ヤンバルトゲオトンボ Rhipidolestes shozoi Ishida, 2005 は、トゲオトンボ科(Family Rhipidolestidae)トゲオトンボ属(Genus Rhipidolestes)のトンボ。トゲオとは「棘尾」の意味で、オスの腹部第9節背面にトゲ状の小さな突起があることに因んでいる。トゲオトンボ科の種は、国内に7種1亜種の8分類群が分布しているが、これらいずれも分布が重なっていないので、基本的に一つの分布地域に1種(亜種)となる。本種は、沖縄本島北部の山原(やんばる)だけに分布している。沖縄本島では、名護市の多野岳の南西部および渡嘉敷島に分布する個体群は、オキナワトゲオトンボ Rhipidolestes okinawanus Asahina, 1951で、多野岳の北東部の山岳地帯に分布する個体群を本種としている。
2020年に高知県にてシコクトゲオトンボ Rhipidolestes hiraoi Yamamoto, 1955 を探索したが見つからず、今回、トゲオトンボ科では初見初撮影で、ブログ記事「昆虫リストと撮影機材」「蜻蛉目」で108種類目となる。
ヤンバルトゲオトンボは、山地の渓流に生息し、成虫は4月~7月ごろにだけ出現する。ヤゴは渓流沿いの水しぶきがかかる苔むした岩の上や、水が染み出した岩盤などに生息していると言われている。
昨年も訪れた山奥に行ってみた。林道を進むと沢との出会いが幾つかある。その1つでは、去年も撮ったリュウキュウルリモントンボが数頭見られた。そこから数百メートル離れた別の沢に寄った見たところ、ヤンバルトゲオトンボを見つける事ができた。幸運にも交尾態も撮影することが叶った。そこでは、リュウキュウルリモントンボはいなかった。
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