわれており、12月は厳しい寒さの時期に見える満月であることから、そう呼ばれるようになったと言われている。日本では「寒月」との呼び名が付けられている。12月19日は、今年最後の満月「コールドムーン」。2021年で地球ともっとも離れた距離にある満月で、冬の澄んだ夜空に美しく浮かぶ。

 さて、毎週末の予定は「霧氷」をターゲットにしているが、なかなか気象状況と私の休日とのタイミングが合わない。天気は良いが、冬の美しい星座を撮ろうにも月明りが邪魔になる・・・。
 調べれば、19日の日曜日はコールドムーンという満月。本年の5月26日は、24年ぶりのスーパームーンの皆既月食で、月が地球の影に完全に隠れて赤黒く変色した満月が見られた。また11月19日は、140年ぶりで600年に一度という"たいへん深い部分月食"であった。これら貴重な天体ショーを肉眼では見たが、カメラを向けなかったことに少々後悔の念に駆られていたこともあり、天体ショーではないが、2021年最後の満月を収めようと思い、出かけることにした。
 問題は、どこで撮るかである。月の出時刻は16時29分。日の入りは16時37分。今年の2月27日に撮影した「パール富士(スノームーン)」(月の出17:18/日の入り17:40)と条件が似ている。それならば「パール富士(コールドムーン)」しかない。午後から富士山麓に向かうことにした。
 撮影場所は、月の出の方向で計算し、過去にロケハンで一度訪れたことのある所で現地には15時到着。富士を仰げば、GPV気象予報通りに山頂付近に雲がかかっている。風は弱く、山頂付近で新たに雲が発生したりの連続で、富士の全貌が見えない。
 16時半過ぎの日の入りと共に準備を開始した。気温は徐々に下がりマイナス2度。雲が無くなることを祈りつつ、薄っすらと紅に染まる富士を眺めながら、月の出を待った。雲の明るさと色付きで、月が富士の裏側にあることが分かるが、なかなか姿を現さない。ただし、目を離さないよう寒さを堪えながら待つ。
 17時55分。富士から今年最後の満月が顔を出す。残念ながら月の出は山頂よりも少し左側の稜線であった。あと1Kmほど南から撮れば山頂かたのお出ましだったかもしれないが、結局、雲も取れなかったので、山頂から出ても2月に撮った「パール富士(スノームーン)」のように重ねることは出来なかっただろう。

 コールドムーンは、西洋占星術では「家族・安定・成長」などのスピリチュアル的な意味があるとされている。「家族仲良く暮らしたい」「もっと成長したい」などの願いがある人は、コールドムーンの写真を撮って、お守りにすると良いと言う。また、満月の時は、この時までに得られたことに感謝し、叶わなかったことを見直して修正する時だとも言う。
 今年も残すところ2週間たらず。このコールドムーンを見ながら、2021年を振り返り、色々と感謝と反省をしたいと思う。

以下の掲載写真は、1920*1280 Pixels で投稿しています。写真をクリックしますと拡大表示されます。

コールドムーンの写真

コールドムーン
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/100秒 ISO 800 -2EV(撮影地:静岡県 2021.12.19 18:17)

富士山の写真

富士山
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F5.6 2.5秒 ISO 640(撮影地:静岡県 2021.12.19 17:13)

富士山の写真

富士山
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F3.2 8秒 ISO 640(撮影地:静岡県 2021.12.19 17:26)

富士山とコールドムーンの写真

富士山とコールドムーン
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F5.6 1/320秒 ISO 640 -2EV(撮影地:静岡県 2021.12.19 18:11)

富士山とコールドムーンの写真

富士山とコールドムーン
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F5.6 3.2秒 ISO 640 +1 1/3EV(撮影地:静岡県 2021.12.19 18:05)

コールドムーンの写真

コールドムーン
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F5.6 1/15秒 ISO 640 -2EV(撮影地:静岡県 2021.12.19 18:11)

----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

東京ゲンジボタル研究所 古河義仁/Copyright (C) 2021 Yoshihito Furukawa All Rights Reserved.


印旛沼の夜明け

2021-12-13 16:57:56 | 風景写真/湖沼

 印旛沼の夜明けは、ドラマチックであった。

 印旛沼は、千葉県北部の利根川下流南岸に位置し、印西市、佐倉市、成田市、八千代市、栄町に跨る風光明媚な湖沼である。昭和27年には隣接の手賀沼とともに「県立印旛手賀自然公園」に指定されている。一時、千葉県に住んでいた45年ほど前、印旛沼近くの田んぼにヘイケボタルの観察に行ったことがあるが、それ以来の訪問で、印旛沼の光景を撮るのは勿論初めてである。
 印旛沼は、日の出の絶景スポットとして有名で、インターネット上では、印旛沼の夜明けの写真が数多く掲載されており、一度は訪れてみようと思っていた。ただし、私が撮りたい光景には条件がある。晴れていること。風がないこと。雲があること。この3つである。印旛沼は最大水深が2.5メートルと浅いため、風が無ければ水面に空が綺麗に映り込む。快晴ならば空の色だけしか映らないが、雲があることで遠近感や広がりが表現でき、南米ボリビアの「ウユニ塩湖」さながらの光景が見られるのである。天気予報やGPV気象予報等で確認すると、12日の朝は条件を満たしていた。丁度、前日から前記事に掲載した「夫婦岩」で星景を撮ることにしたので、翌朝は印旛沼に移動する 計画とした。

 午前4時に印旛沼の西側にある船戸かっぱ公園の駐車場に到着。1時間ほど車内で待機し、5時からロケハン開始。撮影場所は、駐車場から歩いて1分。すぐ隣にある「ふなー貸船店」の沼畔である。印旛沼はバス釣りが有名で、日曜日であったためか、まだ暗い早朝からボートの準備で賑わっていた。カメラマンは誰もおらず、私一人、カメラと三脚を担ぎながら申し訳ない気持ちで沼畔を行ったり来たり。とりあえず、貸しボートの店員さんや釣り客の邪魔にならず、しかもベストと思える位置に三脚を据えることにした。
 6時近くになると、白々と夜が明けてきた。見渡せば、それなりのカメラマン。20人くらいは居たであろうか。数人は橋の上にセットしていたが、ほとんどのカメラマンは、岸に寄せてあるボートの前。インターネットで検索する印旛沼の夜明けの写真を見ると、手前にボートを入れるのが定番のようであるが、人工物を一切入れないのが私流。(ブログ記事「アタテュルク騎馬像と星空」では、人工物である騎馬像が主役であるため撮影)試しに私もロケハンの時に数枚撮ってみたが、私が撮りたいのは壮大なリフレクション。ボートを写してしまうと主題がはっきりしなくなる。何故、ボートを一緒に写したがるのか私には理解できないが、それが良いと思う方々は、ボートを入れて撮れば良い。
 さて、6時。気温6℃で無風。印旛沼の夜明けは、時間の経過とともにドラマチックな光景を見せてくれた。快晴の放射冷却で冷え込んだ朝ならば、霧も発生し幻想的な光景にもなるだろうが、この朝の光景は、二度と見ることができない素晴らしい光景であると思う。
 刻々と変化する雲と色彩。濃いオレンジ色に染まった沼には、印旛沼を象徴する四角い定置網や網干し用の杭がシルエットになっており、場所を移動したり、レンズを望遠ズームに変えて様々なカットを撮ってみたが、どうしても対岸の人工物が雰囲気を壊してしまう。今回は印旛沼らしさを残しつつ、ドラマチックで壮大なリフレクションを表現するために17mmという広角で撮影した写真を掲載した。
 日の出は6時40分。最後の一枚を撮り終える頃には、ダイナミックな色彩は褪せて普通の朝が訪れた。釣り船が出るのは7時のようで、時報と共に多くの釣り客が印旛沼へと出て行った。

 余談であるが、前記事での撮影時に写せなかった「ふたご座流星群」は、14日未明(13日深夜過ぎ)に月が沈んでから明け方にかけての時間帯に、1時間あたり40~50個ほどの流星が出現すると予想されている。平日である。昨年は、雲で覆われ隅に1つだけ写るといった残念な結果。出勤前にどこかで撮影するという事もできなくはないが、会社員である以上、仕事が優先。今年もあきらめざるを得ない。「ふたご座流星群」は毎年必ず見られるので、定年退職後に時間が出来たらゆっくりと撮影したい。
 代わりに、もう地球には戻ってこないレナード彗星の別カットを現像し、2つ前の記事に追加掲載した。

以下の掲載写真は、1920*1280 Pixels で投稿しています。写真をクリックしますと別窓で拡大表示されます。

印旛沼の夜明けの写真
印旛沼の夜明け
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / 絞り優先AE F8.0 10秒 ISO 400 -2/3EV(撮影地:千葉県 2021.12.12 6:05)
印旛沼の夜明けの写真
印旛沼の夜明け
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / 絞り優先AE F11 1/4秒 ISO 100(撮影地:千葉県 2021.12.12 6:44)
印旛沼の夜明けの写真
印旛沼の夜明け
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / 絞り優先AE F11 1/8秒 ISO 100(撮影地:千葉県 2021.12.12 6:44)
印旛沼の夜明けの写真
印旛沼の夜明け
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / 絞り優先AE F11 1/8秒 ISO 100(撮影地:千葉県 2021.12.12 6:48)
印旛沼の日の出の写真
印旛沼の日の出
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / 絞り優先AE F11 1/8秒 ISO 100V(撮影地:千葉県 2021.12.12 6:49)

----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

東京ゲンジボタル研究所 古河義仁/Copyright (C) 2021 Yoshihito Furukawa All Rights Reserved.


夫婦岩の夕景と星景

2021-12-12 20:42:08 | 風景写真/海

 夫婦岩の夕景と星景を撮るために千葉県いすみ市へ。
 夫婦岩は、2つの岩が夫婦の様に寄り添うように見えることからそう言われている。日本各地に多くあり、三重県伊勢市の二見興玉神社にある夫婦岩は、歌川広重も描き良く知られているが、今回は、千葉県いすみ市の津々ヶ浦に並んでそびえ立つ大小2つの岩を撮影場所に選んだ。夫婦岩をGoogleマップで見ると雀島(夫婦岩)と記載してあるが、「雀島」は津々ヶ浦のもう少し北のエリア全体を指しているそうで、この二つ岩は「夫婦岩」や「親子岩」と地元の方々は呼んでいる。

 11日土曜日。正午で会社の仕事を終え、そのまま首都高速湾岸線、京葉道路、千葉東金道路を走り、九十九里有料道路へ。ETCは使えず現金で420円払うが、九十九里の砂浜に沿って延びるアップダウンの無い直線道路で、別名「波乗り道路」とも呼ばれる。若い頃は、トヨタの黒いスープラでよくドライブに来たものである。青い空に広がる海原。今でもここを走ると「達郎のSPARKLE」をかけてしまう。一宮の終点で降りると、目的地まではわずかである。
 初めて訪れる夫婦岩には、14時過ぎに到着。目の前の駐車スペースに止め、ロケハン開始。昔から時代劇をはじめとする映画やCM撮影などで使われてきたというだけあって、ロケーションは雄大である。夫婦岩は、もともと1つの岩礁で、1980年頃までは陸続きになっており、水神様が祀られていたそうだが、太平洋から打ち寄せる荒波によって削られ続けており、以前に比べるとかなり小さくなっているという。数十年後には消えゆく運命の岩である。
 ここでの目的は、夕景と星景である。真東方向であるため朝日が昇る光景の方が人気があるが、今回、日の出は別のポイントに移動する計画であったため、ここでは夕景と星景のみ。星空に関しては、夏の天の川も奇麗に撮れるという。数日早いが、「ふたご座流星群」も写ってくれることを期待した。

 しばし車内で休憩。響き渡る激しい波の音は、疲れた心を癒し、日頃のストレスを消してくれる。このまま眠りたいところだが、そろそろ良い時間。浜辺に降りて、岩礁が砕かれて散った小さな岩にカメラを向けた。寄せては引く波の造形に地球の呼吸さえ感じた。
 続いて主役の夫婦岩。焼けるような夕焼けはないが、代わりにピンク色に染まるビーナスベルトと、その下側に紺色の地球影。地球影とは、日の出前や日没後に太陽とは反対側の空に地球の影が映し出される現象の事である。ビーナスベルトと地球影、そして夫婦岩。壮大な地球そのものを感じる。
 最後は星景だが、あいにく23時過ぎまで月が出いているため、それまで車内で仮眠。波の音とBACHをBGMに爆睡したが、目覚ましタイマーで23時半に起きて車外へ。気温は11℃もあり、寒くない。まずは、冬の大三角を撮影。魚眼レンズではないため、冬のダイヤモンドは収まらなかった。冬の大三角は、おおいぬ座α星シリウス、こいぬ座α星プロキオン、オリオン座α星ベテルギウスの3つの1等星で構成される三角形である。また、三角形の中には冬の天の川が通っている。
 次は「ふたご座流星群」を期待しての連続撮影。結果は、残念ながら流れ星は1つも写っていなかった。90分経過した頃、薄雲も広がり始めたので終了。時間的にも真東には目立った星がないため、寂しい星景になってしまったが、夜空に瞬く星々に無限の宇宙を感じた。天気が良ければ十分に星々が写せる場所であることは確認できたので、来年は夏の天の川を写してみたい。本記事の最後には、夫婦岩の夕景の映像に星空のタイムラプスを加えたものを掲載した。

 夫婦岩を12日午前2時に出発し、夜明けの光景を撮るために移動。そこでは、素晴らしい情景に出会うことになる。

以下の掲載写真は、1920*1280 Pixels で投稿しています。写真をクリックしますと拡大表示されます。また動画においては、Youtubeで表示いただき、HD設定でフルスクリーンにしますと高画質でご覧いただけます。

波打ち際の写真
波打ち際
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F20 1/4秒 ISO 100 +2/3EV(撮影地:千葉県 2021.12.11 15:49)
引波の写真
引波
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/15秒 ISO 100 +1EV(撮影地:千葉県 2021.12.11 16:09)
夫婦岩の夕景の写真
夫婦岩の夕景(ビーナスベルトと地球影)
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / 絞り優先AE F10 1/5秒 ISO 100(撮影地:千葉県 2021.12.11 16:25)
夫婦岩の星景の写真
夫婦岩の星景
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / PRO1D プロソフトン[A](W)使用 / マニュアル露出 F2.8 25秒 ISO 2000(撮影地:千葉県 2021.12.11 23:56)
冬の大三角の写真
冬の大三角
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / PRO1D プロソフトン[A](W)使用 / マニュアル露出 F2.8 25秒 ISO 2000(撮影地:千葉県 2021.12.11 23:41)
冬の大三角の写真
冬の大三角
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / PRO1D プロソフトン[A](W)使用 / マニュアル露出 F2.8 25秒 ISO 2000(撮影地:千葉県 2021.12.11 23:41)
夫婦岩の夕景と星景タイムラプス

----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

東京ゲンジボタル研究所 古河義仁/Copyright (C) 2021 Yoshihito Furukawa All Rights Reserved.


星峠から初冬の星空とレナード彗星

2021-12-08 18:55:05 | 風景写真/星

 星峠から初冬の星空とレナード彗星を撮ることも、今回の新潟遠征の目的であった。
 レナード彗星(C/2021 A1)は、今年1月に米国の天文台が発見した彗星で、徐々に明るさを増しながら12月12日には地球に最接近し、その後、地球の近くには戻って来ないと言われている。昨年は、7月にネオワイズ彗星が地球に最接近し1~2等級の明るさで観測され、23年ぶりに肉眼で見える彗星と話題であったにも関わらず、関東地方では長梅雨の影響でまったく見ることができず悔しい思いをした。今回のレナード彗星は何とかしてカメラで捉えたい。
 新潟地方の天気予報では、5日午後から6日の朝にかけては晴れマーク。GPV気象予報では雲一つない快晴である。そして、星峠は彗星が見える東方向に開けており、条件としては申し分ない。「初冬の星峠と儀明の棚田」(前記事参照)の撮影とともに大きなチャンスである。

 5日の夕方に儀明の棚田を撮り終えた後、星峠に移動。16時過ぎから星峠の展望スペース近くの駐車場所に止めて待機。奇麗な夕焼けを期待していたが、それは叶わず、静かに日が暮れて行った。しばらくすると、棚田に霧がかかり始めた。1時間後には、星峠の棚田はすっかり霧で覆われ、展望スペースからは、まるで雲海の様に見える。実はこの星峠からの星空は、昨年の11月に撮影し「星峠の棚田と星空」という記事に掲載している。その時は、棚田の水鏡にも星々を映すことが目的で、一応それらしい写真を撮ることができたが、今回のような霧で覆われた様子は、棚田こそ分からないものの、夜の星峠では初の光景である。
 これは撮っておかなければと固まった雪で滑りそうになりながら暗い道を歩き、ある場所でポジションを決めようとしたとき、右足がずぶずぶと水たまりへ。足首まで浸かってしまった。気温は2℃。氷水で靴下もびしょびしょ状態。とりあえず我慢して撮影を開始した。写真にはスバル、アルデバラン、カペラ等が写っている。あと2時間も経てば冬のダイヤモンドと冬の大三角も撮れるのだが、冷たくなった手の指先と足を乾かすために、数枚だけ撮影して車に戻ることにした。その後、20時過ぎには風が強くなり、霧は瞬く間になくなってしまったので、星座の共演は次回にし、そのまま車内で寝ることにした。

 6日3時50分に目覚まし時計がなる。レナード彗星が地平線から30度くらいの高さまで昇ってきた頃である。気温はマイナス2℃。三脚にカメラをセットする。カメラとレンズは違うものを準備した。APS-CサイズのCanon 7Dとタムロンの70-200mmF2.8である。焦点距離が1.6倍になり高感度にも強いからである。ただし、肝心のレナード彗星が見つからない。まだ6等級ほどの明るさであるから肉眼ではほとんど見えない。分かっているのは、東の空にオレンジ色に輝く「うしかい座」のアークトゥルスという星の近くにあるというだけ。適当にレンズを向けて撮影。撮影後にモニターで確認しても彗星は分からない。運が良いことを願って50カットほど撮影した。
 30mm換算で200mmを越える望遠で撮るため、シャッタースピードは4秒の連写。LightroomでRAW現像後にフリーソフトのSequatorで20カットを加算平均合成したのが3枚目の写真である。天体写真用のカメラとレンズではないため、見苦しい結果ではあるが、尾を引きながら緑色に輝く様子だけは、何とか写すことができた。12日には地球に最接近し、4等級ほどの明るさになると予想されているので、天候次第であるが、今回の反省を踏まえてもう一度挑戦したい。

以下の掲載写真は、1920*1280 Pixels で投稿しています。写真をクリックしますと拡大表示されます。

星峠から初冬の星空の写真

星峠から初冬の星空
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / マニュアル露出 F2.8 30秒 ISO 1600(撮影地:新潟県 2021.12.05 18:10)

星峠から初冬の星空の写真

星峠から初冬の星空
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / マニュアル露出 F2.8 30秒 ISO 1600(撮影地:新潟県 2021.12.05 18:20)

レナード彗星の写真

レナード彗星(トリミングなし)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 135mm(フルサイズ換算216mm) / マニュアル露出 F2.8 4秒 ISO 6400×20カット加算平均合成(撮影地:新潟県 2021.12.06 4:05)

レナード彗星(トリミング)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 135mm(フルサイズ換算216mm) / マニュアル露出 F2.8 4秒 ISO 6400×20カット加算平均合成(撮影地:新潟県 2021.12.06 4:10)

----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

東京ゲンジボタル研究所 古河義仁/Copyright (C) 2021 Yoshihito Furukawa All Rights Reserved.


初冬の星峠と儀明の棚田

2021-12-06 21:45:41 | 風景写真/冬

 初冬の星峠と儀明の棚田の光景を撮るべく、新潟県十日町市へ。成果のあった撮影遠征は1か月ぶりである。

 私が撮りたい棚田の初冬らしい光景には、雪が欠かせない。ただし、棚田一面が雪で埋もれてしまっているのではなく、畔だけが白く田んぼは水鏡の状態である。2019年12月29日には、十日町市松代地区の蒲生の棚田を訪れ、3回目の挑戦で何とか目的に近い光景「蒲生の棚田(冬の朝景)」を撮っているが、今回のメインは「星峠」である。
 星峠は過去に何度も訪れ、5月の時は「朝霧と光芒」という目的を達成しているが、初冬の光景は運に恵まれていない。そもそもタイミングが難しい。連日降雪ならば、棚田が雪で埋もれてしまうし、積雪が少なければ溶けてしまう。そして私の休日とも合致しなければ撮影は叶わないのである。
 今年は、12月2日に降雪があり積雪は2cm。以後の天気は雨で夜間は雪。5日は午後から晴れマークが出ていた。少し前から土曜日は午前中だけ出勤で、日曜日と月曜日が休日となったため、6日(月)の朝は、またとないチャンスである。次の記事で掲載するが、レナード彗星の撮影も兼ねて、迷わず出陣である。
 5日(日)の午前10時半に自宅を出発。天気の良い関越道を進み、関越トンネルを抜けると湯沢は一面の銀世界。期待に胸が躍る。六日町ICから十日町市の松代に入ると、路面には雪はないが田んぼの畔は雪が積もっている。まずはロケハンで星峠へ。入り口付近には雪はなかかったが、展望スペース近くからは路面にも積雪があり、凍って固まっている部分もあった。車を止め、あちこち見て回るとまずまずの光景。続いて儀明の棚田へ向かった。
 儀明の棚田は、田んぼの水鏡に映る桜の光景が有名で、過去に撮影し「儀明の棚田」として掲載しているが、この時期の光景も見ておきたかった。当然、誰もいない。ここでは、夕暮れに染まる光景を撮影し、再度「星峠」へ移動。
 星峠での目的は3つ。昨年の11月に撮っているが、再度「星景」を残すこと。次に「レナード彗星」。そして朝方の棚田の光景である。星景は19時に撮影し、レナード彗星は翌朝4時から撮影。朝の棚田は6時から撮影を開始した。かつて5月に「朝霧と光芒」を撮った時は100人近くのカメラマンで賑わっていたが、平日の朝とあって撮影者は5名ほど。朝霧は出ず条件は完璧ではないが、白い畔と田んぼの水鏡という光景はこの時期でなくては見られない光景である。今回は、特に「棚田の白い縁取り」に注目してシャッターを切った。

以下の掲載写真は、1920*1280 Pixels で投稿しています。写真をクリックしますと別窓で拡大表示されます。

初冬の星峠の写真
初冬の星峠
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / 絞り優先AE F8.0 8秒 ISO 100 +1/3EV(撮影地:新潟県 2021.12.06 6:12)
初冬の星峠の写真
初冬の星峠
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F18 0.8秒 ISO 100 1 1/3EV(撮影地:新潟県 2021.12.06 6:56)
初冬の星峠の写真
初冬の星峠
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F11 1/5秒 ISO 100 1 1/3EV(撮影地:新潟県 2021.12.06 7:04)
儀明の棚田の写真
初冬の儀明の棚田
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/10秒 ISO 100 1/3EV(撮影地:新潟県 2021.12.05 15:32)
儀明の棚田の写真
初冬の儀明の棚田
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/20秒 ISO 100 1/3EV(撮影地:新潟県 2021.12.05 15:37)

----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

東京ゲンジボタル研究所 古河義仁/Copyright (C) 2021 Yoshihito Furukawa All Rights Reserved.