ホタルの独り言 Part 2

ホタルの生態と環境を52年研究し保全活動してます。ホタルだけでなく、様々な昆虫の生態写真や自然風景の写真も掲載しています

コシボソヤンマ

2024-08-03 17:06:20 | トンボ/ヤンマ科

 コシボソヤンマ Boyeria maclachlani (Selys, 1883)は、ヤンマ科(Family Aeshnidae)コシボソヤンマ属(Genus Boyeria)で、北海道・本州・四国・九州(種子島、屋久島)に分布し、6月下旬から9月末ころまで見られる。朝と夕方に活発に活動する黄昏ヤンマで、和名の由来となっている腹部第3節の「くびれ」が著しいことが本種の特徴である。
 ミルンヤンマ Planaeschna milnei (Selys, 1883)と共に数少ない流水性種のヤンマで、低山地、丘陵の麓から平地にかけての樹林に囲まれた薄暗い砂礫底の細流や涌水池の砂泥底に生息している。ミルンヤンマと同所的に見られることもあるが、本種の方がより低地の穏やかな流れを好む傾向がある。人々の生活圏に近いこともあり、河川改修、湧水の不安定化や枯渇、水質汚濁等により減少傾向にある。環境省版レッドリストに記載はないが、都道府県版レッドリストでは、東京都で絶滅危惧Ⅰ類に青森県・群馬県・千葉県・長崎県で絶滅危惧Ⅱ類として記載している。

 コシボソヤンマは、2012年に自力で探した生息地においてオスの枝止まりを撮影し、2016年には産卵の様子を撮影しているが、まだ飛翔の様子を撮っていなかった。2012年当時は、オスが川面をどのように飛翔するのか等の生態がよく分かっておらず、飛翔は観察だけで終えていた。2016年は、日中に行われる産卵の撮影をメインにしたため、黄昏飛翔の様子を撮ることがなかった。そこで、今年こそオスの飛翔写真を撮っておこうと8年ぶりに生息地を訪れた。
 現地には15時に到着。気温35℃だが、深い谷の薄暗い細流れは、風が吹けば幾分涼しい。川岸を歩ていると、早速、メスが川から飛び立ち、すぐ上に覆いかぶさるように茂っている木の枝に止まった。おそらく産卵していたのだろう。しばらく待てば、また産卵場所に降りてくることは分かっていたが、今回はオスの飛翔撮影が目的であり、川沿いを歩きながら、オスが飛び回りそうな場所のロケハンを行った。
 まだコシボソヤンマのオスが出てくるには時間が早く、短いホバリングをしながら飛び回っているのは、コオニヤンマで、その他はハグロトンボだけであったが、16時を過ぎると、河床が岩盤であるかなり暗い流れの上で往復飛翔している1頭が見えたが、撮影には不向きな場所であったため観察だけに留めた。その後、17時を過ぎると別の場所三カ所において、目の前で飛翔するオスを見つけ、カメラを向けた。

 コシボソヤンマは、7月中旬頃に羽化をし、しばらく樹林内で過ごした後、8月になると朝夕の黄昏時間帯に川面を縄張り飛翔するようになる。成熟する8月下旬頃は、かなりの広範囲を飛翔するが、8月上旬頃の比較的若い個体は、川の上下流3mほどの範囲を水面スレスレに行ったり来たりしながら縄張り飛翔を繰り返す。6月に沖縄で観察したカラスヤンマのオスもそうであったが、何度も目の前を通過するので撮影のチャンスはとても多い。
 とは言っても、ホバリングは一切せずに、薄暗い川面を早いスピードで往復するため、いつもの飛翔撮影のようにトンボを追いながらマニュアルフォーカスでピントを合わせて撮るようなことはできない。「置きピン」しかない。「置きピン」とは、あらかじめ構図とピント位置を固定しておいて、被写体がフレームインするタイミングでシャッターを切る撮影テクニックのことである。幸い、コシボソヤンマは、ほぼ同じコースを飛翔するので、カメラを三脚に固定し、飛翔コース上にレンズを向けてピントを固定し、コシボソヤンマが通過した時にシャッターを切れば良いのだが、全長77~89mmの相手に対して、複眼の先の触角から尾部付属器までピントが合い、コシボソヤンマの一番の特徴である腹部第3節の、まるで人が指で押しつぶしたかのような「くびれ」が分かるように撮りたい。更には、後翅先端の黒斑も写したい。
 「置きピン」と言えども、今回の場合の被写界深度は2cmほどしかない。少しずれた所を飛翔すれば全てピンボケとなる。撮影テクニックの1つではあるが、技術は必要なく運任せである。結局、250枚ほど撮影し、90%の確率で画角内に収めたが、ピントが合っていたのは僅か10枚だけであった。以下には、その中から4枚を選んで掲載した。4枚目の写真はターンする瞬間が写っており、体が方向転換する側に斜めになっているが、複眼は水平を保っているところが面白い。また、過去に撮影した枝に止まっているオスとメス、産卵の写真も併載した。

以下の掲載写真は、1920×1280ピクセルで投稿しています。写真をクリックしますと別窓で拡大表示されます。

コシボソヤンマの写真
コシボソヤンマ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / シャッター速度優先AE F2.8 1/250秒 ISO 400 E-TTL評価調光(撮影日:2024.08.01 17:01)
コシボソヤンマの写真
コシボソヤンマ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / シャッター速度優先AE F2.8 1/250秒 ISO 400 E-TTL評価調光(撮影日:2024.08.01 17:16)
コシボソヤンマの写真
コシボソヤンマ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / シャッター速度優先AE F2.8 1/250秒 ISO 400 E-TTL評価調光(撮影日:2024.08.01 17:17)
コシボソヤンマの写真
コシボソヤンマ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / シャッター速度優先AE F2.8 1/250秒 ISO 400 E-TTL評価調光(撮影日:2024.08.01 17:20)
コシボソヤンマの写真
コシボソヤンマ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F5.6 1/60秒 ISO 400 -1/3EV E-TTL評価調光(撮影日:2012.08.11 15:26)
コシボソヤンマ(メス)の写真
コシボソヤンマ(メス)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F5.6 1/13秒 ISO 400 -1EV E-TTL評価調光(撮影日:2016.08.21 14:56)
コシボソヤンマ(産卵)の写真
コシボソヤンマ(産卵)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F5.6 1/25秒 ISO 3200 -1 1/3EV E-TTL評価調光(撮影日:2016.08.21 14:26)
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猛暑日はマルタン・ネアカ

2024-07-25 14:41:06 | トンボ/ヤンマ科

 一日の最高気温が摂氏25度以上の日を「夏日」、30度以上の日を「真夏日」、35度以上の日を「猛暑日」と言うが、ここ数日は連日の猛暑で、10年に一度の暑さであるという。昼間は、屋外での運動は危険であり、冷房の効いた室内にいたい。しかしながら、こんな暑い日だからこそ虫撮りに出掛けてしまう。目的は、そう、吸い込まれそうなくらい青い眼が美しいマルタンヤンマである。暑い日中はトンボも涼しい木陰の枝に止まっていて撮り放題なのである。2011年に撮影済(参照:マルタンヤンマ)だが、久しぶりに会いたくなった。
 目的地までは、自宅から車で40分ほど。午前9時半に到着したが、気温はすでに35℃で容赦なく照り付ける太陽。黒い私の愛車のボンネットで、目玉焼きが作れるに違いない。ポカリスエットを買って、マルタンヤンマの生息域である池のほとりに向かうと、早速、マルタンヤンマのオスが木の枝にぶら下がっていた。いつもなら昼近くになって、ようやく飛んでくるのだが、さすがの猛暑日。朝から木の枝でお休みである。
 薄暗い場所であるため、手振れ補正のないレンズとカメラでは三脚が必須。自然光だけでは、深いブルーの複眼が輝かないので、柔らかくストロボ光を当てるが、ブレ防止にレリーズも欠かせない。池のほとりは湿度が高いので、撮影の準備をしながら汗が噴き出る。逃げやしないので、落ち着いて汗をぬぐいながらセットを完了し、撮影開始である。先週の飛び回るホソミモリトンボを撮るのと違って、枝に静止しているのだから撮るのは楽勝。構図はあまり変えることができないので仕方ないが、これでカメラぶれしたりピンボケだったら恥ずかしい。ここは風景写真と同じで、背面のモニターで拡大表示してマニュアルで慎重にピントを合わ、レリーズでシャッターを切った。
 最初の個体は、かなり見上げる位置に止まっていたので、移動しながら、もう少し撮影しやすい位置に止まっている個体を探索。すると、今度は、太い木の根元付近にしがみ付いているマルタンヤンマのオスを発見。撮っては見るが、あまり絵にならない。しばらく見ていると飛んで別の場所の枝に止まった。かなり林の奥で構図は限られるが、今度は、背景がうるさくなく良い感じである。メスも1頭だけ、見つけることができた。いずれも老熟個体ではあるが、久しぶりに見たオスのブルーアイズは、言葉にならないほど美しい。
 当地では、他にヤブヤンマとネアカヨシヤンマも見ることができるが、もう、マルタンヤンマだけで十分。あまりの暑さに負けて1時間で引き上げることにした。

 マルタンヤンマを撮影した翌日も猛暑日。今度は、別の場所へネアカヨシヤンマの産卵を見に行った。こちらも撮影済み(参照:ネアカヨシヤンマの産卵ネアカヨシヤンマの産卵(2020))だが、もっと良いカットを残しておきたいとの思いで、気合を入れて遠征。
 現地には午前10時半に到着。気温は36℃で暑い。こちらは湿地帯で、前日よりもきつい。とりあえず、前回、産卵を撮影した場所にカメラを向けて待機である。11時半と12時半に撮影しているが、いつ飛んでくるかは分からない。エアコンをかけた車で待って居ようものならチャンスを逃すかもしれない。その場で飛んでくるまで我慢大会である。
 とは言え、我慢にも限界がある。正午まで待って、飛んでこなければあきらめようと決めた11時45分、大きなヤンマが飛んできた。ネアカヨシヤンマのオスである。メスを探しに来たのだろう。辺りを旋回しながら飛び周る。目で追っていると、藪の中へ消えてしまった。その方へ行って見ると、藪の中から出てきて再び飛び回ったが、しばらくすると藪の入口の木の枝に止まった。しかも目の高さである。やはり、暑さのためだろう。こんなに低い所に止まったのを見た経験は、あまりない。翅がボロボロの老個体であったが、十分に楽しませてもらった。
 今度は産卵の撮影である。時間的にも来る頃である。元の場所に戻ると、急に強風が。空を見上げると黒い雲が近づいてきていた。こればやばいと思い、すぐに撤収。車に戻ると、目の前でつむじ風。太い木も折れた。車に乗り込み走らせて数分後にゲリラ豪雨である。気温が一気に10℃下がった。ネアカヨシヤンマの産卵の撮り直しはできなかったが、ゲリラ豪雨がなければ、熱中症で病院行きだったかもしれない。

 以下には、今回撮影したマルタンヤンマの写真とネアカヨシヤンマの写真と動画を掲載した。尚、動画に収めた産卵は、2020年に撮影したものを編集し、今回初めて公開した

以下の掲載写真は、1920×1280ピクセルで投稿しています。写真をクリックしますと別窓で拡大表示されます。また動画は 1920×1080ピクセルのフルハイビジョンで投稿しています。設定をクリックした後、画質から1080p60 HDをお選び頂きフルスクリーンにしますと高画質でご覧いただけます。

マルタンヤンマの写真
マルタンヤンマ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F5.6 4秒 ISO 100 +1 2/3EV E-TTL評価調光(撮影地:東京都 2024.07.23 20:27)
マルタンヤンマの写真
マルタンヤンマ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / プログラムAE F3.5 1/60秒 ISO 400 E-TTL評価調光(撮影地:東京都 2024.07.23 9:49)
マルタンヤンマの写真
マルタンヤンマ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / プログラムAE F3.2 1/60秒 ISO 400 +2/3EV E-TTL評価調光(撮影地:東京都 2024.07.23 9:53)
マルタンヤンマの写真
マルタンヤンマ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / プログラムAE F3.2 1/60秒 ISO 400 +2/3EV E-TTL評価調光(撮影地:東京都 2024.07.23 9:54)
マルタンヤンマの写真
マルタンヤンマ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F5.6 1/20秒 ISO 3200(撮影地:東京都 2024.07.23 10:12)
マルタンヤンマ(メス)の写真
マルタンヤンマ(メス)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F5.6 1/10秒 ISO 3200 +1EV(撮影地:東京都 2024.07.23 10:17)
ネアカヨシヤンマの写真
ネアカヨシヤンマ
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / プログラムAE F4.0 1/60秒 ISO 400 E-TTL評価調光(撮影地:埼玉県 2024.07.24 12:07)
ネアカヨシヤンマの写真
ネアカヨシヤンマ
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / シャッター速度優先AE F4.0 1/320秒 ISO 3200(撮影地:埼玉県 2024.07.24 11:53)
ネアカヨシヤンマの写真
ネアカヨシヤンマ
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / プログラムAE F4.0 1/60秒 ISO 400 +2EV(撮影地:埼玉県 2024.07.24 11:58)
ネアカヨシヤンマの写真
ネアカヨシヤンマ
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / シャッター速度優先AE F4.0 1/320秒 ISO 3200(撮影地:埼玉県 2024.07.24 11:52)
ネアカヨシヤンマ
(動画の再生ボタンをクリックした後、設定設定をクリックした後、画質から1080p60 HDをお選び頂きフルスクリーンに しますと高画質でご覧いただけます)
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カラスヤンマ

2024-07-04 13:23:48 | トンボ/ヤンマ科

 カラスヤンマ Chlorogomphus brunneus brunneus Oguma, 1926 は、ミナミヤンマ科(Family Chlorogomphidae)ミナミヤンマ属(Genus Chlorogomphus)のトンボで、沖縄本島北部のやんばる地域にのみ分布している。山間の渓流源流域に生息し、4月中旬~8月下旬(5月中旬~6月下旬に多い)に出現する体長70㎜~83㎜内外の大きなヤンマである。メスの翅がカラスのように黒褐色であることが名前の由来であるが、翅色には個体差があり、翅全体が黒褐色のものや透明部分が現れる個体もいる。
 ミナミヤンマ科は、国内では1属3種2亜種が分布しており、四国南部、九州南部、薩南列島、トカラ列島、奄美大島、徳之島にはミナミヤンマが、沖縄本島にはカラスヤンマとオキナワミナミヤンマが、慶良間諸島にはアサトカラスヤンマが、そして西表島にはイリオモテミナミヤンマがそれぞれ分布している。分布が重なる沖縄本島のカラスヤンマとオキナワミナミヤンマの違いについては、カラスヤンマのオスの翅の先端に小さな褐色斑があるので区別でき、カラスヤンマのメスは、翅が黒褐色なので一目瞭然である。

 カラスヤンマもコノハチョウ同様に今回の沖縄遠征の主目的。一昨年はオスの飛翔写真はピンボケで、メスは産卵を目撃しただけで終了。昨年は1頭も目撃すらできなかったので、今度こそはと気合を入れての遠征である。
 撮影場所は、当初3ポイントを計画した。Aポイントは、畑や草地が広がる農村地区。Bポイントは、一昨年に産卵を目撃した渓流。Cポイントは、生息環境からGoogleMapで見当をつけた河川の源流である。Cポイントは、今回初訪でカラスヤンマの生息を確認しているわけではなく、インターネットにも情報が出ている訳ではないので、遠征最終日に立ち寄る程度の計画にしていた。

 遠征初日は、那覇からレンタカーですぐさま他のトンボの生息地に向かい撮影したが、Cポイントの場所が、そこから遠くはなかったので下見を兼ねて行って見ることにした。深い谷を下りて行った幅2mほどの源流は、小さな滝や流れが早い部分もあるが、勾配が緩やかな所には、所々に小さな粒の礫や砂が堆積した浅瀬があり、何と3つの浅瀬それぞれでカラスヤンマのオスが5メートルほどの範囲を行ったり来たり 探雌飛翔を繰り返していた。そして14時半を過ぎるとメスが飛来。産卵場所を飛翔しているとオスにつかまり交尾態となって上空へ。その姿を目で追っていると、撮影可能な高さと場所の枝先に止まったのである。
 このCポイントには遠征四日間で3回訪れ、蒸し暑い中で長時間待機しながら観察をしていると、オスは、午前9時頃から探雌飛翔を始め、途中、枝に止まって休憩するのだろう現れない時間帯もあるが、夕方17時になっても飛翔を繰り返していた。一方メスは、午前10時から11時の間に1~2回ほど産卵のために飛来し、午後は14時半から16時半頃の間に数回飛来していた。木の上に止まっているようで、いつも上の方から降りてくるように思われた。ただし、常に数頭のオスが待機しているために、メスが飛来してもオスに連れ去られてしまうか、あるいは産卵せずに飛び去ってしまうので、産卵の様子を観察することも撮影することも叶わなかった。オスを網で捕獲しておかなければ、産卵を観察し撮影することは、わずかな期間では難しいと思われた。

 Aポイントの農村地区には、早朝に1回、夕方に2回訪れた。夕方においては、18時半頃から草地の上を低空で飛ぶカラスヤンマのメスが何頭も現れた。いわゆる黄昏飛翔である。あまり羽ばたかず滑空するような飛び方で、草地の上の虫を捉えていた。しばらく飛翔した後、どの個体も樹林のほうへ飛び去ってしまい、撮影はできなかった。
 朝は4時過ぎから待機していると、日の出時刻を過ぎた頃(この朝は雲がかかり朝陽が遮られていた)1頭のメスが上空を旋回しながら飛んでいるのが目に入った。その後、数が増えて全部で4頭のメスが同じ場所で飛翔し、飛んでいる虫を捉えていた。この農村地区は7時に切り上げ、別のトンボを撮影するために移動を開始すると、海岸沿いの松林の上を10頭近くのメスが、群飛している様子も見られた。オスもいるのだろうと思うが、翅の黒いメスが目立つので確認はできていない。この光景も、3年目の訪問で初めてである。

 カラスヤンマの写真を撮ると言う今回の遠征の大きな目標は、初日から期待以上の成果を残すことができた。結局、遠征の四日間でAポイントとCポイントに3回ずつ訪れ、Bポイントの渓流には一度も行かなかったが、オスの飛翔と枝止まり、メスの黄昏飛翔、そして交尾態を2回も撮影することができた。また、メスの翅色については全体が黒褐色の個体や透明部分が現れている個体など個体差も写すことができた。Cポイントには遠征初日に下見のつもりで立ち寄ったが、そうしなければ今回の成果は少なかったかもしれない。
 以下には、今回撮影できたカットの中から、先の記述に合うものを選んで掲載した。3年目にしてこれほど様々なシーンが撮影できたのは、発生時期や天候など様々な条件の合致もあるが、一言でいうと「運が良かった」のだろう。残るシーンは、産卵である。
 カラスヤンマは初撮影の種で、私が撮影した「昆虫リストと撮影機材」のリスト「蜻蛉目」で115種類目となった。

以下の掲載写真は、横位置は1920×1280ピクセルで投稿しています。写真をクリックしますと別窓で拡大表示されます。

カラスヤンマ(オス)の写真
カラスヤンマ(オス)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / 絞り優先AE F8.0 1/60秒 ISO 400 1/3EV Nissin i40 E-TTL評価調光(撮影地:沖縄県 2024.06.27 11:08)
カラスヤンマ(オス)の写真
カラスヤンマ(オス)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F3.5 1/60秒 ISO 400 +1EV(撮影地:沖縄県 2024.06.27 13:18)
カラスヤンマ(メスの黄昏飛翔)の写真
カラスヤンマ(メスの黄昏飛翔)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F6.3 1/400秒 ISO 100 2/3EV(撮影地:沖縄県 2024.06.27 6:06)
カラスヤンマ(メスの黄昏飛翔)の写真
カラスヤンマ(メスの黄昏飛翔)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F6.3 1/320秒 ISO 500 2/3EV(撮影地:沖縄県 2024.06.27 5:43)
カラスヤンマの写真
カラスヤンマ(産卵のための現れたメス)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / 絞り優先AE F2.8 1/500秒 ISO 3200 Nissin i40 E-TTL評価調光(撮影地:沖縄県 2024.06.26 14:46)
カラスヤンマの写真
カラスヤンマ(産卵のための現れたメス)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / 絞り優先AE F2.8 1/500秒 ISO 3200 Nissin i40 E-TTL評価調光(撮影地:沖縄県 2024.06.26 14:46)
カラスヤンマ(交尾態)の写真
カラスヤンマ(交尾態)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F8.0 1/125秒 ISO 3200 +1 1/3EV(撮影地:沖縄県 2024.06.26 16:11)
カラスヤンマ(交尾態)の写真
カラスヤンマ(交尾態)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F5.6 1/200秒 ISO 3200 2/3EV(撮影地:沖縄県 2024.06.26 16:36)
カラスヤンマ(交尾態)の写真
カラスヤンマ(交尾態)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F6.3 1/200秒 ISO 3200 1/3EV(撮影地:沖縄県 2024.06.28 11:27)
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サラサヤンマ

2024-05-30 17:26:43 | トンボ/ヤンマ科

 サラサヤンマ Sarasaeschna pryeri(Martin, 1901)は、ヤンマ科(Family Aeshnidae)サラサヤンマ属(Genus Sarasaeschna)のヤンマである。サラサヤンマは北海道から屋久島にまで分布し、丘陵地や低山地のほとんど水のない小さな湿地や休耕田などに生息しており、体長が6cm程で、ヤンマの仲間ではかなり小さい。関東では5月初め頃に羽化して、雑木林の中で過ごした後、成熟する5月下旬頃に湿地に戻ってくる。幼虫は、草に覆われた湿地内の、僅かに水の溜まった場所で、泥の上に落ち葉が堆積したような所で生活しているようであるが、まだ、生態の詳細は解明されてはいない。
 サラサヤンマは、環境省版レッドリストに記載はないが、都道府県版レッドリストでは、東京都、神奈川県、群馬県、長野県のRDBで絶滅危惧Ⅰ類に、青森県、兵庫県、徳島県のRDBで絶滅危惧Ⅱ類に、千葉県、埼玉県、栃木県のRDBでは、準絶滅危惧種として記載している。里山の谷戸における湿地や休耕田が主な生息環境だが、里山そのものの消失、里山においても、放棄放置によって湿地や休耕田が乾燥状態になる等が減少の原因と考えられる。

 サラサヤンマは、ホバリング飛翔や静止写真においては、これまで何度も撮影し掲載しているが、産卵の様子は2020年に一度だけで、しかも草被りの写真であった。そこで、撮り直しをすべく都内の里山を訪れた。生息数は多いとは言えないが、確実にサラサヤンマと出会うことができる。ここに合計4回訪れたが、結果は、産卵を見ただけで写真に撮ることができなかった。

  • 1日目/晴れ:9:30より待機。オスは探雌のために3頭が飛翔しており、ホバリングしたかと思うと、下草や低い位置の木の枝に止まって休んでいる。10:30に産卵。オスに捉えらる。
  • 2日目/曇:9:30より待機。雌雄ともに現れず。
  • 3日目/曇のち晴れ:9:30より待機。10:00にメスが現れ産卵。オスは1頭だけホバリング。
  • 4日目/晴れのち曇り:9:00より待機。9:00にメスが現れ産卵。オスは1頭だけホバリング。

 メスは、地表近くを飛びながらヤナギがドーム状に茂った湿地の暗い場所などに飛んでくる。一か所で長い時間、産卵に集中することもあるが、朽木や泥土上などあちこち移動しながら忙しなく産卵することの方が多いようである。産卵の時間帯は決まってはいないようで、午前9時の場合もあれば正午過ぎのこともある。天候は、晴れて気温が25℃くらいないと現れないようである。ヤンマの仲間では、オスがいない時間帯に産卵に訪れる種もいるが、本種は、オスが待ち構えている場所にやって来る。
 生息地内には産卵場所が点在するが、こちらもオスと同じように一カ所に的を縛って待ち伏せするスタイルである。他を覗きに行っている空きに来られたのでは悔しいが、来なければ成果はゼロである。長い時は5時間も待ち伏せしたが、結局、産卵を確認しただけで撮影には至らなかった。サラサヤンマに限らず、昆虫写真はその種の特徴が分かるだけでなく、構図にも拘りたい。本種の産卵撮影は、今季はもう時間的余裕がないため、来年以降に再挑戦である。
 以下には、草被りの産卵の他、2012年から今年に撮影した羽化後、飛翔、静止の写真と今年撮影した動画を掲載した。

 5月は、山形県の白川湖の水没林、奈良県と三重県の県境にある大台ヶ原と、一度は行って見たいと思っていた場所で計画通りに撮影することができ、東京都内のゲンジボタル幼虫の上陸も期待以上のものを写すことができた。サラサヤンマの産卵以外は、ほぼ計画達成であり、成果は少ないながらも自己満足している。勿論、反省点は多々あるが、改善は他で生かそうと思う。
 6月は、チョウとホタルがメインで、梅雨の季節であるから天候次第のところはあるが、計画通りならばかなりの走行距離になりそうだ。ちなみに山形県遠征で29万キロになり、現在は29万2千キロである。また、下旬には3年連続となる沖縄遠征も控えているので、体調万全で臨みたい。

以下の掲載写真は、1920×1280ピクセルで投稿しています。写真をクリックしますと別窓で拡大表示されます。また動画も 1920×1080ピクセルのフルハイビジョンで投稿しています。設定の画質から1080p60 HDをお選び頂きフルスクリーンにしますと高画質でご覧いただけます。

サラサヤンマの写真
サラサヤンマ(羽化後)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F3.5 1/400秒 ISO 200(撮影地:東京都 2012.04.30 9:52)
サラサヤンマの写真
サラサヤンマ(羽化後)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F3.5 1/640秒 ISO 200(撮影地:東京都 2012.04.30 10:49)
サラサヤンマの写真
サラサヤンマ(飛翔)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F4.5 1/125秒 ISO 400 +1EV(撮影地:東京都 2013.05.25 12:55)
サラサヤンマの写真
サラサヤンマ(飛翔)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F4.5 1/125秒 ISO 640 +1EV(撮影地:東京都 2013.05.25 13:59)
サラサヤンマの写真
サラサヤンマ(飛翔)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F8.0 1/320秒 ISO 3200 +1EV(撮影地:東京都 2013.05.25 14:06)
サラサヤンマの写真
サラサヤンマ(飛翔)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F9.0 1/320秒 ISO 1600 +1 1/3EV(撮影地:高知県 2020.05.23 10:53)
サラサヤンマの写真
サラサヤンマ(飛翔)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F8.0 1/500秒 ISO 3200 +1EV(撮影地:東京都 2013.05.25 14:02)
サラサヤンマの写真
サラサヤンマ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F4.5 1/125秒 ISO 400 -2EV ストロボ使用(撮影地:埼玉県 2024.05.19 11:53)
サラサヤンマの写真
サラサヤンマ
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F5.6 1/50秒 ISO 3200 1/3EV(撮影地:東京都 2024.05.24 11:31)
サラサヤンマの写真
サラサヤンマ
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F4.5 1/60秒 ISO 640 ストロボ使用(撮影地:東京都 2024.05.19 10:29)
サラサヤンマの写真
サラサヤンマ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / プログラムAE F3.2 1/60秒 ISO 400 +2/3EV ストロボ使用(撮影地:東京都 2024.05.30 10:56)
サラサヤンマ産卵の写真
サラサヤンマ(産卵)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/60秒 ISO 3200 +2/3EV(撮影地:東京都 2020.05.30 12:10)
サラサヤンマ Sarasaeschna pryeri
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トビイロヤンマ

2023-07-10 15:06:31 | トンボ/ヤンマ科

 トビイロヤンマ Anaciaeschna jaspidea (Burmeister, 1839)は、ヤンマ科(Family Aeshnidae)トビイロヤンマ属(Genus Anaciaeschna)のトンボで、成虫はオスメスとも体の地色は赤褐色で、和名の「鳶色」はここに由来する。性成熟したオス成虫の複眼は淡青色で、同属種のマルタンヤンマの深い青色の複眼とは違った魅力がある。日本では沖縄諸島以南の南西諸島に分布し、平地から山沿いの抽水植物が繁茂する湿原や、水田などに生息している。

 昨年は、日の出前に目前で数十頭が飛んでいる様子を見ながら、証拠にもならない飛翔写真1枚しか撮れなかったトビイロヤンマ。その悔しさから、今年も沖縄に行くことにした。昨年も3泊4日であったが、初日と最終日は東京と沖縄間の移動のみ。また、ホタルが撮りたかったためにホテルを那覇市内にしたため、沖縄北部との移動にも時間を要し、思うような探索ができなかった。その経験とロケハンを生かして、今年は十分に活動できるスケジュールで臨んだ。ちなみにホテルは名護市内のグリーンリッチホテル名護にした。主要な場所へは、いずれも30分ほどで行ける場所である。
 5日。那覇空港に11時過ぎに到着し、早速レンタカーで北部を目指す。昨年、生息を確認した場所には15時過ぎに着き、周囲を散策しながら夕暮れを待った。那覇には妹夫婦が住んでいるが、昆虫に詳しいわけではない。他に親しい知人がいるわけでもないので、すべて自力で環境を見ながら「ここならいるだろう」という勘で見つけた生息地である。
 トビイロヤンマは、黄昏飛翔性が強く朝より夕方の方が活発に摂食するという。その情報を頼りに待ったが、日が暮れても1頭も飛んでこない。かなり風が強かったからか?確かにエサになる小さな虫も飛んでいない。風が強ければ、風上に向かってホバリングすることを期待したが、結局、20時を過ぎても1頭も現れなかった。
 発生時期の狭間なのか、あるいは生息数そのものが減少したのか、幸先の悪さを感じながら、レンタルしたホンダのNワゴンで車中泊。(ホテルの宿泊予約は、もともと2日間だけ)昨年は朝5時から飛んでいたので、翌朝は3時半に起きて4時から探索開始である。日の出は5時40分。本来なら、まだかなり暗い時間なのだが、満月から3日目の明るい月があり、自分の影が見えるほどであった。5時半になっても、まったく出てこない。月明かりの影響なのか、やはりいないのか?
 5時50分。やっと出てきた。2頭のオスが高速で目の前を飛び回る。とても撮影どころではない。太陽も当たってきた。昨年の経験では、太陽が当たる時刻にはあっという間に姿を消してしまう。1頭を注意深く目で追っていると、茂みに下りて行くのが見えたので、慎重に近づいてみると、枝先に止まっているではないか!このチャンスは二度とないかもしれないと思いながら、カメラを向けた。これぞトビイロヤンマという写真を残しておきたい。まるで沖縄のサンゴ礁の海のような複眼の色。わずか1分程度で飛び去ってしまったが、前日と合わせて7時間も汗だくになりながら、ただひたすら待った甲斐があった。ホバリングや交尾、産卵といった生態写真ではなく図鑑的写真だが、特徴がよくわかるものを撮れたと思う。尚、トビイロヤンマは、初撮影の種で、ブログ記事「昆虫リストと撮影機材」「蜻蛉目」で107種類目となる。

 トビイロヤンマは、環境省版レッドリストで絶滅危惧ⅠB類に選定されており、絶滅の危険度が極めて高い。その原因は水田の減少であると言われている。沖縄では、明治末期には9,000ha近くあった水田が、1985年以降は871haとピーク時の1/10以下まで減少し、次々とサトウキビ畑に変わっているのが現状である。トビイロヤンマの複眼は、水色の涙で染まっているのかも知れない。

以下の掲載写真は、1920*1280 Pixels で投稿しています。写真をクリックしますと別窓で拡大表示されます。

トビイロヤンマの写真
トビイロヤンマ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F6.3 1/40秒 ISO 400 ストロボ使用(撮影地:沖縄県 2023.7.6 6:04)
トビイロヤンマの写真
トビイロヤンマ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F6.3 1/250秒 ISO 1600(撮影地:沖縄県 2023.7.6 6:05)
トビイロヤンマの写真
トビイロヤンマ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F6.3 1/200秒 ISO 3200(撮影地:沖縄県 2023.7.6 6:05)
トビイロヤンマの写真
トビイロヤンマ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F5.0 1/60秒 ISO 400 ストロボ使用(撮影地:沖縄県 2023.7.6 6:05)
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新潟のトンボ池

2022-09-28 18:29:43 | トンボ/ヤンマ科

 新潟のトンボ池は各地域に多数存在しており、これまで4カ所の池にて、オオトラフトンボ、カラカネトンボ、マダラナニワトンボ、キトンボ、ルリボシヤンマ、オオルリボシヤンマ等を観察し撮影してきた。数種が混在して生息している池もあるが、それぞれの種の生息条件に適した環境でなければ生息していない。。今回は、9月の時期には訪れていなかった池にて、時期的に発生しているトンボ類の種数確認と、未確認であったオオルリボシヤンマの青色型メスの探索を行った。
 現地には午前8時半過ぎに到着。この池は、三方が森になっており一見しただけで生物多様性を維持した豊かな池と感じる。実際にジュンサイが水面を覆い、ゲンゴロウも確認している。トンボ類では、アキアカネとヒメアカネ、アオイトトンボ、シオカラトンボを確認。しばらくすると、オオルリボシヤンマのオスが飛翔を始めた。
 オオルリボシヤンマのオスは、池全体で10頭があちこちで縄張り飛翔をしており、オス同士のバトルもひっきりなしに行われている。気が付けばメスも5頭ほど産卵に来ていた。オスがメスを見つければ、付きまとい飛翔を行う。産卵しているメスの側で飛翔しながら待ち、メスが移動すると後を追う。多い時には3頭のオスが1頭のメスの後を追って飛んでいる。この時は、オス同士のバトルはない。
 このオスの行動は産卵を警護しているのではなく、メスと交尾をしたくてかなりしつこく付きまとっているのであるが、メスは一切応じることはない。メスは、最後には隣接する林の中に逃げ込みオスを交わしていた。ヤンマ類では、産卵しているメスを強引に連れ去り交尾する行為がしばしばみられるが、オオルリボシヤンマでは全く見られない。いつ、交尾しているのか不思議である。
 新潟県においては、オスと同じ青色の斑紋である青色型メス(オス型メス)が存在している。ある場所では完全な青色型もいるが、青色の出現には個体差がある。この池のメスを見てみると、ほとんどはノーマルタイプのメスであるが、青色型メスも存在していることが分かった。
 新潟県のトンボ池におけるオオルリボシヤンマの青色型メス(オス型メス)について、並びに他地域における青色型メスに関しては、過去に撮影した以下のページを参照頂きたい。

  1. オオルリボシヤンマの青メス
  2. オオルリボシヤンマ(青色型メス/新潟)
  3. オオルリボシヤンマの青色型メス(松本市)
  4. オオルリボシヤンマ(オス型メス/兵庫)

 以下に掲載した写真は、過去にも様々な場所で撮影した同じシーンばかりであるが、青色型メスの産卵写真は、この池に存在したという記録である。ただし、別の池から飛来した可能性もある。羽化を確認できれば、この池に確実に生息しているという証拠になろう。
 オスの飛翔写真については、ルリボシヤンマのようにホバリングしない本種の飛翔写真を撮るのは、難易度が高いだけに楽しい。体の全て、頭から尾まで、そして体毛までもビシッとピントが合った画像を得たい。そして背景のボケの美しさやヤンマの躍動感を表現したい。写真の写り方を見てお分かりのように、写真2及び3と4とは全く違う。逆光と順光の違いである。ご覧頂く方によって評価は異なるだろが、個人的には逆光で撮影した方が好みである。撮影して分かったことだが、翅がボロボロになっても飛翔している。オオルリボシヤンマの飛翔能力の高さと懸命な生き様を感じた。

以下の掲載写真は、1920*1280 Pixels で投稿しています。写真をクリックしますと別窓で拡大表示されます。

トンボ池の写真
トンボ池
Canon EOS 7D / SIGMA 15mm F2.8 EX DG DIAGONAL FISHEYE / 絞り優先AE F6.3 1/80秒 ISO 100 -1EV(撮影地:新潟県 2022.9.25 8:51)
オオルリボシヤンマの写真
オオルリボシヤンマ(オスの飛翔)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F6.3 1/500秒 ISO 250 -1/3EV(撮影地:新潟県 2022.9.25 9:17)
オオルリボシヤンマの写真
オオルリボシヤンマ(オスの飛翔)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F6.3 1/500秒 ISO 100 -1/3EV(撮影地:新潟県 2022.9.25 9:59)
オオルリボシヤンマの写真
オオルリボシヤンマ(オスの飛翔)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F6.3 1/500秒 ISO 200 -1/3EV(撮影地:新潟県 2022.9.25 10:06)
オオルリボシヤンマの写真
オオルリボシヤンマ(青色型メス)の産卵
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F6.3 1/500秒 ISO 160 -1/3EV(撮影地:新潟県 新潟県 2022.9.25 9:35)
オオルリボシヤンマの写真
オオルリボシヤンマ(ノーマルタイプ)の産卵とオスの付きまとい飛翔
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F6.3 1/400秒 ISO 160 -1/3EV(撮影地:新潟県 新潟県 2022.9.25 9:24)

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カトリヤンマ(8月)

2022-08-18 22:21:33 | トンボ/ヤンマ科

 過去に撮影したものと同じような絵は撮りたくない。できれば未だに撮影したことがない風景や昆虫の写真を撮りたい・・・8月14日の「セミの抜け殻に思う」の記事投稿の冒頭で記した。どの季節においても、その思いは変わらないが、遠征先で出会えば必ずと言っていいほどカメラを向けてしまう存在がある。カトリヤンマも、そんな昆虫の1種である。
 飛翔や交尾、産卵などの生態的写真になれば撮影の難易度も高くなるが、日中、藪の中の木の枝に止まっている姿は、どの場所で見つけても一緒であり、無理なく撮影することができる。 過去に何度も撮っており、どの写真もほとんど同じだが、細身の体と複眼や体色の美しさに魅力があり、いつもカメラを向けてしまう存在なのである。最初の出会いは小学校4年生の時で、かれこれ48年のお付き合いになるが、未だに奇麗に撮ってあげることができていない。
 カトリヤンマは、初秋のヤンマというイメージが強い。稲刈りが終わった田んぼでオスがホバリングし、メスが乾いた田んぼの畔で産卵する。訪れた多産地では、まだ羽化したばかりの未成熟が多く、これからの時期が楽しみである。
 これまでストロボは、CanonのSpeedlite 550EX を使用していたが中古機材はやはり壊れやすい。今回も新しいストロボ Nissin i40 を使って撮影した。純正ではないがE-TTL評価調光も個人的にはそれなりに良い結果であると思う。ただし、ミラーアップしてレリーズでシャッターを切れば良かったと反省している。
 以下の写真1~3が今回撮影したもので、写真4は過去に撮影したものを参考までに掲載した。交尾態や産卵等の写真は「カトリヤンマの交尾態」をご覧頂きたい。

以下の掲載写真は、1920*1280 Pixels で投稿しています。写真をクリックしますと別窓で拡大表示されます。

カトリヤンマの写真
カトリヤンマ
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F6.3 1/25秒 ISO 400 +1/3EV ストロボ発光(撮影地:栃木県 2022.8.15 8:34)
カトリヤンマの写真
カトリヤンマ
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F6.3 1/30秒 ISO 400 +1/3EV ストロボ発光(撮影地:栃木県 2022.8.15 8:35)
カトリヤンマの写真
カトリヤンマ(未成熟)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F6.3 1/13秒 ISO 400 +1/3EV ストロボ発光(撮影地:栃木県 2022.8.15 8:31)
カトリヤンマの写真
カトリヤンマ(オスの飛翔)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F5.6 1/500秒 ISO 800 +1EV(撮影地:神奈川県 2016.10.23 13:06)

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マルタンヤンマ

2022-07-21 22:56:09 | トンボ/ヤンマ科

 マルタンヤンマ Anaciaeschna martini (Selys, 1897)は、ヤンマ科(Family Aeshnidae)トビイロヤンマ属(Genus Anaciaeschna)のトンボで、本州の関東以南・四国・九州、および周辺の離島に分布し、木立に囲まれた挺水植物の茂る池沼に生息する。朝夕の薄暗い時間帯に飛びまわり、日中は雑木林の暗い場所の木の枝にぶら下がって休んでいる。マルタンという和名は、フランスのトンボ研究家、マルタン氏にちなんだもの。環境省のカテゴリーには記載されていないが、地方自治体のRDBでは、群馬県で絶滅危惧Ⅰ類、栃木県・千葉県・長崎県で絶滅危惧Ⅱ類、宮城県・埼玉県・長野県・奈良県・大阪府・香川県・高知県で準絶滅危惧種として記載している。
 マルタンヤンマは、私が子供の頃、1953年発行の山渓カラーガイド「日本のトンボ」という本を見ながら、いつか見てみたいと憧れていた。掲載されていた美しい写真の撮影地は「高知県」であり、遠くにいかなければ見られないと思っていたが、高知県では今では準絶滅危惧種の存在である。これほどの美しいヤンマが、実は東京の都心近くの公園に自生しており、それほど苦労なく見ることが出来るのである。子供の頃は、ギンヤンマやオニヤンマを見るとワクワクしたものだが、このブルーアイズのヤンマは、大人の心もドキドキさせる存在である。

 私は自然風景でも昆虫の撮影でも、ほとんど「ストロボ」は使用しない。唯一トンボの撮影において、逆光の場合や複眼の美しさを写したい時だけに「ストロボ」を使用する。CanonのSpeedlite 550EXを愛用していたが、中古品を購入していたため、昨今調子が悪くなってしまった。仕方なく新品のストロボ「Nissin i40」というストロボを購入した。そのストロボに関する詳細は、メーカーのホームページを参照頂きたいが、今月下旬に未撮影のトンボを探索予定であり、その時に実力を発揮してもらいたい。そのためには、愛機 Canon EOS 7D でしっかりと作動するのかテストが必要である。
 被写体は何でもよく、自宅近くのヤブヤンマが多産する池も頭を過ったが、久しぶりの晴れで、しかも気温35度の猛暑予報。それならばと、7年ぶりに自宅から小一時間で行ける都心近くの公園に行って見ることにした。目指す被写体はマルタンヤンマである。

 現地には10時過ぎに到着。気温は既に34度。ただし、日本海側から吹き込む風で乾燥しており、それほど汗はかかない。池の周囲のポイントを巡ると、早速、メスのマルタンヤンマを発見。本種は、朝夕の薄暗い時間帯に飛びまわり、猛暑となる日中は暗い場所の木の枝にぶら下がって休んでいるのである。その後、もう1頭のメスを見つけ、ヤブヤンマのオスも木の枝にぶら下がっている所を見つけたが、一向にマルタンヤンマのオスは見つからない。4時間ほど探索したが、こちらが疲れ果て探索終了。帰路についた。
 とりあえず、マルタンヤンマのメスとヤブヤンマのオスで新しいストロボのテストはできた。違うメーカーで小型のストロボであるが、問題なく作動することが確認できたので、今後の使用に支障はないだろう。

 以下には、マルタンヤンマとヤブヤンマの写真を掲載したが、一枚目の本種メスと5枚目のヤブヤンマのオスの写真が、今回撮影したもので、マルタンヤンマのオスと産卵の写真は、過去に撮影したものを参考として掲載した。
 マルタンヤンマは、トビイロヤンマ属のヤンマである。先月、沖縄本島にて目の前を群飛するトビイロヤンマを見ながら、まったく撮影する事が出来なかった悔しさが蘇る。来年こそは、しっかりと収めたい。

以下の掲載写真は、1920*1280 Pixels で投稿しています。写真をクリックしますと別窓で拡大表示されます。

マルタンヤンマの写真
マルタンヤンマ(メス)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F6.3 1/100 ISO 2000 ストロボ使用(撮影地:東京都 2022.7.20 11:43)
マルタンヤンマの写真
マルタンヤンマ(オス)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F6.3 1/100 ISO 400 ストロボ使用(撮影地:東京都 2011.8.13 13:41)
マルタンヤンマの写真
マルタンヤンマ(オス)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F5.6 1/60 ISO 400 ストロボ使用(撮影地:東京都 2011.8.13 13:36)
マルタンヤンマの写真
マルタンヤンマ(オス)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F4.5 1/60 ISO 400 +1EV ストロボ使用(撮影地:東京都 2011.8.07 12:43)
マルタンヤンマの写真
マルタンヤンマ(産卵)
Canon EOS 7D / EF100-300mm f/4.5-5.6 USM / 絞り優先AE F5.6 1/500 ISO 250(撮影地:東京都 2011.9.04 13:24)
ヤブヤンマの写真
ヤブヤンマ(オス)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/30 ISO 2000 ストロボ使用(撮影地:東京都 2022.7.20 13:14)

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ルリボシヤンマ属の青色型メス(オス型メス)

2021-09-26 11:08:40 | トンボ/ヤンマ科

 ルリボシヤンマ属(Genus Luehdorfia)は、国内に以下の4種が生息しており、これら4種のメスには、青色型メス(オス型メス)が存在する。ここでは北海道にのみ生息するイイジマルリボシヤンマ(未撮影)を除く3種の青色型メス(オス型メス)について、これまでに撮影した写真からを選別してまとめてみた。

  1. マダラヤンマ Aeshna mixta soneharai Asahina, 1988
  2. オオルリボシヤンマ Aeshna crenata Hagen, 1856
  3. ルリボシヤンマ Aeshna juncea juncea (Linnaeus, 1758)
  4. イイジマルリボシヤンマ Aeshna subarctica subarctica Walker, 1908

 マダラヤンマおよびオオルリボシヤンマの青色型メス(オス型メス)は、一部を除いては比較的多く存在するが、ルリボシヤンマに関しては、ほとんどのメスが緑色型であり、青色型メスは北海道および本州中部山岳地帯等において、極めて稀に見られる程度である。
 ルリボシヤンマは、オスにおいてもオオルリボシヤンマに比べて青色の部分は少なく、複眼と腹部の1節後半と2節前半及び6(または7)~8節の斑紋のみが青色で、他の斑紋は黄色であるが、高標高の寒冷地では、胸部の翅の付け根と腹部の斑紋全部が青色になる個体が少ないが存在する。(参照:ルリボシヤンマ 青色型オス
 ルリボシヤンマの青色型は、雌雄ともに一部の寒冷地だけに稀に見られることから、青色の出現(変異)は、後代に遺伝しない環境要因によってのみ生ずる環境変異なのかもしれない。これまで長野県の標高1,450mの湿地及び岐阜県の標高1,400mの湿地で撮影しているが、更に青い個体を求めて今後も探索を続けたいと思う。

以下の掲載写真は、1920*1280 Pixels で投稿しています。写真をクリックしますと別窓で拡大表示されます。

マダラヤンマ(青色型メス)の写真
マダラヤンマの青色型メス(オス型メス) / 下がメス
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F6.3 1/320秒 ISO 320 +2/3EV(撮影地:長野県 2016.9.10 8:49)
マダラヤンマ(青色型メス)の写真
マダラヤンマの青色型メス(オス型メス) / 下がメス
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / Speedlite 550EX / 絞り優先AE F6.3 1/400秒 ISO 250 +2/3EV(撮影地:長野県 2019.9.22 9:32)
マダラヤンマの写真
マダラヤンマの緑色型メス(ノーマルタイプ) / 下がメス
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO + Kenko TELEPLUS 2X / 絞り優先AE F4.5 1/250秒 ISO 2000 -2/3EV(撮影地:栃木県 2010.10.11 9:56)
オオルリボシヤンマ(青色型メス)の写真
オオルリボシヤンマの青色型メス(オス型メス)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / Speedlite 550EX / 絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 400 +1 2/3EV(撮影地:新潟県 2018.9.22 13:47)
オオルリボシヤンマの写真
オオルリボシヤンマの緑色型メス(ノーマルタイプ)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / Speedlite 550EX / 絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 400(撮影地:新潟県 2018.9.22 11:39)
ルリボシヤンマ(青色型メス)の写真
ルリボシヤンマの青色型メス(オス型メス)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / Speedlite 550EX / 絞り優先AE F6.3 1/320秒 ISO 2000(撮影地:長野県 2020.8.29 9:50)
ルリボシヤンマ(青色型メス)の写真
ルリボシヤンマの青色型メス(オス型メス)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / Speedlite 550EX / 絞り優先AE F5.6 1/2000秒 ISO 1250(撮影地:長野県 2020.8.29 8:07)
ルリボシヤンマ(青色型メス)の写真
ルリボシヤンマの青色型メス(オス型メス)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / Speedlite 550EX / 絞り優先AE F6.3 1/40秒 ISO 400 -1 1/3EV(撮影地:岐阜県 2019.9.14 9:28)
ルリボシヤンマの写真
ルリボシヤンマの緑色型メス(ノーマルタイプ)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / Speedlite 550EX / 絞り優先AE F6.3 1/60秒 ISO 400 -1EV(撮影地:長野県 2021.9.19 6:55)

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オオルリボシヤンマ メスの体色変異

2021-09-22 17:26:57 | トンボ/ヤンマ科

 オオルリボシヤンマ Aeshna crenata Hagen, 1856のメスには、青色型(オス型メス)と緑色型(メス型メス)が存在することは前記事「オオルリボシヤンマの青色型メス(松本市)」で述べているが、青色型は緑色の基本形質に青色が出現する変異であり、こうした表現形質レベルの変異は一般的に遺伝的要因と環境要因の両方の作用によって生ずると言われている。遺伝子と形質の関係はきわめて多彩で複雑であり、それを解明するのはDNA解析のスペシャリストの方々に期待するとして、ここでは、青色型と緑色型の間に存在する様々な体色変異を写真で紹介したい。
 以下9枚の写真は、次の各部位に注目してご覧頂きたい。

  • 複眼、胸部翅の付け根、腹部斑紋、腹部体節の環状斑紋

以下の掲載写真は、1920*1280 Pixels で投稿しています。写真をクリックしますと拡大表示されます。また動画においては、Youtubeで表示いただき、HD設定でフルスクリーンにしますと高画質でご覧いただけます。

オオルリボシヤンマのメスの写真

オオルリボシヤンマの青色型メス
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 + Kenko TELEPLUS 2X / 絞り優先AE F8.0 1/40秒 ISO 3200(撮影地:兵庫県 2017.9.23 10:17)

オオルリボシヤンマのメスの写真

オオルリボシヤンマの青色型メス
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F6.3 1/160秒 ISO 400(撮影地:兵庫県 2017.9.23 11:46)

オオルリボシヤンマのメスの写真

オオルリボシヤンマのメス
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F8.0 1/400秒 ISO 400 +1/3EV(撮影地:新潟県 2018.9.22 14:09)

オオルリボシヤンマのメスの写真

オオルリボシヤンマのメス
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F6.3 1/250秒 ISO 250 -2/3EV(撮影地:兵庫県 2017.9.23 10:51)

オオルリボシヤンマのメスの写真

オオルリボシヤンマのメス
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F6.3 1/500秒 ISO 320(撮影地:新潟県 2017.10.08 12:10)

オオルリボシヤンマのメスの写真

オオルリボシヤンマのメス
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F8.0 1/400秒 ISO 800 +2/3EV(撮影地:新潟県 2018.9.22 12:47)

オオルリボシヤンマのメスの写真

オオルリボシヤンマのメス
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F6.3 1/400秒 ISO 640 +2/3EV(撮影地:長野県 2021.9.19 9:57)

オオルリボシヤンマのメスの写真

オオルリボシヤンマのメス
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F8.0 1/500秒 ISO 1250 +1EV(撮影地:長野県 2018.8.26 9:26)

オオルリボシヤンマのメスの写真

オオルリボシヤンマの緑色型メス
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F6.3 1/320秒 ISO 320 +2/3EV(撮影地:長野県 2016.8.30 11:14)

オオルリボシヤンマの産卵

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オオルリボシヤンマの青色型メス(松本市)

2021-09-20 13:12:04 | トンボ/ヤンマ科

 オオルリボシヤンマの青色型メスを長野県松本市で撮影したので紹介したいと思う。

 9月7日にフィリピンの東で発生した台風14号は、17日(金)に福岡県に上陸(福岡県に台風が上陸するのは初)、翌18日午前3時には東海道沖で温帯低気圧に変わったが、前線や湿った空気の影響で各地で大雨を降らせた。この日は出勤日であり、朝から土砂降りの中でソーシャルワークを行った。
 仕事は昼過ぎには終了し、帰宅する頃には雨も小降りになった。雲に切れ間が見え始めた22時に自宅を出発し、今年8回目になる信州を目指した。目的はトンボ探索である。途中の道の駅で車中泊し、最初は標高1.618mにある池で探索。台風一過の素晴らしい秋晴れ。朝の気温は14℃ほどで、朝陽のぬくもりが心地良いくらいの肌寒さであった。
 池に太陽の光も差さない6時15分。1頭のルリボシヤンマのメスが飛んできた。その後6時50分には、繁茂するミツガシワの間で産卵を開始。20分ほど移動しながらあちらこちらで産卵を行っていた。9時頃まで待機したが、残念ながら目的の個体は現れず、標高1,450mの池に移動したところ、オオルリボシヤンマの青色型メスを発見した。

 オオルリボシヤンマのメスには、オスと同色の青色型(オス型メス)と緑色型(メス型メス)が存在し、10年ほど前からに日本各地で観察と撮影を続けてきた。青色型と緑色型は、地域によってその割合が異なっている。自身の観察では、兵庫県の六甲山(オオルリボシヤンマ(オス型メス/兵庫))では、メスの個体ほとんどが青色型であり、新潟県では混在し(オオルリボシヤンマの青メス)、東京都や福島県では緑色型しか確認していない。
 長野県松本市の標高1,450mにある池は、オオルリボシヤンマが多数生息しているが、これまで何度となく観察し撮影してきた中では、ほとんどすべてのメスが緑色型であった。しかし今回、完全な青色型メス(オス型メス)ではないが、複眼が緑色で、翅の付け根部分と腹部第一節の斑紋が青色であるメスを発見した。
 時期的に個体数が少なく、青色型メスは撮影した1頭のみであった。ちなみに、2018年8月26日には、複眼上部が青色のメスも撮影している。メスにおける青色の出現は表現形質レベルの変異であり、遺伝的要因と環境要因の両方の作用によって生ずるので、来年以降も継続観察していきたい。以下には、比較の意味でオオルリボシヤンマのオス、そして緑色型(メス型メス)の写真も掲載した。

 オオルボシリヤンマの青色型メスにおける青色の出現には、いくつかのパターンがある。これについては、次の記事にて写真を掲載したいと思う。また、青色型メス(オス型メス)はルリボシヤンマ属4種に存在するので、これについてはその次にまとめておきたいと思う。

以下の掲載写真は、1920*1280 Pixels で投稿しています。写真をクリックしますと拡大表示されます。

オオルリボシヤンマのオスの写真

オオルリボシヤンマのオス
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F6.3 1/400秒 ISO 320(撮影地:長野県 2021.9.19 9:43)

オオルリボシヤンマのオスの写真

オオルリボシヤンマのオス
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F6.3 1/500秒 ISO 320(撮影地:長野県 2021.9.19 9:43)

オオルリボシヤンマのオスの写真

オオルリボシヤンマのオス
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F6.3 1/500秒 ISO 320(撮影地:長野県 2021.9.19 9:43)

オオルリボシヤンマの青色型メスの写真

オオルリボシヤンマの青色型メス
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F6.3 1/400秒 ISO 500 +2/3EV(撮影地:長野県 2021.9.19 9:56)

オオルリボシヤンマの青色型メスの写真

オオルリボシヤンマの青色型メス
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F6.3 1/400秒 ISO 640 +2/3EV(撮影地:長野県 2021.9.19 9:57)

オオルリボシヤンマの青色型メスの写真

オオルリボシヤンマの青色型メス
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F6.3 1/400秒 ISO 640 +2/3EV(撮影地:長野県 2021.9.19 10:39)

オオルリボシヤンマの青色型メスの写真

オオルリボシヤンマの青色型メス
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F6.3 1/400秒 ISO 640 +2/3EV(撮影地:長野県 2021.9.19 10:39)

オオルリボシヤンマの緑色型メスの写真

オオルリボシヤンマの緑色型メス
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F6.3 1/400秒 ISO 640 +2/3EV(撮影地:長野県 2021.9.19 11:05)

オオルリボシヤンマの青眼型メスの写真

オオルリボシヤンマの青眼型メス
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F6.3 1/500秒 ISO 500 +2/3EV(撮影地:長野県 2021.9.19 11:07)

オオルリボシヤンマの青眼型メスの写真

オオルリボシヤンマの青眼型メス
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F8.0 1/500秒 ISO 1250 +1EV(撮影地:長野県 2018.8.26 9:26)

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ルリボシヤンマの静止飛翔

2020-09-13 12:17:07 | トンボ/ヤンマ科

 ルリボシヤンマの静止飛翔の写真を撮影したので掲載したいと思う。
 このブログは、基本的に「今日はこんな所に行ってきました」と過去に掲載した同じような写真を連ねる日誌のような記事は避けるようにしているが、ルリボシヤンマのオスにおいては複眼や体色に個体差があり、当地でのオスの撮影は初めてなので、記録として掲載することととした。

 ルリボシヤンマの青色型メスを引き続き探索するために前回と同じ湿地を訪れた。最盛期であれば多くの個体数が観察でき、また成熟・老熟によって体色に変化が あるかもしれないとの思いで2週間ぶりで3回目の訪問である。今回は、自宅を午前3時半に出発し、現地に6時半到着。気温は16℃で快晴。7時より湿地脇で待機した。
 早速オスが1頭探雌に現れた。前回同様に早い時間に現れるのは1頭だけで、しばらくすると飛び去ってしまったが、ルリボシヤンマにしては小型で黒っぽく見えた。8時を過ぎると湿地全体に朝陽が当たり始め、様々なトンボが姿を現す。今回はルリボシヤンマのオスが多く、予想通り最盛期である。5~6頭のオスがそれぞれの場所で探雌飛翔をし、時折、静止飛翔(ホバリング)するといった行動を繰り返していた。テリトリーに侵入してくるものは、どんなトンボであれ、すべて追い払っていた。
 この湿地でのルリボシヤンマの産卵場所は限られているため、各個体の体色も分かるような産卵の様子を撮影することはそれほど難しくはないが、まずはメスが飛来するのを ただひたすら待つしかない。メスは、多くのオスが飛び交う中、きわめて巧妙に飛んでくる。この日、メスが産卵のために初めて飛んできたのは8時半。複眼は少し青いものの、残念ながら目的の青色型メス(パーフェクト・ブルー)ではなかった。また隣接する湿地でも1頭が産卵していたが、こちらは複眼も茶色。その後はメスの飛来がなく、今回は2頭だけの観察で終わってしまった。

 ルリボシヤンマのメスの飛来を待つ間、目の前では私にとっては邪魔な存在のオスたちが、高速で相手を追従したかと思えば、これ見よがしに静止飛翔(ホバリング)を行っている。様々な地域でオスの静止飛翔を撮っているが、その様子を写すのは、じっと動かない昆虫や自然風景等の静止物の撮影と違って自身の撮影テクニックが試される。それについては次の記事で取り上げるとして、今回もルリボシヤンマの静止飛翔にカメラを向けてしまった。

 ルリボシヤンマの青色型メス探索に関しては、昨年は10月5日に同地域にて観察をしているので、まだチャンスがあるだろう。天候等に恵まれればもう一回訪れてみたいと思う。
 この日は午後から曇りのち雨という予報であったため、帰りの渋滞も考慮して正午には引き上げた。パーフェクト・ブルーに出会えなかった代わりに、私の顔と腕は日に焼けて真っ赤になった。

参照:ルリボシヤンマ 青色型メス探索

お願い:なるべくクオリティの高い写真をご覧頂きたく、1024*683 Pixels で掲載しています。ウェブブラウザの画面サイズが小さいと、自動的に縮小表示されますが、画質が低下します。Internet Explorer等ウェブブラウザの画面サイズを大きくしてご覧ください。

ルリボシヤンマ(静止飛翔)の写真

ルリボシヤンマ
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / Speedlite 550EX / 絞り優先AE F8.0 1/1000秒 ISO 1250 -2/3EV(撮影地:長野県 2020.9.12 9:29)

ルリボシヤンマ(静止飛翔)の写真

ルリボシヤンマ
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F8.0 1/640秒 ISO 1250(撮影地:長野県 2020.9.12 9:30)

ルリボシヤンマ(静止飛翔)の写真

ルリボシヤンマ
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F8.0 1/320秒 ISO 1250(撮影地:長野県 2020.9.12 9:30)

ルリボシヤンマ(静止飛翔)の写真

ルリボシヤンマ
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / Speedlite 550EX / 絞り優先AE F8.0 1/1000秒 ISO 1250 -2/3EV(撮影地:長野県 2020.9.12 9:42)

ルリボシヤンマ(静止飛翔)の写真

ルリボシヤンマ
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F8.0 1/800秒 ISO 1250(撮影地:長野県 2020.9.12 9:42)

ルリボシヤンマ(産卵)の写真

ルリボシヤンマ(産卵)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / Speedlite 550EX / 絞り優先AE F8.0 1/1250秒 ISO 1250 -2/3EV(撮影地:長野県 2020.9.12 8:31)

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カトリヤンマの交尾態

2020-09-06 15:57:22 | トンボ/ヤンマ科

 カトリヤンマの交尾態を撮影したので、9年間で撮りためた静止(枝止まり)、飛翔、産卵の写真の中から複眼の美しさに拘ったものをセレクトして、交尾態と併せて全12点を掲載した。

 カトリヤンマ Gynacantha japonica (Bartenef, 1909)は、ヤンマ科(Family Aeshnidae) カトリヤンマ属(Genus Gynacantha)で、北海道南部から九州まで広く分布し、平地や丘陵地の細い流れや池沼、林縁の水田などに生息するヤンマで、初夏に羽化し、その後は雑木林の中で過ごす。夕暮れや早朝に飛びまわり、文字通り蚊や小さな昆虫を捕食。昼間は、薄暗い藪の中で木の枝にぶら下がって休んでいる。秋になり成熟すると産卵時期を迎え、メスは午後になると稲刈りが終わった水田の畔などの泥の中に産卵、オスは水田の上でホバリングする今が旬のヤンマである。
 カトリヤンマは、かつて普通に見られた種だが、圃場整備による水田の乾燥化や山裾の水田の放棄荒廃により、近年減少傾向が著しい。環境省RDBカテゴリにはないが、22の都府県でRDBに掲載しており、関東では東京都と千葉県で絶滅危惧Ⅰ類に、栃木県では絶滅危惧Ⅱ類に、神奈川県や静岡県では準絶滅危惧種に選定している。
 水田は元来、生物多様性に富み、周囲の環境とともに「里山」という豊かな生態系を維持する重要なもので、そこに生息するカトリヤンマは、ヘイケボタル同様に水田環境に適応した昆虫だ。彼らが絶えることなく生き続けているということは、今後の里山のあり方や稲作の農法を考える上での指針にもなる。

 カトリヤンマとの出会いは、今から44年前になる。その頃は一時期千葉県松戸市に住んでおり、近くには水田と雑木林があった。夕方、林縁を歩くと細いトンボがピョンピョンと跳ねるように飛んで枝に止まる姿が多く見られた。昆虫少年であったから、それがカトリヤンマであることはすぐに分かった。ヤゴを飼育し、自宅で羽化させたこともあった。その当時に写したポジフィルムも大切に保管している。
 30数年の時を経て、デジタル一眼レフで様々な昆虫の写真を撮り始めるようになると、カトリヤンマの美しい姿もデジタルで残したいと思い探索が始まった。インターネットの情報や写友からご教示いただいたこともあり、日本各地の多産地にて様々なシーンを撮ることができた。今回訪れた場所は、雑木林に足を踏み入れた途端に数十頭のオスが足元から飛び立つという場所。飛んでも、すぐに近くの枝に止まる。何だか可愛く思えてくる。オスの枝止まり写真は、これまで何度も撮っているが、完璧な美しさを撮れていないのでカメラを向けてしまう。将に撮り放題なのだが今回も50点。(本記事に掲載はしていない。)
 カトリヤンマは、薄暗い藪の中にいる場合は、ストロボを発光させて撮影することほとんどだが、ストロボ1灯では光の当て方が難しく、平面的で不自然な反射も目立ってしまう。かと言って自然光では複眼の美しさが際立たない。ストロボ光と自然光のどちらが良いかは撮影者自身の好みの問題でもあると思うが、図鑑写真でも生態写真においても、単なる記録(証拠写真)の範疇を越えて最高に美しい姿を写真に残すために色々と試行錯誤を繰り返していきたい。

 カトリヤンマの交尾態の撮影が今回の大きな目的。静止(枝止まり)、飛翔、産卵というシーンは撮影済だが、交尾態は未撮影。これまでに訪れた多産地においては目撃すらできていなかった。湿地や水田に隣接する雑木林や藪に容易に踏み込めないという環境が要因である。
 今回は、撮影には恵まれた環境であり、藪の中には午前7時頃から時間をおいて出入りしてみた。3回目では明らかに確認できるオスの数が減っていた。これは、高い位置でメスと交尾しているに違いない。そう思いながら枝をかき分けて進むと、2組の雌雄が交尾態のまま飛翔し枝に止まった。1組は見えない位置に止まり、もう1組は少々高い場所ではあるが、何とか撮影できる枝に止まった。これを撮るために来たので、冷静にカメラを向けてシャッターを切った。

 本記事では、カトリヤンマの様々な写真を羅列したが、生態における「羽化」というシーンがまだ写真として残せていない。トンボに限らず羽化の瞬間は、変態という奇跡の瞬間であり「旅立ち」というドラマチックなシーンでもあるが、ホタル以外の昆虫では、なかなか生態の各ステージを細かく捉える時間的余裕がないのが現状である。

 季節はもう9月。昆虫の季節は終盤である。今年は、ホタル以外の昆虫はトンボがメインでチョウ類はほとんど撮っていない。高知県にて「イシガケチョウ」を撮ったくらいである。ギフチョウやゼフィルス等、予定は色々とあったが、新型コロナウイルスと長梅雨の影響で断念せざるを得なかった。
 今後、9月は前々回の記事に掲載した「ルリボシヤンマ 青色型メス探索」を信州の同じ生息地にて引き続き行い、10月は、静岡県にて大陸からの飛来種であるスナアカネの産卵を確認し撮影すること、天候と気分・体力によって和歌山県にて「サツマシジミ」の開翅写真を撮ること、これら3つを目標にして本年の昆虫撮影を締めくくりたいと思う。昆虫撮影の後は、星空、紅葉、霧氷・・・自然風景の撮影に切り替えて行きたい。

お願い:なるべくクオリティの高い写真をご覧頂きたく、1024*683 Pixels で掲載しています。ウェブブラウザの画面サイズが小さいと、自動的に縮小表示されますが、画質が低下します。Internet Explorer等ウェブブラウザの画面サイズを大きくしてご覧ください。

カトリヤンマの写真

カトリヤンマ(オスの静止)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 内蔵ストロボ使用 / 絞り優先AE F5.6 1/5秒 ISO 400 +1/3EV(撮影地:千葉県 2016.8.06 10:11)

カトリヤンマの写真

カトリヤンマ(オスの静止)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 内蔵ストロボ使用 / 絞り優先AE F5.6 1/30秒 ISO 400 -2/3EV(撮影地:千葉県 2016.8.06 10:14)

カトリヤンマの写真

カトリヤンマ(オスの静止)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / 内蔵ストロボ使用 / 絞り優先AE F6.3 1/50秒 ISO 400(撮影地:静岡県 2011.10.29 12:49)

カトリヤンマの写真

カトリヤンマ(オスの静止)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / Speedlite 550EX / 絞り優先AE F5.6 1/50秒 ISO 1250(撮影地:埼玉県 2019.9.07 12:44)

カトリヤンマ(静止飛翔)の写真

カトリヤンマ(オスのホバリング)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F5.6 1/500秒 ISO 800 +1EV(撮影地:神奈川県 2016.10.23 13:06)

カトリヤンマ(静止飛翔)の写真

カトリヤンマ(オスのホバリング)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F5.0 1/500秒 ISO 640(撮影地:神奈川県 2013.10.14 15:02)

カトリヤンマ(静止飛翔)の写真

カトリヤンマ(オスのホバリング)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F5.0 1/500秒 ISO 640(撮影地:神奈川県 2013.10.14 15:04)

カトリヤンマの写真

カトリヤンマ(メスの静止)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F5.6 1/160秒 ISO 1250(撮影地:埼玉県 2019.9.07 11:47)

カトリヤンマの写真

カトリヤンマ(メスの静止)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 内蔵ストロボ使用 / 絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 400(撮影地:愛媛県 2018.10.07 16:27)

カトリヤンマ(交尾態)の写真

カトリヤンマ(交尾態)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / Speedlite 550EX / 絞り優先AE F8.0 1/50秒 ISO 400 -2/3EV(撮影地:埼玉県 2020.8.30 8:50)

カトリヤンマ(産卵)の写真

カトリヤンマ(産卵)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 内蔵ストロボ使用 / 絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 400 +1 2/3EV(撮影地:愛媛県 2018.10.07 15:47)

カトリヤンマ(産卵)の写真

カトリヤンマ(産卵)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 3200 +1/3EV(撮影地:愛媛県 2018.10.07 16:22)

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ルリボシヤンマ 青色型メス探索

2020-09-01 22:08:48 | トンボ/ヤンマ科

 ルリボシヤンマの青色型メスの探索に今年も出かけた。

 ルリボシヤンマ Aeshna juncea juncea (Linnaeus, 1758)は、ヤンマ科(Family Aeshnidae)ルリボシヤンマ属(Genus Aeshna)で、氷河期に繁栄し、その遺存種的に生息していると言われており、日本では寒冷な気候である北海道の他、本州、四国に分布する。主として高層湿原や林に囲まれた抽水植物が繁茂する泥炭質の小さな池沼などに多く生息している。丘陵地から低山帯の池沼など温暖な平地にも生息するが、数は少なくなる。
 オスは、成熟すると複眼は青色に、胸部の模様と腹部斑紋は黄色に変化し、腹部の第1節後半と第2節前半及び6(または7)~8節の斑紋が青色になる。メスは、複眼が緑色で胸部模様と腹部斑紋は黄色または淡緑色である。いずれも、地色の茶色味が強い。
 本種を含むルリボシヤンマ属では、メスの複眼と腹部斑紋の色がオスと同じ青色になる個体、いわゆる青色型(オス型)メスが出現するが、これらは地理的変異と言われており、オオルリボシヤンマでは兵庫県と新潟県で撮影し、マダラヤンマは長野県で撮影している。ルリボシヤンマの青色型メスは北海道で稀に見られ、本州においては中部山岳地帯において極稀に確認されると言われているが、ここ数年、様々な地域で探索していても、完全に青色型と言えるメスを見つけることが出来ていない。
 昨年は、岐阜県にある高原(標高1,400m)の湿地で「ルリボシヤンマ 青眼型メス」を撮影し、その後、長野県の池(標高1,600m)で青色型メスの手がかりを得て今年に期待したのだが、先週末に行って見ると、災害によって林道がかなり手前から当面の間通行止めということで、その池での今年の探索は断念せざるを得ない状況。仕方なく、これまでに立ち寄ったことがない湿地(標高1,450m)に変更し、2週続けて探索を行った。

 朝5時過ぎから湿地で待機していると、6時になって1頭のルリボシヤンマのオスが探雌に現れた。気温18度。湿地にはまだ朝陽が当たっていない。オスは、メスが産卵を行っていそうな場所を執拗に見回り、20分ほどすると林の中へ飛んでいった。その後オスが現れたのは、午前10時頃になってからである。
 メスが最初に現れたのは7時50分。次に10時近くに産卵のために飛んできたメスも複眼が青く腹部横の斑紋が薄い水色のタイプであった。腹部の第1節後半と第2節前半の斑紋が青色であれば、完全な青色型(オス型)メスであろうが、これらは岐阜県で撮影した個体よりも美しいという印象をもった。複眼と腹部の横の斑紋の色から、一応青色型メス(オス型メス)と言ってよいだろう。トンボ本来の色彩を写すためにストロボは使用せず、自然光のみで撮影した。最後に撮影したメスの複眼は緑色のタイプであった。比較のために、2014年に東京都内で撮影したノーマルタイプのメスの写真も掲載した。
 9月下旬頃までルリボシヤンマの産卵は続くので、老熟した個体の体色変化の観察及び完全な青色型(オス型)メスの探索のために、もう一度この地を訪れたいと思う。

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ルリボシヤンマ(青色型メス)の写真

ルリボシヤンマ(青色型メス)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F6.3 1/2000秒 ISO 1250(撮影地:長野県 2020.8.29 8:07)

ルリボシヤンマ(青色型メス)の写真

ルリボシヤンマ(青色型メス)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F6.3 1/320秒 ISO 2000(撮影地:長野県 2020.8.29 9:50)

ルリボシヤンマ(青色型メス)の写真

ルリボシヤンマ(青色型メス)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F6.3 1/400秒 ISO 2500(撮影地:長野県 2020.8.29 9:51)

ルリボシヤンマ(緑眼タイプのメス)の写真

ルリボシヤンマ(緑眼タイプのメス)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F6.3 1/125秒 ISO 640 +1EV(撮影地:長野県 2020.8.29 10:06)

ルリボシヤンマ(緑眼タイプのメス)の写真

ルリボシヤンマ(緑眼タイプのメス)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F6.3 1/60秒 ISO 200 -1/3EV Speedlite 550EX使用(撮影地:長野県 2020.8.29 10:34)

ルリボシヤンマ(緑眼タイプのメス)の写真

ルリボシヤンマ(緑眼タイプのメス)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F6.3 1/100秒 ISO 200 Speedlite 550EX使用(撮影地:長野県 2020.8.29 10:35)

ルリボシヤンマ(緑眼タイプのメス)の写真

ルリボシヤンマ(緑眼タイプのメス)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F6.3 1/500秒 ISO 400(撮影地:長野県 2020.8.29 10:51)

ルリボシヤンマ(ノーマルタイプのメス)の写真

ルリボシヤンマ(ノーマルタイプのメス)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F4.0 1/400秒 ISO 2500(撮影地:東京都 2014.9.23 10:40)

ルリボシヤンマの生息地の写真

ルリボシヤンマの生息環境

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ネアカヨシヤンマの産卵(2020)

2020-08-02 21:03:12 | トンボ/ヤンマ科

 ネアカヨシヤンマの産卵は、今年は3年ぶりに7月19日に撮影を行ったが、かなり不満足な結果で終わっていたため、今回はリベンジである。観察の知見は見ていれば得られるが、「写真」は、ただ単に産卵している様子を収めれば良いというものではなく、対象となるもの(今回は、ネアカヨシヤンマ)の形態の特徴や色彩の美しさを確実に撮影することが私の目的である。
 ちなみにネアカヨシヤンマは、環境省カテゴリでは準絶滅危惧(NT)にランクされ、37の都府県RDBに絶滅危惧種として選定されており、東京都、神奈川県、千葉県、富山県、長崎県では絶滅危惧Ⅰ類、多くの県で絶滅危惧Ⅱ類としているヤンマである。

 8月1日。気象庁により関東甲信が梅雨明けしたと見られると発表された。去年より8日、平年対比11日遅い梅雨明けである。ようやく夏空が広がったが、この夏はいつもの夏と違う。新型コロナウイルスが再び猛威を振るっているからである。
 4月からの外出自粛、緊急事態宣言解除後は長梅雨。やっと梅雨が明けたと思ったら再び感染拡大。東京では1日の感染者が500人に近づく勢いで増えている。私個人の予定は、外出自粛と長梅雨で8割が消えてなくなった。これからと言う時に、またコロナである。にも関わらず経済優先の Go To トラベル・キャンペーン も行われている。観光地やアウトレットパーク等では3密そのものの光景が報道されており「新しい生活様式」は忘れさられている。
 今後、どのような状況になるのかは分からない。私のように東京に在住する者の外出自粛は各個人のモラルと言う事なのだろうが、月~金の仕事は勿論、休日においても「うつされない」事を確実に保証できるような行動をしなければならないのは言うまでもない。
 私はプロのカメラマンではないから写真撮影は趣味であり「遊び」と言われても仕方がない。ただ、私の写真撮影やホタルをはじめとする昆虫観察は、現地への行き帰りは「車」であり、現場においては一般的なレジャーと違って「人」と接することはない。月~金の仕事に比べれば危険度は「ゼロ」である。これが、せめてもの言い訳である。

 自宅から小一時間の距離にあるネアカヨシヤンマの生息地に9時半到着。濃い青空と浮かぶ白い雲が夏を思わせるが、池と湿地の近くは不快指数が極めて高く、すぐに汗が噴き出す。上空を飛んでいるオスの姿はなく、産卵に入るメスの姿もない。今年は、すでに終盤の予感もあるが、通常、メスが産卵をする時間帯は正午頃が多いので、汗を拭きながら池のほとりで待機である。撮影だけならば正午頃に来ればよいと思うが、早い時間帯から待機することには「観察」という意味がある。時間ごとにどんな行動を示すのかを見ることが重要なのである。
 10時過ぎから、雌雄ともに様々な行動を観察できた。そして、撮影目的である産卵は11時を過ぎたころから始まった。しかし、前回同様に木の枯れた梢で池の水面から2Mも高い場所での産卵。カメラからも5M離れているため、撮っても前回と同じ画像しか得られない。
 気温は33℃まで上昇。より一層耐えがたい空気の中でじっと待っていると、入れ代わり立ち代わりに飛来する数頭のメスの個体毎の性格も分かるようになった。うち1頭は、お気に入りの場所で1時間近くも産卵しており、別の個体は敏感ながらも撮影しやすい至近距離の朽ち木に止まって産卵をしてくれ、目的を達成することができた。どのメスの個体も老熟ではなかったが、1頭だけ現れたオスの個体は、翅が茶色になった個体であった。

 先に述べたように今年は新型コロナと長梅雨の影響で計画した予定がことごとく流れ、チョウ類に関しては全て未達成になっている。今後のコロナと天候状況を踏まえて、4年越しになるチョウの撮影を念頭に入れながら、やはり目的である美麗種であるトンボ、そして「8月のゲンジボタル」を紹介できるよう、感染拡大防止に留意しながら進めていきたいと思う。

以下の掲載写真は、1920×1280ピクセルで投稿しています。写真をクリックしますと別窓で拡大表示されます。

ネアカヨシヤンマ(メス)の写真
ネアカヨシヤンマ(メス)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F6.3 1/60秒 ISO 2500 / Speedlite 550EX(撮影地:2020.8.02 11:19)
ネアカヨシヤンマの産卵の写真
ネアカヨシヤンマの産卵
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F6.3 1/80秒 ISO 2500 / Speedlite 550EX(撮影地:2020.8.02 11:43)
ネアカヨシヤンマの産卵の写真
ネアカヨシヤンマの産卵
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F6.3 1/125秒 ISO 2500 +1 1/3EV / Speedlite 550EX(撮影地:2020.8.02 11:45)
ネアカヨシヤンマの産卵の写真
ネアカヨシヤンマの産卵
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F6.3 1/160秒 ISO 2500 +1 1/3EV / Speedlite 550EX(撮影地:2020.8.02 11:44)
ネアカヨシヤンマの産卵の写真
ネアカヨシヤンマの産卵
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F6.3 1/50秒 ISO 2500 / Speedlite 550EX(撮影地:2020.8.02 11:57)
ネアカヨシヤンマの産卵の写真
ネアカヨシヤンマの産卵
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F6.3 1/125秒 ISO 2500 / Speedlite 550EX(撮影地:2020.8.02 12:17)
ネアカヨシヤンマの産卵の写真
ネアカヨシヤンマの産卵
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F6.3 1/100秒 ISO 2500 / Speedlite 550EX(撮影地:2020.8.02 12:17)
ネアカヨシヤンマの産卵の写真
ネアカヨシヤンマの産卵
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F6.3 1/100秒 ISO 2500 / Speedlite 550EX(撮影地:2020.8.02 12:17)
ネアカヨシヤンマ(オス)の写真
ネアカヨシヤンマ(オス)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F6.3 1/160秒 ISO 2500 -2/3EV / Speedlite 550EX(撮影地:2020.8.02 11:12)

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