グラーフが久しぶりに新譜を出した。バッハのフルートソナタで3度目の録音で、76歳とは思えぬ演奏である。
ペーター=ルーカス・グラーフ(Peter-Lukas Graf, )は1929年、スイス・チューリッヒ生まれ。フルートをアンドレ・ジョネ、マルセル・モイーズ、ロジェ・コルテに、また指揮法をウジェーヌ・ビゴに学ぶ。1950~1956年ヴィンタートゥーア市立管弦楽団、1951年ルツェルン音楽祭管弦楽団で首席フルート奏者を務める。1953年ミュンヘン国際音楽コンクールで優勝している。
グラーフのフルートは、ランパルのような流麗さはなく、ニコレの柔らかさもなく、ゴールウェイのような輝きもない。最低音から最高音まで粒の揃った芯の太い音が、完璧主義とドイツ的な強めのタンギングで響き渡る。初めてグラーフの演奏を聴いた時、曲はマレー/ラ・フォリアとオネゲルの牝山羊の踊りだったと思うが、これがフルートの音なのか?と思うほど圧巻だった。そんなグラーフが、バッハのフルートソナタの新譜を出してきた。今回は、娘さんのピアノとの競演である。引き込まれるほどのものはないが、グラーフ特有の歌い回しと装飾は健在で、76歳とは思えない演奏である。また、チェンバロではなく、ピアノのオブリガートも違和感がなく聴くことができた。
ペーター=ルーカス・グラーフ(Peter-Lukas Graf, )は1929年、スイス・チューリッヒ生まれ。フルートをアンドレ・ジョネ、マルセル・モイーズ、ロジェ・コルテに、また指揮法をウジェーヌ・ビゴに学ぶ。1950~1956年ヴィンタートゥーア市立管弦楽団、1951年ルツェルン音楽祭管弦楽団で首席フルート奏者を務める。1953年ミュンヘン国際音楽コンクールで優勝している。
グラーフのフルートは、ランパルのような流麗さはなく、ニコレの柔らかさもなく、ゴールウェイのような輝きもない。最低音から最高音まで粒の揃った芯の太い音が、完璧主義とドイツ的な強めのタンギングで響き渡る。初めてグラーフの演奏を聴いた時、曲はマレー/ラ・フォリアとオネゲルの牝山羊の踊りだったと思うが、これがフルートの音なのか?と思うほど圧巻だった。そんなグラーフが、バッハのフルートソナタの新譜を出してきた。今回は、娘さんのピアノとの競演である。引き込まれるほどのものはないが、グラーフ特有の歌い回しと装飾は健在で、76歳とは思えない演奏である。また、チェンバロではなく、ピアノのオブリガートも違和感がなく聴くことができた。