ホタルの独り言 Part 2

ホタルの生態と環境を52年研究し保全活動してます。ホタルだけでなく、様々な昆虫の生態写真や自然風景の写真も掲載しています

2023年の自己ベスト(自然風景編)

2023-12-24 13:48:03 | 自己ベスト/風景、昆虫

 今年は、新型コロナウイルスの感染拡大も減少し、ようやく日常が戻ってきたにも関わらず、自然風景撮影においては気象条件とのタイミングが悪く、また様々な事情により遠征できなかったことが多かった。そのため桜や紅葉、霧氷などまったく撮影できず、四季を通じて自然風景をほとんど撮らなかった一年であった。毎年、何とか自己ベスト10を選んではいたが、本年はホタルの飛翔風景とホタルの映像を含めて以下の10作品を挙げるのが精一杯の状況である。それぞれの写真の詳細については各リンクをクリックして頂き、該当ページをご覧頂きたい。

  1. パール紅富士
  2. 和良蛍
  3. 杜に舞うヒメボタル
  4. ヒメボタル(東京2023)
  5. 星峠から天の川を撮る
  6. 冬から春にかけての星空(霧ヶ峰より夏の天の川)
  7. 陣馬の滝
  8. ムーンライト富士
  9. 和良蛍の映像
  10. 杜に舞うヒメボタルの映像

 星峠の天の川や岐阜県郡上市のゲンジボタル、そして東京のヒメボタルは過去にも撮ってはいるが、今回は様々な条件をクリアし、私自身が目指したものを写すことができたと思っている。他の写真については、初めて撮った光景ばかりであり、特にもともと1年に1~2回しかチャンスがない「パール紅富士」は、天候と私の休日が合致し、撮影場所を入念に調べたことで撮影が叶った。
 来年の具体的な計画等は年頭に掲げるとして、まずはこの一年を振り返り、「写真」と言う結果だけでなく、私自身の内省をし、心の奥底にある感情や思考、信念を客観的に観察したいと思う。自分自身の本当の気持ちや考えを見つめ、自分自身と対話し、来年は、やりたいことをとことん追求する一年にしたいと思う。

本年の当ブログ更新は、これが最後となります。
これまでブログにご訪問下さった皆様、そしてお世話になりました皆様に、心より御礼申し上げます。ありがとうございました。
来年も引き続き、よろしくお願い申し上げます。2024年が皆様にとってよい年でありますよう、お祈り致します。

東京ゲンジボタル研究所 古河義仁

以下の掲載写真は、1920*1280 Pixels で投稿しています。写真をクリックしますと別窓で拡大表示されます。 また動画においては、Youtubeで表示いただき、HD設定でフルスクリーンにしますと高画質でご覧いただけます。

パール紅富士の写真
パール紅富士
和良蛍の写真
和良蛍
杜に舞うヒメボタルの写真
杜に舞うヒメボタル
ヒメボタルの写真
ヒメボタル(東京2023)
星峠から天の川の写真
星峠から天の川
霧ヶ峰より夏の天の川の写真
冬から春にかけての星空(霧ヶ峰より夏の天の川)
陣馬の滝の写真
陣馬の滝
ムーンライト富士の写真
ムーンライト富士
和良蛍
杜に舞うヒメボタル
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2023年の自己ベスト(昆虫編)

2023-12-18 16:15:35 | 自己ベスト/風景、昆虫

 早いもので2023年も残すところ2週間。10月23日以来、写真撮影に出掛けておらず、本年は出掛ける予定がないことから、私自身の一年を振り返った反省と来年の計画立案のために、年末恒例のあくまでも自己満足のベスト10作品を選んで締めくくりたいと思う。本記事は昆虫、次に自然風景をまとめて掲載したい。

 今年の自己ベスト昆虫写真10枚は、図鑑的写真と言う観点から選んだが、その7割が沖縄県で撮影したものとなった。そのような中で、今年一番に選んだのは「ホソミモリトンボ」である。詳細は、下記リンク先をご覧頂きたいが、本州においての本種の生息地は、高標高の湿原に限られ、これまで福島、栃木、群馬、長野、新潟、岐阜の6県で記録があるが、いずれも局所的であり、近年では確認されていない場所も多い。2011年から探しもとめ、尾瀬と上高地で存在を確認していたが、12年経ってようやく近距離で撮影できる生息地を自力で見つけ、タンデム飛翔や産卵の観察をし、オスのホバリングの写真を収めることができた。来年は、交尾態の写真を撮ることが目標である。
 選択の3番目の「ギフチョウ(イエローバンド)」は、今回4度目の撮影であるが、オスの個体を多く撮影できた。蝶道のヒルトップで待機したことが良い結果となった。やはり昆虫の生態と行動などを細かく学ぶことが野外での撮影では欠かせない。
 この「ギフチョウ(イエローバンド)」を除いては、すべて「トンボ」であることも、今年の特徴である。沖縄においては、昨年のロケハンが功を奏して撮影が叶った種が多いが、目標であった「コノハチョウ」や「フタオチョウ」「イワカワシジミ」には出会いすら叶わず、「リュウキュウウラボシシジミ」は3度のチャンスがありながら撮ることができなかった。また、昨年目撃した「カラスヤンマ」にも出会えなかったことから、これらが撮影できるまで、今後も沖縄遠征は継続したいと思う。ちなみに、これまで一度も出会ったことがない北海道のウスバキチョウも撮ってみたいが、沖縄も北海道も来年は未定である。

 本州においても、ウラジロミドリシジミやヒサマツミドリシジミなど、まだ満足できる写真が撮れていない種があり、身近な昆虫でも、産卵や羽化、交尾態などの生態写真を残しておきたい種も多い。勿論、ホタルにおいても、残さなければならない生態の貴重な瞬間も数多くある。来年は、私にとってある意味一区切りの年でもあるので、有意義で特別な一年になるよう準備をしたいと思う。

2023年の自己ベスト(昆虫編)

  1. ホソミモリトンボ
  2. トビイロヤンマ
  3. ギフチョウ(イエローバンド)
  4. ヤンバルトゲオトンボ
  5. オオキイロトンボ
  6. アオビタイトンボ
  7. リュウキュウベニイトトンボ
  8. リュウキュウハグロトンボ
  9. ヒメトンボ
  10. キトンボ(飛翔)

以下の掲載写真は、1920*1280 Pixels で投稿しています。写真をクリックしますと別窓で拡大表示されます。

ホソミモリトンボの写真
ホソミモリトンボ
トビイロヤンマの写真
トビイロヤンマ
ギフチョウ(イエローバンド)の写真
ギフチョウ(イエローバンド)
ヤンバルトゲオトンボの写真
ヤンバルトゲオトンボ
オオキイロトンボの写真
オオキイロトンボ
アオビタイトンボの写真
アオビタイトンボ
リュウキュウベニイトトンボの写真
リュウキュウベニイトトンボ
リュウキュウハグロトンボの写真
リュウキュウハグロトンボ
ヒメトンボの写真
ヒメトンボ
キトンボ(飛翔)の写真
キトンボ(飛翔)
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2022年の自己ベスト(自然風景編)

2022-12-29 21:25:37 | 自己ベスト/風景、昆虫

2022年の自己ベスト(自然風景編)

 一年のまとめもこれが最後である。まだまだ新型コロナウイルスの感染の不安が拭い切れない状況が続く中、撮影者が多い場所では感染対策を十分にして撮影したが、 全体的には、やはり撮影者がまったくいない場所での夜間の星景写真が多い一年であった。
 それはそれで、自分自身がこれまで見たり撮ったりしてこなかった光景であり、他の方たちと同じ絵、同じシーンではないオンリーワンのものをいくつかは残せたように思う。ただし、天候条件から撮影機会が 極端に少なくなってしまったり、モチベーションが下がり気合を入れての遠征ができず、結果として星空以外の風景を見る遠征を控えてしまったことも事実であり、四季折々の美しい風景との出会いを少なくしてしまった一年でもあった。 タイミングの良い時に合わせて、いつでも撮影に出掛けられたらどんなに良いか・・・いつも思うことだが、一般企業の会社員である間は仕方がない。

 以下には今年の自己ベスト10枚を選定して掲載した。乗鞍高原まいめの池は、これまで何度も訪れトンボをはじめ紅葉も撮っている場所であり、真夏に星空も撮っているが、関東甲信越地方で 一番星が綺麗なこの地において、月も雲も風もない夜に「夏の天の川」を池に映る星々とともに撮りたいと数年前から思っていた。そのタイミングがこの5月に叶い、収めることができたのでトップに掲げた。
 儀明の棚田は、2018年の早朝に棚田の水鏡に映る桜を撮っているが、今回は、一番美しく見える逆光の夕日を狙って撮ったものである。満開の桜にオレンジの夕日と無風、そして私の休日が重なったことから2番目に掲げた。当地は 有名な場所で撮影者が多く横並びで撮られた写真は、皆同じような写真であろう。それは、3番目の鏡池の紅葉も同じである。残念ながら紅葉の見ごろには少し早く、戸隠連峰もほとんど見えなかったが、無風での水鏡だけは満点だと思う。  鏡池は今年初めて訪れた場所であり、5番目の枝折峠も初訪問であった。運よく「滝雲」を見ることができたが、やはりロケハンなしの初訪では、良い結果が得られないのは当然であり、この二カ所においては来年も挑戦し、一番美しい 瞬間を残したいと思っている。

 自然風景写真は、自分自身を映した鏡であり心の成長も反映すると思っている。そう言った意味では、恥ずかしいばかりの10枚である。来年は、テーマをもってアイディアや想像力を膨らませ、 まずは自分自身が感動し、物語が想像できるような文学的要素があったり、シンフォニー等の音楽が響き聞こえるような光景を残したいと思っている。そして毎年同じことを記しているが、自然への感動と感謝、何より大切にする心を持ち 「美しいものを 一番美しい瞬間に 美しく残す」ことをモットーに、定番ならばその最上級の光景、そして定番から脱却したオンリーワンの光景を残すことを目標としたい。

本年の当ブログ更新は、これが最後となります。
これまでブログにご訪問下さった皆様、そしてお世話になりました皆様に、心より御礼申し上げます。ありがとうございました。
来年も引き続き、よろしくお願い申し上げます。2023年が皆様にとってよい年でありますよう、お祈り致します。

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以下の掲載写真は、1920*1280 Pixels で投稿しています。写真をクリックしますと別窓で拡大表示されます。

乗鞍高原まいめの池より天の川の写真
乗鞍高原まいめの池より天の川
儀明の棚田の写真
儀明の棚田
鏡池の紅葉の写真
鏡池の紅葉
中子の桜の写真
月明かりに見る中子の桜
枝折峠の滝雲の写真
枝折峠の滝雲
しぶんぎざ流星群と冬の大三角の写真
しぶんぎざ流星群と冬の大三角
星峠より夏の天の川の写真
星峠より夏の天の川
沖縄の天の川の写真
沖縄の天の川
秋の星空と黄道光の写真
秋の星空と黄道光
赤富士と中秋の名月の写真
赤富士と中秋の名月

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2022年の自己ベスト(昆虫編)

2022-12-28 17:05:21 | 自己ベスト/風景、昆虫

2022年の自己ベスト(昆虫編)

 今年は、満足できる昆虫写真はほとんど撮ることができなかった。ある種の定点観察とその記録はとても有意義で貴重な財産になるのだが、毎年、これまでに撮っていない種や生態のシーンを追いかけることが多く、必然的に撮った写真が少なくなってしまった。昨年は、ヒサマツミドリシジミやヒロオビミドリシジミ、そしてサツマシジミなど長年追いかけてきた種を撮れた喜びがあったが、今年は写真10点を無理やり選定しなければならないほどである。
 そんな中一番目は「ムカシヤンマの産卵」を選んだ。これは挑戦2年目にして初見初撮影のシーンで動画も撮影しており、ムカシヤンマの特異な生態や行動について知識を深めることができたのでトップに掲げた。次のハネビロエゾトンボとオオルリボシヤンマの飛翔写真はこれまで何度も撮影しており、シーンとしては代り映えしないものではあるが、飛翔(ホバリング)中でありながら細部まで鮮明に撮影することができたことで選んだ。また、オオルリボシヤンマにおいては、翅がボロボロになっても懸命に飛翔する姿と自然の厳しさを伝えることができたと感じている。
 他の写真については、主として初めて訪問した石垣島と沖縄本島において撮影したトンボとチョウを選んだ。単に写しただけのスナップ写真の域を出ないものばかりであるが、自分自身の記念としての選定である。沖縄本島では、トビイロヤンマ、カラスヤンマ、コノハチョウなど姿を確認しながら撮影できなかった種が多い。また、フタオチョウ、イワカワシジミ等、まったく見ることができなかった種もある。来年は、再び沖縄本島を訪れ、これらの種を撮影したいと思う。(すでに航空券と宿泊先の予約を完了)

 来年も、種の特徴が鮮明にわかる図鑑写真、産卵や羽化、脱皮などの生態の1シーンを記録として残せるよう、更には、ホソミモリトンボ、クモマベニヒカゲなど、まだ一度も撮影できていない種も撮りたいと思っている。

以下の掲載写真は、1920*1280 Pixels で投稿しています。写真をクリックしますと別窓で拡大表示されます。

ムカシヤンマの産卵の写真
ムカシヤンマの産卵
ハネビロエゾトンボの写真
ハネビロエゾトンボの飛翔
オオルリボシヤンマの写真
オオルリボシヤンマの飛翔
オキナワチョウトンボの写真
オキナワチョウトンボ
リュウキュウハグロトンボの写真
リュウキュウハグロトンボ
リュウキュウルリモントンボの写真
リュウキュウルリモントンボ
ヤエヤマカラスアゲハの写真
ヤエヤマカラスアゲハ
オオゴマダラの写真
オオゴマダラ
ミヤマシジミの写真
ミヤマシジミ
クロマルハナバチの写真
クロマルハナバチ

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2022年の自己ベスト(ホタル編)

2022-12-25 20:33:11 | 自己ベスト/風景、昆虫

2022年の自己ベスト(ホタル編)

 年々、一年を短く感じており、2022年もあっという間に終わろうとしているのに、このところ、ずっと天候条件が悪く12月4日以来出掛けることができていない。しかも今年は31日大みそかの夜まで仕事なので、年初に予定している「しぶんぎざ流星群」まで足止めになりそうであるから、本年も、一年の反省と感謝の意味を込めてあくまでも自己満足のベスト作品を選んで締めくくりたいと思う。今年は、例年の昆虫編と自然風景編に、このホタル編を加えて3部門についてまとめてみようと思う。
 今年は、私の「ホタルの研究50年」の年でもあり、生息環境と生態に関してより一層知見を深めることができた年であった。ホタルに捧げた半世紀の集大成を記したいところではあるが、本記事では、この一年で撮影した写真の中から貴重な5点を選び、それらの話とともに、ホタルの保全に関して今感じていることを綴っておきたい。

 昨今では、珍しくはなくなったヒメボタルの写真。私も含めインターネット上で見られる写真のほとんどは、数秒のコマ撮りを数十分から数時間分も重ねた光溢れるものが目立つが、今回の私の一枚は、夏の天の川とともに30秒の一発露光で撮ったものを自己ベストとした。12年間通ったヒメボタルの生息地において、ようやく月も雲もない夜とヒメボタルの乱舞、そして私の休日が重なった結果であった。
 2枚目の「東京のヒメボタル」は、これまで観察と撮影をしてきた、東京都内のヒメボタル生息地の中では一番標高が高い1,200m付近のブナの天然林であり、とても広範囲な生息域での初撮影である。3枚目は、おそらく麓の生息地から上昇気流に乗って上がってきたと思われるゲンジボタルが1頭だけ飛翔しており、偶然にゲンジボタルとヒメボタルが同時に舞う様子も残すことができた。東京都内初の光景である。
 4枚目の「日本の滝100選とゲンジボタル」は、2019年の台風19号によって大きな被害を受け、2020年の夏にはゲンジボタルの発生は数頭だけという状況であったが、3年経過して復活してきたという記録でもある。ゲンジボタルは一年で成虫になるものは僅かで、二年から四年かかって成長する個体が多い。環境変化の大きい河川で暮らすための生存戦略の1つである。大規模かつ環境を激変させる護岸工事や、毎年、災害級の被害が続けば絶滅もあり得るが、そうでなければ数年をかけて必ず復活するのである。だだし、近年の異常気象による豪雨は、特に西日本のゲンジボタル生息地を壊滅状態へと変えてしまっている。地球規模の温暖化が原因であるならば、地域での保全対策も通用しないのが悲しい現実である。
 最後は、初訪問の石垣島におけるヤエヤマヒメボタルを選んだ。一晩30分だけというチャンスであり、成虫をマクロレンズで撮ることはできなかったが、熱帯のジャングルという生息環境、これまで見たこともない発光の仕方、そして発生期間の長さや生息地域の広大さなど、ヤエヤマヒメボタルの未知なる生態に感動した。

 今年は3年ぶりに日本各地でホタル祭りが復活した。日本ホタルの会でも、オンラインの観察会から対面のヒメボタル観察会を行ったが、ホタル祭りや観察会では、相も変わらず「人為的光害」が気になる。
 訪れるすべての人々は「ホタルの光」を見に来るわけだが、打ち上げ花火やイルミネーションを見る時と同じ感覚で来ていると思わざるを得ない。ホタルは、発光によって雌雄がコミュニケーションを図っており、相手の光が見えなければ交配ができない。月明かりでさえ、それを阻害していまうのだが、人々はヘッドライトを付けた車で生息地までやってくる。車を降りれば懐中電灯を照らす。写真を撮ろうとスマートフォンの明かりを向ける。これら「人為的光害」で繁殖ができなくなるのである。
 わずかな行為と思うかもしれないが、ホタルが交尾できる機会は、1日で1時間ほどしかない。ホタルは発生する期間は長くて3週間くらいあるが、メスはオスよりも1週間ほど遅れて発生してくる。その間に、月が照っていたり、気温が低かったり風が強い夜は、オスとメスの出会いの確率がかなり低くなる。多くのオスが発光しながら飛び回り、下草で発光するメスを見つけて交尾に至ることができる日数は、決して多くはない。そのわずかなチャンスを「人為的光害」で邪魔をしていることを知ってほしいのである。ホタル舞う風景は、命を繋ぐ光景であり、人工的な打ち上げ花火やイルミネーションの光景とは違うのである。
 今年は、高知県いの町へヒメボタルの保全指導と観察会で2回訪れた。自治体や地域住民の方々の意識も高く、素晴らしい自然環境とホタルの存続に期待できるが、全国に目を向ければ、ホタル保存会の高齢化が進んで保全活動が停滞し、環境の荒廃によりホタルが減少してしてしまっている地区も多い。若い人達への後継が急務であろうが、現実は難しい状況であり、今後の大きな課題である。
 本年最初に綴った「ホタル研究50年」の思いは、今もこれからも変わらない。来年のホタルが舞う時期には、多くの人々が正しい知識を持って観察し観賞して頂けるよう啓蒙活動をするとともに、生態と生息環境の調査研究を行いながら、日本各地に出向き保全指導の要望に応えていきたいと思う。

以下の掲載写真は、1920*1280 Pixels で投稿しています。写真をクリックしますと別窓で拡大表示されます。

ヒメボタルと天の川の写真
ヒメボタルと天の川
東京のヒメボタルの写真
東京のヒメボタル
ゲンジボタルとヒメボタルの写真
東京都内でゲンジボタルとヒメボタルが同時に舞う
滝とゲンジボタルの写真
日本の滝100選とゲンジボタル
ヤエヤマヒメボタルの写真
ヤエヤマヒメボタル

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2021年の自己ベスト(自然風景編)

2021-12-27 17:16:09 | 自己ベスト/風景、昆虫

 2021年の自己ベスト(自然風景編)

 2021年も新型コロナウイルスに振り回された年であった。1月初めから新型コロナウイルス感染者が急激に増え、緊急事態宣言が幾度となく発令され、8月には無観客での東京オリンピックが開催。私は、ワクチンを2回接種し、これまで一度も感染することなく過ごしているが、現在では、新たな変異ウイルス(オミクロン株)の市中感染が少しずつ出始め、第6波に備えなければならない状況で年末を迎えた。
 前記事の「2021年の自己ベスト(昆虫編)」でも記したが、自然風景の写真撮影においても、感染対策を十分に行って各地へ遠征してきた。その中でも人のいない夜間の撮影、特に「星景写真」へ挑戦し数多く撮影した。ホタル以外の分野ではアマチュア写真の域を出ないが、「星景写真」においては、新たにカメラやレンズを購入することなく、山積する課題に対して1つ1つ取り組み、何とか見られる写真を撮れるようになってきた。これまで自然風景写真では、人工物を一切入れないことをモットーにしてきたが、「星景写真」ではあえて主役にすることも必要であることを学んだ。
 以下には、あくまでも自己満足の範疇だが、今年の自然風景自己ベスト10点を選んで掲載した。ベスト1には、「アタテュルク騎馬像と星空」を選んだ。アタテュルクが指さす方向には、2022年の夢と希望が満ち溢れている・・・そこに向かおうではないか!そのような私の思いからである。全体的には、気象状況を見極めた上で積極的に遠征をし、休日とのタイミングも合致したことで初めて撮影が叶ったものも多い。リフレクションが美しい印旛沼の夜明け、星峠の雪で縁取られた棚田や富士の山頂から昇るパール富士がそうである。ただ残念ながら春の写真がない。桜は一か所でしか撮影しておらず、しかも見頃を過ぎてしまったため、撮影はしたもののベスト10には入れられない駄作であった。
 尚、カラマツ霧氷は、昨年の12月31日に撮影したもので、今年のベストに入れた。ホタルに関しては、東京都、静岡県、長野県、山梨県において撮影したヒメボタルは、いずれも貴重な記録を残すことができたが、ここではゲンジボタルの飛翔風景で締めくくりたい。デジタルではあるが、時間差で撮影した背景とホタルの光を合成したものではない。フィルム同様の長時間露光による撮影であるにも関わらず、美しい光景として残すことができたことを評価したい。
 来年も、基本的な感染対策を十分に行った上で、自然への感動と感謝、そして大切にする心を持って「美しいものを 一番美しい瞬間に 美しく残す」ことをモットーに、まだ見ぬ日本の美しい光景を撮っていきたいと思う。

  1. アタテュルク騎馬像と星空
  2. 印旛沼の夜明け
  3. 初冬の星峠
  4. パール富士(スノームーン)
  5. 乗鞍高原にて夏の天の川
  6. 四万ブルーと紅葉
  7. 山中湖リフレクション
  8. カラマツ霧氷(霧ケ峰~蓼科)
  9. 大正池
  10. ゲンジボタル(新潟)

本年の当ブログ更新は、これが最後となります。
これまでご訪問頂いた方々、そしてお世話になった皆様に、心より御礼申し上げます。ありがとうございました。
来年も引き続き、よろしくお願い申し上げます。2022年が皆様にとってよい年でありますよう、お祈り致します。

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以下の掲載写真は、1920*1280 Pixels で投稿しています。写真をクリックしますと別窓で拡大表示されます。

アタテュルク騎馬像と星空の写真
アタテュルク騎馬像と星空
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / PRO1D プロソフトン[A](W)使用 / マニュアル撮影 F3.2 206秒 ISO 2500(撮影地:和歌山県 2021.10.29 19:27)
印旛沼の夜明けの写真
印旛沼の夜明け
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / 絞り優先AE F11 1/4秒 ISO 100(撮影地:千葉県 2021.12.12 6:44)
初冬の星峠の写真
初冬の星峠
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F18 0.8秒 ISO 100 1 1/3EV(撮影地:新潟県 2021.12.06 6:56)
パール富士の写真
パール富士(スノームーン)
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F8.0 1/160秒 ISO 400 -2EV / 比較明合成(撮影地:静岡県富士宮市 2021.2.27 18:35))
乗鞍高原にて夏の天の川の写真
乗鞍高原にて夏の天の川
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / PRO1D プロソフトン[A](W)使用 / マニュアル撮影 F3.2 25秒 ISO 3200(撮影地:長野県 2021.10.02 19:47)
四万ブルーと紅葉の写真
四万ブルーと紅葉
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / CPLフィルター / 絞り優先AE F8.0 1/6秒 ISO 100 +2/3EV(撮影地:群馬県中之条町 2021.11.05 8:27)
山中湖リフレクションの写真
山中湖リフレクション
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / 絞り優先AE F3.5 15秒 ISO 3200(撮影地:山梨県山中湖村 2021.2.7 0:16)
カラマツ霧氷の写真
カラマツ霧氷(霧ケ峰~蓼科)
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F5.0 1/125秒 ISO 100 +1 1/3EV(撮影地:長野県北佐久郡立科町 2020.12.31 8:56)
大正池の写真
大正池
Canon EOS 7D / SIGMA 15mm F2.8 EX DG DIAGONAL FISHEYE / 絞り優先AE F8.0 1/60秒 ISO 100(撮影地:長野県 2021.8.08 6:27)
ゲンジボタル(新潟)の写真
ゲンジボタル(新潟)
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Carl Zeiss Planar T* 1.4/50 ZE / バルブ撮影 F1.8 68秒 ISO 400(撮影地:新潟県 2021.6.17 20:37)

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2021年の自己ベスト(昆虫編)

2021-12-26 16:13:46 | 自己ベスト/風景、昆虫

 あっという間に2021年も残すところ数日。今年も本年撮影した写真の中から、あくまでも自己満足のベスト10を選んで締めくくりたいと思う。本記事は昆虫、次に自然風景をまとめた。

 2021年の自己ベスト(昆虫編)

 本年も昨年に引き続き「新型コロナウイルスの感染拡大」と「緊急事態宣言」で活動自粛が求められ、思うように遠征できなかったこともあるが、感染対策を十分に行い、念願であった昆虫を撮影することもできた。特に、私にとって幻のチョウであったヒサマツミドリシジミの新鮮なオスの個体を目の前にしたことは、生態を知る上でも重要な瞬間であった。また、サツマシジミとヒロオビミドリシジミの開翅も初の撮影であり、ヒサマツミドリシジミとともに、撮影まで7年を要した。何度も生息地に通ったので、車での総走行距離は3種合わせて約18,000kmにもなる。
 以下には、(1)目標の達成度、(2)撮影の苦労度と難易度、(3)写真の完成度、(4)学術的貴重度などから10点を選び並べてみたが、年々、種類や生態の1シーンなどのハードルを上げていることもあり、今年は撮影した昆虫の写真が少ない。無理やり10点を選らんでみたものの、半数以上が自己ベストには入らない写真である。また、本ブログにおいて記事として取り上げていない未掲載写真も含めた。その1つであるシルビアシジミは、千葉県の南房総に点在する生息地で撮影したものだが、食草はミヤコグサではなく「食草転換」をしシロツメクサを主食としている。生息環境も特殊性があり、貴重な1枚である。
 来年は、未だに撮影できていないトンボ類や、撮り直しをしたいゼフィルスを中心に、産卵などの生態シーンを美しい図鑑写真、生態写真として残していきたいと思う。

  1. ヒサマツミドリシジミ
  2. ヒサマツミドリシジミの開翅
  3. サツマシジミの開翅
  4. ヒロオビミドリシジミの開翅
  5. オオルリボシヤンマの青色型メス(個人的に松本市内では初の青色型メスの発見)
  6. リスアカネの連結打空産卵
  7. ミヤマシジミ
  8. シルビアシジミ
  9. ムカシヤンマ
  10. ムツアカネ(連結飛翔)

以下の掲載写真は、1920*1280 Pixels で投稿しています。写真をクリックしますと別窓で拡大表示されます。

ヒサマツミドリシジミの写真
ヒサマツミドリシジミ
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F8.0 1/400秒 ISO 3200(撮影地:北陸 2021.06.11 11:41)
ヒサマツミドリシジミの写真
ヒサマツミドリシジミの開翅
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 + Kenko TELEPLUS 2X / 絞り優先AE F8.0 1/320秒 ISO 3200(撮影地:北陸 2021.06.11 9:20)
サツマシジミの開翅の写真
サツマシジミの開翅
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F6.3 1/320秒 ISO 1000 +1/3EV(撮影地:和歌山県 2021.10.29 9:55)
ヒロオビミドリシジミの開翅の写真
ヒロオビミドリシジミの開翅
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/1000秒 ISO 6400(撮影地:大阪府能勢町 2021.06.05 8:24)
オオルリボシヤンマの青色型メスの写真
オオルリボシヤンマの青色型メス(松本市)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F6.3 1/400秒 ISO 640 +2/3EV(撮影地:長野県 2021.9.19 9:57)
リスアカネの連結打空産卵の写真
リスアカネの連結打空産卵
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F6.3 1/400秒 ISO 1000(撮影地:栃木県 2021.09.12 11:35)
ミヤマシジミの写真
ミヤマシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F6.3 1/320秒 ISO 800 +1EV(撮影地:栃木県 2021.9.12 8:48)
シルビアシジミの写真
シルビアシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 500 +2/3EV(撮影地:千葉県 2021.9.24 7:08)
ムカシヤンマの写真
ムカシヤンマ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 800 +1EV(撮影地:茨城県 2021.5.23 11:36)
ムツアカネの写真
ムツアカネ(連結飛翔)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F6.3 1/400秒 ISO 500 +2/3EV(撮影地:長野県 2021.9.19 10:07)

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2020年の自己ベスト(自然風景編)

2020-12-27 15:28:42 | 自己ベスト/風景、昆虫

2020年の自己ベスト(自然風景編)

 年々、歳を重ねるとともに一年を短く感じるが、この2020年は本当にあっという間であった。2月以降に始まった新型コロナウイルスの感染拡大は今現在も続いており、 自粛に伴う経済損失、医療従事者の方々のご努力とご苦労は計り知れないものがある。新型コロナウイルスとの長期戦。withコロナの今、他人事ではなく、我々一人一人が徹底した感染対策を行い、感染を予防しながら日常生活を送ることが何より大切だ。
 仕事は、4月の一か月間は自宅での自粛を命ぜられ、5月以降は毎日出勤し通常業務をしているが、理事をしている「日本ホタルの会」では、すべての活動を中止し、役員会はZoomを使ったオンラインで行った。副理事長を務める内閣府認証の「NPOホタルの会」においては活動を休止。従って、ホタルの観察会、講演会、マスコミ対応は、ほぼゼロといった一年であった。個人的には、マスコミの取材や講演会、指導などはなかったものの、観察と撮影は予定通りに行い、例年よりも充実した結果を残すことができた。また来年の3月には「ホタルの講演会」の予約も入っているので、このような活動も少しずつ再開できるものと考えている。

 趣味である写真に関しては、昆虫全般においては前時期で記したように、コロナの影響と長梅雨の影響であまり良い結果は残せなかったが、一方、自然風景写真においては、何年も追い求めてきた光景と出会うことができ、あくまでも自己満足の範疇であるが、「美しいものを、一番美しい瞬間に 美しく残す」ことができた一年であった。ただし、有名な景勝地からの光景が多く、カメラ、レンズ、構図などの違いはあってもその場に居合わせれば誰でも同じものが撮れる光景でもある。
 来年は、自然への感動と感謝、そして大切にする心を持って「美しいものを 一番美しい瞬間に 美しく残す」ことをモットーに、定番ならばその最上級の光景、そして定番から脱却したオンリーワンの光景を残すことを目標としたい。勿論、コロナ渦の時代にあったスタイルを保ちながらである。

 以下には、今年一年間に撮影した自然風景写真の中から自己ベスト10作品を掲載した。ベスト1は「箱根大観山より雪景色と紅富士」。撮りたいと思ってから8年目でのチャンス。雪が降る前日の夕方から14時間まっての撮影。時間の経過とともに何枚も撮っているが、一番最後に写した一枚を選んだ。それぞれ写真の詳細は、個別のブログ記事をご覧いただきたい。

本年の当ブログ更新は、これが最後となります。
これまでご訪問頂いた方々、そしてお世話になった皆様に、心より御礼申し上げます。ありがとうございました。
来年も引き続き、よろしくお願い申し上げます。2021年が皆様にとってよい年でありますよう、お祈り致します。

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お願い:なるべくクオリティの高い写真をご覧頂きたく、1024*683 Pixels で掲載しています。ウェブブラウザの画面サイズが小さいと、自動的に縮小表示されますが、画質が低下します。Internet Explorer等ウェブブラウザの画面サイズを大きくしてご覧ください。

箱根大観山より雪景色と紅富士の写真

箱根大観山より雪景色と紅富士

蒲生の棚田冬の朝景の写真

蒲生の棚田(冬の朝景)

根本海岸白浜の屏風岩の写真

根本海岸 白浜の屏風岩

富士山と天の川の写真

富士山と天の川

晩秋の美人林の写真

晩秋の美人林

西沢渓谷三重の滝の写真

西沢渓谷 三重の滝

星峠の棚田と星空の写真

星峠の棚田と星空

まいめの池より天の川の写真

「まいめの池」より天の川

富士と天の川(西湖)の写真

富士と天の川(西湖)

山中湖より富士の夕景の写真

山中湖より富士の夕景

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2020年の自己ベスト(昆虫編)

2020-12-26 22:12:07 | 自己ベスト/風景、昆虫

 今年も本年撮影した写真の中から自己ベスト10を選んで締めくくりたいと思う。本記事は昆虫、次に自然風景をまとめた。

2020年の自己ベスト(昆虫編)

 今年は、ご存知のように4月の新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言の発令で、私も約一か月の自粛生活を余儀なくされ、予定したギフチョウのイエローバンドの 撮影ができず、更には6月~7月は長梅雨の影響でゼフィルスの撮影がまったくできなかった。
 以下には、(1)目標の達成度、(2)撮影の苦労度と難易度、(3)写真の完成度、(4)学術的貴重度などから10点を選び並べてみたが、全体的には夏以降に撮影したトンボ類が多くを占めている。来年は、未だに撮影できていない種と 未達の生態シーンなどを美しい図鑑写真、生態写真として残したい。
 この自己ベストでは掲載しないが、専門のホタルに関しては、飛翔風景及び動画の満足度の高いものが撮影でき、特に高知県における乱舞映像と東京都内におけるヒメボタルの写真は貴重なものを残すことが できたと思う。来年は、未訪問地である新潟や山陰地方のホタルを収めるとともに、これまでポジフィルムで残してきた詳細な生態のシーンをデジタルで撮り直しを行い、紹介したいと思う。

お願い:なるべくクオリティの高い写真をご覧頂きたく、1024*683 Pixels で掲載しています。ウェブブラウザの 画面サイズが小さいと、自動的に縮小表示されますが、画質が低下します。Internet Explorer等ウェブブラウザの画面サイズを大きくしてご覧ください。

ルリボシヤンマ青色型メスの写真

ルリボシヤンマ 青色型メス

カトリヤンマ交尾態の写真

カトリヤンマの交尾態

エゾトンボの写真

エゾトンボの静止飛翔

ネアカヨシヤンマ産卵の写真

ネアカヨシヤンマの産卵(2020)

ヤブヤンマ青眼メスの写真

ヤブヤンマの産卵(青眼メス)

イシガケチョウの写真

イシガケチョウ

サツマシジミの写真

サツマシジミ

コフキヒメイトトンボ交尾態の写真

コフキヒメイトトンボの交尾態

ヤクシマルリシジミの写真

ヤクシマルリシジミ(開翅)

オオマドボタルの写真

オオマドボタル

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2019年の自己ベスト(風景編)

2019-12-28 10:12:40 | 自己ベスト/風景、昆虫

 この一年を振り返ると、昨年末に前立腺がんの全摘手術を終え、1月28日から仕事に復帰。毎朝4時半に家を出て、月曜は5時半に出社。火~金曜は6時に出社。働き方改革もあり、帰宅は週に1、2回は15時になり、他は21時半。以前と何ら変わらぬ激務をこなし仕事納めをした。まずは、一年間頑張った自分を褒め、そして支えてくださった多くの方々に感謝したいと思う。

 ホタル関係では、三重県菰野町と八王子市川町、そして相模原市城山町で講演を行い、千葉県君津市では保全指導を行った。昨年はメディアの取材も多く、テレビやラジオ出演もあったが、今年はほとんど取材がなかった。(テレビ番組「マツコの知らない世界」からオファーがあったが、打ち合わせ後にマツコさんがホタルについて知識があると分かり、キャンセル)メディアの関心が薄れた年と言えるが、後に豪雨及び台風が全国各地に甚大な被害をもたらし、一部では来年のホタル発生も危ぶまれている。こうした異常気象、天災の原因は温暖化であり、我々に責任がある。ホタルを守りながら、ホタルを滅ぼしているとも言える。メディアは、ホタルを単なる風物詩、観光、癒しの道具として扱うのではなく、ホタルを通じて自然環境を考える報道をしていくべきだろう。

 さて、自然風景写真については、病後と加齢による気力と体力の低下から毎週末強行軍の遠征と言うわけにはいかなかった。撮りたい光景と気象状況とのマッチングが少なく、断念したことも多い一年であった。それでも、今までとは違った自然の美しさに感動し、写真に収めることはできたと思っている。
 2019年(令和元年)の最後は、この一年に撮影した自然風景写真で締めくくりたいと思う。

2019年の自己ベスト(風景編)

  1. 信州にて天の川
  2. 小田代ヶ原(カラマツの霧氷と黄葉)
  3. ヒメボタル
  4. 小田代ヶ原(夜明け前の幻想)
  5. 霧氷と富士山の夜明け
  6. 源平合戦
  7. 霧氷と星空
  8. ペルセウス座流星群と富士
  9. 富士山と星空
  10. 逆さ富士

2019年の自己ベスト(動画編)

  1. 里山に舞う日本のホタル(2019)

 あくまで自己満足の写真であるが、並べてみると、今年はほとんどが夜間撮影であり、更には富士山が多いのも特徴。動画に関しては、昆虫と風景と多く撮影したが、自己ベストとしては、ゲンジボタルの飛翔風景にBGMを付け再編集して自己ベスト(動画編)として掲載した。HD設定で、是非フルスクリーンでご覧頂きたい。
 ブログ記事「最上の一枚とは」でも書いたが、「冷静に自然と対峙し、自分の心を見つめ、自分が感動し、人々にも感動していただけるオンリーワンの写心」そんな一枚を来年は撮れるようになりたい。また、引き続き動画にも力を注いで撮影していきたいと思う。

本年の当ブログ更新は、これが最後となります。新年の初投稿は1月5日を予定しています。
これまでご訪問頂いた方々、そしてお世話になった皆様に、心より御礼申し上げます。ありがとうございました。
来年も引き続き、よろしくお願い申し上げます。2020年が皆様にとってよい年でありますよう、お祈り致します。

東京ゲンジボタル研究所 古河義仁

お願い:なるべくクオリティの高い写真をご覧頂きたく、1024*683 Pixels で掲載しています。ウェブブラウザの画面サイズが小さいと、自動的に縮小表示されますが、画質が低下します。Internet Explorer等ウェブブラウザの画面サイズを大きくしてご覧ください。また動画においては、Youtubeで表示いただき、HD設定でフルスクリーンにしますと高画質でご覧いただけます。

天の川の写真

信州にて天の川

小田代ヶ原の写真

小田代ヶ原~カラマツの霧氷と黄葉(9年目にしてようやく出会えた光景)

ヒメボタルの写真

ヒメボタル(昨年は撮影したにも関わらず、レンズキャップを外し忘れたのでリベンジ)

小田代ヶ原の写真

小田代ヶ原~夜明け前の幻想

霧氷と富士山の写真

霧氷と富士山の夜明け

ゲンジボタルとヘイケボタルの写真

源平合戦(東京都内で唯一ゲンジボタルとヘイケボタルが同時に舞う場所だが、開発問題がある)

霧氷と星空の写真

霧氷と星空

ペルセウス座流星群と富士の写真

ペルセウス座流星群と富士

富士山と星空の写真

富士山と星空

逆さ富士の写真

逆さ富士

里山に舞う日本のホタル(2019)

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2019年の自己ベスト(昆虫編)

2019-12-26 22:10:21 | 自己ベスト/風景、昆虫

 今年も本年撮影した写真の中から自己ベスト10を選んで締めくくりたいと思う。本記事は昆虫、次に自然風景をまとめた。

2019年の自己ベスト(昆虫編)

  1. マダラヤンマのホバリング
  2. マダラヤンマの産卵
  3. ルリボシヤンマ 青眼型メス
  4. ヤブヤンマの青眼メス
  5. ウスバシロチョウ不完全黒化型
  6. クモマツマキチョウ
  7. ギフチョウのイエローバンド
  8. ヒロオビミドリシジミ(メス)
  9. キバネツノトンボの産卵
  10. オオルリシジミ

 昆虫写真は、出会いさえ叶えば、図鑑的、生態学的見地から貴重な記録として残すことができるが、今年も細かな計画を立てて遠征したにも関わらず、目標達成率の低い結果であった。年々目標のハードルを高くしていることもあるが、春先の異常気象で発生が極端に少なく上手く撮れなかったり、悪天候で断念したり、大阪まで行って被写体を目の前にしたにも関わらず撮影できなかったり、あるいはまったく探し出せなかった種もあるなど、苦難の連続であり、またブログは、どこどこで今日はこんなものを撮りました的な日誌ではないため、更新頻度も低い年であった。
 以下には、(1)目標の達成度、(2)撮影の苦労度と難易度、(3)写真の完成度、(4)学術的貴重度などから10点を選び並べてみたが、自己満足度が高いのはヤンマで、低い方にチョウが占めているのが今年の特徴。ただし、満足度がかなり低く、無理やりのランク入りである。来年は、様々な反省点を踏まえ、未だに撮影できていない種と未達の生態シーンなどを美しい図鑑写真、生態写真として残したい。すでに来年3月末から11月まで昆虫撮影の予定を組んでいるので楽しみたいと思う。
 専門のホタルに関しては、マクロ的なものではなく飛翔風景ばかりを撮影した。写真も動画も満足度の高いものが撮影でき、それらは、次の記事「2019年の自己ベスト(風景編)」にランク付けした。

お願い:なるべくクオリティの高い写真をご覧頂きたく、1024*683 Pixels で掲載しています。ウェブブラウザの 画面サイズが小さいと、自動的に縮小表示されますが、画質が低下します。Internet Explorer等ウェブブラウザの画面サイズを大きくしてご覧ください。

マダラヤンマのホバリングの写真

マダラヤンマのホバリング

マダラヤンマの産卵の写真

マダラヤンマの産卵

ルリボシヤンマの青眼型メスの写真

ルリボシヤンマ 青眼型メス

ヤブヤンマの青眼メスの写真

ヤブヤンマの青眼メス

ウスバシロチョウ不完全黒化型の写真

ウスバシロチョウ不完全黒化型

クモマツマキチョウの写真

クモマツマキチョウ(目撃したのはこの1頭だけ)

ギフチョウのイエローバンドの写真

ギフチョウのイエローバンド(今年は個体が少なく、更には証拠程度)

ヒロオビミドリシジミ(メス)の写真

ヒロオビミドリシジミのメス(オスかと思って粘ったらメスだった)

キバネツノトンボの産卵の写真

キバネツノトンボの産卵(知人のお陰で撮影)

オオルリシジミの写真

オオルリシジミ(極めて希少な種だが、遠征の帰りについでに寄っての撮影)

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2018年の自己ベスト(風景編)

2018-12-27 17:42:21 | 自己ベスト/風景、昆虫

 2018年の最後は、この一年に撮影した自然風景写真で締めくくりたいと思う。
 今年は、例年になく自然風景写真にも力を注いできた。夏場は昆虫との出会いに奮闘し、秋以降は前立腺癌の手術もあったため、季節的には限定されたものが多いが、今年から「星空」を加えたことで、撮りたい風景の幅が広がった事もあり、年頭に掲げた(2018年の撮影目標)の達成率は70%であった。予め「この場所でこんな風景を撮る」と細かくイメージし、ロケハンも行って気象状況を見ながら撮ったことや、漠然とした目標を持って出掛けて行き、その場でじっくりと対峙して撮影したことで、定番から脱却したオンリーワンの写真を少しばかり残せたようにも思う。また、デジタル写真ならではの細かい現像処理も時間をかけて行うようにし、自宅で現像しながら自然の美しさに再度感動するということもあった。
 だたし、遠征してマイナス15℃の中で車中泊し、翌朝に完全に目標を達成していながら、撮影したRWAデータを現像前に全て失ってしまったり、夕方から待機して深夜に2時間近くかけて数百枚撮影したにも関わらず、レンズキャップを付けたままで全て真っ黒という大失態を行った年でもあった。
 そんな一年に撮影した中から、(1)作品としての完成度、(2)芸術性、(3)オリジナリティーなどから10点を選び、自己満足度の高い順に並べた。また今年は、動画も2点挙げておきたい。1つは、本年初めて試みたタイムラプスである。各地で撮影した星空をまとめBGMを入れて編集した。そしてもう1つは、ヒメボタルの映像(動画)である。撮影は2012年に行ったものであるが、今年の夏に購入した動画編集ソフトによって、これまで不可能であった「ヒメボタルの発光飛翔と背景」を同時に見せることができたので選んだ。PCの全画面表示にすると、ヒメボタルの発光飛翔の様子がよく分かる。
 写真も映像(動画)も駄作ばかりではあるが、ご覧頂ければ幸いである。

2018年の自己ベスト(風景編)

  1. 月光の御射鹿池
  2. 星峠より天の川
  3. 霧氷(霧ヶ峰)
  4. 霧氷(車山高原)
  5. 湯西川湖の水没林
  6. 小田代ヶ原の霧氷
  7. ヒメボタル(岩手県折爪岳)
  8. 大山千枚田の朝景
  9. 四万ブルー
  10. ゲンジボタルの写真と映像(動画)

2018年の自己ベスト(動画編)

  1. 天の川と富士山のタイムラプス動画
  2. ヒメボタルの映像(動画)

 過去のブログ記事「四季の自然風景」でも書いたが、自然風景写真について、もう一度私自身のために記し、様々な反省を行い、来年の計画を練りたいと思う。
 自然風景写真は、自然の「美」を表したものに他ならない。まずは「美しい風景」に出会うことが必要だ。では「美しい風景」とは、どのような風景だろうか。
 そもそも「美」とは、広辞苑によれば「知覚・感覚・情感を刺激して内的快感をひきおこすもの」、ブリタニカ百科事典では「美には直接の感覚による美があるが、他方、直接感覚に依存せず精神的に感じられる美もある」としている。つまり「美しい風景」とは、人の心を激しく揺さぶるような、見る人に強烈な印象を残し、見る人の記憶に深く刻み付けられる「情景」なのであろう。
 では「情景」とは、いつも、どこにでも存在するのだろうか。日本には有名な景勝地が多くあり、絶景と言われる風景もあるが、その風景を単に写しても眺めた結果でしかない。見る人の感じ方によって様々であろうが、風景の固定的要素である「造形」に色彩や光などと言った変動的な要素が加わり、そこに何か心から感じるものがばければ「情景」にはならないだろう。
 心から感動する情景に出会ったら、自分は一体、何を美しいと感じ、何に感動しているのかを明確に認識すること。そしてそれをどう表現すればよいのかを考えた上で、構図、露出を決定して、 シャッター・チャンスを狙って撮る。それが、自然風景写真なのだと思う。

本年の当ブログ更新は、これが最後となります。ご訪問頂いた方々、そしてお世話になった皆様に、心より御礼申し上げます。ありがとうございました。
来年も引き続き、よろしくお願い申し上げます。2019年が皆様にとってよい年でありますよう、お祈り致します。

東京ゲンジボタル研究所 古河義仁

お願い:なるべくクオリティの高い写真をご覧頂きたく、1024*683 Pixels で掲載しています。Internet Explorerの 画面サイズが小さいと、自動的に縮小表示されますが、画質が低下します。Internet Explorerの画面サイズを大きくしてご覧ください。また、動画は左下の[ ]にてPC全画面表示にしますと、高画質でご覧頂けます。

月光の御射鹿池

月光の御射鹿池
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / EF17-35mm f/2.8L USM / バルブ撮影 F2.8 40秒 ISO 1250 トリミングあり(撮影地:長野県茅野市 2018.09.23)

星峠より天の川

星峠より天の川
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / EF17-35mm f/2.8L USM / バルブ撮影 F2.8 44秒 ISO 1250/ PRO1D プロソフトン[A](W)使用(撮影地:新潟県十日町市 2018.4.21)

霧氷(霧ヶ峰)

霧氷(霧ヶ峰)
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F11 1/100秒 ISO 100 -1EV(撮影地:長野県諏訪市 2018.2.11)

霧氷(車山高原)

霧氷(車山高原)
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F11 1/4秒 ISO 100 -2/3EV(撮影地:長野県諏訪市 2018.2.11)

湯西川湖の水没林

湯西川湖の水没林
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/25秒 ISO 100 +2/3EV(撮影地:栃木県日光市 2018.1.2)

小田代ヶ原の霧氷

小田代ヶ原の霧氷
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/160秒 ISO 100(撮影地:栃木県日光市 2018.3.11)

ヒメボタル(岩手県折爪岳)

ヒメボタル(岩手県折爪岳)
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Carl Zeiss Planar T* 1.4/50 ZE / バルブ撮影 F1.4 ISO 1600 10分相当多重(撮影地:岩手県二戸市 2018.07.14)

大山千枚田の朝景

大山千枚田の朝景
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F11 1/125秒 ISO 100 -2/3EV(撮影地:千葉県鴨川市 2018.3.25)

奥四万湖/四万ブルーの写真

奥四万湖/四万ブルー
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F3.5 1秒 ISO 100 +1 1/3EV(撮影地:群馬県中之条町 2018.4.29)

ゲンジボタル

ゲンジボタル
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Carl Zeiss Planar T* 1.4/50 ZE / バルブ撮影 F1.4 ISO 640 24分多重(撮影地:東京都あきる野市 2018.6.22)

天の川と富士山のタイムラプス動画(BGM付き
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / EF17-35mm f/2.8L USM

ヒメボタルの動画
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Carl Zeiss Planar T* 1.4/50 ZE

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2018年の自己ベスト(昆虫編)

2018-12-26 16:14:36 | 自己ベスト/風景、昆虫

 今年も本年撮影した写真の中から自己ベスト10を選んで締めくくりたいと思う。本記事は昆虫、次に自然風景をまとめた。

 私は、ホタルの生態や生息環境を研究し保全活動をしているが、「ホタルしか知らない人間にホタルの事は語れない。」という信条から、他の多くの昆虫の生態や生息環境を知り、また絶滅危惧種であれば何が問題となっているのかを学んでいる。その記録として昆虫写真を撮影しているが、単に写したものではなく、特徴が分かる美しい図鑑写真、生態写真でありたいと思っているし、ブログ記事も、「今日はどこどこでこんなものを撮りました」的な日誌ではなく、出来れば保全の啓蒙にもなるようにしたいと思い書き続けている。
 毎年、その年に撮る昆虫は正月に細かな計画を立てて、色々と調整しながら行動するが、終わってみればその達成率は何と30%に満たない結果であった。(2018年の撮影目標)毎年そうだが、気候や天候に左右されて撮影に行けなかったことが大きな要因である。また、異常気象の影響だろうか、本年は発生時期がかなり早く、タイミングを合わせるのが難しかった。ただし、2018年の撮影目標に追記はしなかったが、年頭に決めた年間スケジュール以外にも途中で目標を追加しており、10月には愛媛遠征を行うなど、多くの昆虫たちとの出会いに感動し、多くを学ぶことができた。
 今年は、(1)撮影の苦労度と難易度、(2)写真の完成度、(3)学術的貴重度などから次の10点を選び、自己満足度の高い順に並べた。

2018年の自己ベスト(昆虫編)

  1. ギフチョウ/イエローバンド
  2. ハヤシミドリシジミ
  3. カラカネイトトンボ
  4. ウラキンシジミ(odai型)
  5. カトリヤンマ(青眼メス)
  6. ミドリシジミ
  7. オオキトンボ(連結飛翔)
  8. オオルリボシヤンマの青メス
  9. スナアカネ
  10. エゾイトトンボの産卵

 本年の様々な反省を踏まえながら、来年も「未撮影種」「絶滅危惧種」などの撮影を目標にしたい。また、図鑑的なカットを撮り終えた種については産卵等の生態写真の撮影を行い、更には、広角やフィッシュアイ・レンズを使用して生息環境も写し込んだ写真も撮っていきたいと思う。
 最後に、愛媛遠征の際、各地をご案内頂きお世話をして下さった日本トンボ学会会員の飯田 貢 氏、山本 桂子 氏に、改めて心より感謝し御礼申し上げたい。

お願い:なるべくクオリティの高い写真をご覧頂きたく、1024*683 Pixels で掲載しています。Internet Explorerの画面サイズが小さいと、自動的に縮小表示されますが、画質が低下します。Internet Explorerの画面サイズを大きくしてご覧ください。

ギフチョウ/イエローバンド

ギフチョウ/イエローバンド
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/320秒 ISO 200(撮影地:長野県 2018.5.05)

ハヤシミドリシジミ

ハヤシミドリシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 400(撮影地:神奈川県 2018.6.24)

カラカネイトトンボ

カラカネイトトンボ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / 絞り優先AE F8.0 1/125秒 ISO 200 +2/3EV(撮影地:岩手県 2018.7.14)

ウラキンシジミ(odai型)

ウラキンシジミ(odai型)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/320秒 ISO 800(撮影地:岩手県 2018.7.15)

カトリヤンマ(青眼メス)

カトリヤンマ(青眼メス)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 400 +1/3EV ストロボ使用(撮影地:愛媛県 2018.10.07)

ミドリシジミ

ミドリシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 800 -2/3EV(撮影地:埼玉県入間市 2018.6.02)

オオキトンボ(連結飛翔)

オオキトンボ(連結飛翔)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F8.0 1/500秒 ISO 640 +1 1/3EV(撮影地:愛媛県 2018.10.07)

オオルリボシヤンマのオス型メス

オオルリボシヤンマの青メス
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 400 +1 2/3EV ストロボ使用(撮影地:新潟県 2018.09.22)

スナアカネ

スナアカネ
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F8.0 1/500秒 ISO 200 +1EV(撮影地:静岡県 2018.10.20)

エゾイトトンボの産卵

エゾイトトンボの産卵
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / 絞り優先AE F8.0 1/160秒 ISO 200 +1EV(撮影地:長野県 2018.06.30)

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2017年の自己ベスト(風景編)

2017-12-27 22:22:28 | 自己ベスト/風景、昆虫

 風景写真は、美しいと思った場所を美しく表現し、その感動を多くの人々に伝えることができなければならないと思う。ただし、既に発表されている作品と同じ写真では真似でしかない。表現を提案して、人々の潜在意識を呼び覚ますことも必要だろう。写真は絵画ではない。実写において、それらを叶えるのは、撮影者の感性と感動を表す撮影技術の高さに他ならない。実際に他人から評価されるのは、そういう「風景写真」である。
 私は、昆虫写真の合間に、自身の年間計画に基づいて自然風景を狙って撮ってきたが、有名な景勝地においては、思い描く絵を求めるばかりにシチュエーションに拘り、構図等の技術面ばかりにとらわれ感動する心を忘れて撮っていることに気が付いてた年であった。美しい場所を美しく撮っても、自身の「感動」が表現されていなければ「芸術作品」ではなく、その結果は評価されない。評価は別にしても大いに反省している。
 以下に、本年撮影した風景写真から撮影の苦労度、完成度などから10点を選んで掲載したが、いずれも自己満足度は低い。本年の反省を踏まえ、来年も以下のコンセプトで、焦らず、じっくりと、大自然の中で風景と対峙しながら撮っていきたいと思う。

  1. 景勝地では、その最上の美しい瞬間を撮る。
  2. 見る人に感動を与える作品にする。
  3. オンリーワンの写真であること。

本年の当ブログ更新は、これが最後となります。お世話になった方々、ブログにご訪問いただいた皆様に、心より御礼申し上げます。ありがとうございました。
来年も、どうぞよろしくお願い申し上げます。2018年が皆様にとってよい年でありますよう、お祈り申し上げます。

東京ゲンジボタル研究所 古河義仁

お願い:なるべくクオリティの高い写真をご覧頂きたく、1024*683 Pixels で掲載しています。Internet Explorerの 画面サイズが小さいと、自動的に縮小表示されますが、画質が低下します。Internet Explorerの画面サイズを大きくしてご覧ください。

美ヶ原の霧氷写真

美ヶ原の霧氷林
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 0.8秒 ISO 100 +1/3EV (撮影地:長野県松本市/美ヶ原 2017.11.19)

美ヶ原の霧氷写真

美ヶ原の霧氷
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/500秒 ISO 100 -1/3EV (撮影地:長野県松本市/美ヶ原 2017.11.19)

中綱湖オオヤマザクラの写真

中綱湖/オオヤマザクラ
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F6.3 0.5秒 ISO 100 -1/3EV(撮影地:長野県大町市 2017.5.04 5:08)

奥四万湖の写真

奥四万湖
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/8秒 ISO 100 +1/3EV(撮影地:群馬県中之条町 2017.4.30)

ゲンジボタルの飛翔の写真

ゲンジボタルの飛翔風景
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Carl Zeiss Planar T* 1.4/50 ZE / バルブ撮影 F1.4 30分相当多重 ISO 400(撮影地:千葉県 2017.6.09)

美人林の写真

美人林
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Carl Zeiss Planar T* 1.4/50 ZE / 絞り優先AE F8.0 1/4秒 ISO 100 -1EV(撮影地:新潟県十日町市 2017.10.08)

美人林の紅葉の写真

美人林の紅葉
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 0.3秒 ISO 100 -1/3EV(撮影地:新潟県十日町市 2017.11.12)

ヒメボタル乱舞の写真

ヒメボタル
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Carl Zeiss Planar T* 1.4/50 ZE / バルブ撮影 F1.4 14分多重 ISO 1600(撮影地:岩手県二戸市/折爪岳 2017.7.16)

富士と冬の星空の写真

富士と冬の星空
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / EF17-35mm f/2.8L USM / バルブ撮影 F2.8 20秒 ISO 1000 ×171カット合成 (撮影地:山梨県南巨摩郡身延町/本栖湖 2017.12.23)

カラマツ林の写真

カラマツ林
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / 絞り優先AE F5.6 1/160秒 ISO 1000 +1/3EV(撮影地:長野県富士見町/入笠湿原 2017.8.13)

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2017年の自己ベスト(昆虫編)

2017-12-26 21:41:18 | 自己ベスト/風景、昆虫

 例年のように一年を振り返って、私自身の反省のために自己満足ベスト10を選んでみた。前編は昆虫、後編は風景をまとめた。

 今年撮りたいと計画した昆虫写真の目標達成率は40%で半分にも満たなかったが、年々難しい被写体や生態のワンシーンを狙っているため、撮影できた喜びは大きい。トンボとチョウの撮影が主となっているが、本年はトンボ類の方が多かった。また、計画になくても初撮影できた昆虫も多いため、全体的には自己満足度が高い年であったように思う。以下に撮影の難易度、学術的貴重度、写真の完成度、苦労度など、私の自己満足度の高い順に10点の写真を選んで掲載した。
 これまで、昆虫写真のブログ等が多く存在していた。デジタルカメラの普及に伴って、かつての昆虫少年が定年後の趣味として撮影していたのであろう。しかしながら、昨今では十分に撮り終えてしまったのか、あるいは体力・気力的な問題なのか、随分と減ってきたように思う。今後は、若い世代の登場を大いに期待したい。私の昆虫写真撮影も趣味であるが、ブログに掲載する写真は、どこどこで今日はこんなものを撮りました的な日誌ではなく、来年も以下の目標をもって、未撮影種や絶滅危惧種を撮っていきたいと思う。

  1. 美しい図鑑写真
  2. 生態写真
  3. 芸術写真

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ゴマシジミの写真

ゴマシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F6.3 1/250秒 ISO 500(撮影地:長野県 2017.8.11)

ウラクロシジミの写真

ウラクロシジミ(オス)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 + Kenko TELEPLUS 2X / 絞り優先AE F9.0 1/1000秒 ISO 2500(撮影地:東京都 2017.6.17)

ウオオトラフトンボの写真

オオトラフトンボ(オスの飛翔)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F5.6 1/400秒 ISO 1600 +2/3EV(撮影地:新潟県 2017.5.27)

ミルンヤンマの産卵写真

ミルンヤンマの産卵
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / 絞り優先AE F6.3 1/4秒 ISO 400 -1 1/3EV ストロボ使用(撮影地:神奈川県 2017.9.03)

カラカネトンボの写真

カラカネトンボ
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F5.6 1/4008秒 ISO 800(撮影地:新潟県 2017.5.20)

オオルリボシヤンマ(青色型メスの産卵)の写真

オオルリボシヤンマ(青色型メスの産卵)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F6.3 1/250秒 ISO 250 -2/3EV ストロボ使用(撮影地:兵庫県 2017.9.23)

アサマシジミの写真

アサマシジミ(中部低地帯亜種)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F9.0 1/250秒 ISO 500(撮影地:長野県 2017.6.24)

ネアカヨシヤンマの産卵写真

ネアカヨシヤンマ(産卵)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F8.0 1/60秒 ISO 400 -2/3EV ストロボ使用(撮影地:千葉県 2017.7.09)

カトリヤンマの産卵写真

カトリヤンマの産卵
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F6.3 1/125秒 ISO 400 -2/3EV ストロボ使用(撮影地:千葉県 2017.9.24)

ヤブヤンマの産卵写真

ヤブヤンマの産卵
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 + Kenko / 絞り優先AE F5.0 1/60秒 ISO 200 -1EV ストロボ使用(撮影地:埼玉県 2017.7.02)

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