竹林の織り成す景観は、日本の風土を象徴するもののひとつであり、日本三大美竹林の「錦川の竹林」「京都の嵯峨野」「岐阜の揖斐川」を
はじめ、管理された竹林では、まっすぐ天高く伸びる無数の竹から、日本古来の美意識や風情を感じ取ることができる。
しかしながら、近年「放置竹林問題」として邪魔者のように報道されている。荒れた竹藪が増えているのである。この最大の要因は、我々の暮らしと意識の中から竹が消え、竹への無知や無関心が広がったことにあると言われている。密集した竹藪は栄養分を求めて外に広がり、周辺の田畑や宅地を使えなくする。森を侵食すると光が遮られ、樹木は枯れてしまう。茎が地下30cm以下の浅い所に集中するため、大雨で地滑りを引き起こしやすくなるという。
こうした状況を踏まえ、竹林再生プロジェクトに取り組む自治体が増えている。良好な里山環境の整備及び生物多様性の保全再生を図るとともに、竹林資源の有効活用を図ることを目的とした
「竹林整備事業補助金」を交付する自治体もある。
竹は、「古事記」や「万葉集」或いは「竹取物語」に見るように、古くから親しまれていた日本文化に欠かすことができない存在である。また、日本画、水墨画のモチーフとしてもしばしば用いられ、風が竹林を通り抜ける際のざわめきは日本人の耳には心地よく響き、風情を感じさせるものとして俳句や和歌などに歌われ、多くの文学者、画家などの想像力を刺激してきた。春に筍(タケノコ)を掘るのも日本の風物の一つであるし、竹製品や工芸品も多い。日本の伝統色にも「煤竹色」「銀煤竹色」「藤煤竹色」「柳煤竹色」「肥後煤竹色」「若竹色」「老竹色」「青竹色」と様々な竹の色がある。
私たちは、今一度、日本の伝統文化を見直し、竹から美意識や風情を感じ取るだけではなく、竹に関心を持って消費することも必要であろう。
今日の我が家の夕食は、旬の日本料理「筍ご飯」。とても美味しく、酒の量も多くなってしまう。竹の花言葉のように「節度」を守った食事や飲酒にしないといけないのだろうが、こればかりは、節操が無い。
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竹林
Canon 5D Mark2 / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F16 0.4秒 ISO 100(撮影地:東京都青梅市 2012.4.14)
竹林
Canon 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F6.3 1/125秒 ISO 800(撮影地:千葉県勝浦市 2012.3.20)
竹林
Canon 5D Mark2 / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F5.6 0.8秒 ISO 100 -2/3EV(撮影地:千葉県勝浦市 2016.3.20)
竹林
Canon 5D Mark2 / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F16 6秒 ISO 100 -2/3EV(撮影地:千葉県勝浦市 2016.3.20)
竹林
Canon 5D Mark2 / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F16 4秒 ISO 100 -1/3EV(撮影地:千葉県勝浦市 2016.3.20)
竹林
Canon 5D Mark2 / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F8.0 1/15秒 ISO 100(撮影地:千葉県勝浦市 2012.3.20)
竹林
Canon 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F5.0 1/400秒 ISO 200(撮影地:千葉県勝浦市 2012.4.07)
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