富士と天の川を西湖にて撮影。
過去に撮ったものでも更に良い結果を求めるというリベンジは別にして、毎年、同じ時期に同じ場所で同じような写真を撮る気にはならないので、自身の興味を引く新たなテーマと被写体に挑戦しているが、今月は、山梨県富士河口湖町にある西湖にて富士山と夏の天の川を撮る予定にしていた。西湖には、今年1月4日に訪れ冬の星景を撮影しているが、その時に夏の天の川を撮ろうと決めていた。
富士山と夏の天の川の撮影は、今回で通算5回目になるが、湖を入れての撮影は、本栖湖、河口湖に次ぐ挑戦になる。富士山と夏の天の川は勿論のこと、湖ならではの湖面に映る「逆さ富士と星々」を写すことも重要な目的である。すべてが揃わないと絵は完成しない。実は、3月1日に一度挑戦しているが、何と濃霧。朝まで霧が晴れることはなかった。今回が二度目の挑戦で、写真撮影も一ヶ月ぶりになる。
先週末は雨で翌日曜は晴れ。奥蓼科の御射鹿池に池面に映る霧氷を撮りたいと思い午前1時に起きたが、空模様と風向きその他気象状況から霧氷は無しと自己判断し、
ベッドに引き返した。ところが後日、ある方のインスタグラムを拝見すると、その日の朝、霧ケ峰には霧氷のみならずダイヤモンドダストも見られたのである。
霧ケ峰の霧氷とダイヤモンドダストは、これまでに自己満足度の高い写真と動画を撮影しているので悔しくはないが、もし行っていれば、御射鹿池にも霧氷が付いていたかもしれないと思うと悔いが残る。霧氷など複数の条件が重ならないと見られない自然現象は、最終的には行って見なければ分からないのが辛いところ。現場が近くなら良いが、200kmも遠方では状況が見えない。行って無駄だったことは何十回と経験済みである。ダメな条件という知識の積み重ねにはなるが、お金と時間の無駄使いには違いない。
さて、今回はどうか?まず星景写真を撮るには月明かりが邪魔である。新月でなくても月沈んでいればよい。国立天文台暦計算室が提供しているWebサイトをチェックし、この3連休に計画していた。あとは天候である。勿論、晴れていなければ撮ることができないが、今回は風が問題である。風速1m以下でなければ波立って星々が湖面に映らない。気象庁、ウェザーニューズ、そしてGPV気象予報の1時間ごとの予報を見ながら、21日未明が良いと判断。計画実行である。
20日16時に自宅を出発。途中、中央自動車道の談合坂SAで夕食。体力増強、免疫力upという宣伝文句に惹かれ、にんにくすた丼に決定。通常よりもにんにくが5倍多いらしい。にんにくは殺菌作用が強く、摂りすぎると悪玉菌だけでなく善玉菌も殺してしまうが、そんなのはお構いなしである。新型コロナウイルスに感染して肺炎で苦しまないためと馬鹿なことを思いながら、更にすりおろしにんにくをたっぷりと入れた。どうせ行くのは山の中。にんにく臭くても関係ない。
腹を満たした後、現地である西湖には19時に到着。釣り人が2名いたが、星撮りとしては一番乗りである。湖面は波立っていたが、予報を信じて車内でテレビを見ながら待機した。
21日0時50分。撮影開始である。月も風もない快晴の夜。絶好の日和である。これを期待してか、星景カメラマンは20人を超えていた。放射冷却で気温はマイナス1℃だが、風がないので、それほど寒くは感じない。
静かな湖面には逆さ富士。そして星々も映っている。ただし、正月に訪れた時に比べると空が明るい。春特有の僅かな塵に都心の灯りが反射しているのか?先月に撮影した場所に比べても星があまり見えない。3時になって、ようやく昇ってきた天の川をカメラのモニターで薄っすらと確認できたが、肉眼ではほとんど見えない状況であった。160枚撮影して3時半に撤収。一睡もしていなかったので運転中に睡魔が襲ってきたため、談合坂SAでしばらく休憩し、6時過ぎに帰宅した。
以下には、今回撮影した写真を時系列に3点と1月に撮影したものを比較として掲載した。湖面に映る星々の撮影には成功したが、天の川は角度の問題もあるのだろう、2月24日に撮影した「富士山と天の川」の方が「天の川」そのものは素晴らしいという印象である。また、タイムラプス動画は1月に撮影したものと併せて編集し掲載した。
参照:富士と天の川(本栖湖)
以下の掲載写真は、1920*1280 Pixels で投稿しています。写真をクリックしますと拡大表示されます。 また動画においては、Youtubeで表示いただき、HD設定でフルスクリーンにしますと高画質でご覧いただけます。
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