ホタルの独り言 Part 2

ホタルの生態と環境を52年研究し保全活動してます。ホタルだけでなく、様々な昆虫の生態写真や自然風景の写真も掲載しています

パール富士(スノームーン)

2021-02-28 13:50:03 | 風景写真/富士山

 パール富士(スノームーン)を初めて撮影してきたので紹介したいと思う。
ちなみに「パール富士」とは、日没前後と日の出前後に満月が富士山頂に重なり、真珠のように美しく見える様子を呼び、スノームーンは、主にアメリカで使われている呼び名で、ネイティブアメリカンが、季節の風物に基づいて、毎月の満月に名前を付けたことに由来すると言われている。

 前記事において「これまで主に富士山を主役に、多くの星々を散りばめる写真を撮ってきたので、今後しばらくは、テーマを"海と星空"に変えて撮っていきたい。」と述べたが、次の月明りがない日は3月13日になるので、それまでは天の川などの星空を奇麗に撮ることができない。
 今は新型コロナウイルスの感染拡大防止のための緊急事態宣言中であり、1月からずっと自主的に日中の撮影は控え、それゆえ星々の写真を撮ってきたので、緊急事態宣言が全面解除されるまでは、梅林や河津桜など春の色彩溢れる暖かい光景を撮ることは自粛したいと思っている。
 そんな状況の中、最大のチャンスが訪れた。2月27日(土)は17時18分に満月となり、その満月が日没の約1時間後に富士山頂に出るパール富士が見られる日なのである。

 太陽が富士山頂に重なる光景は「ダイヤモンド富士」と呼ばれており、たいへん人気がある。太陽は毎日出て沈むから、晴れてさえいれば、毎日2回、必ずどこかで 「ダイヤモンド富士」を見ることができる。一方、パール富士の条件である満月は、基本ひと月に一日だけで、その満月が日没前後と日の出前後に富士山頂と重なるのは、極限られた日しかない。日中や夜中に重なる日はあるが、日中では月は見えず、夜中では富士山がシルエットになってしまう。そのことから「ダイヤモンド富士」よりも希少な光景と言えよう。
 パール富士が見られる日を調べてみると、2021年における「沈むパール富士」は、1/29、2/27、4/27、5/26、8/22、9/21、10/20 で7回ほどあり、富士が赤く染まる紅富士とのコラボレーションは、1/29、2/27 の2回あるが、「昇るパール富士」に至っては、富士山も奇麗に撮ろうとすると何と2月27日の1回だけである。ちなみに、私が今後年内に撮ろうとすると、休日と重なる8/22(日)の「沈むパール富士」1回がチャンスになり「赤富士」とのコラボレーションとなるが、晴れていなければ叶わない。

 先月の1月30日(土)。満月の翌日であるが、「富士山と月」の撮影を星景写真撮影のロケハンと練習を兼ねて行っており、ブログ記事「月出づ(富士山と月) 」として掲載している。その中で「今回は、満月から1日経過しており、もともとパール富士でもなく、2月の星景写真ロケハンのついででもある。時刻はすでに空が真っ暗な時間。月はかなり明るく、富士と月をバランスよく綺麗に写すことが難しい状況であったが、日本画のような雰囲気のある結果を残すことができた。」と記している。今回は、その経験を活かし、綿密に計算して場所を静岡県富士宮市にある田貫湖畔に決めていた。
 そして当日。運よく天気は快晴である。自宅から現地までは車で2時間もかからず、撮影開始は18時半頃からだが、自宅にいても特にすることもなく、また恐らくは、それなりにカメラマンが集まるだろうとの予感で自宅を13時に出発し、田貫湖には15時少し前に到着した。
 何と駐車場は満車。路上にも何台も止めてある。釣り客も多いので、しばらく待機していると駐車場内に止めることができた。三脚だけを持って湖畔に行って見ると、あちらこちらに三脚が並んでいる。思った通りである。広い敷地のどこから狙っても同じであろうから、他人とは適度に離れた場所にセットし、時間まで車内で待つことにした。風は収まり穏やかではあるが、気温4℃の日陰で3時間以上も待つのは辛い。ただし、設置場所は車内からは見えないので、三脚は重石で動かないようにし、時折、散策がてらチェックするようにした。まだ明るい日中であり高価な代物でもないが、盗難の被害にあったとも聞く世の中である。無くなっては撮影もできないので、油断は禁物である。
 日没は17時40分。どんどん車が増え100台以上あるのではないだろうか。あまりの終結ぶりに、巡回に来たパトカーが驚いていたが、事情を知って路上駐車も黙認したようだ。18時になり、カメラを三脚にセット。無風になり、湖面には奇麗な逆さ富士。ダブル・パール富士も撮れるだろうが、この日の狙いはパール富士だけに満月を大きく写すこと。持参したレンズは300mmの単焦点1本なので、構図を決めたらそのカットだけで勝負である。
 集まった多くのカメラマンは、ほとんどが私より年上の年配の方々。写真教室のグループもいらっしゃる。講師の先生は、勿論プロの写真家であると思うが、やはり年配の方だ。生徒の方々に設定から何から指導する内容が聞こえて面白い。
 18時半。富士の山頂付近が明るくなってきた。どうやら山頂のど真ん中から満月がお出ましの様である。一斉にシャッター音が響く。モニターで満月をアップにして、月の模様がはっきり分かるようにマニュアルでピントを合わせる。満月はかなり明るい。今回も1月30日同様に日没から約1時間後であるから、富士山と満月、両方を奇麗に写すことは不可能である。そこで今回は、比較明合成を行い「パール富士(スノームーン)」を完成させた。
 パール富士ではないが、2011年2月に日の出数分前に沈む満月(有明の月)を比較明合成なしで撮っているので、参考までに掲載しておきたい。この時は、きっと「沈むパール富士」が見られたことだろう。いつかは、究極の美である「紅富士のパール」を撮ってみたい。

 次の星景写真の撮影は、3月13日または14日の天気の良い方で、天の川アーチを再度撮る予定である。

関連ブログ記事

お願い:なるべくクオリティの高い写真をご覧頂きたく、1024*683 Pixels で掲載しています。ウェブブラウザの画面サイズが小さいと、自動的に縮小表示されますが、画質が低下します。Internet Explorer等ウェブブラウザの画面サイズを大きくしてご覧ください。

富士山の写真

月が出る前の富士山
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F8.0 5秒 ISO 400 -2EV(撮影地:静岡県富士宮市 2021.2.27 18:16)

パール富士の写真

パール富士(スノームーン)
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F8.0 0.5秒 ISO 400 -2EV / 比較明合成(撮影地:静岡県富士宮市 2021.2.27 18:33)

パール富士の写真

パール富士(スノームーン)
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F8.0 0.5秒 ISO 400 -2EV / 比較明合成(撮影地:静岡県富士宮市 2021.2.27 18:34)

パール富士の写真

パール富士(スノームーン)
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F8.0 1/160秒 ISO 400 -2EV / 比較明合成(撮影地:静岡県富士宮市 2021.2.27 18:35)

パール富士の写真

パール富士(スノームーン)
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F8.0 160秒 ISO 400 -2EV / 比較明合成(撮影地:静岡県富士宮市 2021.2.27 18:36)

有明の月の写真

有明の月
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F16 0.6秒 ISO 100(撮影地:長野県諏訪市/霧ヶ峰高原 2011.2.19 6:24)

----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

東京ゲンジボタル研究所 古河義仁/Copyright (C) 2021 Yoshihito Furukawa All Rights Reserved.


海と星空(君ヶ浜)

2021-02-23 18:35:10 | 風景写真/星

 これまで主に富士山を主役に、多くの星々を散りばめる写真を撮ってきた。それは、霊峰富士の雄姿と煌めく星々、そして夏の天の川をなるべくシャープに捉え、ロマンを感じる天と地の融合を表現の目的としていたが、多くの事に思いを馳せるには至らない狭く浅い写真表現であったように思う。今後しばらくは、テーマを海と星空に変えて撮っていきたい。

 海と星空から何を感じるだろうか・・・宇宙(星空・天の川銀河)は地球を生み、海は地球における全ての生命の源である。ならば地球46億年の歴史と生命の神秘を感じるような写真にしたい。「海と星空」がテーマではなかったが、昨年の2月に撮影した「根本海岸 白浜の屏風岩」や10月に撮った「橋杭岩」では「地球」というものを改めて感じさせた。そこで今回は、千葉県銚子市の犬吠埼を「海と星空」の撮影地に選んだ。
 犬吠埼は関東最東端の岬であり「地球の丸く見える丘展望館」という施設からも分かるように、太平洋の広がりを感じることができる場所である。岬の突端には犬吠埼灯台があり、その下からとも考えたが、初訪問でロケハンなしでは危険であるため、今回は岬の北側に続く君ヶ浜から撮ることにした。日本の渚百選にも選ばれた美しい浜である。

 2月22日(月)午前5時半に出勤し19時半に退社。そのまま自宅方向とは真逆の銚子へ向けて出発。東関東道の潮来ICで降りて君ヶ浜には22時前に到着。天気予報では風速7mということであったが、現地ではほとんど感じない程の微風。気温は14℃もある。そのため、海上からの水蒸気が空を覆っている。また、月齢10.7の月が出ていることで星はほとんど見えない。そこでまずは、月に照らされた海を浜辺で数枚撮影して駐車場に移動。そしていつものように車中泊である。
 23日午前3時半。再び浜辺に降りて撮影開始。相変わらずの水蒸気と薄い雲で水平線上の星は見えないが、その上には夏の天の川が横たわる。今回はタイムラプス動画用の連写はせずに、ソフトフィルターを使用して場所を変えながら様々なカットを撮った。犬吠埼灯台の明かり、水蒸気で霞んだ空等の悪条件の下 ISO 3200 で30秒ほどの露光をかけたため、ノイズが多く、更には平面的で失敗作ではあるが、表現はイメージに近いものとなり、手ごたえは感じた。
 今後は、天の川銀河に拘ることなく色々な場所で撮ろうと思うが、いつか宮古島を再度訪れて、最高の「海と星空」を撮りたいと思う。

お願い:なるべくクオリティの高い写真をご覧頂きたく、1024*683 Pixels で掲載しています。ウェブブラウザの画面サイズが小さいと、自動的に縮小表示されますが、画質が低下します。Internet Explorer等ウェブブラウザの画面サイズを大きくしてご覧ください。

海と星空の写真

海と星空
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / 絞り優先AE F3.2 13秒 ISO 1600(撮影地:千葉県銚子市 2021.2.22 22:16)

海と星空の写真

海と星空(犬吠埼灯台)
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / 絞り優先AE F3.2 8秒 ISO 1600 -2/3EV(撮影地:千葉県銚子市 2021.2.22 21:56)

海と星空の写真

海と天の川
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / PRO1D プロソフトン[A](W)使用 / バルブ撮影 F3.2 20秒 ISO 3200(撮影地:千葉県銚子市 2021.2.23 4:20)

海と星空の写真

海と天の川
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / PRO1D プロソフトン[A](W)使用 / バルブ撮影 F3.2 25秒 ISO 3200 +1 1/3EV(撮影地:千葉県銚子市 2021.2.23 4:40)

----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

東京ゲンジボタル研究所 古河義仁/Copyright (C) 2021 Yoshihito Furukawa All Rights Reserved.


富士山と天の川アーチ

2021-02-21 17:39:01 | 風景写真/星

 天の川アーチ撮影のリベンジである。

 2月13日(土)、14日(日)は自宅で自粛。そして、この20日(土)、21日(日)は、東京では最高気温が20℃を越え、越冬しているキタキチョウが飛ぶという春の陽気になったが、ほぼ自宅で自粛。なぜなら、新型コロナウイルスの感染拡大が収まりつつあっても、未だ緊急事態宣言が解除されず、知人の何人かが感染するという状況であるからに他ならない。ただし、車で移動し、人に合わない、近づかないを徹底した写真撮影を行っているが、それも夜間の星空撮影のみに限定してきた。
 今回も、気象状況が良かったため、前回中途半端な結果で終わった天の川アーチ写真にもう一度挑戦すべく、深夜の一人撮影に出掛けてきた。

 2月19日(金)19時半に都内の会社を出て、自宅には帰らず、そのまま富士山麓に車を走らせた。前回同様、ほとんど駐車車両がない「道の駅」に22時に到着し車中泊。翌3時起床。今回は、11日に撮影した場所より1.5kmほど南下したポイントに車を止め、3時半より撮影を開始した。
 まずはタイムラプス動画用の撮影である。絞り優先AEで、絞り値は一段絞ってF3.2。シャッタースピードは10秒以下(実際は4秒露光)になるようにISO感度を3200にセット。補正は+1。連写モードにして レリーズシャッターをロック。気温はマイナス4℃で、すぐに手がかじかんでくるが、後は近くに止めた暖かい車内で待機である。4時45分までで800カットを撮影した。
 その後は、今回の目的である天の川アーチ写真。前回よりも南北に開けた場所であり、肉眼でもアーチ状の夏の天の川が確認できたので、一コマずつ方向を変えながら撮影。5時半に現地を撤収し帰路に付いた。自宅には7時に到着。その後、二日かけて現像した結果が以下になる。現像方法も記しておきたいと思う。

  • 富士山と天の川アーチ
    RAWデータをDxoPureRAWで処理した後、Lightroomで5カットをパノラマ合成し、Lightroomで色調の補正。空をナチュラルグレーにし、被り補正。コントラスト、テクスチャ、明瞭度を調整し、jpegで出力。
  • 富士山と天の川
    RAWデータDxo PureRAWで最適化し出力された画像をLightroomで色調の補正。空をナチュラルグレーにし、被り補正。コントラスト、テクスチャ、明瞭度を調整し、jpegで出力。
  • タイムラプス動画
    LightroomでRAWデータを現像。空をナチュラルグレーにし、被り補正。コントラスト、テクスチャ、明瞭度の調整。ノイズ除去してjpegで出力。それらをSequatorで「低速度撮影」をオンにして出力し、次にSiriusCompで動画を作成。
    尚、1月30日と2月11日に撮影した動画と併せてVideoPadで編集し「朝霧高原より富士と星空」として掲載した。「星の瞬き」が表現されていることに注目頂きたい。

 1月からずっと富士山麓で星空を撮ってきた。主に富士山を主役に、多くの星々を散りばめる光景を目指したが、今後はテーマを「海と星空」にし、今までとは少し違ったイメージを持って、もしばらく星景写真の撮影を続けようと思う。本格的な昆虫撮影は、5月のギフチョウ・イエローバンドからを予定。

以下の掲載写真は、一部 1920*1280 Pixels で投稿しています。写真をクリックしますと拡大表示されます。 また動画においては、Youtubeで表示いただき、HD設定でフルスクリーンにしますと高画質でご覧いただけます。

富士山と天の川アーチの写真

富士山と天の川アーチ
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / 絞り優先AE F3.2 20秒 ISO 3200 +1EV 5カットパノラマ合成(撮影地:静岡県富士宮市 2021.2.20 4:53)

富士山と天の川アーチの写真

富士山と天の川アーチ
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / 絞り優先AE F3.2 20秒 ISO 3200 5カットパノラマ合成(撮影地:静岡県富士宮市 2021.2.20 5:09

富士山と天の川の写真

富士山と天の川
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / 絞り優先AE F3.2 10秒 ISO 3200(撮影地:静岡県富士宮市 2021.2.20 5:12)

富士山と天の川の写真

富士山と天の川
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / 絞り優先AE F3.2 10秒 ISO 3200(撮影地:静岡県富士宮市 2021.2.20 4:57)

朝霧高原より富士と星空

----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

東京ゲンジボタル研究所 古河義仁/Copyright (C) 2021 Yoshihito Furukawa All Rights Reserved.


天の川アーチに初挑戦

2021-02-11 21:57:42 | 風景写真/星

 天の川アーチ写真に挑戦しようと計画していたところ、11日の祭日の早朝にチャンスが訪れた。今回も新型コロナウイルスの感染防止に最大限の注意を払いながら、車で移動し、人に合わない、近づかないを徹底した夜間の遠征である。

 東京生まれで、現在も東京に住んでいることから、満天の星に憧れがある。これまで掲載した冬の星空においても、冬の大三角形やダイヤモンドなどの星座には魅力を感じず、もっぱら星の多さを表現してきたが、ようやく「夏の天の川」を見ることが出来る季節になった。午前3時頃から東を中心に南から北にかけてアーチ状に昇ってくるのである。カメラを横にずらしながらコマ撮りした写真をパノラマ合成すると、その様子を1枚で表すことが出来るので、今回初挑戦してきた。
 天の川は毎日昇ってくるが、写真を撮ろうとするとチャンスは多くない。快晴で雲がないこと。月明かりがないこと。何より私の休日であることが条件である。あらかじめ月がない夜と休日が重なる日を調べており、日々天気予報をチェックしていると、11日に条件が合致した。
 10日は午前6時に会社へ出勤(毎日その時間に車で出勤している)し、夜19時に退社。自宅には帰らず、車でそのまま富士山の麓を目指した。大渋滞の一般道を抜け東名高速へ。新東名は、2月より御殿場から先が制限速度120kmになっており、走行車線を快適に飛ばす。高速道路を降りてから店員しかいないコンビニで買い物を済ませ、道の駅の駐車場に22時半到着。広い駐車場に止まっている乗用車は全部で3台。この時期、この時間にいるのは、やはり少ない。目覚ましを3時半にセットし、車中泊である。
 あっという間に目覚ましのアラームが鳴り、急いで撮影ポイントに移動。過去に2度ほど撮影したことがある場所で、光害が少なく、南北が見渡せ障害物がほとんどないことで選定した。また、駐車場に止めた 車の横に三脚をセットできるため、連続撮影の時は、車内で待機できるという楽さが魅力だが、国道沿いであるため、深夜未明であっても大型車が頻繁に通るのが難点である。更には、富士山の方向が真東ではなく、南東方向になるため奇麗な天の川アーチにならないこともマイナスである。
 午前3時45分から撮影開始。まずは、タイムラプス動画用として10秒露光で300枚を連写。5時過ぎからは、コマ撮りで数十枚を撮影し、東方向の空が、何となく白み始めた5時半に撤収。朝7時に帰宅した。

 星景写真は、撮影時にキッチリとした素材を収めておくことが前提となるが、どちらかと言えば自宅に帰ってからの作業の方が本番である。星景写真、特に夏の天の川の現像には、仕上げとしてAdobe Photoshopでの作業が欠かせないのだが、細かなレタッチが面倒であり、出来上がりの画像は奇麗だが見た目の天の川とはかけ離れるので、現段階では、Ligtroomでの現像だけに留めている。それでも現像に丸一日費やしてしまった。
 以下には、「富士と天の川」そして今回の目的であった「富士と天の川アーチ」及びタイムラプス動画を掲載した。撮影場所の位置関係から「アーチ」と言える結果ではなかったが、初挑戦から様々な事を学ぶことが出来た。今後、私が天の川アーチを撮るチャンスは6月中旬まで18回ほどあるので、快晴であれば、他の予定と調整しつつ撮影場所を良く考えた上で再挑戦したいと思う。

お願い:なるべくクオリティの高い写真をご覧頂きたく、1024*683 Pixels で掲載しています。ウェブブラウザの画面サイズが小さいと、自動的に縮小表示されますが、画質が低下します。Internet Explorer等ウェブブラウザの画面サイズを大きくしてご覧ください。また動画においては、Youtubeで表示いただき、 HD設定でフルスクリーンにしますと高画質でご覧いただけます。

富士と星空の写真

富士と星空
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / 絞り優先AE F3.2 13秒 ISO 3200 +1/3EV(撮影地:静岡県富士宮市 2021.2.11 4:52)

富士と天の川の写真

富士と天の川
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / 絞り優先AE F3.2 10秒 ISO 4000 +1/3EV(撮影地:静岡県富士宮市 2021.2.11 5:09)

富士と天の川の写真

富士と天の川アーチ
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / 絞り優先AE F3.2 10秒 ISO 4000 +1/3EV 5カット合成(撮影地:静岡県富士宮市 2021.2.11 5:00)

富士と天の川の写真

富士と天の川アーチ
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / 絞り優先AE F3.2 10秒 ISO 4000 +1/3EV 9カット合成(撮影地:静岡県富士宮市 2021.2.11 5:08)

----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

東京ゲンジボタル研究所 古河義仁/Copyright (C) 2021 Yoshihito Furukawa All Rights Reserved.


精進湖と山中湖から冬の星景

2021-02-07 21:29:51 | 風景写真/星

 精進湖と山中湖から冬の星景を撮ってきた。新型コロナウイルスの感染拡大防止のための東京・大阪など10の都府県に対する緊急事態宣言は、来月7日まで延長され、休日は自宅で自粛しておられる方も多いが、感染防止に最大限の注意を払いながら、車で移動し、人に合わない、近づかないを徹底した遠征である。

 この週末は、まだ夏の天の川が昇ってこないため、冬の星空を地上の風景と絡めて撮るしかない。5日金曜日から6日土曜日にかけての深夜は、雲が広がり遠征を断念。しかし6日土曜日から7日の日曜日にかけては快晴で月もない。しかも風も1mと弱い。そこで今回は、富士五湖である精進湖と山中湖を巡り、湖面に映る逆さ富士と星空を目的にした。
 自宅を15時半に出発し、まずは精進湖へ。精進湖では、1月10日に「寄せ氷と子抱き逆さ富士」を撮っているが、他にはほとんど撮っておらず、星空に至っては過去に一度だけあるが、失敗作であった。今回はリベンジでもある。先週学んだ事を活かし、19時から撮影を開始。これまでタイマーレリーズを使っていたが、撮影枚数は最大99枚しか設定できないため、今回はカメラを連写モードしにてレリーズを押しっぱなしにするという方法にした。タイムラプス動画を作成するために連続500枚を撮影。撮影中は、勿論車内で待機である。
 緊急事態宣言中のためだろう、観光客も撮影者も少ない。星空を撮っていたカメラマンは、私以外に単独の方が2名と4名のグループ。グループは年配の方々で三脚を密集させていた。かなり離れた車内から様子を伺っていると、マスク無しで大きな声で、星は難しいだの、設定が分からないとか、真っ白だ!とか、世話の焼ける生徒たちだの・・・おまけにヘッドランプを付けたまま湖面を照らす。湖面に奇麗に映っている星々には気が付かないのだろう。
 以前、ヒメボタルの生息地において、ヘッドランプを付けていた方に消してくれるようにお願いしたら、逆切れされたので、今回は我慢!撮影時間も頃合いが良く、イライラも増してきたため精進湖は撤収して、山中湖へ向かった。

 山中湖では、まず昨年8月15日にも行ったパノラマ台で撮影することにした。到着すると、星観察する家族連れやカップル、若者のグループなど、それなりに多い。時間はたくさんあるので、人が少なくなるまで車内で待機することにした。
 十分すぎるほどソーシャルディスタンスがとれるようになった22時半過ぎから撮影を開始。ここでは、タイムラプス動画用には300枚を撮影し、次に何度か撮影している山中湖畔のポイントに移動。山中湖畔から星景を撮るのも初めてである。そこでは2名のカメラマンが撮影中。距離を保ちながら、そこでは数十枚の単発カットのみを撮影。冬の天の川は深夜1時頃になると西の空の低い位置に降りてくるのだが、寒さと疲れもあって0時半で終了。富士の上に横たわる冬の天の川は自ら諦めてしまったが山中湖の湖面に映る逆さ富士と星々を収めることができた。尚、プレアデス星団と冬の天の川方向へカメラを向けて24mmの画角で撮った写真も掲載してみた。
 撮影後に帰路についたが、そのまま帰宅するとナビ上では午前2時半着。家族を起こしてしまうのも申し訳ないので、途中の谷村PAで3時間ほど仮眠して、国立ICで降りた後は、スギ花粉で黄色くなった愛車を洗車場で洗車し、7時半に帰宅した。

 今回の星景の撮影は、先週の学びを活かして、これまでの撮影とは異なる設定で行った。結果は掲載した写真の通りであり問題点が多々ある。スキー場やホテル、車の明かり等の光害が多い場所で星空撮影には向かない場所ではあるが、地上の風景と合致してこその星景写真。精進湖と山中湖から冬の星景としては、現実的な光景を撮影できたように思う。
また、今回の撮影で、富士五湖すべてで星景写真を撮影することができたので、動画「富士五湖の星空(タイムラプス)」を編集して掲載した。
 今後は更なる改善をして、同じ撮影機材で次に臨みたいと思う。天候次第であるが、次の週末(11日の祭日も含む)以降は、夏の天の川が明け方前に昇ってくるので、また富士山と絡めたポイントにて挑戦したいと思う。夏の天の川の星景については、今後、様々な場所にて撮影予定を組んでいるが、海と岩礁との組み合わせにも挑戦したいと思っている。

お願い:なるべくクオリティの高い写真をご覧頂きたく、1024*683 Pixels で掲載しています。ウェブブラウザの画面サイズが小さいと、自動的に縮小表示されますが、画質が低下します。Internet Explorer等ウェブブラウザの画面サイズを大きくしてご覧ください。また動画においては、Youtubeで表示いただき、HD設定でフルスクリーンにしますと高画質でご覧いただけます。

精進湖の夕景の写真

精進湖の夕景
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / 絞り優先AE F11 0.6秒 ISO 100(撮影地:山梨県富士河口湖町 2021.2.6 17:24)

精進湖の星景写真

精進湖の星景
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / 絞り優先AE F3.5 16秒 ISO 2500(撮影地:山梨県富士河口湖町 2021.2.6 19:19)

山中湖の星景写真

山中湖・パノラマ台から星景
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / PRO1D プロソフトン[A](W)使用 / 絞り優先AE F3.5 19秒 ISO 3200(撮影地:山梨県山中湖村 2021.2.6 23:19)

山中湖の星景写真

山中湖の星景
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / 絞り優先AE F3.5 15秒 ISO 3200(撮影地:山梨県山中湖村 2021.2.7 0:16)

冬の星空の写真

冬の星空
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / 絞り優先AE F3.5 100秒 ISO 4000(撮影地:山梨県山中湖村 2021.2.6 23:30)

富士五湖の星空(タイムラプス)

----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

東京ゲンジボタル研究所 古河義仁/Copyright (C) 2021 Yoshihito Furukawa All Rights Reserved.


富士と冬の星空

2021-02-02 20:55:50 | 風景写真/星

 2月は星景写真の撮影に専念したいと思っている。星景写真とは、星だけを撮影した天体写真ではなく、星空と風景が同じ画角の中に写っている写真のことである。星だけでも美しいが、地上の風景と一緒に写すことで、天と地が融合し、よりロマンを感じるものとなる。コロナ渦にあって、美しい夜空は、眠れぬ夜のつれづれを慰めてくれる。
 星景写真は、ホタルの飛翔風景と同じで撮影そのものは難しくないが、真っ暗な大空に瞬く小さな光源を捉えなければならない。しかも、地球が自転しているから星は止まってはいない。その動きは早く、露出時間が長すぎると星が点ではなく、動いた分だけ線状に写ってしまう。それも星景写真の1つではあり、北極星を中心とした日周運動を写したこともあるが、天の川の写真などでは星を「点」として写さないと絵にならない。また、デジタルカメラでの夜間の一発露光は、露光時間とISO感度の設定次第ではノイズが多くなる問題がある。星景写真は、美しい地上の風景とともに星を「点」でノイズもないように写すことが、奇麗に見せるためのポイントになる。

 これまで、それなりに星景写真を撮りブログで掲載してきた。すべて17mmの広角レンズで30秒露光という撮影なので星が点に見えやすいが、拡大してみると、やはり僅かばかり線状になっており、ノイズも多い。特に南方向にある星ほど線状は顕著に表れ、見栄えも良くない。最新の高感度に強く4Kや8Kの動画が撮影できる高価なデジタルカメラで撮れば、美しく素晴らしい星景写真を写せるが、カメラを買い替える余裕はないので、今の機材で最高のものを残す努力をしたい。
 それには、まず星が線状にならないように撮影する必要がある。赤道儀を使って星の動きを追尾しながら撮影する方法があるが、星だけを撮るならばよいが、地上の風景は流れた画像となってしまう。赤道儀を使わず撮影するには、露光時間を短くすれば良いのである。従来は500ルールというもので計算して露光時間を算出していた。これは、500÷レンズの焦点距離(フルサイズ換算)= 上限露出時間(秒)になり、17mmの広角レンズで撮る場合は29秒となるが、実際は前述のように星は「点」では写らない。昨今では、NPFルールというもので計算することで確実に星を点で撮影することが可能となっている。複雑な計算なので、自動計算してくれるウェブサイトを利用してみると、17mmの広角レンズで撮る場合は17秒という計算結果になるが、実際は10秒以下の露光時間で撮ることが望ましいだろう。
 今度は、露出時間が短くなった分、適正露出を得るためにISO感度を上げる必要がある。しかし、その結果としてノイズ量が増えてしまう。この対策としては、撮影時にカメラの設定で高感度ノイズを除去することもできるが、ノイズだけでなく細部のディテールも失われてしまい、小さな星もノイズとして認識されて消えてしまうことになる。これには、ソフトを使って複数枚の写真の空の部分だけを重ねる方法で、ある程度解決できる。

 さて、冒頭で今月は「星景写真の撮影に専念」と書いたが、今週末は冬の天の川、その次は夏の天の川、どちらも富士山の上に横たわる姿を撮りたいと思っており、今回、ロケハンと新たな撮影方法の練習を兼ねて、富士山の麓で冬の星空を撮影し、現像してみた。
 前記事に掲載したように、18時半過ぎには満月に近い明るい月が昇ってくるので、以下の2枚は、それまでの間に撮影した写真である。1月10日に、今回の場所からさほど遠くない田貫湖において従来の方法で撮影し掲載した「田貫湖から冬の星空」の写真と比較すると、田貫湖の時と同様に首都圏の光が明るい方向を写し、更には撮影時間帯が田貫湖の時よりも早いにも関わらず、とても多くの星々が写っており、新たな現像方法によって星はよりくっきりとし、ノイズも気にならないほどに仕上げることができたように思う。しかしながら、10秒露光で画面中央の星々は「点」で写ったものの、画面の隅は広角レンズの歪と、絞り開放で撮ったため、サジタルコマフレアが発生してしまった。この点は、更なる勉強が必要である。

 星景写真に適切な撮影の設定と現像方法を新たに学んだので、今後は、これまで表現できなかった星景を写したいと思う。参考までに、過去に撮影した写真を現像し直して掲載してみた。星は「点」ではないが、星々がより美しく仕上がっているように思う。また、今回、同時に撮影した富士山の動画と星のタイムラプス動画を編集して掲載した。これまで飛行機の光跡が邪魔であり、流れ星と勘違いされる方もいたが、使用したソフトは、飛行機の光跡奇麗に消してくれるので有難い。

お願い:なるべくクオリティの高い写真をご覧頂きたく、1024*683 Pixels で掲載しています。ウェブブラウザの画面サイズが小さいと、自動的に縮小表示されますが、画質が低下します。Internet Explorer等ウェブブラウザの画面サイズを大きくしてご覧ください。また動画においては、Youtubeで表示いただき、HD設定でフルスクリーンにしますと高画質でご覧いただけます。

富士と冬の星空の写真

富士と冬の星空
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / 絞り優先AE F2.8 10秒 ISO 1600(撮影地:静岡県富士宮市 2021.1.30 18:10)

富士と冬の星空の写真

富士と冬の星空
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / 絞り優先AE F2.8 10秒 ISO 2000(撮影地:静岡県富士宮市 2021.1.30 18:35)

富士と天の川の写真

富士と天の川
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / 絞り優先AE F2.8 30秒 ISO 1250(撮影地:山梨県富士河口湖町 2020.2.24 4:38)

富士と天の川の写真

富士と天の川
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / バルブ撮影 F2.8 30秒 ISO 1250(撮影地:山梨県身延町 2018.3.17 3:19)

----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

東京ゲンジボタル研究所 古河義仁/Copyright (C) 2021 Yoshihito Furukawa All Rights Reserved.