ホタルの独り言 Part 2

ホタルの生態と環境を52年研究し保全活動してます。ホタルだけでなく、様々な昆虫の生態写真や自然風景の写真も掲載しています

身延山西谷の桜

2018-03-31 15:44:23 | 風景写真/桜

 身延山西谷の桜を撮るため、7年ぶりに当地を訪れた。山梨県にある身延山西谷は久遠寺の宿坊が集まるエリアで、日本さくらの名所100選に選ばれている。「本行坊」「麓坊」「北之坊」など各宿坊の周辺には樹齢数百年を数えるしだれ桜が多数あり、久遠寺の本堂とは違った桜を見ることができる。

 今年は、桜の開花が平年より早い。桜の開花を左右するのは、前年の秋からの気温の推移である。桜の花芽は開花前年の夏につくられるが、 花芽が形成されてもすぐには生長せずに、まず越冬のための休眠に入る。そして、秋から冬にかけて一定の低温にさらされると休眠を打破し、その後生長段階に入り、春先の気温の上昇に伴い開花へ向かって生長する。この時期は気温が高いほど生長度合いも大きくなり、開花が早まるのである。
 関東では、昨年の11月から今年2月にかけて平年より低めの気温で、休眠打破に必要な秋以降の寒さが十分だったため、休眠打破の時期が数日から1週間程度早まった。そして3月に入り、 平年よりかなり高めの気温が続いたために、平年より一週間以上も開花が早く、また開花前後の高温により満開までの日数も平年より短く観測史上3番目に早い満開となった。

 昨年は、長野県中綱湖の桜を撮影したのみ。今年は何か所か巡る予定にしているが、開花が早いと予定していたスケジュールの変更が大変である。30日(金)は、仕事が午前中で終了の日であったため、午後から急遽、山梨県身延町にある身延山久遠寺に行ってみることにした。久遠寺周辺は、この時期一般車の通行が9時~16時まで規制されるので、16時過ぎに到着するようにし、久遠寺近くの有料駐車場に止めた。
 平日の夕方でもあり、花見の観光客はまばら。7年前は早朝から多くのカメラマンがいたが、今回は数人程度。まずは、西谷地区に向かった。満開を少し過ぎて色あせている桜もあるが、山の向こうに沈んだ夕日の間接光で、柔らかい桜色の饗宴を堪能することができた。
 参考までに2011年に撮影した写真2点も掲載した。

お願い:なるべくクオリティの高い写真をご覧頂きたく、1024*683 Pixels で掲載しています。Internet Explorerの画面サイズが小さいと、自動的に縮小表示されますが、画質が低下します。Internet Explorerの画面サイズを大きくしてご覧ください。

身延山西谷の桜写真

身延山西谷の桜
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F3.5 1/30秒 ISO 100 +1 1/3EV(撮影地:山梨県身延町 2018.3.30 17:09)

身延山西谷の桜写真

身延山西谷の桜
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F5.6 1/60秒 ISO 100 -2/3EV(撮影地:山梨県身延町 2018.3.30 16:46)

身延山西谷の桜写真

身延山西谷の桜
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F11 1/13秒 ISO 100(撮影地:山梨県身延町 2018.3.30 16:50)

身延山西谷の桜写真

身延山西谷の桜
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F11 1/13秒 ISO 100(撮影地:山梨県身延町 2018.3.30 16:56)

身延山西谷の桜写真

身延山西谷の桜
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F20 1/5秒 ISO 100 +2/3EV(撮影地:山梨県身延町 2018.3.30 16:58)

身延山西谷の桜写真

身延山西谷の桜(岸之坊)
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 30秒 ISO 100(撮影地:山梨県身延町 2011.4.2)

身延山西谷の桜写真

身延山西谷の桜(岸之坊)
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F2.8 1/40秒 ISO 50 -2/3EV(撮影地:山梨県身延町 2011.4.2)

----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

東京ゲンジボタル研究所 古河義仁/Copyright (C) 2018 Yoshihito Furukawa All Rights Reserved.


大山千枚田の朝景

2018-03-26 22:56:04 | 風景写真/春

 大山千枚田の朝景は2012年4月7日に一度撮影しており、ブログにて「棚田の夜明け」として紹介しているが、今回、棚田と天の川の撮影後に、2012年の時とほぼ同じ場所から大山千枚田の朝の光景を撮影した。
 大山千枚田は、新潟の星峠のような朝霧は期待できないが、棚田の水鏡が作り出す造形が美しい。そこで、なるべく水の張られた田んぼが多く写るようにフレーミングして、夜明け前から日の出を待った。この日は、雲一つない快晴で無風。綺麗な朝焼けはなかったが、夜明け特有の色彩とご来光というドラマチックな瞬間を堪能した。
 一時間ほど撮影した後、次の場所へ移動するためにカメラを片付けて車に乗ろうとしたところ、何と棚田では違う光景が展開していた。昇った太陽が、前日に降った雨で湿った田畑を温め靄が発生。山林を通過する太陽光が光芒となって棚田に降り注いでいたのである。これはチャンスである。急いでカメラをセットし直して撮影した。こうした光景は、星峠でも経験している。(星峠の光芒)ドラマは2度展開する。次に現れるであろう光景を予想して待つことが大切だ。

 今回、一連の撮影中に少々困ったことが起きた。それはドローンである。こちらは、立ち入りを許された範囲内でフレーミングしているが、ドローンは、棚田の上下左右を飛びまわる。こちらのフレーム内で長時間ホバリングもする。法的規制外であっても、操縦者はモラルの欠けた行為を謹んで頂きたい。

お願い:なるべくクオリティの高い写真をご覧頂きたく、1024*683 Pixels で掲載しています。Internet Explorerの画面サイズが小さいと、自動的に縮小表示されますが、画質が低下します。Internet Explorerの画面サイズを大きくしてご覧ください。

大山千枚田の朝景写真

大山千枚田の朝景
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / EF17-35mm f/2.8L USM / 絞り優先AE F11 30秒 ISO 100(撮影地:千葉県鴨川市 2018.3.25 5:02)

大山千枚田の朝景写真

大山千枚田の朝景
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / EF17-35mm f/2.8L USM / 絞り優先AE F11 1/80秒 ISO 100(撮影地:千葉県鴨川市 2018.3.25 5:50)

大山千枚田の夜明けの写真

大山千枚田の夜明け
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F11 1/125秒 ISO 100(撮影地:千葉県鴨川市 2018.03.25)

大山千枚田の朝の光芒写真

大山千枚田の朝景
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F11 1/125秒 ISO 100(撮影地:千葉県鴨川市 2018.3.25 6:21)

----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

東京ゲンジボタル研究所 古河義仁/Copyright (C) 2018 Yoshihito Furukawa All Rights Reserved.


大山千枚田と天の川

2018-03-25 22:06:21 | 風景写真/星

 棚田と天の川を撮るために千葉県鴨川市の大山千枚田へ。

 大山千枚田は、面積約4ヘクタールの急傾斜地に、階段のように連なる大小375枚の日本で唯一雨水のみで耕作を行っている棚田で、1999年に農林水産省の日本の棚田百選に認定されており、文化庁の文化的景観の保存・活用事業の対象地域になっている。また、2002年には千葉県指定名勝に指定されている。
 これまで何回も訪れているが、今回初めて星空、特に横たわる天の川と棚田を撮ろうと計画していた。構図の位置関係から3月下旬から4月上旬の間で月がない晴れた夜を待っていると、早速チャンスに恵まれた。現地には、24日の21時に到着。半月が真上に輝いていたが、午前0時過ぎには西に沈む。そして午前1時半から撮影を開始した。今回もタイムラプス動画作成用に30秒おきに30秒露光の写真を90カット撮影した、
 大山千枚田では、天の川が水の張られた田んぼへ映り込むことを期待したが、星のいくつかは映り込んだものの、棚田を照らす街灯による光害や棚田の位置関係から、天の川の映り込みは叶わなかった。しかしながら、東の空に横たわる天の川と棚田の様子は撮ることができた。
 まだまだ課題の多い星空撮影であるが、今後も様々な場所において、風景・光景としての作品を目指して撮っていきたい。尚、掲載のタイムラプス動画は、先週末に本栖湖で撮影した「富士と天の川」とともに編集した。

棚田と天の川に関する関連記事

以下の掲載写真は、1920*1280 Pixels で投稿しています。写真をクリックしますと別窓で拡大表示されます。 また動画においては、Youtubeで表示いただき、HD設定でフルスクリーンにしますと高画質でご覧いただけます。

大山千枚田と天の川の写真
大山千枚田と天の川
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / バルブ撮影 F2.8 30秒 ISO 1000 / PRO1D プロソフトン[A](W)使用(撮影地:千葉県鴨川市 2018.3.25 2:27)
大山千枚田と天の川の写真
大山千枚田と天の川
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / バルブ撮影 F2.8 30秒 ISO 1000 / PRO1D プロソフトン[A](W)使用(撮影地:千葉県鴨川市 2018.3.25 2:5)
大山千枚田と天の川の写真
大山千枚田と天の川
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / バルブ撮影 F2.8 30秒 ISO 1000 +2/3EV(撮影地:千葉県鴨川市 2018.3.25 3:20)
大山千枚田と天の川の写真
大山千枚田と天の川
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / SIGMA 15mm F2.8 EX DG DIAGONAL FISHEYE / バルブ撮影 F2.8 30秒 ISO 1000 +1/3EV(撮影地:千葉県鴨川市 2018.3.25 4:00)
大山千枚田と天の川(タイムラプス動画)

----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

東京ゲンジボタル研究所 古河義仁/Copyright (C) 2018 Yoshihito Furukawa All Rights Reserved.


木下沢梅林

2018-03-19 18:13:24 | 風景写真/春

 木下沢梅林は、東京都八王子市裏高尾にある「高尾梅郷」の1つ。高尾梅郷は、旧甲州街道と小仏川に沿う4.5キロメートル区間に遊歩道梅林・関所梅林・天神梅林・荒井梅林・湯の花梅林・木下沢梅林・小仏梅林があり、合計約1万本の色とりどりの梅が咲くが、中でも木下沢梅林は、約1,400本もの紅梅・白梅が山の斜面に咲き誇る。今回、6年ぶりに訪れてみた。

 木下沢梅林は、例年3月下旬頃が見頃となるが、今年は早くちょうど満開。3月10日(土) ~ 3月25日(日) 各日の午前10時~午後4時が特別解放日となっていて、梅林の中を散策できるが、本栖湖で天の川を撮影後に移動したので、到着は午前5時。梅林の外から撮るしかないが、すでに多くのカメラマンがおり、皆、思い思いの場所に三脚を立ててスタンバイしていた。筆者も、かつて撮影した場所と同じような所から狙うことにした。何度も通って色々と撮影した経験上、このポイントからの光景が個人的には気に入っている。
 気温1℃。雨の翌日の晴れ。期待した朝霧は出なかったが、徐々に当たる朝日に輝く白梅に、紅梅が色を添えて美しい。カメラマンも増えて60人以上。三脚がズラリと並び場所を変えることもできない。結局、同じ場所にて小一時間撮影して引き上げた。

 木下沢梅林の梅の開花もそうだが、今年は「桜」の開花も早いと言われている。関東近辺の桜をいくつか撮りたいと思っているが、開花時期が例年と違うと予定が立てにくい・・・

参照

お願い:なるべくクオリティの高い写真をご覧頂きたく、1024*683 Pixels で掲載しています。Internet Explorerの画面サイズが小さいと、自動的に縮小表示されますが、画質が低下します。Internet Explorerの画面サイズを大きくしてご覧ください。

木下沢梅林の写真

木下沢梅林
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F6.3 1/30秒 ISO 100 +1/3EV(撮影地:東京都八王子市 2018.3.17 6:28)

木下沢梅林の写真

木下沢梅林
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F6.3 1/40秒 ISO 100 +1EV(撮影地:東京都八王子市 2018.3.17 6:45)

木下沢梅林の写真

木下沢梅林
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F22 0.6秒 ISO 100 -1/3EV(撮影地:東京都八王子市 2012.4.01)

木下沢梅林の写真

木下沢梅林
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F6.3 1/80秒 ISO 100(撮影地:東京都八王子市 2018.3.17 6:51)

木下沢梅林の写真

木下沢梅林
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/20秒 ISO 100 -1EV(撮影地:東京都八王子市 2018.3.17 5:32)

木下沢梅林の写真

木下沢梅林
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F6.3 1/15秒 ISO 100 +1 1/3EV(撮影地:東京都八王子市 2018.3.17 6:55)

----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

東京ゲンジボタル研究所 古河義仁/Copyright (C) 2018 Yoshihito Furukawa All Rights Reserved.


富士と天の川(本栖湖)

2018-03-17 17:29:46 | 風景写真/星

 富士と天の川を撮るために本栖湖へ

 天の川は、およそ2000億の恒星が集まって形成する銀河系(天の川銀河)のことであり、太陽系はその一部であるから銀河系を内部から見ている光景になる。天の川は、英語でMilky Way(ミルキーウェイ)とも言われ、夜空を横切るように存在する雲状の光の帯が特徴的だが、これは太陽系から銀河系の中心方向をみた天の川の光景で、いわゆる「夏の天の川」である。一方、銀河系の中心とは反対側を見た場合(冬の天の川)は、無数の星の帯ではあるが雲状ではない。今年、長野県の開田高原(開田高原の星空)と栃木県の戦場ヶ原(戦場ヶ原の星景)にて撮影したのは、冬の天の川である。
 冬の天の川も美しいが、やはり雲状の夏の天の川を綺麗に撮っておきたい。夏の天の川は、2月半ば頃になると午前3時頃から東の地平線から昇ってくるようになり、一か月ごとに昇ってくる時間が1時間ずつ早くなる。月明りや町等の光害が少ない晴天であれば、撮影することができる。できれば天の川だけではなく、絵になる風景として何かとセットで撮りたい。

 3月16日(金)雨。翌土曜日は新月で、天気予報も晴れであるが、撮影場所の決定には、何時から雨が止むかが重大な問題である。1時間ごとの天気予報とGPV気象予報をチェックしながら、急遽、山梨県の本栖湖に行ってみることにした。
 16日19時半。会社を退勤後、自宅には戻らずそのまま本栖湖へ直行。現地には22時半に到着したが、雨と霧。星どころか富士山も見えない。午前1時から晴れという予報を信じて仮眠。1時半に起きると、予報通りに晴れており、星が瞬いている。早速、撮影開始である。今回も、ソフトフィルターを使用してみた。30秒ごとに30秒露光を90カット撮影するようにタイマーをセット。気温がマイナス2℃であったから、後は車内で待機。インターバル撮影は、タイムラプス動画にし、またソフトフィルターを外して撮影したものも掲載した。個人的には、ソフトフィルターを付けない方が、シャープで良いと思う。ただ、この本栖湖では東方向に東京の街明りがあり、光害がまったくないわけではない。肉眼では天の川をほとんど確認することができなかった。写真ならではの光景であることを付け加えたい。

参照

以下の掲載写真は、1920*1280 Pixels で投稿しています。写真をクリックしますと拡大表示されます。また動画においては、Youtubeで表示いただき、HD設定でフルスクリーンにしますと高画質でご覧いただけます。

本栖湖から富士と天の川の写真
本栖湖から富士と天の川
Canon EOS 7D / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / 絞り優先AE F2.8 30秒 ISO 1250 / PRO1D プロソフトン[A](W)使用(撮影地:山梨県身延町 2018.3.17 3:19)
本栖湖から富士と天の川の写真
本栖湖から富士と天の川
Canon EOS 7D / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / 絞り優先AE F2.8 30秒 ISO 1250 *1EV(撮影地:山梨県身延町 2018.3.17 3:19)
星空タイムラプス動画
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / EF17-35mm f/2.8L USM

----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

東京ゲンジボタル研究所 古河義仁/Copyright (C) 2018 Yoshihito Furukawa All Rights Reserved.


この冬を振り返って

2018-03-14 17:34:51 | 風景写真/霧氷

 3月頃から11月頃までは、主としてチョウやトンボなどの昆虫を、その時期以外は自然風景写真を撮影しているが、晩秋から早春という季節柄、霧氷風景を追いかけることが多い。とは言っても、出かければ撮影できるものでもないから、年によっては、2~3ヶ月出掛けないこともある。2016年の11月から2017年3月を思い起こすと、その間で7回しか出かけておらず、しかも、結果である写真は駄作ばかりであった。寒さに負けて、自分自身で適当な言い訳をしたのだから当然かも知れない。
 今季はどうかと言えば、13回の遠征で、霧氷、星空、水没林・・・その結果も、ある程度自己満足できるものであった。振り返れば、例年、一人で出かけることが多いが、今季は半分以上の遠征に写友S氏に同行頂いたことが成果に結び付いているように思う。例えば、先週末の「小田代ヶ原の霧氷」は、暗い時間から林道を3.7km歩かなければならない。一人では、無理だったかも知れない。この場を借りて御礼申し上げたい。

 本時期に掲載した写真は、今季に撮ったものではなく、過去に撮影した「冬の光景」から未掲載の写真を選んで載せたが、これらの写真をもって今季を締めくくりたいと思う。今週末からは、梅林、桜・・・春の景色を求めて出掛けようと思う。そして2018年の撮影目標を達成すべく楽しみたいと思う。

お願い:なるべくクオリティの高い写真をご覧頂きたく、1024*683 Pixels で掲載しています。Internet Explorerの画面サイズが小さいと、自動的に縮小表示されますが、画質が低下します。Internet Explorerの画面サイズを大きくしてご覧ください。

富士と霧氷の写真

富士と霧氷
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F11 1/10秒 ISO 100 +2EV(撮影地:長野県塩尻市 2012.12.02 7:29)

霧氷の写真

霧氷
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F11 1/5秒 ISO 100 +1 2/3EV(撮影地:長野県塩尻市 2012.12.02 8:02)

霧氷と北アルプスの写真

霧氷と北アルプス
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F11 2秒 ISO 100 +1EV(撮影地:長野県塩尻市 2012.12.02 6:43)

霧氷と北アルプスの写真 Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F11 0.5秒 ISO 100(撮影地:長野県塩尻市 2012.12.02 6:41)

霧氷の写真 Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F11 1秒 ISO 100(撮影地:長野県茅野市 2016.1.31 9:52)

----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

東京ゲンジボタル研究所 古河義仁/Copyright (C) 2018 Yoshihito Furukawa All Rights Reserved.


小田代ヶ原の霧氷

2018-03-12 20:25:57 | 風景写真/霧氷

 小田代ヶ原の霧氷を撮るために、2010年から通うこと7回目。ようやく撮影することができた。(11月の霧氷はこちら”小田代ヶ原/幻の湖「小田代湖」と貴婦人”)

 小田代ヶ原は、栃木県日光市の日光国立公園内にある標高およそ1,400mの湿原で、面積は隣接する戦場ヶ原の約4分の1ほど。自然豊かでラムサール条約にも登録され、多くの野鳥や花々を見ることができるだけでなく景観も美しい。小田代ヶ原は四季折々に美しい表情を見せるが、霧氷の光景は特に幻想的であり、筆者は、その光景を撮るために2010年から毎年のように通った。2011年には、幻の湖「小田代湖」が出現。霧氷と水鏡の光景を求めて行ったが、叶わなかった。その後も、タイミングが合わず霧氷には出会えていなかった。
 小田代ヶ原のような湿原の霧氷は、霧ヶ峰などの高原霧氷とは、付くための条件が異なり「高い湿度と放射冷却」が大きなポイントになる。空気中の水分が、強い冷え込みによって木々に氷の結晶として付着するが、気象状況としては、雨が降った後日、西高東低が崩れて移動性高気圧に広く覆われることが必要だ。湿度が高く快晴無風の状態が夕方から翌朝まで続けば、放射冷却状態となり強い冷え込みとなって霧氷が付く。ただし、これは経験上の推測で、霧氷が付くという確証はない。今回、この条件が筆者の休日と重なったため、またとないチャンスに恵まれた。

 今月、8日と9日にかなりまとまった雨が降った。気温が高く、奥日光も雨である。10日は天気が回復するが、西高東低の気圧配置で平均風速6m。予想天気図を見ると11日は移動性高気圧に広く覆われ、奥日光の最低気温も氷点下の予報。将に絶好のチャンスである。
 戦場ヶ原に20時過ぎに到着すると快晴無風。気温はマイナス1℃であったが、快晴無風の状態が翌朝も続き、4時でマイナス7℃まで下がった。準備をして出発。この時期、小田代ヶ原までは、片道およそ3.7kmを歩いて行かなければならない。冷えた体も温まる距離である。懐中電灯を照らしながら歩いていくと、多くの木々に細かい氷の結晶が付いているのが分かった。50cmほど雪の積もった遊歩道で夜明けを待つ。撮影者は、一緒に行った写友のS氏と二人だけ。気温は、マイナス10℃。眉毛が白くなった。
 周囲が白々してくると、気温は更に下がりマイナス14℃。湿原の中央に生えている「小田代原の貴婦人」と呼ばれ人気を集めている1本のシラカンバの木とその周囲のカラマツが霧氷で何となく白く見える。推測は的中したようだ。朝日が差し始めると木々は白く輝き始め、より一層美しさを増した。
 訪問時は、霧の発生がなく、また朝日が男体山の右肩から顔を出すため、霧氷の列を幻想的に浮かび上がらせることはなかったが、これまでの苦労が報われる瞬間に違いはない。一期一会の光景に出会えたことに感謝したい。
 今回は、3月という時期であったが、小田代ヶ原の霧氷が一番美しい秋に、また挑戦したい。

関連投稿記事:小田代ヶ原/幻の湖「小田代湖」と貴婦人

以下の掲載写真は、1920*1280 Pixels で投稿しています。写真をクリックしますと別窓で拡大表示されます。

小田代ヶ原の霧氷写真
小田代ヶ原の霧氷
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/25秒 ISO 100(撮影地:栃木県日光市 2018.3.11 6:18)
小田代ヶ原の霧氷写真
小田代ヶ原の霧氷
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/160秒 ISO 100(撮影地:栃木県日光市 2018.3.11 6:52)
小田代ヶ原の霧氷写真
小田代ヶ原の霧氷
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/160秒 ISO 100(撮影地:栃木県日光市 2018.3.11 6:52)
小田代ヶ原の霧氷写真
白樺霧氷
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F10 1/100秒 ISO 100 +1/3EV(撮影地:栃木県日光市 2018.3.11 7:12)
小田代ヶ原の霧氷写真
霧氷(小田代ヶ原)
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F10 1/80秒 ISO 100 +2/3EV (撮影地:栃木県日光市 2018.3.11 7:44)
氷の結晶をまとった枝の写真
氷の結晶をまとった枝
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/200秒 ISO 100 -1/3EV(撮影地:栃木県日光市 2018.3.11 4:49)

----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

東京ゲンジボタル研究所 古河義仁/Copyright (C) 2018 Yoshihito Furukawa All Rights Reserved.


戦場ヶ原の星空

2018-03-11 20:24:18 | 風景写真/星

 戦場ヶ原の星空は、昨今、撮影した地域に比べて見える星の数が格段に多い。光害が極めて少ない範囲が広いため、東京都心から一番近い星景撮影や星の観測に適した場所と言えよう。奥日光を訪れた目的は、次項で紹介する「小田代ヶ原の霧氷」であるが、快晴無風の前夜に美しい星景撮影を楽しんだ。
 撮影日は、午前2時に東の空から月齢23.6の月が昇ってくることから「夏の天の川」の撮影は望めないため、月のない時間帯に北西の空に見える「冬の天の川」へカメラを向けた。今回、光の美しいにじみ効果を発揮するソフトフィルターを初めて使用してみた。星景写真では、ソフトフィルターで明るい星をぼかすことが良く行われているという。写真1と2がフィルターありで、写真3がフィルターなしである。
 ISO感度、絞り値、露光時間ともに同じであるが、それなりの効果は出ているように思う。フィルターなしの方はシャープな画像であり、星と共に星以外の風景を写し込むには良い。結果は、好みの問題であろう。今年は、星景写真の数を増やしていきたいと思うので、色々と学びながら挑戦していこうと思う。

以下の掲載写真は、1920*1280 Pixels で投稿しています。写真をクリックしますと別窓で拡大表示されます。

戦場ヶ原の星景写真
戦場ヶ原の星空
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / EF17-35mm f/2.8L USM / バルブ撮影 F2.8 30秒 ISO 800 PRO1D プロソフトン[A](W)使用(撮影地:栃木県日光市/ 2018.3.10 20:41)
戦場ヶ原の星景写真
戦場ヶ原の星空(冬の天の川)
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / EF17-35mm f/2.8L USM / バルブ撮影 F2.8 30秒 ISO 800 PRO1D プロソフトン[A](W)使用(撮影地:栃木県日光市 2018.3.10 20:51)
戦場ヶ原の星景写真
戦場ヶ原の星空(冬の天の川)
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / EF17-35mm f/2.8L USM / 絞り優先AE F2.8 30秒 ISO 800(撮影地:栃木県日光市 2018.3.10 21:36)

----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

東京ゲンジボタル研究所 古河義仁/Copyright (C) 2018 Yoshihito Furukawa All Rights Reserved.