ホタルの独り言 Part 2

ホタルの生態と環境を52年研究し保全活動してます。ホタルだけでなく、様々な昆虫の生態写真や自然風景の写真も掲載しています

ビーナスベルト

2024-11-17 21:22:27 | 風景写真

 ビーナスベルトとは、早朝や日没後の薄明の20分程度の間、太陽とは逆側の空にピンク色の帯がかかる現象である。大気が安定し澄み渡った晩秋から冬にかけて見られることが多い。くすんだアッシュピンクやオレンジ色がかったピンク、紫がかったピンクなど様々な色合いがあり、色やベルトの幅は、時間とともに変化していく。ベルトの下の藍色に染まった部分は、地球の影である。
  ビーナスベルトは、ピンク色がローマ神話の愛と美の女神「ビーナス」を象徴する色であるために名付けられたが、スピリチュアルな意味もあるという。バランスと調和、新しい出発や変化が始まることを象徴しており、新たに何かをスタートすることで、女神がもたらすような幸福に導かれるらしい。ビーナスベルトを目撃したら「新しいことを始めると成功に繋がる」かもしれない。

 ホタルの生態と生息環境の研究、そして保全のコンサルタントはライフワークであるが、それだけでは今後の人生を生きていくには無理がある。そこで、4月に60歳で28年間勤めたヤマト運輸を定年退職した後、9月からタクシー会社に就職した。未経験の職種であるため、まずは教習所の合宿と免許センターの難しい試験をパスして普通2種免許を取得し、タクシーセンターでの講習と試験を受けて「ジャパン・プロフェッショナル・ドライバー」の乗務員証を頂いた。会社では日々様々な勉強を行って、ようやく11月17日(日)から現場へ独り立ちとなり、お客様をお乗せした。

 改めてスタートラインに立ち、自分独りで、自分の実力と努力で頑張っていかねばならない。過去に撮影したビーナスベルトの写真だが、再現像しながら、今後の成功を祈りたいと思う。

以下の掲載写真は、1920×1280ピクセルで投稿しています。写真をクリックしますと別窓で拡大表示されます。

ビーナスベルトの写真
ビーナスベルト
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F18 1.3秒 ISO 100(撮影地:長野県 2010.12.05 6:31)
ビーナスベルトの写真
ビーナスベルト
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8 0.6秒 ISO 100(撮影地:長野県 2012.11.25 6:26)
ビーナスベルトの写真
ビーナスベルト
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8 1/3秒 ISO 100(撮影地:長野県 2012.11.25 6:30)
ビーナスベルトの写真
ビーナスベルト
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / 絞り優先AE F10 1/5秒 ISO 100(撮影地:千葉県 2021.12.11 16:25)
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樺の風景

2024-09-14 15:07:19 | 風景写真

 今年の4月に28年間勤めた会社を定年退職し、しばらく自由にさせてもらっていたが、この9月から別の会社に就職した。未経験の職種で、今は研修と勉強の毎日である。そのため、今月は下旬まで撮影に出かける精神的余裕がないので、しばらくは過去に撮影した写真をテーマごとにまとめて掲載したいと思う。今回は、好きな風景の1つで、白い幹や樹形に魅了される樺の風景を集めてみた。

 樺(カンバ)とは、カバノキ科(Family Betulaceae)の植物の総称である。6属150種ほどの落葉樹からなるが、「樺」という漢字から連想するカバノキ属(Genus Betula)は、日本に約10種があり、高原の木として知られる白樺(シラカンバ)や亜高山帯の岳樺(ダケカンバ)が代表的であろう。
 白樺は爽やかな高原のイメージを生むことから「高原の白い貴公子」とも称され、美智子上皇后さまの「御印」でもある。岳樺の幹は、白樺よりも赤茶色に近く、色が濃いのが特徴で、どちらも山火事や山崩れなど森林が破壊された後に真っ先に生えてくることから先駆樹種(パイオニアプランツ)として知られている。寿命は短く、80年と言われている

 先駆と言えば、今放送されているNHKの連続テレビ小説「虎に翼」は、日本史上初めて法曹の世界に飛び込んだ一人の女性の実話で、主人公はまさに時代の先駆者と言えるだろう。その「第108話」に「これからは道の開拓ではなく、道の舗装だ」というセリフがある。私のこれまでの人生を振り返ってみても、道の開拓は勿論、舗装をしたこともないが、白樺林の1本となり、自然の眠りを醒ます役割を果たせれば、残りの人生が有意義なものになるかもしれない。

以下の掲載写真は、1920×1280ピクセルで投稿しています。写真をクリックしますと別窓で拡大表示されます。

白樺の写真
白樺
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F2.8 1/640秒 ISO 100 +2/3EV(撮影地:長野県 2021.4.24 10:10)
白樺の写真
白樺
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F3.2 1/1000秒 ISO 200(撮影地:長野県 2018.5.04 14:23)
白樺の写真
白樺
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F6.3 1/125秒 ISO 250 -1/3EV(撮影地:長野県 2017.9.10 10:41)
白樺の写真
白樺
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F5.0 1/160秒 ISO 320 +1/3EV(撮影地:長野県 2017.8.13 8:51)
白樺の写真
白樺
Canon EOS 5D Mark II / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F18 1/3秒 ISO 100(撮影地:長野県 2012.10.20 10:12)
岳樺の写真
岳樺
Canon EOS 5D Mark II / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F11 1/4秒 ISO 100 -2/3EV(撮影地:栃木県 2011.11.03 8:04)
白樺の写真
白樺
Canon EOS 5D Mark II / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F18 1/8秒 ISO 100 -1/3EV(撮影地:栃木県 2010.11.27 8:05)
白樺の写真
白樺
Canon EOS 5D Mark II / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F18 1/2.5秒 ISO 100 +1/3EV(撮影地:長野県 2011.2.13 6:38)
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私にとって写真とは

2024-03-03 18:56:10 | 風景写真

 私にとって写真とは何なのか?

 中学生の時から撮り始めて46年。大部分は、ホタルをはじめとする昆虫写真で、その他は自然風景の写真であるが、私はプロの写真家ではない。芸術家でもない。写真は「趣味」である。撮って楽しければ良い。しかしながら、写した結果には最低でも自己満足したいし、できれば自然の美しさ、素晴らしさ、大切さを伝え共有できる作品でもありたい。
 「写真」は写実であり「絵」とは違う。人間が意識的(意図的)にデザインや彩色をして描いたものが「絵」だが、「写真」は、真を写すと書く。客観的な「真実」を記録したものだ。撮影テクニックは別の話として、昆虫写真の場合は、その種の特徴が分かる図鑑的なもの、あるいは生態の瞬間の正確な記録であると言える。自然風景写真はどうだろう。撮影者の意識や個人的感情とは関係なくただ映される「画」を超えて、目の前にある風景から感じる抽象的で漠然とした感覚を「写真」というものに具体化したものでありたい。
 そんな偉そうなことを考えながらも、昨今は、撮影を楽しむことも自然と対峙する素直な心も忘れ、打算的でさえある。趣味であるから、何も撮れなければ時間もお金(高速代やガソリン代など)が無駄になる。以前は、そんなことも考えずに遠征そのものを楽しんでいたことを、以下に掲載した6年前に撮影した写真を現像しながら思い出した。
 ちなみに掲載写真の一枚目は、長野県辰野町にある「小野のシダレグリ自生地」で撮影したシダレグリである。魔力さえ感じる奇怪な樹形。国の天然記念物に指定されており、天然のシダレグリの木が3.4haの純林を形成している。二枚目は霧ケ峰高原の霧氷を写したものだが、霧氷の丘にかかる霧と背後の雲は、将に一期一会の光景であった。

 今年は、お陰様でしばらくの間、時間だけはできた。8月末までにあれこれと計画しており、自家用車での移動は山形から兵庫まで、6月末には3年連続の沖縄遠征。昆虫では未撮影および撮り直しの種が40種、自然風景では、ホタルを含めて35カ所で撮影する予定である。勿論、金銭的制約はあるが、自由な時間の多さがカバーしてくれるだろう。
 私にとって写真とは趣味であるが、「自然界から使者」として紹介されたこともあるので、自然と会話し、対峙し、心で感じ受け止める感性を養っていきたい。

以下の掲載写真は、1920*1280 Pixels で投稿しています。写真をクリックしますと別窓で拡大表示されます。

シダレグリの写真
シダレグリ
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / EF17-35mm f/2.8L USM / 絞り優先AE F11 1/200秒 ISO 100(撮影地:長野県辰野町/小野のシダレグリ自生地 2018.2.10 13:39)
霧氷の丘の写真
霧氷の丘
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F11 1/4秒 ISO 100 -2/3EV(撮影地:長野県諏訪市/霧ケ峰高原 2018.2.11 7:02)
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星峠の棚田

2023-05-15 20:34:15 | 風景写真

 星峠の棚田は、「にほんの里100選」に選ばれた新潟県十日町市松之山・松代地域の松代地域にあり、大小様々な田んぼ約200枚がまるで魚の鱗のように斜面に広がっている。田んぼに水が入って、青空や周囲の風景を映す「水鏡」の美しさは格別で、平成20年のNHK大河ドラマ「天地人」のオープニングにも登場している。四季折々・朝昼晩と様々な光景を見せてくれ、特に朝の雲海と夜の星空は星峠の棚田ならではの魅力がある。

 星峠の棚田は、前回の投稿記事で「天の川」を掲載したばかりであるが、2013年から通うこと12回。この11年間で、春夏秋冬、主に早朝と夜間に訪れ写真を撮ってきた。その都度、ブログには記事掲載してきたが、ここで1つの区切りとして、季節ごとにまとめてフォトギャラリーにしてみた。
 休日に東京から遠征しなければならない私にとっては、なかなかシャッターチャンスに恵まれないのは仕方ないが、今後も、日本の原風景の1シーンを残すために通いたいと思う。

サムネイルを含む以下の掲載写真は、1920*1280 Pixels で投稿しています。写真をクリックしますと別窓で拡大表示されます。

星峠の写真
星峠
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / 絞り優先AE F18 3.2秒 ISO 100 -2/3EV(撮影地:新潟県十日町市 2013.05.18 4:21)

春の星峠の棚田

天の川アーチの写真 星峠の棚田(光芒)の写真 星峠の棚田(光芒)の写真

初夏の星峠の棚田

天の川の写真 天の川の写真 星峠の雲海の写真

秋の星峠の棚田

星峠の棚田の写真 星峠の星空の写真 星峠の棚田の写真 柿の木の霧氷の写真

冬の星峠の棚田

星峠の棚田の写真 星峠の棚田の写真 星峠の星空の写真 星峠の棚田の写真
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小田代ヶ原と小田代湖

2022-10-31 18:25:12 | 風景写真

 小田代ヶ原と小田代湖について、まとめてみた。

 紅葉の季節は後半となり、既に東北や信州の高標高の場所は見ごろを過ぎてしまった。前々記事の「鏡池の紅葉」をスタートとして、これまで行ったことがない所の紅葉と思っていたが、先週は天候が悪く、今週は義理の父が亡くなり通夜と告別式、そして来週は高知県にヒメボタルの保全指導に行かねばならず、プライベートの撮影はしばらくできない。
 そこで、過去に撮影した中から蔵出し写真を中心にすべて新たにRAW現像を行い、大きなサイズで投稿することにした。今回は、栃木県日光市にある小田代ヶ原と小田代湖を選んだ。

 小田代ヶ原は、栃木県日光市の日光国立公園内の標高およそ1,400mに位置する草原への遷移期にある湿原であり、豊かな自然と希少な景観から日光国立公園の特別保護地域および特別地域である他、環境省の日本の重要湿地500、国際条約のラムサール条約湿地に登録され、国際的な保護体制が敷かれている。
 小田代ヶ原は、秋になると一面の草が色づく草紅葉が美しい。また小さく浅い盆地状の地形のため、局地的な豪雨や台風の後には、幻の湖「小田代湖」と言われる湖沼が一時的に出現することがある。小田代湖は、この20年間で5回できているが、湖と呼べるほどの規模の大きなものは1回だけである。
 小田代湖ができると、対岸のカラマツ林が鏡のように映る。そして放射冷却で冷え込んだ朝にはカラマツに霧氷が付き、漂う朝霧と共に美しい光景が広がる。小田代湖そのものが幻に近いが、霧氷ができる条件が揃うのも稀である。晩秋になれば湖は凍ってしまい水鏡にはならない。小田代ヶ原には幾度となく通い、勿論、小田代湖が出現した時にも訪れ撮影しているが、未だに最上級の光景を残せていない。以下には、2010年から2019年の間に写した小田代ヶ原と小田代湖を掲載した。

関連投稿記事:小田代ヶ原/幻の湖「小田代湖」と貴婦人小田代ヶ原の霧氷

以下の掲載写真は、1920*1280 Pixels で投稿しています。写真をクリックしますと別窓で拡大表示されます。

小田代ヶ原の写真
小田代ヶ原/草紅葉
Canon 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F14 2秒 ISO 100(撮影地:栃木県日光市/小田代ヶ原 2010.11.27 7:07)
小田代ヶ原の写真
小田代ヶ原/朝霧
Canon 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F9.0 30秒 ISO 100 -2EV(撮影地:栃木県日光市/小田代ヶ原 2019.11.02 5:35)
小田代ヶ原の写真
小田代ヶ原/朝霧
Canon 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F10 30秒 ISO 100 -2EV(撮影地:栃木県日光市/小田代ヶ原 2019.11.02 5:36)
小田代ヶ原の写真
小田代ヶ原/朝霧
Canon 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F11 5秒 ISO 100 -1/3EV(撮影地:栃木県日光市/小田代ヶ原 2019.11.02 5:52)
小田代湖の写真
小田代湖に映るカラマツ林
Canon 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F11 2秒 ISO 100(撮影地:栃木県日光市/小田代ヶ原 2011.11.03 7:04)
小田代湖の写真
小田代湖とカラマツ黄葉
Canon 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F5.6 8秒 ISO 100 -1EV(撮影地:栃木県日光市/小田代ヶ原 2011.11.03 5:50)
小田代ヶ原の写真
小田代ヶ原/霜の朝
Canon 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F22 1/6秒 ISO 100 -1EV(撮影地:栃木県日光市/小田代ヶ原 2011.11.26 7:59)
小田代湖の写真
小田代湖に映る貴婦人と霧氷
Canon 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F11 1/15秒 ISO 100 -1/3EV(撮影地:栃木県日光市/小田代ヶ原 2011.11.02 6:38)
小田代ヶ原の写真
小田代ヶ原/霧氷
Canon 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/160秒 ISO 100(撮影地:栃木県日光市/小田代ヶ原 2018.3.11 6:52)

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超絶景

2022-10-09 16:53:05 | 風景写真

 超絶景・・・「絶景」を辞書で引くと「美しい景色、ほかに例えようもない素晴らしい景色」とある。そんな景色は、海外は勿論、日本国内にも数多くあり、「死ぬまでに行くべき絶景」「一度は見たい全国の絶景」「絶対に行くべき絶景」として紹介され、2014年には流行語大賞にノミネートされたほどである。
 自然風景写真を撮っているならば、やはり絶景と言われる景色は撮っておきたい。私自身も関東地方を中心にあちこち訪れ、「雲見千貫門」「ダイヤモンドダストとサンピラー」「田代池の霧氷」「ネモフィラ(みはらしの丘)」など多くの絶景を写してきた。当然、これらの景色を目の当たりにした時には大きな感動があり、また出会いまでの苦労もあるが、これらの絶景は、シーズン中に毎日出掛けることができれば、一度や二度は出会えるチャンスがある。だからこそ、WebやSNS、旅行・写真雑誌などで多く取り上げられている。
 しかしながら、絶景と呼ばれる光景の中には、その場の最上級であろう美しさを放つ時がある。それを超絶景と呼びたい。

 超絶景の中には、もう二度と同じ光景には出会えないものもある。大自然が作りだした偶然や奇跡の瞬間であり、刻々と変化するからである。以下には、これまでに撮影した、あくまでも私的な超絶景の写真をまとめてみた。
 トップに掲載した「箱根の大観山からの紅富士」は、箱根に大雪が降り、その翌日の朝は快晴で富士に朝陽が当たるという条件でなければならない。奥四万湖の浮島は、現在では多くの木々が枯れてしまい新緑が望めない。小田代ヶ原は、幻の小田代湖と霧氷という組み合わせは十年に一度あるかないかである。勿論、これらの光景においても更に素晴らしい瞬間がある。今後も自然とじっくりと対峙し、心が震える超絶景との出会いを求めていきたいと思う。

 前回の新潟遠征から二週間が経ち早くも10月の2週目。先週末は、亡くなった義母の法事。この週末は、もともと何も予定を入れていないかったため自宅で休養。次の週末からは、これまで一度も訪れたことがない場所の「紅葉」を計画している。色付きのタイミングや天候条件の兼ね合いで結果はどうなるか分からず、超絶景とは言えない光景かもしれないが、自然の美しさに感動し、写真に収めたいと思っている。

以下の掲載写真は、1920*1280 Pixels で投稿しています。写真をクリックしますと別窓で拡大表示されます。

箱根大観山から雪景色と紅富士の写真
箱根大観山から雪景色と紅富士
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F18 2秒 ISO 100(撮影地:神奈川県/大観山 2020.1.19 6:52)
奥四万湖の浮島の写真
奥四万湖の浮島
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/8秒 ISO 100(撮影地:群馬県/奥四万湖 2018.4.29 5:21)
奥四万湖の浮島の写真
奥四万湖の浮島
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 0.5秒 ISO 100(撮影地:群馬県/奥四万湖 2016.5.15 6:10)
九十九谷の写真
九十九谷
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F11 1/100秒 ISO 100(撮影地:千葉県/九十九谷 2016.2.21 7:24)
霧氷と雲海、朝焼けと富士の写真
霧氷と雲海、朝焼けと富士
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F11 0.5秒 ISO 100 +1EV(撮影地:長野県/高ボッチ高原 2012.12.02 6:56)
北アルプスに沈む十六夜の有明の月の写真
北アルプスに沈む十六夜の有明の月
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F18 0.4秒 ISO 100 -2/3EV(撮影地:長野県/霧ケ峰高原 2011.2.19 6:25)
大正池と穂高連峰の写真
大正池と穂高連峰
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F18 2秒 ISO 50 +1/3EV(撮影地:長野県/上高地 2013.1.5 7:12)
小田代湖に映るカラマツ黄葉と霧氷の写真
小田代湖に映るカラマツ黄葉と霧氷
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F11 1/15秒 ISO 100 -1EV(撮影地:栃木県/奥日光 2019.11.02 6:37)
小田代湖に映るカラマツ黄葉と霧氷の写真
小田代湖に映るカラマツ黄葉と霧氷
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F11 1/25秒 ISO 100 -1/3EV(撮影地:/奥日光 2019.11.02 6:43)

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鹿野山九十九谷

2020-12-06 13:38:59 | 風景写真

 鹿野山九十九谷(かのうざんくじゅうくだに)は、千葉県君津市にあり、その幾重にも連なる房総の山並みの総称である。その墨絵のように霞むさまを近代日本の随筆家である大町桂月(1869-1925)が「鹿野山の九十九谷の眺めは天下の奇観なり」と絶賛し、昭和63年には「房総の魅力500選」に、平成19年には「ちば眺望100景」にも選定されている。また、日本画家の東山魁夷(1908-1999)は、出世作である「残照」で九十九谷を描いており「夕暮れ近い澄んだ大気の中に、幾重もの襞(ひだ)を見せて、遠くへ遠くへと山並みが重なっていた。」と述べている。
 鹿野山九十九谷は、鹿野山九十九谷展望台から望むことができ、条件が良ければ「朝霧と水墨画の世界」が眼下に広がる。雨が降った翌朝は、山々から霧が発生し谷を埋めて雲海のようになる。霧は、まるで生きているかのように動き、刻一刻と変化する光景に目を奪われる。

 以下に掲載した鹿野山九十九谷は、過去(2016年)に撮影したものを再現像したものである。ただし、今回は鹿野山九十九谷の魅力である「朝霧と水墨画の世界」を意識して「ダブルトーン」で現像してみた。
 水墨画は真っ白な紙の上に墨と水だけで表現する絵画であるが、白と黒だけではなく、グレーの色調が繊細な風合いを表現している。モノクロ写真も同様である。色という情報がないため、見る者は質感(テクスチャー)を注視することになり、表現もストレートに伝わりやすいという特徴があるが、今回は、モノクロ画像に補助的に2色を加えたダブルトーンで現像した。モノクロよりダイナミックレンジが広がり、微妙なトーンを表現できることで、写真に深みと厚みを出せたように思う。

 以前「いろいろこだわって撮影されているみたいですが、色合いが不自然に感じます。見たままの再現にもこだわった方がいいのではないかなと思いました。」というコメントを頂いた。私のブログ記事「デジタル写真~現像とフォトレタッチ」でも記しているように、風景写真、昆虫写真いづれも常に階調優先の「ニュートラル」にてRAWで撮影し、撮影後に Lightronn を用いてパソコンでRAW現像(画像調整)作業を行っているが、30年以上もフィルムで撮影してきたので、デジタルであっても原版のRAWデータとかけ離れるような過度な調整は行ってはいないし、するつもりもない。(コダクロームやフジクローム・ベルビアで撮ったポジでも、それぞれのフィルムの特徴が反映され、見たままの再現にはならないと言うことを付け加えておきたい。)
 今回掲載した3枚も「ダブルトーン」で現像しているから「見たままの再現」ではないが、1枚目においては、画像上部を占めるハイライト領域のトーンを調整したところ、実際に見えていた空からの光芒(天使の梯子)が表れた。「JPEG撮って出しが写真で、RAW現像したものは写真ではない。」という方もいるが、そう思う方は、そうすれば良いだけのことである。(尚、フルハイビジョン映像に関しては画質など無調整のまま編集して掲載した。)
 私の根本理念は「美」を追求し「美しいものを 一番美しい時に 美しく写して残す。」である。

 気が付けば昆虫撮影は10月の和歌山で終わり、自然風景は、次の週末に予定している「ふたご座流星群」。しかし今のところ天気は、場所によっては曇りの予報。その後の「霧氷」も運次第。何も撮れずに今年が終わるかも知れないが、年末に一年を振り返ってブログに掲載する「2020年の自己ベスト」をまとめるまで自己ベスト10に入る作品と呼べるものを最後まで追い続けたいと思う。

お願い:なるべくクオリティの高い写真をご覧頂きたく、1024*683 Pixels で掲載しています。ウェブブラウザの画面サイズが小さいと、自動的に縮小表示されますが、画質が低下します。Internet Explorer等ウェブブラウザの画面サイズを大きくしてご覧ください。また動画においては、Youtubeで表示いただき、HD設定でフルスクリーンにしますと高画質でご覧いただけます。

鹿野山九十九谷の写真

鹿野山九十九谷
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F11 1/100秒 ISO 100(撮影地:千葉県君津市 2016.02.21 7:24)

鹿野山九十九谷の写真

鹿野山九十九谷
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/4秒 ISO 100(撮影地:千葉県君津市 2016.02.21 6:40)

鹿野山九十九谷の写真

鹿野山九十九谷
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F11 1/5秒 ISO 100(撮影地:千葉県君津市 2016.02.21 6:51)

鹿野山九十九谷

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心如水

2020-05-10 19:50:02 | 風景写真

 まだ、霧が晴れない。社会全体の見通しもそうだが、心の中にわだかまりがあって、さっぱりしない。いつ希望の光が差してくるのだろうか?

 「心如水」(心は水のごとく)という言葉がある。これは「水は四角い器だと四角に収まり、丸い器だと丸く収まる。形だけでなく、川に流れる水は浅瀬をさらさらと流れ淵はゆったりと流れる。色が付く事もあるが、水の性質は変わらない。心もそうである。」という意味らしい。
 水は、沸騰することもあれば氷にもなる。生命の源であるが、濁流となって大切なものを破壊することさえある。人の心も同じである。イライラしたり、怒ったり怒鳴ったり・・・ブログにて、誤解を生む記述とともに私個人を中傷し、脅迫とさえ受け取れる記事が掲載されれば、表面上は冷静に対処しても、心の中は煮えたぎる。記事がサーバーから削除されなければ沸点に達するだろう。
 人の心は複雑なものである。感じ方、感想、視点は人によってまったく異なる。私もその日の気分によって違うことを考える。「心如水」。こんな時だからこそ、心に沁みる言葉である。

 緊急事態宣言が発令されての外出自粛要請。私の住む東京都は解除されていないので、この土日も結局ずっと家の中で過ごした。前記事にて、基本事項を遵守しながら 5月16日から自粛要請対象外である活動を再開させると述べたが、それも天候次第。要請は「お願い」で法的強制力がないのは承知の通りだが、国と東京都(神奈川県や千葉県、埼玉県)からの根拠ある「お願い」である。3密ではなくても、都県をまたぐ移動は要請を無視することになるので、当然のことながら、道義的責任から都県をまたぐ移動は緊急事態宣言発令後はしていないが、今のところ、次の土日も外出自粛になりそうである。
 写真撮影は、4月1日にゲンジボタルの幼虫上陸を撮ってからは、4月19日に庭で梅の実を撮ったのみ。この土日は、HDに保存しているRAWデータを10年前から1つずつ見ながら選んで現像することに費やした。今回は、その中から本ブログ未掲載のもの5枚を選んで掲載した。
 明日からは、また朝5時半に出勤である。皆さんの生活を支えるために頑張りたいと思う。

お願い:なるべくクオリティの高い写真をご覧頂きたく、1024*683 Pixels で掲載しています。ウェブブラウザの画面サイズが小さいと、自動的に縮小表示されますが、画質が低下します。Internet Explorer等ウェブブラウザの画面サイズを大きくしてご覧ください。

朝霧の写真

朝霧
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F2.8 1/125秒 ISO 800(撮影地:静岡県 2010.7.03)

水に映る光景の写真

水に映る光景
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F6.3 1/125秒 ISO 1250(撮影地:東京都 2010.9.26)

森の中の光芒の写真

森の中の光芒
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F6.3 1/125秒 ISO 250 -2/3EV(撮影地:栃木県 2014.7.26)

せせらぎの写真

せせらぎ
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Carl Zeiss Planar T* 1.4/50 ZE / 絞り優先AE F11 1秒 ISO 100(撮影地:青森県/奥入瀬渓流 2010.7.18)

せせらぎの写真

せせらぎ
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Carl Zeiss Planar T* 1.4/50 ZE / 絞り優先AE F11 1秒 ISO 100(撮影地:青森県/奥入瀬渓流 2010.7.18)

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最上の一枚とは

2019-12-22 13:36:52 | 風景写真

 あっという間に令和元年も残すところ一週間余りとなってしまった。例年通り、一年を振り返って、この一年に撮影した昆虫と自然風景の自己ベストを掲載したいと思うが、その前に「最上の一枚」について、個人的に考えておきたい。

 写真撮影は趣味である。ただし、求める一枚には、趣味だからとかアマチュアだからというマイナス思考はなく、自分なりに信念や情熱をもって臨んでおり、ブログやFacebookに掲載する以上は、見て下さる方々からの評価も気になる。だからといって「いいね」を多く獲得しようと、あえてインスタ映えするようなものを撮る気はなく、自身が求める最上の一枚を目指している。
 昆虫写真の場合は、目的の種との出会いに苦労することも多いが、マクロで的確に写せば図鑑的、生態学的見地から貴重な記録として残すことができ、目的は達成できる。一方、自然風景写真は昆虫写真ともスナップ写真とも違う。写実には違いないが、単なる記録ではなく芸術作品でありたい。「絶景」ともなれば美しい自然そのものが芸術だ。絶景とは、辞書で引くと「他に例えようもない、すばらしい景色。」とある。特に、簡単には人間を寄せつけない大自然の圧倒的な美しさは、まさに「絶景」であり、秘境でなくても気象条件によって極限られた時にしか見られない光景も「絶景」と言えるだろう。そんな「絶景」には、これまで数多く出会い、そして撮影してきた。しかし昨今、その「絶景写真」に疑問を持ち始めている。

 以下の写真は、信州上高地の「霧氷の田代池」と、その撮影が叶うまで何回も通い続けた際に撮影した「田代池」である。「霧氷の田代池」がいかに絶景であるか一目瞭然である。この光景は、厳冬期に行けば、いつでも見られる訳ではない。様々な気象条件が合致しなければならないのである。何度も通うことで知識を得て、条件を見極める事ができるようになり撮影できたが、果たしてこれは「最上の一枚」と言えるのであろうか?

 厳冬期の上高地に入るには、相当な覚悟が必要になる。11月中旬の「上高地閉山式」が終わると、上高地までバスやタクシーで行くことも出来なくなる。沢渡の冬期指定駐車場に駐車し、予め予約したタクシーで中ノ湯まで行き、そこからは徒歩である。まずは、照明の消えた真っ暗な長さ1.3km、傾斜約10度の急坂である「釜トンネル」を登る。トンネルを抜けると気温はマイナス23℃。鼻もまつ毛も瞬間に凍りつく。大正池までの区間は降雪状態により至るところで雪崩が発生するので、細心の注意が必要になる。トンネル出口から、およそ1.2kmで大正池、そこから約1.8kmで田代池に到着する。
 運よく「霧氷の田代池」に出会えても辛抱が続く。霧氷が輝くのは朝陽が当たってからなので、向かいの霞沢岳(標高2,646m)の稜線から太陽が顔を出す午前10時過ぎまで待たなければならない。撮影した時は、池畔で2時間待った。スキーウエアは霜で真っ白になり、カメラバックから出したレリーズのコードも凍って丸まったまま。結果的には「霧氷の田代池」を撮ることができたが、苦い想いもある。
 私は田代池に一番乗りし、良いと思う場所に三脚をセットし待機した。しばらくすると同じ撮影者が次々と来られ、三脚をセット。ここは5~6人も並べばもう三脚を立てる場所はない。私より1時間も遅くきた方々は三脚を立てる場所がなく、仕方なく後方へ。すると、その方々のなかの一人が私の三脚の足が邪魔だとぶつぶつ文句・・・迎えのタクシーの事もあり、時間切れで撮影を終えて早めに撤収すると「やっと、どいたぜ」の一言。言い返したい言葉を飲み込んで、その場を後にしたが、嫌な思い出も一緒に持って帰ることになった。

 有名な景勝地では、カメラマン同士の揉め事が多い。長野県の阿智村へ「駒つなぎの桜」を撮りに行った時は、狭い範囲に50人がひしめき合っての撮影。場所取りでの喧嘩も目撃した。大勢集まればのマナーの悪いカメラマンもいるのである。
 私も何度も訪れている新潟十日町の「星峠」。新潟日報によれば、今年の5月の連休中には1日千人が押し寄せたという。連休のさなか、深夜に細い山道をバックで上っていた車が 約15メートル下の棚田に転落。運転していた男性が死亡する事故が発生した。昨年も同じ場所で転落事故が起きた。この田はオイル漏れから作付けできなくなり、土を入れ替えたばかり。事故発生時は田植えの直前だった。「もうここでは米を作れない」。現場の棚田の所有者で峠集落に住む女性は、ここでの米作りを諦めた。「先祖が苦労して開墾した棚田だが、2度も事故があって気落ちしてしまった」と表情を曇らせる。
 迷惑行為は頻発している。集落の住民によると、田や畑に、三脚の跡や車のタイヤ跡があった。ごみを農地や道路に捨てる人、あぜで用を足す人も多いという。さらに農作業中の住民にポーズを指示する人、撮影の邪魔だから農作業をやめろという人まで出現。無断で撮影された住民が、知らない間に雑誌に出ていたということもあったという。また撮影地へ向かう際、深夜から未明にかけて集落内を車が行き来し、騒音で「眠れない」と訴える住民もいるという。
 場所取り、身勝手な「邪魔物の排除」。私有地に「お山の大将」のわがもの顔で進入する。ゴミを放置する。カメラマンは何様なのだろうか?良い写真を撮るためなら何をしても良いわけではない。

 ホタルの撮影でも問題が多い。ホタルは自らの発光が繁殖行動の要であり、ホタルに光を向けるのは繁殖行動を阻害することになる。にも関わらず、懐中電灯、ストロボ、車のライト・・・を向ける。「水辺のカマラマン」と称するプロのカメラマンが、ホタルにストロボを当てて撮影した写真をブログに掲載し、その撮影方法を解説していたのでコメントしたら、驚く返答があった。(原文そのまま。一部抜粋)

「ストロボを使用するホタル撮影は、ホタルの繁殖行動に悪影響を及ぼしてしまいます。」 などという記述も含めて、私には極論に感じられました。
 弱い懐中電灯の明かりやほんの数回のストロボの発光が、ホタルの繁殖行動に目くじらを立てるほどに悪影響を及ぼすのなら、なぜ、町の中の光がたくさん存在しホタルの活動時間帯に車が絶えず通るような場所にも、ホタルが多数生息する場所があるのでしょうか? また古河さんは、ホタルの観察に出かける際に、ヘッドライトをつけた車に乗ることはないのでしょうか?
 そもそもマナーは、人それぞれが自分なりに一生懸命に考えることであり、他人に押し付ける筋合いのものではないと考えます。ホタルを大切にしましょうという主張は、ホタルのためではなくて、突き詰めると、ホタルを好きな誰かのためなのです。 もしも人間が存在しないのなら、実はホタルはどうなってもいいのです。ホタルに関して言うと、まずは事実が大切です。本当に懐中電灯の光や数回の発光が、目くじらをたてるほどの悪影響があるのか? ホタル愛好家が自分たちが好きなホタルの見方を、自然保護の名目で押しつけようとしていないか?せいぜい自分のホームページ内で主張すべきことだと思うのです。

 ルールには強制力があるが、マナーは、個人が自発的におこなう周囲への配慮であり、他人に強要すべきことではないかもしれない。確かに町の灯りが漏れる所や車が頻繁に通る所にもホタルは生息している。しかし、ホタルはそのなかでも灯りが直接当たらない場所に移動して交尾をしているのである。ホタル全体の発生期間は3週間くらいだが、メスの発生期間は2週間。その内、月明かり、低温、強風の日は繁殖行動が抑制されるから、交尾に適した日数はほんの数日しかない。しかも、1日1時間ほどだ。そのチャンスを懐中電灯の光やストロボの数回の発光で邪魔をすればどうなるだろうか?カメラマンは何様なのだろうか?良い写真を撮るためなら何をしても良いわけではない。

 掲載した「霧氷の田代池」は、まさに絶景であり、貴重な記録であり撮影して残すことに意義がある。こうした光景は今後も撮っていきたいと思うが、この時の一枚は、「最上の一枚」ではない。なぜなら、私が対峙したのは目の前の自然ではなく、背後で文句を言うカメラマンだったからだ。
 どんな絶景であっても、有名な景勝地において「定番」と言われる光景の向かいには、数人から数百人ものカメラマンがいる。パンダを見るかのようにひしめき合っているのである。エコツーリズムの精神を持たないカメラマンによるマナーの悪さ、横並びしたカメラマンとの人間関係。それぞれカメラやレンズが違い、若干構図が違い、RAW現像時の調整値が違っても、おそらく大きな違いはない一枚。少々うんざりしてきた。
 私にとって最上の一枚とは、冷静に自然と対峙し、自分の心を見つめ、自分が感動し、人々にも感動していただけるオンリーワンの写心だ。

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田代池の写真

田代池
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F16 1/8秒 ISO 800 -2/3EV(撮影地:長野県松本市/上高地 2012.11.03 7:34)

田代池の写真

田代池
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F14 0.5秒 ISO 100 -2EV(撮影地:長野県松本市/上高地 2012.11.10 6:58)

田代池の写真

田代池
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / EF17-35mm f/2.8L USM / 絞り優先AE F11 0.4秒 ISO 100 +2/3EV(撮影地:長野県松本市/上高地 2012.12.23 7:48)

霧氷の田代池の写真

霧氷の田代池
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / EF17-35mm f/2.8L USM / 絞り優先AE F18 1/6秒 ISO 50 +1EV(撮影地:長野県松本市/上高地 2013.1.05 10:19)

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デジタル写真~現像とフォトレタッチ

2019-12-10 20:43:51 | 風景写真

 フィルムと違ってデジタル写真はパソコンで修正や加工ができ、実際に撮影した風景とは違うものを簡単に作り出すことができる。存在するものを「ない方が良いから」と消したり、逆に、無いにもかかわらず「あればもっと良いから」と付け加えることもできる。それは、創出アート作品として成り立つかもしれないが、風景写真、昆虫生態写真、報道写真等の観点からは「写真」とは言えないし、写真コンテストにおいては、フォトレタッチを認めている場合を除いて審査対象外になる。とは言え、デジタル写真は、RAWで撮影し、後に撮影者の記憶色によって現像することになるから、RAW現像時におけるガイドラインも必要だ。
 ある風景写真のコンテストでは、応募要項に以下の注意事項(ガイドライン)が記載されており、該当する作品は審査対象外となる。

  1. 異なる場面を合成したもの
  2. 画面に写っていたものを消去すること(レンズのホコリや小さなゴミの消去は除く)
  3. 補正の範囲を超えた色彩の演出、変換
  4. 写っているものを部分的に焼き飛ばす、または焼きつぶすこと
  5. 極端にトリミングされた作品

 RAW現像時に行う露出補正やWBの調整、色調やコントラストの調整、トリミング等、一般的な画像の調整はフォトレタッチには当たらず、センサーについたゴミを取り除くことも認められているが、原版となるRAWとかけ離れている場合は、過度なレタッチであり、NGであるという。コンテストの応募にRAWデータを添えることも条件のようだ。

 私は、1975年からOLYMPUS OM-2 というフィルムカメラで写真撮影を始め、昨今ではCanon EOS 5D Mark Ⅱ 及び Canon EOS 7D というデジタル一眼レフで撮影している。 Canon は、撮影時に「風景」「ポートレート」「ニュートラル」等というPicture Styleの設定があり、撮影シーンに合わせた細かい色の調整が撮影時にできるが、私は常に階調優先の「ニュートラル」にてRAWで撮影し、Lightronn cc にてパソコンで現像(画像調整)作業を行っている。
 Picture Styleの「ニュートラル」は、明暗差が大きい被写体でも繊細な質感を残したい時、鮮やかな色彩の中の微妙なニュアンスを表現したい場合に適している。コントラストは控えめに、彩度は強調を行わないため、他のスタイルに比べて白飛びや色の飽和が起きにくく、抑制のきいたしっとりとした表現となる。より豊富なディテールが情報として残っているため、後のPCでの現像に適した画質が撮影できるのである。
 以下に1例として、霧ケ峰で撮影した「霧氷とダイヤモンドダストとサンピラー」のRAWデータそのものの画像(2枚目)と撮影から7年近く経った今回再現像(1枚目)したものを並べてみた。現像前のRAWデータをみると、コントラストも彩度も低く、このままでは見た目とも違う。現像は記憶色に頼るため、現像する毎に若干違う結果になることも多いが、再現像すると私自身の中で感動が再び蘇る。それもデジタルならではの楽しさなのかも知れない。
 当ブログに掲載している私の風景写真、昆虫写真は、写真コンテスト等に応募したこともなければ、これからもするつもりはなく、あくまで私自身の楽しみであるからガイドラインに拘ってはいないが、30年以上もフィルムで撮影してきたので、デジタルであっても原版のRAWデータとかけ離れるような過度なレタッチはしないようにしたい。

追記~ホタルの飛翔風景における合成について

 ホタルの飛翔風景における、長時間露光と合成について触れておきたい。
 ホタルを撮影する場合、フィルムでは一回のシャッター時間が長い長時間露光が基本であり、夜間の背景が写るまで露光することが適正露出で、数秒から1時間に及ぶこともある。一方デジタルでは、ノイズの問題もあり、数秒露光によって撮影した数枚から数十枚の写真をパソコンで重ね合わせる手法が主流となっている。薄暗い時間帯に撮った背景にホタルをの光を重ねれば、フィルムでは表せない美しい写真が出来上がる。また、重ね合わせる枚数を増やせば、ホタルの光(光跡)はいくらでも増やすことができる。問題は、昆虫生態写真、風景写真として成り立つかである。
 勿論、昆虫生態写真ではない。なぜなら、予め撮影した背景とホタルの光だけの場面は全く同じ場所で構図であり、重ね合わせるホタルの光跡写真の露光時間の合計が一発露光のフィルムの露光時間と同じであっても、デジタルの場合は少なくとも1秒と言うタイムラグがあり時間的連続性がない。それゆえ昆虫生態写真とは言えないのである。風景写真コンテストのガイドラインからは、大きく外れてはいないと思うが、コンテストによっては「一回のシャッター」という決まりもあるようなので、厳密に言えば単なる見栄え重視の創作写真であろう。私もそのようなデジタル写真を撮影し掲載しているが、それを理解した上で、見て頂く方々に誤解のないよう注釈を添えている。

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霧氷とダイヤモンドダストとサンピラーの写真

霧氷とダイヤモンドダストとサンピラー(現像後)
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F2.8 1/250秒 ISO 100 -1/3EV(撮影地:長野県諏訪市/霧ケ峰 2013.1.27 7:31)

霧氷とダイヤモンドダストとサンピラーの写真

霧氷とダイヤモンドダストとサンピラー(調整前のRAWデータ)
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F2.8 1/250秒 ISO 100 -1/3EV(撮影地:長野県諏訪市/霧ケ峰 2013.1.27 7:31)

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環水平アーク

2019-05-13 21:28:31 | 風景写真

 環水平アーク(circumhorizontal arc)が、5月4日と5日に日本各地で出現し、11日にも関東や甲信エリアで見られた。
 環水平アークとは、気象庁によれば大気光学現象(虹色現象)の一種で、太陽の下にほぼ水平な虹色の帯が発生する現象のことである。虹のように見えるが発生メカニズムが異なり、太陽光が高層の大気中にある微小な氷の結晶を通過する際に屈折することで生じるという。また、太陽から約46度離れたところに現れるため、太陽高度が地上から58度以上の位置で、低空に雲がないことが条件になると言われている。日本では、年に数回、3月~9月頃のお昼前後にしか見られないレアな現象の一つらしい。

 11日の正午頃、前記事に記載したギフチョウを撮影中に、空に横たわる虹が目に入った。色が濃く、太い帯であった。初めて目にする光景にチョウの撮影を中断し、急いで林の中から出てカメラを向けた。断片的であったため、最初は同じく虹色をした彩雲かとも思ったが、後のニュースで環水平アークであると判明。
 この現象は、ほんの数分間で消えてしまった。単なるスナップ写真であるが、珍しい現象ゆえに掲載した。

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環水平アークの写真

環水平アーク
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/5000秒 ISO 200 -1EV(撮影地:長野県 2019.5.05 11:51)

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四季の自然風景

2018-11-23 15:19:45 | 風景写真

 四季の自然風景と題して、2010年から2017年の間に撮影した自然風景の中から16点を選んでみた。ここで今一度初心に戻って、私自身のために、自然風景写真に対する考えを整理しておきたいと思う。

 1975年、OLYMPUS OM-2 というフィルムカメラで写真を撮り始めた。現在でも、写真撮影は単なる趣味である。写真学校にも通っていないし、誰にも師事していない。撮影機材は最高級ではないし、撮影できる日は週末だけ。それでも、アマチュアだからという妥協はしたくない。そんな気持ちで撮り続けて43年。フィルム時代の被写体は主に昆虫で、ホタル、特にゲンジボタルの生態写真は、ポジフィルムで1,500カットを越える。2010年にデジタルカメラを購入してからは、自然風景写真も積極的に撮り始めた。
 昆虫写真は、目の前の被写体に対して、その種類や形態の特徴が分かる図鑑写真を撮る、あるいは生活史の一部瞬間という生態写真を撮るという目的を持って、その美しい姿を美しく写したい。勿論、被写体がいなければ撮ることができず、また産卵や羽化などのシーンに出会うのも苦労する。運の良さと生態の知識、そして撮影技術が必要だ。被写体とそのシーンに出会えれば結果は残せるし、場合によっては学術的に貴重な記録にもなるだろう。では、自然風景写真はどうだろうか。

 自然風景写真は、自然の「美」を表したものに他ならない。まずは「美しい風景」に出会うことが必要だ。では「美しい風景」とは、どのような風景だろうか。そもそも「美」とは、広辞苑によれば「知覚・感覚・情感を刺激して内的快感をひきおこすもの」、ブリタニカ百科事典では「美には直接の感覚による美があるが、他方、直接感覚に依存せず精神的に感じられる美もある」としている。つまり「美しい風景」とは、人の心を激しく揺さぶるような、見る人に強烈な印象を残し、見る人の記憶に深く刻み付けられる「情景」なのであろう。
 「情景」は、いつも、どこにでも存在するのだろうか。見る人の感じ方によって様々であろう。日本には有名な景勝地が多くあり、絶景と言われる風景もあるが、その風景を単に写しても眺めた結果でしかない。おそらく、造形という固定的なものに色彩や光などと言った変動的な要素が加わり、そこに何か心から感じるものがばければならないだろう。
 心から感動する情景に出会ったら、自分は一体、何を美しいと感じ、何に感動しているのかを明確に認識すること。そしてそれをどう表現すればよいのかを考えた上で、構図、露出を決定して、シャッター・チャンスを狙って撮る。それが、自然風景写真なのだと思う。
 撮影した自然風景は、一枚の印画紙、或いはjpeg画像をWebで公開することで結果(作品)となる。フィルムでは、印画紙への印刷時やデジタルスキャニングで多少の調整ができるものの、撮影時で結果の90%以上が決まると言っても過言でないだろう。一方、デジタルカメラでの撮影は、RAWで撮影すれば、現像ソフトでかなりの調整ができる。ポジフィルムほどの情報量はないが、細かな露出の調整ができるため、フィルムでは不可能であった領域も表現できる。当然、過度の修正を加えれば現実とは違う風景になり、情景とはほど遠いものになってしまうから慎むが、撮影後にもう一度見つめ直すことができる点では、作品作りに有利であるかもしれない。

 これまでに関東甲信越を中心に「桜」「新緑」「紅葉」「霧氷」等をテーマにして自然風景写真を撮ってきた。ここに2010年から2017年の間に撮影した自然風景の中から勝手ながら自己満足の高い写真を16点選んで掲載してみたが、並べてみれば有名な景勝地の定番という風景が多い。中には、現地に何度も通ったり、マイナス23℃という極寒の中を徒歩で何キロも歩いて撮影した写真もあるし、勿論、自分なりに感動した情景なのだが、「目の前の自然と対峙して得た結果か」と問われれば自信がない。
 今年も年末に、この一年で撮影した自然風景(昆虫の写真も)の中から、自己満足の範疇でベスト10を決めて掲載しようと思う。今回掲載した16点と比べて進歩のない写真ばかりかもしれないが、多くの反省を踏まえつつ、今後も撮り続けようと思う。

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上高地/田代池の霧氷の写真

上高地/田代池の霧氷
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / EF17-35mm f/2.8L USM / 絞り優先AE F18 1/6秒 ISO 50 +1EV(撮影地:長野県松本市/上高地 2013.01.05)

ダイヤモンドダストとサンピラーの写真

ダイヤモンドダストとサンピラー
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F2.8 1/250秒 ISO 100 -1/3EV(撮影地:長野県諏訪市/霧ヶ峰高原 2013.01.27)

カラマツ霧氷の写真

カラマツ霧氷
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F16 5秒 ISO 400 +1EV(撮影地:長野県諏訪市/霧ヶ峰高原 2013.01.27)

美ヶ原高原の霧氷の写真

美ヶ原高原の霧氷
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 0.8秒 ISO 100 +1/3EV (撮影地:長野県松本市/美ヶ原 2017.11.19)

蒲生の棚田の写真

蒲生の棚田
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F10 1/100秒 ISO 100 +1EV(撮影地:新潟県十日町市 2015.4.25 5:46)

今井の桜の写真

今井の桜
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F4.0 1/250秒 ISO 100 -1/3EV(撮影地:千葉県白井市 2016.4.9 6:13)

駒つなぎの桜の写真

駒つなぎの桜
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Carl Zeiss Planar T* 1.4/50 ZE / 絞り優先AE F1.4 1/1600秒 ISO 100 -1EV(撮影地:長野県下伊那郡阿智村 2014.4.19)

山桜の写真

山桜
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F11 1/30秒 ISO 100 +1/3EV(撮影地:東京都奥多摩町 2014.4.19 6:50)

中綱湖/オオヤマザクラの写真

中綱湖/オオヤマザクラ
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F6.3 0.5秒 ISO 100 -1/3EV(撮影地:長野県大町市 2017.5.04)

大山千枚田の写真

大山千枚田
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / EF17-35mm f/2.8L USM / 絞り優先AE F16 1/30秒 ISO 100(撮影地:千葉県鴨川市 2012.4.7)

奥四万湖/浮島の写真

奥四万湖/浮島
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 0.5秒 ISO 100(撮影地:群馬県吾妻郡中之条町 2016.5.15)

ヒメボタルの写真

ヒメボタル
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Carl Zeiss Planar T* 1.4/50 ZE / バルブ撮影 F1.4 3秒×69カット多重 ISO 1600(撮影日:2012.06.08)

ゲンジボタルの写真

ゲンジボタル
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Carl Zeiss Planar T* 1.4/50 ZE / バルブ撮影 F1.4 30分相当多重 ISO 400(撮影日:2017.6.09)

美人林の写真

美人林
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Carl Zeiss Planar T* 1.4/50 ZE / 絞り優先AE F8.0 1/4秒 ISO 100 -1EV(撮影地:新潟県十日町市 2017.10.08)

まいめの池/紅葉の写真

まいめの池/紅葉
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F11 1/4秒 ISO 100(撮影地:長野県松本市・乗鞍高原 2015.10.18)

九十九谷の写真

九十九谷
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Carl Zeiss Planar T* 1.4/50 ZE / 絞り優先AE F11 1/100秒 ISO 100(撮影地:千葉県君津市 2016.2.21)

雲見千貫門の写真

雲見千貫門
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / EF17-35mm f/2.8L USM / 絞り優先AE F22 1.3秒 ISO 100(撮影地:静岡県賀茂郡松崎町 2012.1.2)

富士山と霧氷の写真

富士と霧氷
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F11 0.5秒 ISO 100 +1EV(撮影地:長野県塩尻市・高ボッチ高原 2012.12.02)

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天使のはしご

2018-11-15 19:47:40 | 風景写真

 天使のはしごとは、雲間から光が漏れて、太陽光線の柱が地上へ降り注いで見える自然現象のことである。「天使のはしご」という呼び名は、ヤコブが夢の中で、雲の切れ間から差す光のような梯子が天から地上に伸び、そこを天使が上り下りしている光景を見たという旧約聖書創世記28章12節に由来しているらしい。気象用語では「薄明光線」や「光芒」と呼ばれている。少し前のブログ記事(秋は「夕暮れ」)の2枚目の写真「日本海に沈む夕日」が、典型的な「天使のはしご」と言えよう。
 本記事では、里山に降り立つ「天使のはしご」を集めてみた。天から降り立つ神々しさよりも、地上に降り注いだ自然現象的な印象が強い写真ばかりではあるが、これらは、限られた条件のもとに見られる光景であり、光の魅力と魔力を感じた一時であり、私的には「生命のはしご」と呼びたい。

お願い:なるべくクオリティの高い写真をご覧頂きたく、1024*683 Pixels で掲載しています。Internet Explorerの画面サイズが小さいと、自動的に縮小表示されますが、画質が低下します。Internet Explorerの画面サイズを大きくしてご覧ください。

棚田と光芒の写真

棚田と光芒
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F14 1/50秒 ISO 100(撮影地:新潟県十日町市/星峠 2013.5.18 5:05)

棚田と光芒の写真

棚田と光芒
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F14 1/15秒 ISO 100 -1/3EV(撮影地:新潟県十日町市/星峠 2013.5.18 4:57)

棚田と光芒の写真

棚田と光芒
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F14 1/40秒 ISO 100(撮影地:新潟県十日町市/星峠 2013.5.18)

棚田と光芒の写真

棚田と光芒
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F14 1/80秒 ISO 100 -2/3EV(撮影地:新潟県十日町市/星峠 2013.5.18)

棚田と光芒の写真

棚田と光芒
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F11 1/125秒 ISO 100 -2/3EV(撮影地:千葉県鴨川市/大山千枚田 2018.3.25)

湖と光芒の写真

湖と光芒
Canon EOS 7D / SIGMA MACRO 50mm F2.8 EX DG / 絞り優先AE F11 1/400秒 ISO 200 +1EV(撮影地:千葉県君津市/亀山湖 2015.11.29)

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美人林(春~秋)

2018-05-02 18:54:08 | 風景写真

 美人林は、新潟県十日町市松之山の丘陵に約3万平方メートルにわたって樹齢90年ほどのブナの木が生い茂る林である。昭和初期、木炭にするため、この辺りのブナはすべて伐採され原野となったが、その後、全てのブナがまっすぐ均一に成長し、幹の太さや高さが整って、すらりとした立ち姿が美しい林になったと言われる。
 掲載の順序が逆になったが、4月21日の新潟遠征の際にも立ち寄った。残雪を期待したが、驚いたことは林床には全く雪がなかった。情報によれば4月16日では、残雪と根開けが見られたが、 たった5日ですべて溶けてしまったようである。午前7時だと言うのに、カメラマンは数人。唖然としながらも、静まり返った林の中で新緑の美しさに心癒された。

 本記事では、これまでに撮影した美人林の春から秋を並べてみた。(今回撮影した写真は2枚目)ブナ林の美しさは伝わると思うが、どの写真もスナップ的で作品とは言えないものばかり。霧であったり光芒であったり・・・そうした+αが欠けている。
 思えば、美人林には蒲生の棚田や儀明の棚田の次に向かっている。つまり一番のメインにしていないため、素晴らしい瞬間を逃していることもあろう。十日町市は美しい風景が随所にある。 また美しい時期が重なることが多い。決して近くない場所だけに、どれもこれも撮りたいが、今後は、事前調査・準備をもっと行い、綿密な計画のもと天候とも相談しながら、1つ1つ丁寧に撮って行こうと思う。
 年頭に「2018年の撮影目標」を掲げた。目標では、自然風景は一段落し、今後は昆虫ばかりになっているが、狙うチョウやトンボは難しい種類ばかり。生態写真どころか、図鑑写真すら撮れない種もある。目標にはないが、心折れる毎週末の合間に、心を癒してくれる「自然風景」を撮ろうと思う。

お願い:なるべくクオリティの高い写真をご覧頂きたく、1024*683 Pixels で掲載しています。Internet Explorerの画面サイズが小さいと、自動的に縮小表示されますが、画質が低下します。Internet Explorerの画面サイズを大きくしてご覧ください。

美人林(残雪)
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F10 1/5秒 ISO 100 +1EV(撮影地:新潟県十日町市 2015.4.25)

美人林(新緑)
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Carl Zeiss Planar T* 1.4/50 ZE / 絞り優先AE F16 0.3秒 ISO 100(撮影地:新潟県十日町市 2018.4.21)

美人林(初秋)
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Carl Zeiss Planar T* 1.4/50 ZE / 絞り優先AE F8.0 1/4秒 ISO 100 -1EV(撮影地:新潟県十日町市 2017.10.08)

美人林(紅葉)
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Carl Zeiss Planar T* 1.4/50 ZE / 絞り優先AE F8.0 1.3秒 ISO 100 -1EV(撮影地:新潟県十日町市 2017.11.12)

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シダレグリ

2018-02-12 11:03:11 | 風景写真

 シダレグリ自生地がある長野県辰野町の「小野のシダレグリ自生地」を訪れた。
 シダレグリは、通常の栗の木と異なり枝が傘状に垂れ下がっている。この独特の樹形は、突然変異により「しだれ」と「頂芽が数年で枯れて側芽が成長する」という二つの性質を併せ持ったためにつくられたもので、いわば盆栽の仕立てをシダレグリ自ら行っているようなものだと言う。
 シダレグリの存在は江戸時代より知られていたが、シダレグリの実はヒトの小指の爪よりも小さく食用にはならないため、地元の人々は昔からこの森には近付くこともなく、また、曲がりくねった奇怪な樹形は天狗の仕業によるものと考え、付近一帯を天狗の森などと呼び、近隣の村人は恐れて近付こうとしなかったと言う。そのため、長年にわたり自然の状態が維持された結果、3.4haのシダレグリの純林が形成されたものと考えられている。現在では、大小さまざまなシダレグリの木が800本ほどが純林を形成し、最大のものは周囲4m余りの巨木もある。「小野のシダレグリ自生地」は、1920年(大正9年)7月17日に国の天然記念物に指定されている。

 「小野のシダレグリ自生地」は、しだれ栗森林公園内にあり、長野自動車道の岡谷ICから20分ほどで行けるが、町道69号線(塩嶺大城パークライン)が12/28~3/30まで終日全面通行止め。後に、中央道伊北ICから国道153号を塩尻方面に走り、中央本線「小野駅」手前の「しだれ栗入口」を右折すれば車で自生地まで行けることが分かったが、そんな事は知らないため、通行止めのゲート近くに駐車して、片道3kmの雪道を徒歩で往復した。
 初めて見るシダレグリ。人が植えたのではなく、自生している光景にまず驚く。葉をすべて落とした冬の降雪後は、地面の白い雪を背景に「奇怪」とも言える樹形が引き立つが、この日は曇っていたため、どうしても観光案内的な写真になってしまう。夕方から雪の予報で、翌日は晴れ。おそらく芸術的な光景が見られるに違いないが、翌朝は霧ヶ峰の霧氷を優先したい。仕方なく、一番目を引く老木を撮って、また3kmの雪道を歩いて戻った。

参考:辰野町教育委員会

以下の掲載写真は、1920*1280 Pixels で投稿しています。写真をクリックしますと別窓で拡大表示されます。

シダレグリの写真
シダレグリ
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / EF17-35mm f/2.8L USM / 絞り優先AE F11 1/200秒 ISO 100(撮影地:長野県辰野町/小野のシダレグリ自生地 2018.2.10)
シダレグリの写真
シダレグリ
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / EF17-35mm f/2.8L USM / 絞り優先AE F11 1/200秒 ISO 100(撮影地:長野県辰野町/小野のシダレグリ自生地 2018.2.10)
シダレグリの写真
シダレグリ
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F11 1/30秒 ISO 100 +1 1/3EV(撮影地:長野県辰野町/小野のシダレグリ自生地 2018.2.10)
小野のシダレグリ自生地の写真
小野のシダレグリ自生地
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F11 1/10秒 ISO 100 +1 1/3EV(撮影地:長野県辰野町/小野のシダレグリ自生地 2018.2.10)

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