奥四万湖は、群馬県中之条町四万温泉の最奥にある、四万川が四万川ダムによって堰き止められてできた人造湖である。奥四万湖の特徴は、何といってもコバルトブルーの湖面であろう。湖には、酸性の水が流れ込んでいるが、酸性の水中には岩石より溶け出たアルミニウムやケイ酸が含まれており、これが塩基性の温泉水等と混合して中和されるとアロフェンという懸濁微粒子が生成される。湖水には大量のアロフェンが含まれており、これらが水中に入った太陽光の青い光を反射することで、コバルトブルーの色が見えると言われ、「四万ブルー」と呼ばれている。
奥四万湖には魚が生息しておらず、高知県の四万十川よりも汚染度が低いという。透明度の高い湖のコバルトブルーと深い山の新緑が対比する5月の光景は、まさに神秘的な美しさである。
昨今、ブログは昆虫ばかりの記事になってはいるが、本年撮影を計画している昆虫は、今月末から本格始動のため、ブログは過去に撮影した種の「まとめ」的な記事がほとんどである。出掛けてはいるものの、GW期間中に撮った「ヒメシロチョウ」と「ホソミイトトンボの産卵」以外はあまり気合も入らず、撮っても駄作ばかりを連発して意気消沈気味なため、この辺で「カッチリとした風景写真を撮ろう!」と予定外の遠征に行くことにした。
15日午前2時半に自宅を出発し、向かった先は、記事冒頭に説明した「奥四万湖」である。この地は、30年前に会社の社員旅行で四万温泉へ行って以来である。ちなみに、四万温泉は
スタジオジブリ「千と千尋の神隠し」のイメージモデルの1つと言われる旅館「積善館」がある温泉地。四万温泉に向かう国道353号には「メロディーライン」が設置されており、制限速度で走ると走行音が主題歌である「いつでも何度でも」を奏でてくれる。
アップテンポの主題歌を聞きつつ、沿道のキツネに驚嘆しながら奥四万湖周遊道路の一番奥にある橋に5時に到着。先客は1名。挨拶を交わした後、歩きながらロケハン開始。
4月に桜を撮って以来の風景写真なので、焦らず、じっくりと対峙したいところだが、周遊道路から見る場所は限られているため、結局は定番写真に納まる。しかも、天気は生憎の曇り空。ただし、無風で湖面はとても静かだ。鏡のような湖面と曇り空ならではの柔らかい光を味方にして、緑と青の美しさを切り取った。
関連記事:奥四万湖/浮島
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奥四万湖
Canon EOS 5D Mark2 / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F8.0 1.6秒 ISO 100(撮影地:群馬県吾妻郡中之条町 2016.5.15)
奥四万湖
Canon EOS 5D Mark2 / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F11 0.4秒 ISO 100 -2/3EV(撮影地:群馬県吾妻郡中之条町 2016.5.15)
奥四万湖には「浮島」と呼ばれている地形があり、特有な景観がある。以下の写真は、その一部である。このカットは、南米ボリビアのウユニ塩湖をイメージして撮られる方も多い。
次の記事では、「浮島」の定番写真を紹介したい。
奥四万湖/浮島
Canon EOS 5D Mark2 / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F8.0 1秒 ISO 100 +2/3EV(撮影地:群馬県吾妻郡中之条町 2016.5.15)
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