ホタルの独り言 Part 2

ホタルの生態と環境を52年研究し保全活動してます。ホタルだけでなく、様々な昆虫の生態写真や自然風景の写真も掲載しています

オオルリボシヤンマ

2016-08-29 23:21:59 | トンボ/ヤンマ科

 オオルリボシヤンマ Aeshna crenata Hagen, 1856 は、ヤンマ科ルリボシヤンマ属で、北海道、本州、九州に分布し、成虫は6月下旬頃から11月頃まで見られる。周囲に樹木がある抽水植物や浮葉植物が生育する池沼等に生育し、タカネトンボ同様に、標高300mほどの丘陵地から標高1,600mの高地において見ることができる。体長は80mm弱から90mmと大柄で、オスは成熟すると腹部の斑紋が青色となり、メスは腹部の斑紋が緑色と青色(オス型)の2種類のタイプがいる。通常は緑色で青色は変異であるが、その出現率には地域性があるようである。
 オオルリボシヤンマは、寒冷地や高標高の池や湿原に生息しているイメージがあるが、東京都内では、丘陵地の池において飛翔と産卵が観察できる。しかしながら、羽化殻がなく、また個体数も少ないことから、その池での発生は不明である。オオルリボシヤンマは、9月以降になると標高の高い生息地から低地にも飛来することが報告されているので、他地域から飛翔してきた可能性が高い。産卵してヤゴが孵化しても、寒冷地や高標高の池等には生息しない魚がいるため、捕食されてしまっているのではないかと考えられる。山梨県との県境の山中に繁殖池も存在するので、その辺りから飛来してきたかも知れないが、マーキンギ調査でもしなければ単なる仮説に過ぎない。
 オオルリボシヤンマは、環境省RDBに記載はないが、埼玉県で絶滅危惧Ⅱ類、神奈川県、和歌山県、大阪府、島根県、山口県、大分県、宮崎県で準絶滅危惧種に選定されている。

 オオルリボシヤンマは、大きく、しかも青色が目立つので、見かければ必ずカメラを向けたくなるヤンマであり、様々な場所で撮ってきた。これまで1頭のメスに1頭のオスが仲良く寄り添って産卵を見守る様子は見ていたものの、今年は1頭のメスに5頭のオスが絡み合う様子を観察した。(写真はなし。)また、これまで産卵は水面上または水面下の植物組織内に行う様子ばかりであったが、今回は、30頭以上が飛び交う中、あちこちで周囲に何もない泥上にある小さな朽木に産卵する様子を個別ではあるが図鑑的に捉えることができた。

関連ブログ記事

以下の掲載写真は、1920×1280ピクセルで投稿しています。写真をクリックしますと別窓で拡大表示されます。

オオルリボシヤンマ(オス)の写真
オオルリボシヤンマ(オス)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / 絞り優先AE F8.0 1/320秒 ISO 1000(撮影地:長野県 2013.8.10)
オオルリボシヤンマ(オス)の写真
オオルリボシヤンマ(オス)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / 絞り優先AE F4.5 1/200秒 ISO 400 -2/3EV ストロボ使用(撮影地:東京都 2011.9.19)
オオルリボシヤンマ(オス)の写真
オオルリボシヤンマ(オス)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F8.0 1/320秒 ISO 3200 +2/3EV(撮影地:新潟県 2018.9.22 13:35)
オオルリボシヤンマ(オス)の写真
オオルリボシヤンマ(オス)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / 絞り優先AE F5.6 1/60秒 ISO 400 -2/3EV ストロボ使用(撮影地:東京都 2011.9.19)
オオルリボシヤンマの写真
オオルリボシヤンマ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / 絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 640(撮影地:長野県 2013.8.10)
オオルリボシヤンマ(メス)の写真
オオルリボシヤンマ(メス)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / 絞り優先AE F3.5 1/250秒 ISO 200 -2/3EV(撮影地:東京都 2011.9.19)
オオルリボシヤンマ(産卵)の写真
オオルリボシヤンマ(産卵)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / 絞り優先AE F6.3 1/250秒 ISO 320 +2/3EV(撮影地:長野県 2016.8.20)
オオルリボシヤンマ(産卵)の写真
オオルリボシヤンマ(産卵)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / 絞り優先AE F6.3 1/320秒 ISO 320 +2/3EV(撮影地:長野県 2016.8.20)
オオルリボシヤンマ(青色型メスの産卵)の写真
オオルリボシヤンマ(青色型メスの産卵)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F8.0 1/400秒 ISO 400 +1/3EV(撮影地:新潟県 2018.9.22)

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タカネトンボ

2016-08-28 16:58:28 | トンボ/エゾトンボ科

 タカネトンボ Somatochlora uchidai Forster, 1909 は エゾトンボ科(Family Corduliidae)エゾトンボ属(Genus Somatochlora)で、北海道・本州・四国・九州・屋久島に分布している。タカネトンボは、ミナミトンボ属(Genus Hemicordulia)を除くエゾトンボ科の中で最も南方まで分布する種である。和名の“タカネ”は、高嶺(高い山、高い峰の意)にちなんでいると言われるが、標高300mほどの丘陵地から標高1,600mの高地まで分布し、周囲を樹林に囲まれた閉鎖的で小規模な池沼等において、6月上旬頃から10月下旬頃まで見られる。オスは縄張りを持ち、時折ホバリングをしながら水域の周囲を旋回する様子がしばしば観察できる。
 成熟した成虫の複眼は鮮やかな金緑色に輝き、胸部も金属光沢を帯びた緑色で美しい。エゾトンボ科は、近似種が多いが、オスの尾部付属器の違いで区別することができる。タカネトンボは、環境省RDBに記載はないが、千葉県では絶滅危惧Ⅰ類(重要保護生物)、高知県、宮崎県、長崎県では準絶滅危惧種に選定している。

 タカネトンボは、先日、標高1,600mの池にて撮影したが、過去にも多く撮影しており、本記事ではそれらから選別して掲載した。静止写真は、比較的じっくりと撮影できるが天候や光の当たり具合、ストロボのあて具合で複眼と体の色が違って見え、どれもタカネトンボの美しさを綺麗に写すことができていない。一方、飛翔写真は、ピンボケや被写体ブレが多い。撮影方法は、シャッター・スピード優先でもなく、ストロボも使わない。また、置きピンではなく、ファインダーでトンボを追いかけてホバリングした時にマニュアルでピントを合わせてシャッターを切る方法。最低でも5~6秒ほどホバリングしてくれれば、撮る自信はあるが、タカネトンボのホバリングは、ほとんどがその半分の時間で、しかも忙しなく移動するので難易度が高い被写体である。産卵の様子も撮影し「タカネトンボ(産卵)」として掲載しているが、ピンボケばかりである。Canon EOS 7D では、AF-ONボタンでピントを合わせる親指AFとAIサーボを組み合わせる方法もあるが、現在使用しているAFが遅いタムロン・レンズでは有効ではない。「いかに美しく撮るか。」今後の大きな課題である。

追 記
 複眼の美しいタカネトンボであるが、羽化したばかりは茶色で、このような輝きはない。同様にヤンマを含むすべてのトンボ類がそうであり、成熟するに従って色づいてくる。不思議である。

お願い:写真は、1024*683 Pixels で掲載しています。Internet Explorerの画面サイズが小さいと、自動的に縮小表示されますが、 画質が低下します。Internet Explorerの画面サイズを大きくしてご覧ください。

タカネトンボ

タカネトンボ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F6.3 1/125秒 ISO 400 -1 1/3EV ストロボ使用(2016.8.20)

タカネトンボ

タカネトンボ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F6.3 1/250秒 ISO 200(2012.8.25)

タカネトンボ

タカネトンボ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F5.6 1/250秒 ISO 320 -2/3EV ストロボ使用(2011.9.18)

タカネトンボ

タカネトンボ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F6.3 1/250秒 ISO 500 +2/3EV(2010.8.28)

タカネトンボ

タカネトンボ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F3.2 1/320秒 ISO 400(2016.8.20)

タカネトンボ

タカネトンボ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F3.2 1/320秒 ISO 400(2016.8.20)

タカネトンボ

タカネトンボ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F3.2 1/320秒 ISO 1600 +1EV(2015.8.1)

タカネトンボ

タカネトンボ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F4.0 1/640秒 ISO 200 -1/3EV(2014.9.23)

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ゴマシジミが採集禁止に!

2016-08-25 21:07:22 | チョウ/シジミチョウ科

 ゴマシジミは、シジミチョウ科ゴマシジミ属(Phengaris属)に分類されるチョウで、日本国内では以下の4亜種が生息しているが、いずれも環境省RDBで絶滅危惧種として選定している。

  • ゴマシジミ北海道・東北亜種 Phengaris teleius ogumae (Matsumura, 1910) /準絶滅危惧(NT)
  • ゴマシジミ本州中部亜種 Phengaris teleius kazamoto (H.Druce, 1875) /絶滅危惧ⅠA類(CR)
  • ゴマシジミ中部高地帯亜種 Phengaris teleius hosonoi A. Takahashi, 1973 /絶滅危惧Ⅱ類(VU)
  • ゴマシジミ中国・九州亜種 Phengaris teleius daisensis (Matsumura, 1926) /絶滅危惧ⅠB類(EN)

 この中で、長野県と山梨県の一部に生息する「ゴマシジミ本州中部亜種」が、本年、「国内希少野生動植物種」に追加指定された。<参照:ゴマシジミ(青ゴマ開翅)
 環境省は「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律(種の保存法)」に基づいて、絶滅のおそれのある野生動植物種を「国内希少野生動植物種」に指定して、保護活動を実施しており、本年、ようやくゴマシジミ本州中部亜種が、「国内希少野生動植物種」に追加指定された。「国内希少野生動植物種」に指定されると、個体の捕獲や譲渡し等が原則禁止となるほか、必要に応じて生息地等保護区の指定や保護増殖事業を実施することもできるのである。指定理由として次の内容が挙げられている。

  1. 種の特徴
    • 採草地や農周辺のなどおもに刈りどによって人為的維持される半自然のスキ草原に生息するが、産卵植物であワレモコウが生育すると同時に、寄主アリであるクシケアリの一種であるアリが生息していること必要である。
  2. 分布域
    • 本州の東北~関中部に広く分布していたが、現在は 山梨県と長野県に分布する。
  3. 減少要因
    • 開発および管理放棄に伴う生息地の減少、 愛好家等による採取。
  4. その他
    • インター ネットオークションにて 、成虫標本の取引が確認 されている。
    • 長野県松本市の特別天然記念物に指定されている。
    • 保全団体が生息域内の保全を行っている。

 ゴマシジミの生活史は特異で、東北地方以北はナガボノシロワレモコウに、それ以外はワレモコウのそれぞれ花穂に産卵する。 (中部高地帯亜種は、カライトソウも食している。)孵化した幼虫はそれらの花穂を食べて秋に3齢まで成長する。4齢(終齢幼虫)になると食草から地上へ降り、シワクシケアリによって巣に運ばれてシワクシケアリの幼虫や蛹を餌にして越冬し、翌年の夏にアリの巣の出口付近で蛹化・羽化して地上に出るのである。
 ゴマシジミは、北海道と本州、九州(四国では確認されていない)に分布するが、生息地は極めて局所的であり、生息地においても減少している場所が多い。ゴマシジミは、寄主植物である「ワレモコウ」と寄主アリである「シワクシケアリ」の存在が不可欠で高い寄主特異性を示すが、1頭のゴマシジミの幼虫は、200個体以上のシワクシケアリを食べると言われており、ゴマシジミ個体群の維持にとっては、特にシワクシケアリの生息状態が極めて重要と言える。そのシワクシケアリの生息環境は、湿った土の存在が必要条件であり、乾燥化や植物群落の遷移が進むとシワクシケアリはいなくなり、結果としてゴマシジミも全滅してしまう。そのためには、「里山」の良好な維持管理が必要で、「里山」の放棄・放置は減少の原因の1つであると言える。
 日本のみならず、ゴマシジミ属はヨーロッパにおいても生息域が急速に減少しており、特にゴウザンゴマシジミ Phengaris arion (Linnaeus, 1758)においては、ヨーロッパ全体で危機に瀕しており、イギリスを除くゴウザンゴマシジミが生息するすべての国で、減少の一途をたどっていると言われている。(イギリスでは1979年の絶滅の後、コーンウォル州とデボン州で新産地が見つかり、保全に成功している。)
 長野県松本市では、すでに特別天然記念物に指定しており、同市は、今後も保護活動などを強化していく方針で、許可を受けずに捕獲したり、譲渡したりすると5年以下の懲役や500万円以下の罰金が科される。一方、山梨県の生息地では、特に保護保全に関する取り組みは行われておらず、それゆえ、これまで数多くの採集者によって乱獲されていたが、「国内希少野生動植物種」に追加指定されたことで、採集者は捕ることができなくなった。
 以下には、長野県で撮影した絶滅危惧ⅠA類であるゴマシジミ本州中部亜種を掲載した。

参考文献
蝶と蛾. 44, (4), pp. 157-220, 1994-02-28. 日本鱗翅学会/国内希少野生動植物種に追加する種の概要/環境省

以下の掲載写真は、1920*1280 Pixels で投稿しています。写真をクリックしますと別窓で拡大表示されます。

ゴマシジミの写真
ゴマシジミと生息環境
Canon EOS 7D / SIGMA 15mm F2.8 EX DG DIAGONAL FISHEYE / 絞り優先AE F6.3 1/50秒 +2/3EV ISO 200(撮影地:長野県 2016.8.20 7:12)
ゴマシジミの写真
ゴマシジミとワレモコウ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F6.3 1/250秒 ISO 500(撮影地:長野県 2014.8.23 6:53)
ゴマシジミの写真
ゴマシジミとワレモコウ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F5.6 1/320秒 +1EV ISO 1250(撮影地:長野県 2015.8.09 6:30)
ゴマシジミの写真
ゴマシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F5.6 1/320秒 +1 1/3EV ISO 3200(撮影地:長野県 2015.8.01 9:04)
ゴマシジミの写真
ゴマシジミの交尾
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F5.6 1/250秒 +2/3EV ISO 640(撮影地:長野県 2015.8.01 9:30)
ゴマシジミの写真
ゴマシジミの産卵
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F6.3 1/320秒 ISO 320(撮影地:長野県 2014.8.26 11:21)
ゴマシジミの写真
ゴマシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F6.3 1/250秒 ISO 640(撮影地:長野県 2017.8.11 7:39)
ゴマシジミの写真
ゴマシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F6.3 1/320秒 ISO 400(撮影地:長野県 2017.8.11 8:32)
ゴマシジミの写真
ゴマシジミ(青ゴマ)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F6.3 1/250秒 ISO 500(撮影地:長野県 2017.8.11 9:32)
ゴマシジミの写真
ゴマシジミ(青ゴマ)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F6.3 1/250秒 ISO 640(撮影地:長野県 2017.8.11 9:32)

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コシボソヤンマの産卵

2016-08-22 19:26:05 | トンボ/ヤンマ科

 コシボソヤンマ Boyeria maclachlani (Selys, 1883) は、ヤンマ科(Family Aeshnidae)コシボソヤンマ属(Genus Boyeria)のトンボで、北海道・本州・四国・九州に分布する日本特産種である。
 幼虫は平地や丘陵地の樹林におおわれた薄暗い砂礫底の細流や涌水池の砂泥底に生息し、羽化した未熟個体は、発生地近くの林に移動して、日中はほとんど薄暗い所の下枝などに止まっている。朝と夕方に活発に活動する黄昏ヤンマで、和名の由来となっている腹部第3節の「くびれ」が著しいことが本種の特徴である。体長は約75mm~90mmと大柄で、体色は黒褐色の地色に縞模様のような黄色斑紋がある。オスの複眼は青緑色で、成熟すると翅の先端に褐色斑紋が現われる。
 環境省RDBに記載はないが、東京都RDBでは絶滅、群馬県、秋田県では絶滅危惧Ⅰ類、青森県、千葉県、高知県、長崎県RDBでは絶滅危惧Ⅱ類に選定している。

 コシボソヤンマは、2012年8月にオスの静止写真を撮影しているが、今回、産卵の様子を撮影するために同じ生息地を訪れた。
 メスは、樹林におおわれた細流の木やコケなどの基質に単独で産卵にくる。時間帯も決まっており、この生息地においては、朝方から午前10時半頃までと、午後は14時頃から日没までの間に、数回、細流の限られた範囲内を行き来する。細流の上、およそ30cmほどの高さを産卵に適した場所を探しながら飛ぶ。コケの生えた岩の斜面にも止まって産卵管を刺す動きをするが、固いとすぐに飛び立って別の場所を探す。様々な場所に一旦止まるが、産卵場所はコケの生えた朽木である。この生息地では、朽木は水に浸かってはいない。
 時期なのか、個体の違いなのかは分からないが、この日に観察したところでは、一ケ所の産卵場所での産卵に要する時間は短くて10秒ほど、長くても3分ほどで、忙しなく移動しながら いつくかの場所で産卵を行っていた。朽木に止まると腹部を伸ばして産卵管をあちこちに当てて、届く限りの場所に産卵する。産卵中に驚くと、上方の木々の枝に止まることが多いが、5分ほどすると細流に戻り、再び産卵行動を行っていた。

 コシボソヤンマの産卵は、初撮影のシーンで本年の目標の1つであった。ネアカヨシヤンマの産卵シーンは、撮影することができなかったが、今後2か月の間で、カトリヤンマの産卵、マダラヤンマの産卵、ミルンヤンマの産卵の撮影を計画している。

お願い:写真は、1024*683 Pixels で掲載しています。Internet Explorerの画面サイズが小さいと、自動的に縮小表示されますが、画質が低下します。Internet Explorerの画面サイズを大きくしてご覧ください。

コシボソヤンマ(産卵)

コシボソヤンマ(産卵)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4
絞り優先AE F6.3 1/60秒 ISO 400 +1/3EV ストロボ使用(2016.08.21)

コシボソヤンマ(産卵)

コシボソヤンマ(産卵)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4
絞り優先AE F6.3 1/60秒 ISO 400 +1/3EV ストロボ使用(2016.08.21)

コシボソヤンマ(産卵)

コシボソヤンマ(産卵)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4
絞り優先AE F5.6 1/25秒 ISO 3200 -1 1/3EV ストロボ使用(2016.08.21)

コシボソヤンマ(産卵)

コシボソヤンマ(産卵)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4
絞り優先AE F5.6 1/200秒 ISO 3200 -1EV(2016.08.21)

コシボソヤンマ(産卵)

コシボソヤンマ(産卵)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4
絞り優先AE F5.6 1/80秒 ISO 3200 -1EV(2016.08.21)

コシボソヤンマ(メス)

コシボソヤンマ(メス)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4
絞り優先AE F5.6 1/80秒 ISO 400 -1EV ストロボ使用(2016.08.21)

コシボソヤンマ(メス)

コシボソヤンマ(メス)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4
絞り優先AE F5.6 1/10秒 ISO 400 -1EV ストロボ使用(2016.08.21)

コシボソヤンマ(オス)

コシボソヤンマ(オス)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F5.6 1/60秒 ISO 400 ストロボ使用(2012.08.11)

コシボソヤンマ(オス)

コシボソヤンマ(オス)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F6.3 1/60秒 ISO 400 ストロボ使用(2012.08.11)

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ムツアカネの産卵

2016-08-21 22:39:47 | トンボ/アカネ属

 ムツアカネ Sympetrum danae (Sulzer, 1776) は、トンボ科アカネ属であるが、オスは成熟しても赤くならず黒色化する「黒い赤とんぼ」である。体長は3cmほどで、最小のヒメアカネより少し大きい。北海道、秋田、岩手、福島、群馬、新潟、長野、岐阜の各県にのみ分布し、北海道と東北では、平地の 挺水植物の茂っている池や湿地にも生息するが、本州では生息場所が限定され、標高1,500メートル以上の山岳地帯の高層湿原や池沼に局地的に生息しており、成虫は7月下旬から10月中旬まで見られる。
 和名の「陸奥」は、陸奥(青森県と岩手県の一部に相当する地域)のような寒冷地に多く生息していることに由来すると言われているが、青森県では1942年を最後に記録がなく、 絶滅したと考えられる。環境省RDBに記載はないが、群馬県RDBでは絶滅危惧Ⅰ類、福島県と秋田県、岐阜県のRDBでは準絶滅危惧種に選定している。

 ムツアカネは、羽化水域を遠く離れることはほとんどなく、羽化直後の若い個体は湿原周辺の草むらや木立のあいだに静止しており、成熟すると高層湿原や池沼にて交尾、産卵が行われる。交尾は、午前中に行われ、産卵も午前中からお昼過ぎにかけて行われる。連結打泥産卵である。
 今回訪れた池では、一週間前には1頭も見られなかったが、今回はたくさんのペアが産卵を行っていた。降雨量が少ないためか一週間で水位が下がり、岸から水際の間に泥の部分が露出したことでそこがムツアカネの格好の産卵場所になっていた。

お願い:写真は、1024*683 Pixels で掲載しています。Internet Explorerの画面サイズが小さいと、自動的に縮小表示されますが、 画質が低下します。Internet Explorerの画面サイズを大きくしてご覧ください。

ムツアカネ

ムツアカネ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F6.3 1/320秒 ISO 250(2012.9.22)

ムツアカネ

ムツアカネ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F6.3 1/400秒 ISO 200(2016.8.20)

ムツアカネ

ムツアカネ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F6.3 1/640秒 ISO 200(2016.8.20)

ムツアカネ

ムツアカネ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F6.3 1/320秒 ISO 200 +2/3EV(2016.8.20)

ムツアカネ

ムツアカネ(産卵)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F6.3 1/400秒 ISO 200 +2/3EV(2016.8.20)

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まいめの池~夏~

2016-08-17 22:46:26 | 風景写真/湖沼

 まいめの池は、長野県松本市安曇・乗鞍高原の中央部を占める一の瀬園地(標高1,500m)にある小さな池。昨年10月に紅葉を撮影し「まいめの池 ~紅葉~」として当ブログで公開している。今回は、風景を撮るのではなくトンボの撮影で訪れたのだが、駐車場から丘を登って「まいめの池」を前にした途端、 緑を映す水鏡の美しさに引き込まれた。まだ、水面には朝日が届いておらず、池からは少しだけ靄が湧き立ち漂っていた。爽やかな夏の朝の高原ならではの光景ではないだろうか。

 8月も後半になり、本年の撮影目標として昆虫も残り少なくなってきた。少しずつ自然風景の写真を加えながら秋を迎えたいと思う。

お願い:写真は、1024*683 Pixels で掲載しています。Internet Explorerの画面サイズが小さいと、自動的に縮小表示されますが、 画質が低下します。Internet Explorerの画面サイズを大きくしてご覧ください。

まいめの池

まいめの池
Canon EOS 7D / EF17-35mm f/2.8L USM
絞り優先AE F5.0 1/160秒 ISO 200 -1 1/3EV(撮影地:長野県松本市乗鞍高原 2016.8.14 6:15)

まいめの池

まいめの池
Canon EOS 7D / EF17-35mm f/2.8L USM
絞り優先AE F5.0 1/160秒 ISO 200 -1EV(撮影地:長野県松本市乗鞍高原 2016.8.14 6:17)

まいめの池

まいめの池
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Carl Zeiss Planar T* 1.4/50 ZE
絞り優先AE F11 1/13秒 ISO 100 -2/3EV(撮影地:長野県松本市乗鞍高原 2018.8.26 6:22)

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ルリモンハナバチ

2016-08-15 21:59:45 | その他昆虫と話題

 ルリモンハナバチ Thyreus decorus (Smith, 1852) は、ミツバチ科ルリモンハナバチ属のハチで、 ルリモンハナバチ属は、日本国内では以下の3種に分類されている。

Thyreus属

  1. Thyreus decorus (Smith, 1852) ナミルリモンハナバチ
  2. Thyreus centrimacula (Perez, 1905) ウスルリモンハナバチ
  3. Thyreus takaonis (Cockerell, 1911) タカオルリモンハナバチ

 本種は、本州(栃木県が北限)、四国、九州に分布し、8~11月頃に見られる。体長10~13mmで黒色の体に瑠璃色の綺麗な胴体が特徴である。 低地の草原や明るい森林縁部に生息し、メスは、ケブカハナバチ属(Anthophora属)などの巣に産卵し、幼虫はその巣に蓄えられた花粉を食べて育つこと(労働寄生)が知られているが、 生態の詳細は不明である。

 ルリモンハナバチは、幸せを呼ぶ青い鳥にちなんで「幸せを運ぶ青い蜂」(ブルービー)としてインターネットを通じて知名度が上がり、昨今、人気があるハチである。しかしながら、環境省RDBでは、情報不足(DD)との位置づけであるものの、生息環境の悪化と減少、宿主であるAnthophora属の減少等が原因で、青森県では、絶滅危惧Ⅰ類(最重要希少野生生物)、群馬県及び京都府では、絶滅危惧Ⅱ類として選定しており、京都府では、見つかるたびに新聞等に取り上げられるほどである。個人のSNSでも「日本では生息数がとても少ない」とか「日本ではなかなか見かけることは出来ない」などと書かれたものが多いが、東京都内西部では花の咲いている草地に行けば、必ず見られるハチである。キツネノマゴで吸蜜する姿を撮ることができた。(同属のウスルリモンハナバチ Thyreus centrimacula (Perez, 1905) は、東京都で絶滅、千葉県では絶滅危惧Ⅰ類に選定している。)本種は、初見ではないが初撮影で当ブログ初掲載の昆虫である。
 参考までに、もう一種の青いハチ「オオセイボウ」Stilbum cyanurum pacificum Linsenmaier, 1951 の写真を並べておきたい。セイボウ科に分類されるハチの仲間で、スズバチ(トックリバチの仲間)が作った泥の巣の中に産卵し、スズバチの幼虫と、スズバチが運んでくるイモムシ等を食べて成長すると言われている。個人的にはこのハチの方が幸せを運んできてくれそうな気がする。

用語解説
労働寄生(kleptoparasitism, cleptoparasitism)とは、生物における寄生のあり方の一つを指す言葉である。宿主の体から直接栄養を得るのではなく、宿主が餌として確保したものを餌として得るなど、宿主の労働を搾取する形の行動を取ることを指す。盗み寄生とも言う。

以下の掲載写真は、1920*1280 Pixels で投稿しています。写真をクリックしますと拡大表示されます。

ルリモンハナバチの写真

ルリモンハナバチ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / 絞り優先AE F6.3 1/125秒 ISO 800 +1/3EV(撮影地:東京都 2016.8.14)

ルリモンハナバチの写真

ルリモンハナバチ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / 絞り優先AE F6.3 1/125秒 ISO 800 +1/3EV(撮影地:東京都 2016.8.14)

ルリモンハナバチの写真

ルリモンハナバチ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / 絞り優先AE F6.3 1/125秒 ISO 800 +1/3EV(撮影地:東京都 2016.8.14)

ルリモンハナバチの写真

ルリモンハナバチ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / 絞り優先AE F6.3 1/125秒 ISO 800 +1/3EV(撮影地:東京都 2016.8.14)

ルリモンハナバチの写真

ルリモンハナバチ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / 絞り優先AE F6.3 1/125秒 ISO 800 +1/3EV(撮影地:東京都 2016.8.14)

オオセイボウの写真

オオセイボウ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/320秒 ISO 2000 +2/3EV (撮影地:長野県 2013.07.13)

オオセイボウの写真

オオセイボウ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/320秒 ISO 2000 +2/3EV (撮影地:長野県 2013.07.13)

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竜返しの滝

2016-08-14 22:01:36 | 風景写真/滝

 竜返しの滝は、長野県軽井沢町の有名な「白糸の滝」の下流にある。高さ7m、幅2mほどであるが、水量が多く轟音を響かせており迫力がある。昔は、数段に落下する大きな滝で、各々円形の滝壺では爆水が渦巻いて、それが数珠玉を連ねたように見えたことから「すずが滝」と呼ばれていたが、後に、竜のように大蛇が滝を渡りそびれて、豪水に飲まれ姿を消してしまったという伝説から、「竜返しの滝」と言われている。

 今夏は、計画した昆虫の写真が思うように撮れず、悔しい毎週末を過ごしている。この週末もトンボとチョウを撮るために、車中一泊二日の遠征に出かけたが、結果は惨敗。昆虫なら何でも撮るというのではなく、目標を決めて、それだけを狙うから、発生時期や天候に左右されての結果である。ただ、今回は、久しぶりに自然風景写真の撮影も予定に組み込んだ。風景撮影は5月の「奥四万湖/浮島」、6月の「モネの池」以来であろうか。狙うは、「竜返しの滝」である。
 軽井沢の美しい林と緑に囲まれた清流と滝であるから、それだけでも絵にはなるが、「光芒」というドラマティックな演出を期待して向かった。午前1時半に自宅を出発し、5時半に到着。ロケハンをした後、滝の前で待機。天気は曇り。しかし、晴れるという予報を信じて、ひたすら待つ。日の出時刻は5時4分だが、深い谷に日が差してくるのは7時半頃だ。
 徐々に雲間から青空が見えるようになり、谷の上部の木々に朝日が当たり始めた。「これなら大丈夫。」そう自分に言い聞かせて待っていると、7時半、夏の強い日差しとまではいかないが、木々の間から光芒となって朝日が差し込みはじめた。日の出の方角から、9月になると滝への光芒は見られない。6月20日くらいだと正面近くから朝日が当たるが、梅雨の時期に軽井沢で晴れを期待するのは難しいだろう。
 竜返しの滝を8時半頃に引き上げたが、カメラマンは自分を含めて8人、駐車場を出るときに観光客3人とすれ違っただけであった。一方、通り過ぎただけの「白糸の滝」は、8時半過ぎで 駐車場は乗用車で半分ほど埋まっており、観光バスも2台。その先の国道146号線も大渋滞で、お盆期間中の軽井沢は車と人で溢れていたが、昆虫はまったくいなかった。
 滝と光芒の組み合わせは、来月に別の場所で撮る予定だ。

以下の掲載写真は、1920×1280ピクセルで投稿しています。写真をクリックしますと別窓で拡大表示されます。

竜返しの滝の写真
竜返しの滝
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / 絞り優先AE F13 13秒 ISO 100 -1EV(撮影地:長野県軽井沢町 2016.8.13 7:40)
竜返しの滝の写真
竜返しの滝
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / 絞り優先AE F22 10秒 ISO 100 +1/3EV(撮影地:長野県軽井沢町 2016.8.13 8:01)
竜返しの滝の写真
竜返しの滝
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / 絞り優先AE F22 10秒 ISO 100 +1/3EV(撮影地:長野県軽井沢町 2016.8.13 8:01)
竜返しの滝の写真
竜返しの滝
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / 絞り優先AE F13 25秒 ISO 100 -1EV(撮影地:長野県軽井沢町 2016.8.13 5:57)
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カトリヤンマ(静止)

2016-08-08 21:13:42 | トンボ/ヤンマ科

 カトリヤンマ Gynacantha japonica Bartenef, 1909 は、ヤンマ科(Family Aeshnidae)カトリヤンマ属(Genus Gynacantha)で、北海道の一部、本州、四国、九州、琉球列島に分布している。尚、奄美以南の琉球列島には、同属で琉球列島固有のリュウキュウカトリヤンマ Gynacantha ryukyuensis Asahina, 1962 が分布している。
 成虫は6月下旬頃から羽化し11月上旬頃まで見られるが、黄昏活動性が強いヤンマで、繁殖期時期以外は、日中ほとんど活動することなく、竹林、松杉がまばらに生育する河川敷の林、 池沼岸の山林、雑木林などの薄暗い所で、樹木の枝端・葉端などに下垂して止まっている。

 カトリヤンマは、羽化と産卵の様子を除いては、何回か撮影し既に掲載しているが、今回、主目的であったネアカヨシヤンマ Aeschnophlebia anisoptera Selys, 1883. が産卵に訪れるのを待つ間に、近くにいたカトリヤンマ3頭の静止をじっくりと撮影することができた。
 カトリヤンマは、早朝と夕方に摂食活動をするが、撮影した薄暗い林内では、午前9時なっても地上を低く飛びながら摂食活動を行っていた。小さな虫を捉えると、草木に止まって食べるが、高い所ではなく、生い茂る草の地上20cm辺りや藪縁の地上1mの木の枝に静止する。最初は300mmレンズで遠くから撮影していたが、体に刺激を与えても、まったく動くことがなかったので、普段あまり使わない15mmの魚眼レンズでギリギリまで近づき、被写界深度の深さを利用して周囲の状況も写し込んでみた。(どの写真も表現上明るく写っているが、実際は林の中でかなり薄暗い状況である。)
 この日は、カトリヤンマの行動における新たな知見を得ることができ、また、前記事に掲載した2カットを含めて自己満足度の比較的高いカトリヤンマの静止写真を撮ることができた。この秋は、昨年、一昨年と失敗に終わっている産卵シーンの撮影を是非とも成功させたい。ただ撮るのではなく、美しい生態学的図鑑写真を目指したい。

 当地におけるネアカヨシヤンマは、前記事に掲載した静止のみの撮影で、メスは2週続けて現れず、産卵の様子を撮影することはできなかった。2日間で網を持った輩5名が来ていたので、おそらく採集されてしまったと思われる。オスの個体数も一週間で激減していた。当地における採集に法的規制はないが、一人が一頭ずつ採集しても、100人くれば100頭採集されてしまう。しかも、産卵場所に陣取るとは、生態も知らない愚か者としか言いようがない。自分だけ良ければ、それで良いのであろうか?私にとって、採集とは駆除に等しい。オオゴマシジミやキリシマミドリシジミ、その他ゼフィルスでも同じように悲しくなった経験がある。
 このネアカヨシヤンマは、環境省RDBで準絶滅危惧、東京都、神奈川県、千葉県等のRDBで絶滅危惧Ⅰ類、カトリヤンマは、東京都、千葉県等のRDBで絶滅危惧Ⅰ類に選定されているトンボである。条例等で採集を禁止し、環境とともに保全の対策を講じなければ、数年後には絶滅してしまうかも知れない。当ブログにおいては、採集者への情報提供を断つために、今後、昆虫写真の撮影地について都道府県名も一切記載しないこととした。

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カトリヤンマ

カトリヤンマ
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4
絞り優先AE F5.6 1/5秒 ISO 400 +1/3EV ストロボ使用(2016.8.6)

カトリヤンマ

カトリヤンマ
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4
絞り優先AE F5.6 1/15秒 ISO 400 ストロボ使用(2016.8.6)

カトリヤンマ

カトリヤンマ
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4
絞り優先AE F5.6 1/30秒 ISO 400 -2/3EV ストロボ使用(2016.8.6)

カトリヤンマ

カトリヤンマ
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4
絞り優先AE F5.6 1/20秒 ISO 400 +2/3EV ストロボ使用(2016.8.6)

カトリヤンマ

カトリヤンマ(未成熟)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4
絞り優先AE F8.0 1/13秒 ISO 400 ストロボ使用(2016.7.30)

カトリヤンマ

カトリヤンマ(未成熟)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4
絞り優先AE F8.00 1/13秒 ISO 400 ストロボ使用(2016.7.30)

カトリヤンマ

カトリヤンマ
Canon EOS 7D / SIGMA 15mm F2.8 EX DG DIAGONAL FISHEYE
絞り優先AE F5.6 1/25秒 ISO 1250 -1EV(2016.8.6)

カトリヤンマ

カトリヤンマ
Canon EOS 7D / SIGMA 15mm F2.8 EX DG DIAGONAL FISHEYE
絞り優先AE F11 1/20秒 ISO 2000 +1/3EV(2016.8.6)

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ぶら下がりヤンマ6種

2016-08-06 21:44:18 | トンボ/ヤンマ科

 連日の猛暑。関東では最高気温が35℃を超えるところもあった。これだけ暑くても、アオスジアゲハやギンヤンマ、チョウトンボは元気に飛び回っている。昆虫は変温動物だが、大丈夫なのだろうかと少し心配にもなる。これらの撮影を終えて、熱中症予防のために木立の中へ逃げ込むと、同じように暑さを避けるかのように木立の中で休むトンボがいる。この記事では、日中に木立の中の木の枝にぶら下がって休むヤンマ6種を紹介したい。いづれも基本的に早朝や夕方に活動するが、天候や気温、産卵の時間帯等は、この限りではない。また、各々の詳しい生態ついては、本記事では省略する。ちなみに、ネアカヨシヤンマは、環境省RDBで準絶滅危惧、東京都、神奈川県、千葉県等のRDBで絶滅危惧Ⅰ類、カトリヤンマは、東京都、千葉県等のRDBで絶滅危惧Ⅰ類に選定されている。
 尚、カトリヤンマとネアカヨシヤンマの1枚目の写真は、今年、撮影したもので、それ以外は、過去に撮影したものである。

ぶら下がりヤンマ

  1. カトリヤンマ Gynacantha japonica Bartenef, 1909
  2. ネアカヨシヤンマ Aeschnophlebia anisoptera Selys, 1883.
  3. ヤブヤンマ Polycanthagyna melanictera (Selys, 1883)
  4. マルタンヤンマ Anaciaeschna martini (Selys, 1897)
  5. ミルンヤンマ Planaeschna milnei (Selys, 1883)
  6. コシボソヤンマ Boyeria maclachlani (Selys, 1883)

 掲載した写真は、それぞれの特徴が分かるように撮影した図鑑写真であり、また日中の行動の様子を捉えた生態写真でもあるが、このシーンの撮影が簡単にできる種は少ない。今後は、それぞれの生息環境や交尾態、産卵の様子、ヤゴや羽化等の様子を収めていき、一生を通じた生態の紹介と保全策を訴えていきたい。

お願い:写真は、1024*683 Pixels で掲載しています。Internet Explorerの画面サイズが小さいと、自動的に縮小表示されますが、 画質が低下します。Internet Explorerの画面サイズを大きくしてご覧ください。

カトリヤンマ

カトリヤンマ
Canon EOS 7D / EF100-300mm f/4.5-5.6 USM
絞り優先AE F5.6 1/30秒 ISO 400 -1 1/3EV ストロボ使用(2016.8.6)

カトリヤンマ

カトリヤンマ
Canon EOS 7D / EF100-300mm f/4.5-5.6 USM
絞り優先AE F5.0 1/60秒 ISO 400 -1/3EV ストロボ使用(2016.8.6)

ネアカヨシヤンマ

ネアカヨシヤンマ
Canon EOS 7D / EF100-300mm f/4.5-5.6 USM
絞り優先AE F8.0 1/25秒 ISO 400 ストロボ使用(2016.7.30)

ネアカヨシヤンマ

ネアカヨシヤンマ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F9.0 1/4秒 ISO 400 ストロボ使用(2012.08.04)

ヤブヤンマ

ヤブヤンマ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F5.6 1/8秒 ISO 400 +2/3EV ストロボ使用(2015.7.21)

ヤブヤンマ

ヤブヤンマ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F6.3 1/8秒 ISO 400 +2/3EV ストロボ使用(2015.7.21)

マルタンヤンマ

マルタンヤンマ
Canon 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F3.5 1/60秒 ISO 400 ストロボ使用(2011.8.13)

マルタンヤンマ

マルタンヤンマ
Canon 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F5.6 1/60秒 ISO 400 ストロボ使用(2011.8.13)

ミルンヤンマ

ミルンヤンマ
Canon 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1
絞り優先AE F6.3 1/30秒 ISO 400 -1 1/3EV ストロボ使用(2011.9.10)

ミルンヤンマ

ミルンヤンマ
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4
絞り優先AE F8.0 1/10秒 ISO 400 -1EV ストロボ使用(2015.10.12)

コシボソヤンマ

コシボソヤンマ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F5.6 1/60秒 ISO 400 ストロボ使用(2012.08.11)

コシボソヤンマ

コシボソヤンマ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F6.3 1/60秒 ISO 400 ストロボ使用(2012.08.11)

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チョウトンボ

2016-08-03 18:53:29 | トンボ/トンボ科

 チョウトンボ Rhyothemis fuliginosa Selys, 1883. は、トンボ科チョウトンボ属で、金属光沢のある金紫色の翅をひらひらさせて、チョウのように舞うのが大きな特徴である。翅に色が付いており、このように飛ぶトンボは他にはいない。若い個体が高い場所で滑空飛行するために、ヒコウキトンボとも呼ばれる。(地域によって様々な呼び名があるようである。)
 羽化した個体は水辺近くの林に移動して、樹の上や少し開けた空間を集団でヒラヒラと飛ぶ様子がしばしば観察されるが、オスは成熟すると水辺に戻って挺水植物の繁茂する水域に縄張りをつ作り、その上空1mくらいの高さを飛び回ってメスを待つ。時折、近くの植物等に止まって休息しては、再び縄張りのパトロールを続ける習性がある。
 国内では本州、四国、九州にかけて分布し、主に平地から丘陵地にかけての植生豊かな池沼などで見られるが、海岸沿いの潮が入る沼沢にも生息する。 東京都内の公園の池でも見ることができ、個人的には普通種と思っていたが、環境省RDBにこそ記載はないものの、神奈川県では絶滅危惧Ⅰ類、東京都では絶滅危惧Ⅱ類、千葉県、山梨県、栃木県、福島県、富山県、長崎県では、準絶滅危惧種として選定している。
 日本国内におけるチョウトンボ属は、本種以外に南西諸島の徳之島以南に分布するオキナワチョウトンボ Rhyothemis variegata imperatrix Selys, 1887.がいる。

 チョウトンボは、光の当り具合によって異なる翅の輝きが魅力で、撮影も難しくはないトンボだが、その美しさを100%捉えられていない。と言うよりは、真剣に時間をかけてチョウトンボと向き合っていないのが原因かも知れない。掲載の写真は、数年の内に様々な地域において撮影したものだが、思い起こせば、 いつも出会ったついでの流し撮り的ないい加減さであった。今年はネアカヨシヤンマの産卵を待つ合間の退屈しのぎ的な撮影。これでは、良いい昆虫写真は撮れない。
 主たる目的の被写体には、事前にプランを立てて望むが、今後は、予め目的外の被写体との出会いも想定して、綿密な戦略的撮影計画を練って臨むことが必要だ。

以下の掲載写真は、1920×1280ピクセルで投稿しています。写真をクリックしますと別窓で拡大表示されます。

チョウトンボの写真
チョウトンボ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/500秒 ISO 1250(撮影地:千葉県 2016.7.30)
チョウトンボの写真
チョウトンボ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/500秒 ISO 1250(撮影地:千葉県 2016.7.30)
チョウトンボ(ノシメ型)の写真
チョウトンボ(ノシメ型)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F2.8 1/1250秒 ISO 200(撮影地:東京都 2011.8.7)
チョウトンボ(オベリスク姿勢)の写真
チョウトンボ(オベリスク姿勢)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F5.6 1/320秒 ISO 200(撮影地:東京都 2010.8.22)
チョウトンボ(飛翔)の写真
チョウトンボ(飛翔)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 200(撮影地:埼玉県 2011.7.10)
チョウトンボ(交尾態)の写真
チョウトンボ(交尾態)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/320秒 ISO 800 (撮影地:埼玉県 2011.7.10)
チョウトンボ(交尾態)の写真
チョウトンボ(交尾態)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/320秒 ISO 800(撮影地:埼玉県 2011.7.10)

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チャバネセセリ2種

2016-08-01 22:12:20 | チョウ/セセリチョウ科

 セセリチョウ科は、アオバセセリ Choaspes benjaminii japonicus (Murray, 1875) のように大きくて美しい種であれば、それを狙って撮影に出かけるが、その他の多くはたいへん地味でるため、それを目当てにわざわざ出かけて行って撮影することはななく、たまたま出会った時に撮るチョウなのである。今年、そんな具合に何気なく撮った2種が、私的には初見初撮影の2種であったので紹介したい。

  1. ヘリグロチャバネセセリ Thymelicus sylvaticus (Bremer, 1861)
  2. コチャバネセセリ Thoressa varia (Murray, 1875)

 いづれも北海道、本州、四国、九州にかけて分布するが、ヘリグロチャバネセセリは山地性で全国で減少傾向にある。環境省RDBに記載はないが、多くの府県で絶滅危惧種として選定しており、神奈川県と山口県では、絶滅危惧Ⅰ類としている。
 一方、コチャバネセセリは普通種ではあるが、翅の地色は時期や地域による変異が見られ、東北地方の山地や本州中部の高地帯で発生するものは暗化の傾向が強く現れるといった地域変異があり、調査研究の対象として興味を抱く種である。
 冒頭で触れたように、両種ともに初見初撮影で、当ブログのリスト「鱗翅目」で134種類目と135種類目となる。来年は、絶滅危惧種である「ホシチャバネセセリ」を目標に入れたいと思う。

お願い:写真は、1024*683 Pixels で掲載しています。Internet Explorerの画面サイズが小さいと、自動的に縮小表示されますが、 画質が低下します。Internet Explorerの画面サイズを大きくしてご覧ください。

ヘリグロチャバネセセリ

ヘリグロチャバネセセリ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F8.0 1/320秒 ISO 2000(2016.7.31)

ヘリグロチャバネセセリ

ヘリグロチャバネセセリ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F8.0 1/320秒 ISO 2000(2016.7.31)

コチャバネセセリ

コチャバネセセリ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F8.0 1/320秒 ISO 640(2016.5.28)

コチャバネセセリ

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Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F8.0 1/320秒 ISO 640(2016.5.28)

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Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F8.0 1/320秒 ISO 640(2016.5.28)

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