ホタルの独り言 Part 2

ホタルの生態と環境を52年研究し保全活動してます。ホタルだけでなく、様々な昆虫の生態写真や自然風景の写真も掲載しています

四万ブルー

2018-04-30 17:47:27 | 風景写真/湖沼

 四万ブルー(Shima Blue)とは、群馬県中之条町を流れる四万川の水の色のことで、この地を訪れた全ての人が驚くという。特に四万温泉の最奥にある周囲約4Kmの人造湖「奥四万湖」の青い湖面には息をのむ。湖の透明度の高さによって青い光が水の奥底まで届くことで、赤い光が吸収され青が際立つという説や、アロフェンという物質の微粒子が乱反射するという説など諸説あるそうだが、これまでの様々な検査や研究によっても決定的な結論が特定されていないことから“奇跡の四万ブルー”とも呼ばれている。

 四万ブルーを撮るため、3年連続3回目の訪問だが、今回は「時間制限付き」。当初の計画では、GW後半に長野県の白馬村でのチョウの撮影をメインにし、続いて奥四万湖を早朝からゆっくりと撮影する予定であったが、天気予報ではGW後半は雨からのスタート。GW前半は、撮影以外の予定で埋まっていたが、一部予定をずらして、急遽1日で奥四万湖と白馬村を廻る強行軍に変更。東京を28日の22時半に出発し、奥四万湖に29日の午前0時半着。仮眠後に4時半から5時半までの1時間だけの撮影である。
 自然風景の撮影を短時間で済ませば、良い作品など到底できるわけがないが、奥四万湖では撮る場所と景観は、予め2か所と決めていた。過去にも撮影した同じ場所ではあるが、気象条件としては一番良く、無風で湖面は一切波立つことがなかった。朝日が差し込めば、もっと美しい光景になったのだろうが、時間切れ。この光景も期限付き。ダムから放水が始まれば見ることができない。 是非、“奇跡の四万ブルー 青の絶景” を過去に撮影した写真(下記参照)とともにご覧いただきたい。

参照(当ブログ記事)

お願い:なるべくクオリティの高い写真をご覧頂きたく、1024*683 Pixels で掲載しています。Internet Explorerの画面サイズが小さいと、自動的に縮小表示されますが、画質が低下します。Internet Explorerの画面サイズを大きくしてご覧ください。

四万ブルーの写真

四万ブルー
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F3.5 1秒 ISO 100 +1 1/3EV(撮影地:群馬県中之条町 2018.4.29)

奥四万湖の浮島の写真

奥四万湖(浮島)
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F3.5 1秒 ISO 100 +1 1/3EV(撮影地:群馬県中之条町 2018.4.29)

奥四万湖の浮島の写真

奥四万湖(浮島)
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F3.5 1秒 ISO 100 +1 1/3EV(撮影地:群馬県中之条町 2018.4.29)

奥四万湖の浮島の写真

奥四万湖(浮島)
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F3.5 1秒 ISO 100 +1 1/3EV(撮影地:群馬県中之条町 2018.4.29)

奥四万湖の浮島の写真

奥四万湖(浮島)
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 2秒 ISO 100(撮影地:群馬県中之条町 2018.4.29)

奥四万湖の浮島の写真

奥四万湖(浮島)
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 0.5秒 -1/3EV ISO 100(撮影地:群馬県中之条町 2018.4.29)

奥四万湖の新緑の写真

奥四万の新緑
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 0.3秒 -1EV ISO 100(撮影地:群馬県中之条町 2018.4.29)

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中子の桜

2018-04-23 21:22:15 | 風景写真/桜

 中子の桜は、新潟県津南町中子にある灌漑用ため池の辺に植えられたもの。残雪の桜、湖面に映る桜、桜の存在感を引き立てる背景の杉林、幻想的な朝霧など、写真家にとっては魅力的な場所である。信州「中綱湖のオオヤマザクラ」の光景が似るが、こちらの桜は一色で派手さはない。2015年4月に一度訪れ撮影しているが、その時は残雪と水鏡は撮れたものの、肝心の桜が野鳥のウソに花芽を食べられてしまい、花付きが悪かった。
 今年は、あちこち寄った末の午前8時の到着で、当然ながら幻想的な朝霧はなし。また、例年になく暖かい日が続いているので残雪もなし。ただし、花付きが良く、丁度満開であった。水面が落ち着くのを待って、撮影。関越自動車道の通行止めがなく、前日に儀明の棚田の夕暮れを撮っていれば、早朝に来れたと思うと悔しさが残るが、すべての条件が揃う瞬間は、この地に住んで毎日通ったとしても、何年もかかるだろう。そんな言い訳をしながら、この日、この時の美しさを切り取った。
 参考までに最後に2015年4月に撮影した1枚を付け加えた。

参照:春の色彩美

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中子の桜の写真

中子の桜
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F11 1/100秒 ISO 100 -1EV(撮影地:新潟県津南町 2018.4.21 8:30)

中子の桜の写真

中子の桜
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F11 1/100秒 ISO 100 -1EV(撮影地:新潟県津南町 2018.4.21 8:30)

中子の桜の写真

中子の桜
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F11 1/125秒 ISO 100 -1/3EV(撮影地:新潟県津南町 2018.4.21 8:17)

中子の桜の写真

中子の桜
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F11 1/60秒 ISO 100(撮影地:新潟県津南町 2018.4.21 8:28)

中子の桜の写真

中子の桜
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F11 1/100秒 ISO 100(撮影地:新潟県津南町 2018.4.21 8:19)

中子の桜の写真

中子の桜
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F11 1/80秒 ISO 100 -2/3EV(撮影地:新潟県津南町 2018.4.21 8:18)

中子の桜の写真

中子の桜
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F10 1/60秒 ISO 100 +1EV(撮影地:新潟県津南町 2015.4.25)

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儀明の棚田

2018-04-22 19:08:15 | 風景写真/桜

 儀明の棚田は、新潟県十日町市に点在する棚田の1つで「桜の棚田」として知られており、畦の山桜が棚田の水鏡に映り込む景色が美しい。その山桜が満開の時期に訪れたいが、これまで中々タイミングが合わなかった。情報では、19日の朝で二~三分咲き。しかし夕方には八分咲き。21日は、おそらく満開になっているに違いない。
 儀明の棚田が一番美しく見えるのは、オレンジ色の夕日が逆光気味の斜光で差し込む「日の入り前」である。金曜日は、仕事が午前中で終わりであったため、 14時半に都内の会社を出発し、自宅へは戻らずそのまま新潟へ向かった。夕暮れに間に合う計画であったが、早朝に起きたトレーラー横転事故で関越自動車道の下り本庄児玉から藤岡ジャンクションまでが通行止め。午後になっても解消しなかったため大幅に迂回することになり、撮りたかった夕暮れ時には間に合わなかった。仕方なく予定を早朝に切り替え、前記事で掲載した「星峠よりの天の川」を撮影後、午前3時半に儀明の棚田の駐車して待機。空が明るくなって棚田と桜が目視できるようになった4時半から撮影を開始した。

 儀明の棚田は、国道253号線沿いに設けられた幅30mほどの見学スペースから撮る。天気は快晴で風もほとんどなく、満開の山桜が棚田の水鏡に綺麗に映り込んでいる。早朝から30人ほどのカメラマンと三脚が立ち並ぶ。
 さて、どう撮れば良いのだろうか。皆の眼にはどう映っているのだろうか。そしてどのような構図で撮ろうとしているのだろうか?こうした場所では、皆と同じような写真になってしまうのだが、重要なのは、私自身が目の前の光景の何に感動し、何を写したいかである。夕暮れ時のシャッターチャンスを逃した悔しさの中で、色々と自問を繰り返す。今日は土曜日だが、あちこち巡って、また午後に来る体力と根性も無し。最早、自然との対峙ではなく、自分との闘いである。結局、朝の光景だけを撮影して、この場を後にした。

 この山桜は、かなりの老木で延命治療中との事。いつかは無くなってしまうだろう。今日、この時の光景は二度と見られないかも知れない・・・

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儀明の棚田の写真

儀明の棚田
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F4.0 30秒 ISO 100 -1EV(撮影地:新潟県十日町市 2018.4.21 4:34)

儀明の棚田の写真

儀明の棚田
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F11 1/50秒 ISO 100 -1EV (撮影地:新潟県十日町市 2018.4.21 6:38)

儀明の棚田の写真

儀明の棚田
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F11 1/40秒 ISO 100 -1/3EV (撮影地:新潟県十日町市 2018.4.21 6:40)

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星峠より天の川

2018-04-21 20:14:06 | 風景写真/星

 星峠は、新潟県十日町市松代地域にある棚田で、大小様々な棚田およそ200枚が斜面に広がっている。 雲海が発生し、水鏡が輝く絶景スポットとして全国に知られており、筆者も2013年の5月に「水鏡の水田と朝霧」と「光芒」、2015年12月には「雪景色」を、2017年10月には「秋景色」撮影している。今回は、星峠から眺める天の川を計画した。

 棚田と天の川は、前回、千葉県の大山千枚田で撮影したが、街灯の明りで田んぼの水鏡に星空を映すことができなかった。そこで、今回は光害のない「星峠」を選んだ。ただし、棚田と天の川の位置関係が悪く、星峠特有の全景と天の川を一緒に写すことはできないことは、事前調査で分かっていたので、田んぼの水鏡に星を映すことをメインにした。
 現地には、残照で周囲が見える18時半に到着し、丹念にロケハン。その後、月が沈み、天の川が昇ってくるまで車内で待機したのだが、いつの間にか寝てしまい起きると午前1時半。天の川はすでに高い位置まで昇っている。急いで準備をし、気を取り直して撮影開始。いつものようにタイムラプス動画も作成できるようにインターバルで撮っていたが、どうも構図に納得がいかない。天の川が昇りすぎていて、17mmの広角レンズでは収まらない。寝坊したことと、フィッシュアイ・レンズを持ってこなかったことが悔やまれる。
 今回、23日午前3時頃にピークを迎える「こと座流星群」も期待したが、1つだけ火球が流れたもののフレーム外。筆者は、天体写真ではなく自然風景写真としての星空を撮ることを目的しているが、星空撮影は、初心者だけに、まだまだ課題が山積である。

 午前3時に星峠を引き上げ、その後、「儀明の棚田」「美人林」「中子の桜」を巡って13時に帰宅。順番に掲載したいと思う。

以下の掲載写真は、1920*1280 Pixels で投稿しています。写真をクリックしますと別窓で拡大拡大表示されます。

星峠から天の川の写真
星峠から天の川
Canon EOS 7D / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / バルブ撮影 F2.8 44秒 ISO 1250/ PRO1D プロソフトン[A](W)使用(撮影地:新潟県十日町市 2018.4.21 1:50)
星峠から天の川の写真
星峠から天の川
Canon EOS 7D / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / バルブ撮影 F2.8 30秒 ISO 1600(撮影地:新潟県十日町市 2018.4.21 1:53)
星峠から天の川の写真
星峠から天の川
Canon EOS 7D / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / バルブ撮影 F2.8 30秒 ISO 1600(撮影地:新潟県十日町市 2018.4.21 2:55)

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ゲンジボタルの幼虫上陸2018

2018-04-15 16:24:15 | ゲンジボタル

 ゲンジボタルの幼虫上陸の観察と撮影を山梨県の生息地で行った。

 ゲンジボタルの幼虫は、水中でおよそ9ヶ月、個体によっては4年近く水中で生活し、春になると陸地の土中で蛹になるために上陸を行う。上陸の時期は、日本各地の生息地によって異なり、関東地方では3月下旬頃から5月上旬頃に行われるが、時期になればいつでも上陸するわけではなく、次の条件が合致しなければ上陸しない。

  • 日長時間が12~13時間以上であること。
  • 当日の気温が水温と同等かそれ以上であること。概ね10℃以上。
  • 初回は、降雨時であること。

 昆虫は体内時計を持っており、水中生活するゲンジボタルの幼虫の場合は日長時間によって季節を感じ取っており、上記条件を満たす時に上陸を開始する。幼虫は、数分間光り続けながら上陸するのが特徴である。

 今回訪れた場所の到着時(18時半)は、まったく雨が降っておらず、またそれ以前も降った形跡がなく、草も土も乾いていた。22時を過ぎる頃から小雨が降り出したが、発光する幼虫は無し。23時を過ぎると雨は本降りとなり、岸辺で微かに発光する幼虫が見られるようになるが、上陸は無し。午前0時を過ぎた頃から上陸する幼虫が数頭見られるようになった。気温は12.6℃。
 ただし、この生息地におけるゲンジボタルの発生数からみて、今回の上陸数がとても少ない。気象データでは、今年は、3月21日、22日にまとまった降雨があった後は、4月6日が15時頃から深夜まで降雨。次が今回の4月14日~15日の深夜になる。前回、前々回の降雨時に上陸したかどうかは分からないが、関東の他の地域では上陸が行われたという報告があることから、この生息地においても上陸していた可能性はあり、今回は上陸の終盤であったのかも知れない。
 上陸したゲンジボタルの幼虫は、草の根元や石の下等から土中に潜り込み、毎日の平均温度から8.02度を差し引いた有効積算温度が408.4度日になると蛹化し、その後、約10日で羽化し成虫になる。ちなみに昨年の気象データで計算してみると、本年の発生(飛翔)時期は以下のように予想できる。

  1. 3月21日上陸の場合は、5月31日に羽化し、6月2日頃から飛翔。
  2. 4月06日上陸の場合は、6月03日に羽化し、6月05日頃から飛翔。
  3. 4月14日上陸の場合は、6月08日に羽化し、6月10日頃から飛翔。

 おそらく6月の第2週目頃が発生のピークになると思われる。(実際は、5/24頃~6/15頃が発生期間で、6/5頃がピークでおよそ300頭が飛翔。2018年の実際の気象データと照らし合わせてみると、3月21日から上陸を開始。4月17日、18日に最も多くの幼虫が上陸したと思われる。)また今回、新たな知見を得ることができたので以下に記しておきたい。

  1. ゲンジボタルの幼虫は、上陸時期の降雨時であれば周囲が暗くなる19時過ぎから上陸を開始するが、十分な雨が降らなければ、いつまで経っても上陸しない。
  2. 本降りの雨が少なくとも1時間以上続けば、深夜からでも上陸を開始し、雨は朝から降り続いていなくても良い。
  3. 上陸する川岸は、どちらか一方であることが多いが、両岸に上陸もする。比較的暗い岸方向を選んでいたように思うが、明確に区別はできない。
  4. 水際で発光するだけで上陸しない幼虫が多数存在した。

 掲載写真は、発光しながら上陸するゲンジボタル幼虫の光跡を写したものである。午前0時19分から午前1時23分のおよそ1時間の光跡を一枚に合成した。10個体ほどの発光する幼虫が写っているのだが、数個体が小川の岸近くの石を登り、また数個体が中州を越えて2mもある護岸を登っているのが分かる。私的には、当然写真の出来には不満が残るが、観察結果として生態的な新たな知見を得たことが嬉しく満足している。写真はピンボケで駄作であるが、ゲンジボタルの生態としてご覧頂きたい。また、過去に別の地域で撮影した「発光しながら上陸するゲンジボタルの幼虫」のマクロ写真も参考までに掲載した。

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発光しながら上陸するゲンジボタルの幼虫の写真

ゲンジボタルの幼虫上陸 Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Carl Zeiss Planar T* 1.4/50 ZE / バルブ撮影 F1.4 30秒×120カット ISO 400(撮影地:山梨県 2018.4.15 0:19~1:23)

発光しながら上陸するゲンジボタルの幼虫の写真

発光しながら上陸するゲンジボタルの幼虫 Canon 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / バルブ撮影 F2.8 3秒 ISO 400 ストロボ使用(撮影地:千葉県 2011.4.9)

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春の色彩美

2018-04-08 22:19:45 | 風景写真/春

 春本番の昨今、昆虫も活動を始め桜前線も北上中で、この週末は天候条件から時節柄「撮ってみたい」と思った被写体や光景はあったが、 昆虫写真では「今年も会えました。」的な同じようなカットの写真は撮りたくない。自然風景写真においては、大勢の方と同じようなカットの写真は撮りたくない。そんなちょっとしたスランプから、二日ともどこにも出かけず、自宅にて過去に撮影した写真を見ながらの反省と今後の計画を見直すことに費やした。
 過去に撮影した写真をすべて見直すと、昆虫写真ではその目的からある程度自己満足できるものが多いが、自然風景写真では、以前はほとんどがスナップで、ようやく最近になって「作品」と言えるものが撮れてきているように思うが、まだまだ課題が山積である。

 本ブログは週末の撮影日誌でもなく、記事更新のために写真を撮っているのではない。更新頻度が低いのも個人的な勝手な事情ではあるが、こんな拙いブログ記事と写真であってもご覧くださる読者の方々がいらっしゃることに、心より感謝申し上げる意味で、過去に撮影した写真(一枚目は未発表)ではあるが、この時期ならではの春の色彩美を感じる4枚をすべて再現像して掲載した。今後は、今までに私が見たことのない光景と被写体を撮る計画を練り直していているので、ご期待頂きたい。

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桜の写真


Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F2.8 1/1000秒 ISO 100 -1/3EV(撮影地:長野県白馬村 2017.5.04)

桜の写真

春の花々
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F11 1/40秒 ISO 100 -2/3EV(撮影地:東京都あきる野市 2014.4.13)

中子の桜の写真

中子の桜
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F10 1/60秒 ISO 100 +1EV(撮影地:新潟県津南町 2015.4.25)

中綱湖のオオヤマザクラの写真

中綱湖/オオヤマザクラ
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F6.3 0.5秒 ISO 100 -1/3EV(撮影地:長野県大町市 2017.5.04)

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ルーミスシジミ(3月)

2018-04-02 21:53:02 | チョウ/シジミチョウ科

 ルーミスシジミ Arhopala ganesa loomisi (H. Pryer, 1886)は、シジミチョウ科(Family Lycaenidae)のムラサキシジミ属(Genus Arhopala)のチョウ。国内では千葉県の房総半島南部を北東限として紀伊半島・中国・四国・九州・隠岐・屋久島に、局地的に分布しているが、環境省のRDBに絶滅危惧Ⅱ類として記載され、都道府県指定状況では、徳島県を除く四国全域で絶滅、九州においても宮崎県、鹿児島県以外は絶滅、その他生息地域でも、ほとんどが絶滅危惧Ⅰ類に選定している。
 今回、2015年11月に観察と撮影(参照:ルーミスシジミ)をした千葉県内の生息地を訪れてみた。今年初の昆虫観察と撮影である。ちなみに、ルーミスシジミは、1877年アメリカの宣教師ヘンリー・ルーミスが千葉県君津市鹿野山で最初に発見している。

 ルーミスシジミの生息地に午前8時過ぎに到着。谷はまだ日陰で気温は10℃。日も当り、気温も上がってきた9時半頃から、イチイガシの樹冠近く(地上から6~7m)から飛び立つようになり、何頭かは地面に舞い降りてきた。撤収する午前10時までの間に10頭ほど確認し、地面に降りた5頭を撮影。越冬後であるため、ほとんどの個体は翅が痛んでいた。
 ルーミスシジミは、新成虫は7月に出現し、産卵や交尾をせずに越冬に入り、越冬明けの翌春に交尾し産卵するとみなされているが、詳しい生態は、未だ完全には解明されておらず、特に成虫の発生回数や時期については諸説あり、生息地域によっても異なっているようである。房総半島(鴨川市)では、7月下旬から10月には、卵・幼虫・蛹はまったく得られなかった(井上 2013.)ことや、越冬後の4月以外の時期には産卵可能と推定される程度にまでは卵巣が発育しておらず交尾嚢内に内容物が認められない(岩阪 2004.)ことから、本種は房総半島においては、年1化である可能性が高いという。しかしながら、筆者が2013年3月に撮影した大多喜町における個体(参照:ルーミスシジミ)は、前年の7月に羽化したものとは思えないほど、ほとんど翅が擦れていなかったことから、房総半島においても、地域によっては年2化の発生地があるように思う。

参考文献

井上 大成(2013)「ルーミスシジミ房総半島個体群の卵,幼虫,蛹の発生消長と発育経過」,蝶と蛾 64(2):61-74,日本鱗翅学会.
岩阪佳和(2004)「房総丘陵産ルーミスシジミの世代数の推定一卵巣の成熟、交尾嚢の形状、翅の鮮度より一」,房総の昆虫(32):8−12.

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ルーミスシジミの写真

ルーミスシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F6.3 1/320秒 ISO 640(撮影地:千葉県 2018.3.25)

ルーミスシジミの写真

ルーミスシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/320秒 ISO 400(撮影地:千葉県 2018.3.25)

ルーミスシジミの写真

ルーミスシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/320秒 ISO 640(撮影地:千葉県 2018.3.25)

ルーミスシジミの写真

ルーミスシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/320秒 ISO 320(撮影地:千葉県 2018.3.25)

ルーミスシジミの写真

ルーミスシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/320秒 ISO 200 -2/3EV(撮影地:千葉県 2018.3.25)

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身延山久遠寺の桜

2018-04-01 18:32:33 | 風景写真/桜

 日蓮宗総本山「身延山久遠寺」。報恩閣前のしだれ桜は樹齢400年と言われ、全国しだれ桜10選に数えられている。大きく垂れ下がる枝いっぱいに淡いピンク色の花が咲き誇る様子は圧巻で、風格とともに優美さも感じる。7年前は夜桜を撮ったが、今回はほぼ満月とのコラボレーションを狙った。
 誰もいない境内で月が昇ってくるのを待ったが、あいにく厚い雲が広がり、月とのツーショットを撮ることは叶わなかった。自然風景写真では、人工物を入れないことをモットーにしているが、 今回は、仕方なく定番の観光的記念写真を撮り、また周辺の名もない桜を撮って終了した。

 尚、身延山久遠寺の桜は、こちらの当ブログ記事も参考にご覧頂きたい。

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身延山久遠寺のしだれ桜
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 0.5秒 ISO 100 +2/3EV(撮影地:山梨県身延町 2018.3.30 17:51)

身延山久遠寺の桜
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F5.6 1/40秒 ISO 100 -1/3EV(撮影地:山梨県身延町 2018.3.30 17:05)

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