ホタルの独り言 Part 2

ホタルの生態と環境を52年研究し保全活動してます。ホタルだけでなく、様々な昆虫の生態写真や自然風景の写真も掲載しています

紫金山・アトラス彗星

2024-10-13 17:58:43 | 風景写真/星

 紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3)は、2023年1月に発見された彗星で、2024年9月27日(世界時。日本時では28日)に近日点を通過し、9月下旬には日の出前の時刻に東の低空で、地球への最接近する10月12日(世界時。日本時では13日)頃は、夕方に西の空の低い位置に見ることができる。
 これまでネオワイズ彗星やZTF彗星、ポン・ブルックス彗星がやってきたが、天候などの理由からまったく撮ることができなかった。唯一、2021年12月にレナード彗星は撮ることができたが、証拠程度のものであり、いつかは美しい彗星を撮りたいと思っていたところ、紫金山・アトラス彗星を撮れるかもしれない大チャンスがやってきたのである。紫金山・アトラス彗星は、約8万年をかけて太陽を回る軌道を一周するとされる。つまり、前回姿を現したのは、現生人類が本格的にアフリカを出る前のことだ。このチャンスは逃したくない。

 9月に就職した仕事の関係で、写真撮影の遠征ができず、ようやくこの三連休は出かけることができるようになった。ホソミモリトンボ以来であるから2か月ぶりである。天気は良好。迷わず予定していた新潟県へ向かった。まずは、マダラナニワトンボの産卵の様子を撮影し、続いて滝雲が見られる枝折峠に移動。(どちらも後日投稿予定)この峠から紫金山・アトラス彗星を撮る計画である。
 現地に到着後、早速ロケハンを開始した。Googleのストリートビューで予め確認はしているが、撮影に最適な場所であるかを実際に現地を歩いて見ておくことが大切である。ここなら大丈夫であろう場所を確かめ、17時過ぎからカメラを向けたが、西北西から北方向の空は快晴であるが、何と紫金山・アトラス彗星が位置する真西方向には厚く黒い雲。低空のわずかな空間には雲がなかったので、そこに掛けるしかない。ただし、薄明が残りかなり明るく、そのうえ空が赤い。撮影は相当難しいものと覚悟を決めた。
 いつまで経っても彗星が確認できない。肉眼では見えない。もう地平線に沈んでしまったのだろうかと諦めかけていると、17時52分に厚い雲の下に彗星を確認。レンズを90mmから300mmに交換して何とかその姿を捉えることができた。やはり、空が明るいため彗星の尾がはっきりとは写らないが、この日、この場所では、これが精いっぱいの画像。今後、彗星の明るさは次第に暗くなっていくが、太陽の方向からは離れていくため、背後の空が暗くなる。次の週末なら背後の明るさと彗星の明るさのバランスがよく綺麗に撮れる最後のチャンス、天気が良ければ再チャレンジしたい。

以下の掲載写真は、1920×1280ピクセルで投稿しています。写真をクリックしますと別窓で拡大表示されます。

紫金山・アトラス彗星の写真
紫金山・アトラス彗星
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / 絞り優先AE F3.2 0.6秒 ISO 2500(撮影地:新潟県枝折峠 2024.10.12 17:57)
紫金山・アトラス彗星の写真
紫金山・アトラス彗星
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F4.0 2秒 ISO 5000(撮影地:新潟県枝折峠 2024.10.12 18:06)
紫金山・アトラス彗星の写真
紫金山・アトラス彗星
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F4.5 3.2秒 ISO 5000(撮影地:新潟県枝折峠 2024.10.12 18:08)
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日本の星空

2024-09-04 17:44:34 | 風景写真/星

 日本の星空を各地で撮影し、このブログに写真やタイムラプス動画を掲載してきた。撮影機材は星景撮影には不十分であり、どの画像も美しいとは言えない。星空を専門に撮っておられる方々に比べれば恥ずかしいものばかりであるが、写真を並べてスライドショー動画を作ってみた。

以下の動画は 1920×1080ピクセルのフルハイビジョンで投稿しています。設定をクリックした後、画質から1080p60 HDをお選び頂きフルスクリーンにしますと高画質でご覧いただけます。

Starry skies of Japan
(動画の再生ボタンをクリックした後、設定設定をクリックした後、画質から1080p60 HDをお選び頂きフルスクリーンに しますと高画質でご覧いただけます)
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沖縄辺戸岬から天の川

2024-07-01 21:00:37 | 風景写真/星

 沖縄辺戸岬から天の川を撮ってきた。

 3年連続三泊四日の沖縄遠征。今年は、6月26日(水)から29日(土)の期間、昆虫は、これまで撮れなかったカラスヤンマとコノハチョウ、風景では天の川を主な撮影目的として行ってきた。
 昨年同様に成田空港から8時10分発のジェットスターGK337便に搭乗し、那覇11時15分着。レンタカーでやんばるを目指し、各種トンボを撮影後に天の川撮影を行ったが、一昨年は国頭郡今帰仁村の古宇利島から撮影し(沖縄の天の川)、昨年は、東村の高江展望台から撮っている。(七夕の天の川(沖縄にて))今年はどこから撮ろうかと、色々と悩んだ結果、沖縄本島最北端の辺戸岬(へどみさき)から撮る事にした。なぜなら、沖縄本島で一番暗い空だからである。
 空の暗さを評価する値ボートル・スケール (The Bortle scale ) で表すと、辺戸岬は21.93等/秒角2で、マックスが22等/秒角2であるから、いかに暗い空であるか分かる。昨年、撮影した高江展望台は、同じ沖縄でも21.85等/秒角2であり、今年5月に行った大台ヶ原は21.81等/秒角2である。ちなみに、西表島などは22等/秒角2で、日本一暗い空がある。
 問題は天候である。沖縄は、6月20日に昨年より5日早く梅雨明けしており、連日の晴れマーク。梅雨明け一週間は天候が安定しているが、その後は雲が出やすく夕立もあるので、日程的には微妙である。しかしながら、当日は那覇に到着した時点から雲1つない快晴。その天候は夜まで続いた。
 20時頃までトンボを撮影した後、辺戸岬へ向かう。平日の国道58号線は、車など走っていない。30分ほどで辺戸岬の駐車場に到着し、海が見える場所へ向かった。風もない。見上げれば、昨今では見たことがない「天の川」が横たわっている。まずその大きさに圧倒される。見えない部分もはっきりと見える。勿論、色までは見えず「薄い雲」のようであるが、ここでしか見ることのできない壮大さである。
 早速、南から北まで見渡せる場所でカメラをセットし、撮影を始めた。撮影中に、オキナワスジボタルが1頭、発光しながら飛んでいた。昨年も高江展望台で1頭見たが、この辺戸岬でも生息していることに驚く。今回は、時期的に沖縄のホタルは撮影計画に入れておらず、この時も写すことができず記録は残せなかったが、素晴らしい天の川とともに、しっかりと記憶には残せた。
 いかに暗い空で素晴らしい天の川でも、写真に写せなかったら、そこで出会ったホタルと同じで記憶にしか残せない。私は、星景写真は素人であるから、赤道儀も明るい単焦点広角レンズも 持っていない。今年は、嬬恋村と大台ヶ原で天の川を撮っているが、上手く写すことができていない。今回はマップカメラでレンズを借りようとも思ったが、結局、いつもの Canon EF17-35mm f/2.8L USM で撮る事にした。結果、インターネット上で見る天の川の写真のような本来の天の川の色と形までは表せず、また作品とも言えないものだが、沖縄辺戸岬から天の川の記録は残せたのではないかと思う。(日程的にはあと二晩撮るチャンスはあったが、この夜以外は雲が広がり撮ることができなかった。)

以下の掲載写真は、横位置は1920×1280ピクセルで投稿しています。写真をクリックしますと別窓で拡大表示されます。

沖縄辺戸岬から天の川の写真
沖縄辺戸岬から天の川
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / マニュアル露出 F3.2 15秒 ISO 6400(撮影地:沖縄県辺戸岬 2024.06.26 20:51)
沖縄辺戸岬から天の川の写真
沖縄辺戸岬から天の川
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / SIGMA 15mm F2.8 EX DG DIAGONAL FISHEYE / マニュアル露出 F2.8 30秒 ISO 2500(撮影地:沖縄県辺戸岬 2024.06.26 21:34)
沖縄辺戸岬から天の川の写真
沖縄辺戸岬から天の川
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / マニュアル露出 F3.2 15秒 ISO 6400(撮影地:沖縄県辺戸岬 2024.06.26 21:35)
沖縄辺戸岬から天の川アーチの写真
沖縄辺戸岬から天の川アーチ
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / SIGMA 15mm F2.8 EX DG DIAGONAL FISHEYE / マニュアル露出 F2.8 30秒 ISO 2500 ×5枚をパノラマ合成(撮影地:沖縄県辺戸岬 2024.06.26 21:37)
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大台ヶ原から天の川

2024-05-21 20:59:26 | 風景写真/星

 大台ヶ原から天の川の撮影を行った。

 大台ヶ原は、紀伊半島の南東、奈良県と三重県の境にある日出ヶ岳(1,695m)を最高峰とする台地状の山地である。大台ヶ原山全体が特別天然記念物に指定されている日本百名山のひとつ。日本百景や日本の秘境100選にも選ばれており、吉野熊野国立公園の特別保護地区にも指定されている。4月中旬から山開きされ、11月下旬までの間、四季折々の風景を堪能できる。また、有名な星空スポットであり、満天の星を楽しめる場所でもある。
 大台ヶ原から天の川の光景は、以前から一度は行って見たいと思っており、GW頃に計画はしていたもののGW期間中は事情により出掛けることができず、その後も、躊躇していた。まずは、遠いこと。自宅からの距離は550kmほどだが、180kmは一般道を走らなければならず、所要時間は8時間である。更には、駐車場から星空のポイントとなる場所まで徒歩で1時間弱かかる。夜中に歩いて行かねばならないことに一歩を踏み出せないでいた。また、年間降水量が4,500㎜を越える本州の最多雨地で、この多量の雨が湿潤な気象条件を生み出し、曇りや雨は当たり前で霧もよく出る。晴れる方が珍しい場所であることで、今年は諦めかけていたが、5月17日18日は晴れマーク。9日は福島と山形で天の川を綺麗に撮れなかったのでリベンジもしたい。そして丁度ヒメボタルの発生がピークに近いという場所が中部地方にあることから、「大台ヶ原から天の川」とヒメボタルをセットにして遠征することにしたのである。
 自宅を17日15時半に出発。中央道、新東名高速、伊勢湾岸自動車道を走り、東名阪道の亀山ICで下り、後は一般道である。ただし亀山ICから針ICの名阪国道は「高速自動車国道に並行する一般国道の自動車専用道路」にカテゴリされ、信号がないので順調に針ICまで進んだ。その後が長い。最後の大台ヶ原ドライブウェイはカーブが多く、真夜中の走行は緊張の連続で、結局、大台ヶ原の駐車場には23時に到着。自宅からは7時間半かかった。駐車場は広く、5~6台が駐車していた。

 既に天の川が昇り始めている時間であるが、この日は月齢9の半月より大きい月が1時57分まで沈まない。上空には、月だけでなく薄雲も広がっている。ただし、GPV気象予報では2時頃には綺麗に晴れる予報になっており、月が沈み雲がなくなることを期待しながらしばらく車内で休憩していたが、居ても立っても居られず、23時半に正木峠へ向けて出発した。
 ヘッドランプを付けて登山道を歩く。それほどきつい道ではないが、怖いのはクマである。鈴を鳴らしながら、ひたすら歩く。分岐点を左へ曲がると日出ヶ岳へ続き、山頂も星空撮影のスポットであるが、今回は、分岐点を右へ曲がり正木峠だけで撮る予定である。急な木道を上がったところが正木峠である。正木峠は、森林破壊によって、山全体が緑のミヤコザサに覆われた大台ヶ原を象徴する場所である。60年ほど前までは、全国的にも珍しい針葉樹のトウヒが森を形成していたが、1959年の伊勢湾台風が大台ヶ原にも直撃したことで多くの木が倒され、その後繁殖した鹿の食害によって森が失われてしまったという。20年前までは、立ち枯れも多くあったが、昨今では立ち枯れの木も少なくなりつつある。
 峠の木道には休憩スペースがあり、ベンチに座ってしばし待機である。気温は9℃。厚着はしたが、風が時折強く吹くと、やはり寒い。先客は一人だけ。話を聞けば、日暮れ時刻からいるという。さぞ、退屈だったろう。30分ほど寒さに耐えながら待機したが、何となく撮影を開始。まだ月があり、雲も晴れないが、月明かりで質感が分かる正木峠の特徴である立ち枯れを入れながら、様々なカットを撮影。午前2時。月が沈み、雲も晴れてきた。風も止んだ。天の川が肉眼でも見えた。
 これまで、各地で天の川など星景写真を撮ってきたが、私の経験した中で一番光害がなく星が美しかったのは宮古島で、次が乗鞍高原であった。この大台ヶ原は、ボートル・スケールのSQM(Sky Quality Meter)で表すと、21.81 mag./arc sec2で、優れた光害フリーの土地であり天の川のさそり座といて座の領域が明確な影を投げかける場所である。ちなみに長野県乗鞍高原のまいめの池は、SQMが21.85 mag./arc sec2で、大台ヶ原よりも暗い空であるが、大台ヶ原は見晴らしも良いため、南から北まで、頭上にかかる天の川のアーチもはっきりと見える。月がなければ、美しいアーチも撮れただろう。立ち枯れと天の川を撮ったあとは、正木峠のもう1つの特徴である白い木道を入れての撮影。立ち上がる天の川と木道の位置が時期的に合わず、構図的には良いとは言えないが、撮っておきたい光景であった。
 ただ、この素晴らしい天の川の光景を前にしながら、それを思うように捉えられないレンズの性能に限界を感じた。F値が1.8より明るい単焦点の広角レンズが欲しい。

 正木峠では3時まで撮影し、下りることにした。駐車場には車が増えており、そこから星空を撮影している方々が多かった。駐車場を4時に出発し、その後、静岡と岐阜でトンボの探索。そして、ヒメボタルの生息地へと向かった。ヒメボタルは深夜型であり、二日連続の徹夜撮影である。

以下の掲載写真は、1920×1280ピクセル及び683×1024ピクセルで投稿しています。写真をクリックしますと別窓で拡大表示されます。

大台ヶ原から天の川の写真
大台ヶ原から天の川
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / マニュアル露出 F2.8 13秒 ISO 5000(撮影地:奈良県 大台ヶ原正木峠 2024.05.18 2:07)
大台ヶ原から天の川の写真
大台ヶ原から天の川
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / マニュアル露出 F2.8 13秒 ISO 5000(撮影地:奈良県 大台ヶ原正木峠 2024.05.18 2:20)
大台ヶ原から天の川の写真
大台ヶ原から天の川
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / マニュアル露出 F2.8 13秒 ISO 5000(撮影地:奈良県 大台ヶ原正木峠 2024.05.18 2;27)
大台ヶ原から天の川の写真
大台ヶ原から天の川
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / マニュアル露出 F2.8 13秒 ISO 5000(撮影地:奈良県 大台ヶ原正木峠 2024.05.18 2;41)
大台ヶ原から天の川の写真
大台ヶ原から天の川
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / マニュアル露出 F2.8 13秒 ISO 5000(撮影地:奈良県 大台ヶ原正木峠 2024.05.18 2:57)
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浄土平で天の川撮影

2024-05-11 16:53:49 | 風景写真/星

 浄土平で天の川を撮影してみたのだが、気温2℃で物凄い強風。耐えきれず、わずか数分で撤退したため、良い結果は得られなかった。

 GW期間中の渋滞と混雑を避けるため、GW後の平日において、天気の良い日を待って東北に出掛けてきた。一番の目的は、次の投稿記事で紹介したいと思うが、折角、東北に行くのだからと、目的地に向かう途中で天の川が撮れる良い場所はないかと探し、浄土平から撮ってみることにした。浄土平は、福島県福島市にある全長約29kmの磐梯吾妻スカイラインの中間あたりに位置する標高1600mの高山地帯で、磐梯朝日国立公園の特別保護地区にも指定されており、高山植物や野鳥、星空観察にも最適だと言われている。ちなみに磐梯吾妻スカイラインは、4月23日に冬期通行止めが解除されたが、5月7日までは、17時から翌朝8時までは夜間通行止めであり、勿論、調べた上での遠征である。
 浄土平で天の川を撮影するならば、タイムラプス動画や天の川アーチ撮影のために午前3時頃まで撮りたいところだが、主目的の場所に午前3時までに到着したいことから、タイムリミットは午前0時半。天の川も斜めで、あまり絵にならないが仕方がない。

 5月9日の正午に自宅を出発し、東北自動車道をひた走る。那須高原SAで小休止し、安達太良SAで食事。「あだたらチャーシューメン煮卵入り チャーハンセット 1570円」を頂く。その後、福島西ICで降りて磐梯吾妻スカイラインへ向かう。30数年前、新婚時代に家内と二人で訪れたことがあったが、どんな風景かは忘れていた。改めて走ると、硫化水素のニオイが漂う火山路に少々恐怖を感じた。2019年には、火山ガス濃度が基準値を超えたとして、通行止めになったこともある。浄土平の手前1km付近には、「火山性ガス発生の為、駐停車禁止」という立て看板があちこちにある。
 17時に浄土平の駐車場に到着。こちらは、硫化水素のニオイは全くない。GW後の平日。広い駐車場に車は5台。目の前の吾妻小富士や湿原を散策したりしていたが、日暮れと共に誰もいなくなった。こちらも、湿原を歩いてロケハン完了。天の川が昇り始める23時まで車内で待機である。
 車窓から、肉眼で天の川が確認できるようになった23時半過ぎに準備を開始したが、気温は2℃。セーターにフリース、ウィンドブレーカーを着たが、物凄い強風。カメラをセットしたが、指がかじかんで設定の変更もままならない。それに、三脚をしっかりと抑え込まないと、風でぶれてしまう。何とか数枚撮ったが、寒さに耐えきれず午前0時で撤退することにした。
 写した結果は1枚目の写真である。湿原に伸びる木道とともに写したが、天の川が立つ午前3時頃ならば絵になっただろう。また、上空は暗いが、南方向は郡山市の街明かりの影響を受けていたのが残念であった。

 場所を移動して、今回の主目的の場所に午前2時半過ぎに到着。辺りを見渡すと、天の川がくっきりと目視できた。垂直近くまで立ち上がっていたが、光害がまったくなく、浄土平よりも条件は良い。ただし、星景写真として「絵」にはならず、単に天の川を写すだけになってしまうのが惜しい。そう思いながら撮っていると、霧が出てきて、こちらも数枚で終了。
 天の川を美しく撮ろうとするならば、F値の明るい単焦点の広角レンズで、赤道儀を使って追尾撮影し、後にPCで地上の風景と合成することが必要だ。私が所持する広角ズームレンズで追尾なしの一発露光では、これが限界。星景写真を専門に撮っておられる方々の足元にも及ばないものに悔しさを感じながら、また、場所を変えて挑戦したいと思う。

以下の掲載写真は、横位置は1920×1280ピクセルで、縦位置は683×1024ピクセルで投稿しています。写真をクリックしますと別窓で拡大表示されます。

天の川(浄土平)の写真
天の川(浄土平)
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / マニュアル露出 F2.8 30秒 ISO 1600(撮影地:福島県福島市 2014.05.09 23:52)
天の川の写真
天の川(白川湖より)
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / マニュアル露出 F2.8 30秒 ISO 3200(撮影地:山形県飯豊町 2014.05.10 2:49)
天の川の写真
天の川(白川湖より)
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / マニュアル露出 F2.8 30秒 ISO 3200(撮影地:山形県飯豊町 2014.05.10 2:44)
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カラマツの丘と天の川

2024-03-15 18:03:07 | 風景写真/星

 カラマツの丘と天の川を撮影してきた。

 カラマツの丘は、群馬県嬬恋村にある。キャベツ畑が見渡すかぎり続き、その丘の上にポツンとカラマツ林が佇むロケーションで、まるで北海道の美瑛のような場所であり、今年の1月14日に訪れ「嬬恋の丘 (カラマツの丘)」として掲載している。その時は、凍てつく冬の朝のマジックアワー(魔法の時間)の美しさを体感することはできたものの、東の星空は寂しく、畑を覆う雪も奇麗ではなかった。「まるで北海道の美瑛のような・・・」美瑛に行かぬとも似た光景を見られるのは嬉しいが、美瑛と比較することなく、嬬恋村のカラマツの丘らしいオリジナルの美しさを感じて残したい。そこで、夏の天の川とともに撮ろうと計画を立てていた。
 夏の天の川は、3月上旬になると深夜2時過ぎから東の地平線から昇ってくる。日の出前までが撮影時間になるが、その時間帯に月明かりがないことが条件の1つになる。月が出ていない日は、ひと月に10日ほど。ただし、雲があれば邪魔になる。湿度が高く靄が出れば霞んでしまう。乾燥した快晴の空が2つ目の条件である。10日の間に快晴になった夜に行けば撮影はできるが、今回は更に条件を加えた。それは、キャベツ畑が真っ白な雪で覆われることである。
 毎日、気象庁とウェザーニューズの天気予報、そして気象予測モデルをスーパーコンピュータで計算しているGPV気象予報をチェックしながら、最良の日を待った。そして、そのチャンスの日が訪れた。

 自宅を16時に出発し、圏央道の青梅ICから乗り、関越道から上信越道へ。横川SAで夕食。横川と言えば、昔から釜めしが有名だが、到着した18時半では終了しており、代わりに上州ファーム食堂で下仁田ネギ味噌カツ丼に舌鼓を打った。
 軽井沢ICで降り、1月14日の時と同じコースで現地に20時過ぎに到着。道路は除雪されているが、畑は真っ白で、見上げれば快晴の好条件。時間があるので「愛妻の丘」でも行って見ようとしたが、下調べ不足で、4月上旬頃までは、つまごいパノラマラインが冬季閉鎖で通行できないため「愛妻の丘」には行けなかった。仕方なくカラマツの丘に戻り、広くなっている場所に車を止めて、時間まで待機である。
 ちなみに「愛妻の丘」は、世界でも珍しい「叫ぶ」観光スポットだという。雄大な浅間山に向かって、日頃、妻には言えない「愛してる」を叫ぶとまさに誰もが新婚時代にタイムスリップする奇跡の瞬間が訪れるらしい。誰もいない丘で、一人で小声で言おうと向かったが、幸か不幸か遠くにて心の中で思うだけで終わった。
 さて、カラマツの丘では、午前2時半から準備を開始。到着した時には誰もいなかったが、車は5台に増え、カメラマンは私を含めて6人。やはり集まるものである。撮影場所は限定されている。カラマツの丘を西側の農道から撮るしかない。雪が積もった畑に入ってカラマツに近づけば、構図的に良くなるが、そんなマナーのない行為は当然許されない。この日も、皆、農道からの撮影であった。
 気温はマイナス5℃。久しぶりの寒さに指の感覚がなくなり、なかなかカメラのセットができない。携帯カイロで温めながら細かな設定を行い、3時より撮影を開始した。

 天の川は各地で撮影してきたが、嬬恋村の夜空の明るさはどうだろうか。夜空の明るさが客観的に評価できる数値「等級(mag/□"):(マグニチュードパー平方秒角)」で表すと、私が星空をよく撮影する開田高原(木曽馬の里)では21.11mag/□"、乗鞍高原が21.86mag/□" 、霧ヶ峰高原車山肩は21.28mag/□" で、値が大きいほど夜空が暗く星が見えやすいことを示しており、19~20で天の川がぼんやり見え、21を超えると天の川の複雑な構造が確認できる。嬬恋村での調査結果はないが、近郊の吾妻郡高山村では、20.93mag/□"となっており、実際に訪れてみると、やはり天の川がぼんやりと見えるといった暗さである。
 それでも快晴の夜空ならば、何とか私のカメラでも撮影できそうである。ただし、上空は暗くても東方向には前橋や高崎の街明かりがあるので、天の川自体は、かなり昇らないと街明かりに消されてしまう。しかし、その街明かりはカラマツをシルエットにしてくれるので効果的でもある。
 天の川は、ポータブル赤道儀を使って追尾しながら低感度で長時間露光した方が、とても美しい写真が撮れるが、それは見た目から大きくかけ離れた写真であり、個人的に好きではない。(掲載した写真も、見た目とは違っている)或いは、もっとF値の明るい単焦点の広角レンズならばと思うが、購入する余裕はない。今回も決して満足のいく結果ではないが、今ある機材で、前回撮影したものよりはカラマツの丘らしい表現はできたように思う。

 当日は、午前4時過ぎまで撮影して撤収。湯の丸の地蔵峠経由で小諸ICから上信越道で帰路に就き、7時過ぎに帰宅した。
 今月は、新潟県の風景を撮る計画もあったが、天の川と一緒に収められる期間中には、天候条件が合致しそうにないので諦めるしかないだろう。残る半月は、あるトンボの未撮影のシーン(産卵)を自宅近郊で予定している。

参考:環境省/令和4年度夏の星空観察 デジタルカメラによる夜空の明るさ調査 結果一覧

p>以下の掲載写真は、1920*1280 Pixels で投稿しています。写真をクリックしますと別窓で拡大表示されます。 また動画においては、Youtubeで表示いただき、HD設定でフルスクリーンにしますと高画質でご覧いただけます。

カラマツの丘と天の川と流星の写真
カラマツの丘と天の川と流星(トリミング)
Canon 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / マニュアル露出 F2.8 15秒 ISO 3200(撮影地:群馬県嬬恋村 2024.3.14 3:30)
カラマツの丘と天の川の写真
カラマツの丘と天の川
Canon 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / マニュアル露出 F2.8 15秒 ISO 3200(撮影地:群馬県嬬恋村 2024.3.14 4:01)
カラマツの丘と天の川の写真
カラマツの丘と天の川
Canon 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / マニュアル露出 F2.8 15秒 ISO 3200(撮影地:群馬県嬬恋村 2024.3.14 4:06)
カラマツの丘 天の川タイムラプス(再生ボタンを押した後、設定の画質から1080p60 HDをお選び頂きフルスクリーンにしますと高画質でご覧いただけます)
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浅間山と冬の星空

2024-01-15 16:46:35 | 風景写真/星

 浅間山と冬の星空を撮ってきた。

 この冬に撮りたい光景は、寄せ氷、霧氷、星景・・・様々な冬ならではの一瞬を収めたいが、すべて天候次第である。そして、できれば、私自身がこれまでに撮ったことない場所の景色を残しておきたい。
 この週末は、東京でも夕方に雪が舞った。かなりの降雪であったが、時間して1時間ほどで積もるほどではなかった。関東甲信越の特に日本海側や山地では大雪。気圧配置は西高東低の冬型。翌日14日は、高気圧に覆われるという予報である。この気圧配置と天候で、私が撮りたい光景の中から選択できるのは星景であった。そこで、昨年の10月23日以来およそ2か月半ぶりに写真撮影に出掛けることにした。ちなみに10月23日はキトンボ、その前の8月27日はホソミモリトンボで、風景写真は7月23日の滝巡りが最後で、5か月以上も空いてしまった。
 さて、13日土曜日は仕事である。朝4時過ぎに起床して会社へ出勤。終業後、19時半に帰宅して21時に出発。目指すは、群馬県の嬬恋村。まずは浅間山と冬の星空を撮ることにした。
 関越自動車道から上信越自動車道の碓氷軽井沢ICで降りて、松井田軽井沢線(長野県道92号)に入ると積雪。峠の手前では、白のベンツが車線中央で立往生していた。おそらくノーマルタイヤでチェーンも携行していなかったのだろう。私は、3シーズン目のスタッドレスタイヤで少々不安があり、万が一のために金属製のチェーンも携行していたが、特に問題はなくスタッドレスタイヤで雪道を走行できた。立往生の手助けをすることもできないので、そのまま無視して走行し、軽井沢から国道146号を進み、鬼押しハイウェイの六里ヶ原に午前0時過ぎに到着した。
 浅間山と冬の星空をどこから撮るべきか?この時期の星空が一番美しいのは、冬の大三角や冬の天の川が見える西方向である。となれば、撮影場所は必然的に決まる。今回は六里ヶ原を選んだ。
 目前に雄大な浅間山が見え、天候は快晴。気温はマイナス9℃。車を降りると強風で地吹雪状態。カメラをセットしても風でブレてしまうため、車内で待機。しばらくすると風が弱くなってきたので、撮影を開始した。5分も外に出ていると、手の指の感覚がなくなり、カメラの設定も難しい状態。タイムラプス動画の作成も考慮し、およそ1時間、午前1時半まで連続で撮影したが、その間は車内で待機した。
 掲載写真の1枚目は、明るい星をにじませ星座を浮かび上がらせる効果があるソフトフィルターを使用したが、撮影時間と画角から冬の大三角のプロキオンが欠けてしまった。ソフトフィルターを外した2枚目は、辛うじて冬の大三角が収まり、その中を横切る冬の天の川も薄っすらと写っている。これまで撮影したことがなかった浅間山と冬の星空。手持ちの機材では、これが限界の絵ではあるが、この時期でしか見られない冬の星空の美しさを堪能した極寒の夜であった。この星々に、能登半島の一日も早い復興と各国の戦争の終結を祈りたいと思う。
 浅間山と冬の星空を撮った後、嬬恋の丘 (カラマツの丘) に移動し、星空と夜明けの光景を撮影した。その写真は、浅間山と冬の星空のタイムラプス動画も併せて次に記載したいと思う。

以下の掲載写真は、1920*1280 Pixels で投稿しています。写真をクリックしますと別窓で拡大表示されます。

浅間山と冬の星空の写真
浅間山と冬の星空
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / マニュアル露出 F2.8 20秒 ISO 3200 / PRO1D プロソフトン[A](W)使用(撮影地:群馬県嬬恋村六里ヶ原 2024.1.14 1:22)
浅間山と冬の星空の写真
浅間山と冬の星空(冬の大三角と冬の天の川)
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / マニュアル露出 F2.8 20秒 ISO 3200(撮影地:群馬県嬬恋村六里ヶ原 2024.1.14 1:27)
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七夕の天の川(沖縄にて)

2023-07-09 15:56:49 | 風景写真/星

 七夕の天の川を沖縄にて撮影してきた。

 昨年に引き続き、本年も沖縄に4日間の遠征。トンボやチョウなど昆虫の撮影が主な目的であるが、今回も天の川の撮影を予定に組み込んだ。昆虫の写真や遠征記録は、次の記事から順に掲載しようと思うが、まずは天の川を掲載したい。
 2012年に宮古島で見た天の川の光景は忘れることができない。南の島の星空は、こんなにも素晴らしいのか!と感動し、初めて天の川を撮ったのだった。しかし、宮古島へはホタルの講演と観察で伺ったため、カメラは昆虫用で、レンズも50mmマクロレンズで撮るしかなかった。その後、いつか南の島で天の川を撮ろうと思っており、昨年は、沖縄本島ではあるが、今帰仁村の古宇利島から天の川を撮った。(沖縄の天の川)それなりに写ったが、本島越しでは街明かりが以外にも明るく、今回は、再挑戦である。沖縄遠征は7月5日から8日までの三泊四日(初日は車中泊)で、すべての夜に天の川を撮影できるように予定を組み、本島の東海岸から真っ暗な太平洋上で写そうと東村の高江展望台を撮影地に選んだ。
 沖縄は、すでに6月25日に梅雨が明け、連日晴続きであるが、2週目となるとなかなか快晴にはならない。遠征初日も晴れであるが、雲が多く断念。2日目も同様で断念。3日目が最後のチャンスで、しかも七夕である。 月が昇ってくるのは23時頃なので、月明かりも問題ない。朝からこまめにGPV気象予報で雲の状態をチェックし、一か八かで高江展望台に行ってみることにした。
 名護のホテルから現地までは、車でおよそ90分ほどの道のり。大宜味から平良湾へ出て、沖縄本島最北端まで続く県道70号線を進む。昆虫を撮りに頻繁に往復した名護からやんばるまでの国道58号沿いは、道の駅やコンビニがあるが、県道70号線には何もない。畑と森の中を進むだけである。小さな集落には「共同売店」がある程度で、沖縄の原風景を味わえる道である。
 少し心細くなるような道を走って、高江展望台に19時半に到着。日没は19時26分なので、まだまだ明るい。展望台の先は断崖絶壁で、太平洋を一望できる。運よく南から北東方向には雲がない。ただし、以前に千葉県の銚子から撮影した時もそうであったが、海上は湿度が高いので多少霞んでいる。とりあえずカメラをセットし、暗くなるまで待機である。
 20時半頃になると肉眼でも天の川が確認できるようになってきた。撮影した画像をモニターで確認すると、はっきりと天の川が写っている。単に海原の上に横たわる天の川の写真であるが、沖縄ならではの星空なので良しとしたい。石垣島は星空保護区に指定されているが、本島も早ければ2024年度の上半期にも「ダークスカイ・インターナショナル」(本部・米アリゾナ州)が認定する「星空保護区」への申請を予定しているという。貴重な財産を守ってほしいと思う。
 七夕といえば、織姫(琴座のベガ)と彦星(鷲座のアルタイル)が、年に一度7月7日の夜だけカササギ(白鳥座のデネブ)がつくる橋をわたって会える日。今夜は出会えたに違いない。21時に帰り支度をしていると、目の前の草地で1頭のホタルが光っていた。オキナワスジボタルであろう。きっとホタルも祝福していたのだろう。
 帰り道は、来る時よりももっと心細い。パイナップル畑の中の細い道を抜け70号線に出ると、何やら不気味な雰囲気。米軍の北部訓練場がすぐ近くにあるのである。ジャングルに鉄の門があり、兵士が立っていた。高江のやんばるの森を切り開いてオスプレイの着陸帯であるヘリパッドがいくつもあるらしい。静かで豊かな大自然の東村高江には、似つかわしくない光景であった。

以下の掲載写真は、1920*1280 Pixels で投稿しています。写真をクリックしますと別窓で拡大表示されます。

天の川の写真
天の川
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / マニュアル露出 F2.8 25秒 ISO 2000(撮影地:沖縄県東村 2023.7.7 20:41)
天の川の写真
天の川
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / マニュアル露出 F2.8 25秒 ISO 2000(撮影地:沖縄県東村 2023.7.7 20:45)
天の川の写真
天の川
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / マニュアル露出 F2.8 25秒 ISO 2000(撮影地:沖縄県東村 2023.7.7 20:50)
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星峠から天の川を撮る

2023-05-12 16:02:08 | 風景写真/星

 星峠から天の川を撮るのは、今回で3回目。なぜ、また同じような写真を撮るのかと言えば、1回目は、天の川と水田に映る星々は撮れたものの、水田は1枚だけで棚田風景にはなっていなかった。2回目は、天の川も撮れ、また棚田らしい構図にはなったが、まだ雪がかなり残っており水田に映る星々が僅かであった。そこで今回は、棚田の水田に映る星々と共に夏の天の川を撮り、タイムラプスも作ることを目的に遠征を行った。

 新潟は、この冬の積雪量が多かったにも関わらず雪解けが早く、4月下旬にはすっかりなくなっていたが、天の川と星々を撮るためには、月と雲がないことが最大の条件である。そして、水田に星を映すために無風であることも必須条件である。残念ながら、4月中は雨だったり雲がかかったりと全くチャンスがなかった。ゴールデンウイーク中は、満月に近い明るい月があり見送らざるを得なかった。
 この5月は、13日14日、20日21日がチャンスで、遠征の計画を立てていたところ、天気予報では、何と13日から雨マーク。しかし、運よく12日(金)が年次有給休暇であり、新潟の11日深夜は晴れの予報。GPV気象予報を見ても、快晴で雲は一切ない絶好の星景写真の撮影日和である。午前1時に月が昇ってくるので、それまでの時間に撮ることとして遠征実行である。
 11日の就業後、自宅には帰らず都内の会社を19時に出発。首都高と外環自動車道は渋滞がなく、関越道もスムーズに進む。途中、赤城高原SAでプー次郎味噌ラーメンを食べ、六日町ICで降りて星峠には22時半頃に到着した。現地の駐車場には先客が2台で2名。ただし、写真は撮っておらず車内で待機中であった。こちらは、すぐに準備に取り掛かり、一段下がった農道にカメラをセットして撮影を始めた。ちょうど天の川が昇り始めた時であった。気温は5℃。快晴で無風。完璧な天候条件である。その後、車は2台増えた。平日の深夜だが、やはり人気スポットである。ちなみにゴールデンウイーク中の朝は、車も人もすごい数だったらしい。
 星峠の撮影場所は、標高がおよそ410mで見晴らしがよいため、南東方向の彼方の街明かり(おそらく前橋方面?)が気になるが、何とか170枚ほど撮影し、過去のものと比べて「星峠らしい」光景になったのではないかと思う。月が出てくるまで、まだ時間的余裕はあったが、天の川の方がだいぶ昇ってきたため、午前0時で星峠を引き上げ帰路に就くことにした。帰りも赤城高原SAに立ち寄り、2時間ほど仮眠して、午前7時に帰宅した。
 写真現像は、これまで Dxo PureRAW にてRAWデータの適正化を行った後に Lightroom classic で現像を行っていたが、今回は、 Lightroom の新機能である「AIノイズ除去」を使っている。この機能は、とても素晴らしく、昨年5月に撮った「乗鞍高原まいめの池より天の川」の写真を再現像したところ、 Dxo PureRAW よりも良い結果となった。

 尚、動画はたいへん短いが、当地では初めてのタイムラプスだったので編集して掲載した。

参照:星峠より天の川星峠より夏の天の川

以下の掲載写真は、1920*1280 Pixels で投稿しています。写真をクリックしますと別窓で拡大表示されます。また動画においては、Youtubeで表示いただき、HD設定でフルスクリーンにしますと高画質でご覧いただけます。

星峠から見た天の川の写真
星峠から見た天の川
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / マニュアル露出 F2.8 25秒 ISO 2500(撮影地:新潟県十日町市 2023.5.11 23:54)
星峠より天の川(タイムラプス)(再生時は、設定からHDお選び頂きフルスクリーンにしますと高画質でご覧いただけます)
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冬から春にかけての星空

2023-03-20 17:23:17 | 風景写真/星

 冬から春にかけての星空を信州・霧ヶ峰高原で撮ってきた。何と、写真撮影は今年になって3回目で、2月6日以来である。東京では、桜が開花し三分咲き。 トンボやチョウも活動を始め、そろそろ春らしい絵を撮りたいところだが、今しか撮れない星空を収めておきたかった。ちょうど天気も良く、思い切っての遠征である。
 19日(日)の午前中は本の執筆をし、14時に出発。撮影場所をどこにしようかと色々と悩んだが、昨年の12月4日に撮影した「霧ヶ峰より冬の星空」では、あいにく雲に邪魔されて綺麗には撮れかったこともあり、リベンジの意味も含めて霧ヶ峰に決定。ただし、前回とは違う場所で撮ることにした。
 表題にあるように「冬から春にかけての星空」がテーマで、雪原と冬の星座、雪原と夏の天の川を撮れる場所をあらかじめGoogle Mapのストリートビューで細かく探しておいた。当日は16時半に現地に到着し、3カ所をロケハン。食事をしたのち、19時から撮影を開始した。20時からは、日本ホタルの会のZoomでのリモート会議があったため、車内のスマートフォンで参加。21時からは、二カ所目で撮影を行う。その後、仮眠をして翌20日の午前2時半から三カ所目で撮影。4時で現地を引き上げた。
 先月の「パール紅富士」は、雲がかかってしまい全く撮れなかったが、今回の星空は50/100点。冬の星空撮影にはソフトフィルターが欠かせないのだが、間違えてCPLフィルターを持っていってしまったのが 減点である。

 来月は、天候次第ではあるが「月光紅富士」を予定しており、その後は、まだ撮ったことがない桜をいくつか撮りたいと思っている。チョウとトンボは、間に少しずつ収めて いきたい。

以下の掲載写真は、1920*1280 Pixels で投稿しています。写真をクリックしますと別窓で拡大表示されます。 また動画においては、Youtubeで表示いただき、HD設定でフルスクリーンにしますと高画質でご覧いただけます。

霧ヶ峰より冬の星空の写真
霧ヶ峰より冬の星空
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / マニュアル露出 F2.8 30秒×35カット ISO 1250(撮影地:長野県霧ケ峰高原 2023.3.19)
霧ヶ峰より冬の天の川アーチの写真
霧ヶ峰より冬の天の川アーチ(パノラマ合成)
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / マニュアル露出 F2.8 30秒×10カットパノラマ合成 ISO 1250(撮影地:長野県霧ケ峰高原 2023.3.19)
霧ヶ峰より夏の天の川の写真
霧ヶ峰より夏の天の川
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / マニュアル露出 F2.8 30秒 ISO 1250(撮影地:長野県霧ケ峰高原 2023.3.20)
霧ヶ峰より夏の天の川の写真
霧ヶ峰より夏の天の川
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / マニュアル露出 F2.8 30秒 ISO 1250(撮影地:長野県霧ケ峰高原 2023.3.20)
Starry sky from Winter Into Spring(再生時は、設定からHDお選び頂きフルスクリーンにしますと高画質でご覧いただけます)
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霧ヶ峰より冬の星空

2022-12-05 16:34:37 | 風景写真/星

 霧ヶ峰より冬の星空を撮ってみたが、あいにく雲が広がってしまい澄んだ快晴の夜空を写すことはできなかった。

 この週末は、南房総で紅葉やチョウを撮ろうと計画していたが、できればこれまでに自分自身で撮ったことがない絵を撮りたい。更には他の人も撮っていないオンリーワンの絵を撮りたい。前記事でお分かりのように、先週の鏡池での大失敗が悔しくてたまらないこともあり、信州方面の天候条件が良ければ、既に撮ったことのあるチョウや誰もが撮っている紅葉よりも再度星空撮影を行おうと毎日天気予報をチェックしていた。
 すると3日の深夜から4日の未明までは何とか良さそうな天気予報。3日の夕方までGPV気象予報を見ていると、残念ながら鏡池や北アルプスには雲が広がってしまうが、諏訪辺りは朝まで快晴のようである。そこで、この冬に撮りたいと思っている星景写真の練習も兼ねて約2年ぶりに霧ヶ峰高原に行ってみることにした。霧ヶ峰では、一度だけ5月に夏の天の川を撮影したことがある。(参照:霧ヶ峰より天の川)諏訪や塩尻等の街明かりの影響を少し受けるが、それでも美しい星空を眺めることができる。
 3日の19時に都内の勤め先から直接現地へ向かった。中央道の談合坂SAで夕食をとり、そこで今一度GPV気象予報をチェック。大丈夫である。諏訪ICで降りて、まだ雪のないビーナスラインを走って霧ヶ峰に23時に到着。気温は3℃。見上げれば、ほぼ快晴である。しかしながら、すぐに撮影するわけにはいかない。月齢9.6の半月より大きい月が輝いているのである。この月が沈む4日午前2時まで車内で待機である。
 ここで、またもや失敗。寝てしまい起きたら3時。しかも薄雲が広がり始めており、急いで三脚にカメラをセットし撮影を開始した。連日4時半に自宅を出発して出勤。3日も同じように6時前に出勤し、退勤は19時でそのまま霧ヶ峰。徹夜で待機するのは無理であった。
 4時までの小一時間の撮影。プレアデス星団(和名すばる)やオリオン座、そして12月1日に約2年2カ月ぶりに地球に最接近した火星(すばるの左斜め上)などは画角に収めたが、寝坊と雲によって、全体的に美しい星景写真を撮ることはできなかった。こうなると先週の痛恨の大失敗が余計に悔やまれるが、今回は、この冬に撮りたいと構想を練っている星景写真の練習になり、課題と対策も分かったので無駄な遠征ではなかった。
 撮りたい星景写真の撮影場所は霧ヶ峰ではないが、霧ヶ峰も素晴らしい場所である。霧氷やダイヤモンドダストの撮影で訪れた時にチャンスがあれば、今度は綺麗な冬の星空を残しておきたいと思う。この日は、霧ヶ峰を4時過ぎに出発し、中央道諏訪ICから乗って、7時に帰宅した。

以下の掲載写真は、1920*1280 Pixels で投稿しています。写真をクリックしますと別窓で拡大表示されます。

霧ヶ峰より冬の星空の写真
霧ヶ峰より冬の星空
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / マニュアル露出 F2.8 30秒 ISO 2000(撮影地:長野県諏訪市 2022.12.04 3:13)
霧ヶ峰より冬の星空の写真
霧ヶ峰より冬の星空
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / PRO1D プロソフトン[A](W)使用 / マニュアル露出 F2.8 30秒 ISO 2000(撮影地:長野県諏訪市 2022.12.04 3:46)
霧ヶ峰より冬の星空の写真
霧ヶ峰より冬の星空
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / PRO1D プロソフトン[A](W)使用 / マニュアル露出 F2.8 30秒 ISO 2000(撮影地:長野県諏訪市 2022.12.04 3:48)
霧ヶ峰より冬の星空の写真
霧ヶ峰より冬の星空
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / PRO1D プロソフトン[A](W)使用 / マニュアル露出 F2.8 30秒 ISO 2000(撮影地:長野県諏訪市 2022.12.04 4:03)
霧ヶ峰より冬の星空の写真
霧ヶ峰より冬の星空(10カットをパノラマ合成)
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / PRO1D プロソフトン[A](W)使用 / マニュアル露出 F2.8 30秒 ISO 2000(撮影地:長野県諏訪市 2022.12.04 3:56)

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痛恨の大失敗

2022-11-28 11:50:17 | 風景写真/星

 10月14日以来の写真撮影。場所は、前回の「鏡池の紅葉」を撮った同じ鏡池である。結果から言うと痛恨の大失敗であった。ピントリングが回らないようにテープで止めたつもりが、レンズヒーターを巻いたときに少しだけ動いてしまいピンボケ写真の量産。撮影時にカメラ背面のモニターでは気付かなかった。
 以前、ヒメボタルの飛翔を撮影した時、レンズキャップを外し忘れて撮った200カットすべてが真っ黒ということがあったが、今回もタイムラプス用に写した200カットがすべてピンボケ。見るに堪えない写真だが、失敗の記録として以下に2枚だけサイズを小さくしたものを掲載しておきたい。

 鏡池の星空は、紅葉を撮った時からチャンスを伺っていた。月明かりがなく、快晴無風の夜という条件で、勿論、私の休日とも合致しなければならない。その時がようやく11月27日の夜に叶いそうであったため、自宅を午前11時に出発して向かった。東京の天候は朝から晴れで、途中も気持ちの良い天気であった。ただし風が強いのが気になったが、現地の夜は快晴無風という予報を信じて車を走らせた。
 長野市内に入ると、戸隠・妙高方面に黒い雲がかかっていた。上信越道の信濃町ICで降り長野県道36号信濃信州新線で戸隠方面に向かうと、小雨で霧も立ち込めていた。鏡池の駐車場に16時に到着したが、やはり曇。1時間待ってから今後の予定を考えることにした。
 17時になっても曇っていたため、霧ヶ峰の星空に変更しようと10分ほど車を走らせると上空は快晴。妙高・戸隠連山の上だけに雲がかかっているのである。車を止めて高台から見ていると、戸隠連山の一部が見え隠れしている。折角来たのだから、ここはGPVなどの天気予報に賭けようと戻ることにした。
 鏡池の駐車場で待機していると、18時頃には戸隠連山のすべてが見え、星も輝き始めていた。19時から池畔で準備を開始。同じく星空を撮影しようと2名がやってきたが、カメラマンはそれ以上増えることはなかった。鏡池は撮影場所の位置関係から真北にカメラを向けることになるので、北極星を中心にした日周運動と冬の天の川を収められるようセットして、後は車に戻って待機していた。
 21時近くになったので、カメラを見に池に行くと、三脚は霜が付いて白くなっていた。レンズヒーターを巻いていなければ、レンズが曇っていただろう。レンズが曇って写真が白くなってしまった失敗もあったことを思い出す。空を見ると薄雲が広がり始めていた。予報では夜半から曇で朝も曇り。朝まで快晴ならば放射冷却で霧氷も付くのだろうが、今回は期待できないため、21時で引き上げることにした。

 今回の大失敗は、二度と繰り返さないようにしなければならないが、もしピンボケではない綺麗な写真が撮れていたとしても、紅葉の時のインパクトはないように思う。また、「乗鞍高原まいめの池より天の川」比べても、ここの星空を絵にするのは難しいかもしれない。難しいからこそ、インターネット上でも良い写真を見ることが稀である。それならばと再度挑戦したいところだが、鏡池までの道路がまもなく冬期通行止めになるので、4月下旬以降に考えたい。

鏡池の星空の写真
鏡池の星空
Canon 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / PRO1D プロソフトン[A](W)使用 / マニュアル露出 F2.8 30秒 ISO 2500(撮影地:長野県 2022.11.27 20:53)
鏡池の星空の写真
鏡池の星空
Canon 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / PRO1D プロソフトン[A](W)使用 / マニュアル露出 F2.8 30秒 ISO 2500(撮影地:長野県 2022.11.27 20:57)

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秋の星空と黄道光

2022-09-26 15:16:24 | 風景写真/星

 秋の星空と黄道光を新潟県魚沼市の枝折峠で撮影した。

 黄道光は、昨年10月2日に長野県の乗鞍高原にて撮影し「黄道光クロス」として掲載しているが、昇ってきた月が黄道光とかさなってしまい、誤解されやすい写真であったため、場所を新潟に変えて再挑戦である。
  黄道光は、太陽の通り道である「黄道」に沿って伸びる淡い光のこと。黄道付近には彗星からの放出や小惑星同士の衝突で生成された小さな塵がただよっており、それらに太陽光が散乱されて、春は日没後の西の空に、秋は日の出前の東の空に淡い光となって見えるのである。秋は、日の出の約1時間前に東の地平線の上空に光が伸びて、冬の天の川とクロスする。昔は朝日の光と間違えられることが多く“偽りの夜明け(false dawn)”と呼ばれていたこともある。
  さて、乗鞍高原では駐車場に止めた車の脇での撮影であったが、今回は午前3時から越後駒ケ岳への登山道を登り、明神峠までの中間地点にカメラをセットした。かなりの急な登りで滑落しそうな場所もあり、初めての場所の夜の登山は危険だと感じた。日の出は5時33分。その1時間前には黄道光が見えるはずであるが、到着時は東方向は雲が広がっており星がまったく見えなかった。しかし、4時を過ぎた頃から雲がなくなりチャンス到来。何とか秋の星空と黄道光を収めることができた。オリオン座のベテルギウス、おおいぬ座のシリウス、こいぬ座のプロキオンを結ぶ「冬の大三角形」そしてオリオン座が美しい。縦位置の写真では、冬の天の川とクロスする様子も捉えることができた。
  星々がほとんど見えなくなってきた5時少し前。新月前の三日月が昇ってきた。よく見ると、月の欠けて見える部分が薄明るく見える。これは、「地球照」(ちきゅうしょう)と呼ばれ、地球からの太陽の反射光で照らされて見える現象である。半月より大きい月になると、地球照を肉眼で観察するのは難しい。月の光っている部分の面積が増えて眩しくなること、そして地球からの反射光も減るためである。こちらは、初撮影になる。

 実は、枝折峠での目的は別にあり、この写真については次回に掲載したいと思う。

以下の掲載写真は、1920*1280 Pixels (縦写真は683*1024 Pixels)で投稿しています。写真をクリックしますと別窓で拡大表示されます。

秋の星空と黄道光の写真
秋の星空と黄道光
Canon 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / マニュアル露出 F2.8 30秒 ISO 2000(撮影地:新潟県魚沼市/枝折峠 2022.9.25 4:16)
秋の星空と黄道光の写真
秋の星空と黄道光
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / マニュアル露出 F2.8 30秒 ISO 2000(撮影地:新潟県魚沼市/枝折峠 2022.9.25 4:11)
秋の星空と黄道光の写真
秋の星空と黄道光
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / マニュアル露出 F2.8 30秒 ISO 1600(撮影地:新潟県魚沼市/枝折峠 2022.9.25 4:23)
三日月と地球照の写真
三日月と地球照
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F6.3 2.5秒 ISO 400 -2/3EV(撮影地:新潟県魚沼市/枝折峠 2022.9.25 4:51)
三日月と地球照の写真
三日月と地球照
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F6.3 1.3秒 ISO 400 -1 1/3EV(撮影地:新潟県魚沼市/枝折峠 2022.9.25 4:52)

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沖縄の天の川

2022-06-26 17:45:52 | 風景写真/星

 沖縄の天の川は、今回の遠征において一番最初に撮影した光景である。

 6月22日から25日まで、3泊4日で沖縄本島に遠征してきた。目的は、3月に石垣島で撮れなかった夏の天の川とトンボ類、そしてチョウ類とホタルである。昆虫類は、いずれも沖縄本島でしか見られない種を中心として撮影計画を練った。石垣島では初日を除いて雨だったが、沖縄は2日前に梅雨明けが発表され、連日晴れの予報である。多くを期待しての出発である。
 石垣島は羽田空港からJALで飛んだが、今回は成田空港から格安のpeachにて22日15:25発MM505便で向かった。那覇空港には18:30着。トヨタレンタカーでヤリスを借りて、まずは那覇市内のホテル「西鉄リゾートイン那覇」でチャックイン。天候が悪ければホテルに宿泊したが、見上げれば快晴。部屋に必要のない荷物を置いて、すぐに出発。今夜は車中泊である。

 翌23日は日の出前からやんばる地域でトンボを撮影する計画。那覇からは高速道路を使っても約2時間の道のり。天の川がちょうど良い角度で撮れるのは22時過ぎから。そこで、やんばるに向かう途中で天の川を撮影することにした。沖縄で絶景の星空を眺められるスポットはいくつかあるが、天の川が昇る方向は南東であるから、今回は「古宇利島」から撮ることにした。
 古宇利島は沖縄北部、国頭郡今帰仁村にある小さな島だが、橋が開通しており本島から車で行くことができる。沖縄の人も絶賛するほど透明度が高いエメラルドグリーンの海の上を車で走り抜けることができるが、残念ながら通過時は22時で真っ暗。橋を渡った所の駐車場に止め、早速ビーチに出てみると空には雲が一面に広がっており、星が全く見えない状況。1時間待って雲が切れなければ諦めようと、しばらく車内で待機していたところ、どんどん雲が無くなり満天の星。天の川も肉眼でくっきりと見える。早速、撮影の準備に取り掛かった。
 ここでちょっとした問題発生。カバンからカメラを取り出し三脚に付けるとレンズが曇っている。夜でも30℃の気温。そして何より湿度が高い。拭いてもすぐに曇る。10分ほどすると、やっと曇らなくなり撮影開始。
 翌朝は5時から次の現場で撮影したいので、タイムラプスは撮らず、十カットほどの撮影で終了。トンボが優先なので、星景ロケーションは二の次。個人的感想では、5月に撮った乗鞍高原よりも天の川はよく見えたので、場所を変えれば、更に美しい天の川や星空が見え、撮れるに違いない。
 今回は、単に「沖縄の天の川」を撮っただけ。それでもここ数年撮った天の川の中では一番美しいかも知れない。自身における今後の参考資料として掲載したいと思う。関連写真として、2012年に宮古島で撮影した天の川も掲載した。これは、APS-Cサイズのカメラとマクロ50mmレンズという組み合わせで撮った写真。それでも、ここまで写るのである。いつかまた宮古島に再訪して、フルサイズのカメラと広角レンズで撮り直ししたいと思う。水平線の彼方まで星で輝く光景を残したい。

 次は、沖縄で撮影した昆虫たちを紹介していきたいと思う。

以下の掲載写真は、1920*1280 Pixels で投稿しています。

沖縄の天の川の写真

沖縄の天の川(古宇利島より)
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / バルブ撮影 F2.8 25秒 ISO 2000(撮影地:沖縄県国頭郡今帰仁村/古宇利島 2022.6.22 22:32)

沖縄の天の川の写真

沖縄の天の川(古宇利島より)
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / バルブ撮影 F2.8 25秒 ISO 2000(撮影地:沖縄県国頭郡今帰仁村/古宇利島 2022.6.22 22:23)

沖縄の天の川の写真

沖縄の天の川(古宇利島より)
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / バルブ撮影 F2.8 25秒 ISO 2000(撮影地:沖縄県国頭郡今帰仁村/古宇利島 2022.6.22 22:31)

宮古島の天の川の写真

沖縄の天の川(宮古島より)
Canon EOS 7D / SIGMA MACRO 50mm F2.8 EX DG / バルブ撮影 F2.8 11秒 ISO 6400(撮影地:沖縄県宮古島市 2012.9.08 21:03)

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渋峠より天の川

2022-05-09 16:07:36 | 風景写真/星

 渋峠より天の川を撮影したが、結果から言うと単にそれなりの天の川を撮っただけの失敗であった。

 渋峠より天の川の撮影もこのゴールデンウイーク中の目標であった。渋峠は、長野県の志賀高原と群馬県の草津を結ぶ国道292号線にある峠で、群馬県側には標高2,172mの草津白根山展望台がある。その場所は「日本国道最高地点」でもあり、東の方向に大きく開けており、天の川を撮影するにはもってこいの場所である。渋峠周辺は2012年に紅葉の光景を撮るために訪れており、志賀高原にはトンボやゲンジボタルの観察と撮影で何度も訪れているが、星景写真の撮影では今回が初めての訪問である。

 撮影場所に選んだ草津白根山展望台に駐車できる台数は10台ほど。天の川が昇ってくるのは23時過ぎからであるが、遅く到着して駐車場所がなくなっては元も子もない。ギフチョウ撮影の後は特に予定も入れていなかったため、夕方には現地入りの予定での行動である。
 上信越道の信州中野ICから国道292号線で、まずは志賀高原を目指す。途中の掲示板に「凍結 冬タイヤ必要」の文字。とっくに夏用タイヤに履き替えているが、念のためチェーンを積んであるので安心。蓮池を過ぎると、森の中には雪がかなり残っていた。道路にはまったく雪はないが、横手山のスキー場はまだ滑走可能で、溶けた雪が道路に流れ出ている。これが夜間に凍ったら危険だろう。横手山ドライブインで小休止。ここには「のぞき」という絶景ポイントがあり、特に紅葉に時期はカメラマンに人気がある。私も2012年10月に写真を撮っている。ここから草津白根山展望台までは、県境を越えてすぐである。
 16時に到着。流石にゴールデンウイークの5月5日。次から次へと観光客がやってくる。国道を通る車は、ほとんどが立ち寄って記念写真を撮っていく。ただし1グループの滞在時間は5分ほど。日が暮れると、残ったのは私の車1台だけになった。
 家内からのメールで、義理の母が亡くなったとの知らせが入る。もともと翌6日の早朝に自宅に戻る予定であり、内容から急遽帰る必要はないため、そのまま計画を続行。精神的動揺があったが、その日は3時間も寝ていなかったため、いつの間にか車内で寝落ち。ふと目覚めると午前0時。あわてて車外に出ると横に車が7台ほど。皆、天の川の撮影中であった。

 急いで車の真後ろに三脚を立てカメラをセット。気温は3℃で、手がかじかむ。天の川は、丁度良い感じに斜めに昇っており、乗鞍高原ほどではないが肉眼でしっかりと確認できる。この時期らしさを演出してくれるであろう、まだ雪が多く残る山の斜面を入れながら構図を決める。標高2,000mを越える見晴らしの良い峠ではありがちな光害。眼下の草津温泉の街明かりが少々気になるが、下層雲の上に広がる星空と天の川は、渋峠ならではの光景だろう。しかしながら、今回フィッシュアイ・レンズでも撮影したが、失敗作である。
 星景写真は地上風景と星空を一緒に写したもので、天体だけを写した天体写真とは違う。そこには主役と脇役、或いは点景といったポイントが必要だ。今回は、夜空に浮かぶ天の川の神秘さは表せたように思うが、単に山の上から天の川を写しただけの写真である。この夜は、6日17時頃に活動がピークとなる「みずがめ座η流星群」も収めるチャンスであった。放射点となるみずがめ座が昇ってくるのは午前1時頃。流星が多く見られるのは未明。6日の早朝には自宅に戻るために午前1時に渋峠を後にしなければ、多くの流星を入れることもできたかもしれないが、しずれにせよ、事前の情報収集や撮影場所と位置の考察不足、初訪問でイメージトレーニングもないままの撮影が原因である。予定では、23時半からタイムラプス用の写真も撮ることにしていたが、寝坊してそれもなし。今回は写真2枚のみ「記録」としての掲載としたい。

 来るときは、上信越道の信州中野ICから志賀高原経由で登ってきたが、帰路は草津・嬬恋・軽井沢経由で、碓井軽井沢ICから上信越道、関越道、圏央道、中央道を走って国立で降り、洗車後午前4時半に帰宅した。

以下の掲載写真は、1920*1280 Pixels で投稿しています。写真をクリックしますと拡大表示されます。

渋峠より天の川の写真

渋峠より天の川
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / PRO1D プロソフトン[A](W)使用 / マニュアル露出 F2.8 30秒 ISO 2000(撮影地: 群馬県中之条町 2022.5.06 0:22)

渋峠より天の川の写真

渋峠より天の川
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / SIGMA 15mm F2.8 EX DG DIAGONAL FISHEY / マニュアル露出 F2.8 30秒 ISO 2000(撮影地:群馬県中之条町 2022.5.06 0:34)

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