ホタルの独り言 Part 2

ホタルの生態と環境を52年研究し保全活動してます。ホタルだけでなく、様々な昆虫の生態写真や自然風景の写真も掲載しています

イロハモミジの紅葉

2020-11-29 16:57:06 | 風景写真/紅葉

 イロハモミジ Acer palmatum Thunberg in Murray (1784) は、ムクロジ科カエデ属の落葉高木。英名は Japanese maple。イロハカエデ(いろは楓)などとも呼ばれ、 我が国では最もよく見られるカエデ属の種で、紅葉の代表種である。
 関東では、千葉の房総半島などの一部を除き、紅葉の季節は終わってしまったが、過去撮影の写真の中からイロハモミジの紅葉に絞って、本ブログでは未掲載のものを中心に現像してみたので掲載したい。
 何か心に残るものがあり撮影したが、当時使用していた現像ソフトである Canon の Digital Photo Professional では上手く現像できずにお蔵入りしているRAWデータ。現在使っている Adobe Lightroom で現像してみると当時の過去の気持ちを蘇らせてくれた。

 早いもので12月も目前である。時節柄、撮影対象が少ないのでブログの更新は少なくなるが、12月中頃には、最後の大イベントを予定し、天候次第では霧氷との出会いも叶うので、ゆっくりとチャンスを待ちたいと思う。
 前立腺がんの全摘手術から2年が経とうとしているが、今は、新型コロナウイルス感染症の第3波で、連日、新規陽性者数、重症患者数が最多を更新する状況であるから、自身の体調を管理し感染防止に留意しながら、最後の月を無事に過ごし、一年を締めくくりたいと思う。

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イロハモミジ(紅葉)の写真

イロハモミジの紅葉
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F3.2 1/13秒 ISO 100 CPLフィルター使用(撮影地:東京都檜原村 2013.12.08)

イロハモミジ(紅葉)の写真

イロハモミジの紅葉
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F3.2 1/13秒 ISO 100 CPLフィルター使用(撮影地:東京都檜原村 2013.12.08)

イロハモミジ(紅葉)の写真

イロハモミジの紅葉
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F5.6 0.3秒 ISO 100 +1/3EV CPLフィルター使用(撮影地:東京都青梅市 2014.11.24)

イロハモミジ(紅葉)の写真

イロハモミジの紅葉
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F2.8 1/80秒 ISO 100 -1/3EV CPLフィルター使用(撮影地:千葉県大多喜町 2013.12.01)

イロハモミジ(紅葉)の写真

落葉と流れ
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F22 6秒 ISO 100 -1EV(撮影地:静岡県河津町 2012.1.2)

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霧氷に魅せられて

2020-11-23 18:39:20 | 風景写真/霧氷

 霧氷に魅せられて、この11年の間、様々な場所で何百枚と霧氷の写真を撮ってきた。撮影地を思い起こして列挙してみると以下になる。

  • 山梨県山中湖村
  • 山梨県北杜市/清里
  • 静岡県裾野市
  • 栃木県日光市/小田代ヶ原
  • 長野県軽井沢町
  • 長野県松本市/上高地
  • 長野県松本市/美ヶ原高原
  • 長野県塩尻市/高ボッチ高原
  • 長野県茅野市/蓼科高原
  • 長野県諏訪市/霧ヶ峰高原

 霧氷は、着氷現象の一種で、氷点下の環境で樹木に付着して発達する白色や半透明の結晶構造が顕著な氷層の総称である。蔵王や北八ヶ岳等で見られる樹木が完全に氷や雪によって覆われた樹氷とは異なる。
 霧氷は、場所によって付く条件が異なっている。例えば、小田代ヶ原では、湿度が高く、夜半から快晴無風で、夜明けは放射冷却で氷点下になることが条件になる。天気図では、西高東低が崩れた後、高気圧に広く覆われることが必要である。開田高原や上高地も同様の条件であり、上高地の田代池の霧氷を撮影した時は、マイナス23℃にもなった。一方、美ヶ原高原や霧ヶ峰高原では、気温が氷点下で、夜半に上空を低気圧が通過し天気が荒れることが条件になる。或いは、気温が氷点下で、湿度が高く霧が発生した時、霧が風によってカラマツ等の木々に吹き付けられれば霧氷が付く。文字通り「霧氷」である。朝には晴れていれば撮影的には最も良い。
 霧氷が見られる期間は、おおむね11月上旬頃から3月中旬頃までで、乾燥する2月にはあまり見ることができない。この霧氷が付く条件と私の休日が合致しなければ撮ることができないが、昨年から今年にかけては、稀に見る暖冬でチャンスが一回も訪れなかった。
 この冬はどうであろうか?昨年に比べれば寒い冬という予報に期待したいところだが、2017年は11月19日に霧氷を撮影した美ヶ原高原。アクセスするビーナスラインは、今年は11月25日で冬期通行止めになるため、21日~23日の連休が自家用車で行けるラストチャンスであったが、気温と天候条件が合わない。王ヶ頭ホテルのブログを拝見しても、霧氷が付いた朝はない。
 他の撮影地へは、上高地を除けばポイントまで自家用車で行けるので、これからが本番になるが、今季は今までとは違った霧氷の光景を撮りたい。「水鏡に映るカラマツ霧氷」と「毛嵐と霧氷」この2枚である。水鏡と霧氷は、池が凍ってしまう前に霧氷が付かねば撮ることができない。毛嵐は、無風快晴、放射冷却で氷点下15℃以下という条件。前述は、池が凍った時には撮っており、後述は撮ったもののCFカードの不具合で保存されていなかった。どちらもリベンジである。勿論、ダイヤモンドダストとサンピラーが見られるならば、これまでとは違った構図で撮りたいと思っている。
 霧氷の季節は始まったばかりである。運よくチャンスが訪れることを天に祈りながら待ちたいと思う。

 以下に掲載した霧氷の写真は、2011年1月3日に山中湖の別荘地において初めて霧氷を撮影した思い出深い写真と2012年12月2日に塩尻市の高ボッチ高原に前日入り、車中泊で早朝から撮影した中からの蔵出し写真である。この日、もし霧氷が付いていなければ、午前8時頃に起こった中央道の笹子トンネル崩落に巻き込まれて死んでいたかもしれない。今でも「奇跡の絶景」に感謝している。(高ボッチでの他の写真は、ブログ検索窓に「高ボッチ」と入れて頂くと見ることができる。)

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霧氷(山中湖村にて)
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F11 1/5秒 ISO 100 +1/3EV(撮影地:山梨県山中湖村 2011.1.03)

霧氷の写真

霧氷(高ボッチ高原)
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F11 1/15秒 ISO 100 +1EV(撮影地:長野県塩尻市/高ボッチ高原 2012.12.02 7:22)

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龍ヶ窪の水景

2020-11-19 21:49:37 | 風景写真/湖沼

 龍ヶ窪は、竜の伝説が残る決して濁ることのない神秘の池である。

 龍ヶ窪は、新潟県津南町の標高450m付近の河岸段丘地にあり、苗場溶岩層とその下の魚沼層群との境から湧水で、水量毎分30トン、日量43,000トンの池の水が1日に1回入れ替わり、決して濁ることがないと言われている。池の周辺の林相が変化に富み自然環境がすぐれていることから、1974年に新潟県の自然環境保全地域に指定され、1985年には環境省名水百選に選定されている。
 この地域には河川が無く、水利用は全てこの地域一帯の湧水群に頼っている。この龍ヶ窪には多くの昔話が存在し、これを守る2つの集落はそれぞれの神社を有し、毎年7月に祭礼を行っている極めて神聖な池である。

 津南町には「中子の桜」やトンボの撮影で何度も訪れており、龍ヶ窪の存在も知ってはいたが未訪問であった。リサーチでは、新緑の季節の早朝の光景が美しいようだが、今回はロケハンのつもりで寄ってみた。
 十日町の星峠で星景を撮り終え、道の駅 「信越さかえ」で車中泊。翌朝は6時に龍ヶ窪の駐車場に止めて散策を開始した。津南は、季節の進み具合が早いようで、紅葉はほとんど終わりの状態。天気は良いが風が強く、冬の到来を感じた。遊歩道をゆっくりと歩きながらロケハンしたが、なかなか絵になる場所がない。新緑や紅葉のピークならば美しいだろうと想像できるが、岐阜県の「モネの池」を訪れた時の気持ちと同じで現実の光景には感動が湧いてこなかった。「美しいものを 一番美しい時に 美しく写す。」がモットーであるが、美しい時に訪れなければ、それは叶わない。それでも、この日この時に一番美しいと感じた部分にカメラを向けてシャッターを切った。次回は、新緑の季節に是非訪れたいと思う。
 龍ヶ窪には、5月頃には相当数のクロサンショウウオが繁殖するため池に集まり産卵を行うようであり、梅雨前にはモリアオガエルの卵塊が無数にみられ、湧水口には化石昆虫と呼ばれているトワダカワゲラが多産するというから、それも楽しみである。

 今回は、写真と同じカットを動画でも撮影したので、癒しの音楽を添えて編集した。動画の方が、現実的な美が伝わるかも知れない。

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龍ヶ窪の水景
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F5.6 1.3秒 ISO 100 +2/3EV(撮影地:新潟県津南町 2020.11.15 6:43)

龍ヶ窪の写真

龍ヶ窪の水景
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F3.5 1/4秒 ISO 100 +1EV(撮影地:新潟県津南町 2020.11.15 7:00)

龍ヶ窪の写真

龍ヶ窪の水景
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F3.5 1/4秒 ISO 100 +1EV(撮影地:新潟県津南町 2020.11.15 7:01)

龍ヶ窪の水景(BGM付き)
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO(撮影地:新潟県十日町市 2020.11.15)

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星峠の棚田と星空

2020-11-17 21:25:55 | 風景写真/星

 星峠の棚田と星空を撮ることが、今回の新潟遠征の一番の目的であった。

 星峠は、新潟県十日町市松代地域にある棚田で、大小様々な棚田およそ200枚が斜面に広がっている。 秋から春にかけて、降った水や雪融け水をためておく秋田、あるいは秋代と呼ばれる農法を行っているため、稲刈り後しばらくすると田んぼに水が張られる。冬は雪で閉ざされるが、雪解後は、また田んぼは水で満たされ水鏡が輝く。この地域は雲海も発生しやすいため絶景スポットとして全国に知られており、私も2013年の5月に「水鏡の水田と朝霧」と「光芒」を撮影している。
 昔は、単に「峠の棚田」と言っていたらしいが、平成の合併で他地域の同じ地名との混同を避けるため「峠」から「星峠」に変わったという。展望が良く、夜には星々も良く見えることからだろう。2018年4月には「星峠より天の川」を撮影しブログに掲載しているが、この時期の天の川(夏の天の川)は南東方向に昇るため、表題のように単に峠から天の川を撮っただけで「星峠」の特徴である棚田が写し込まれていない。壮大な夏の天の川とのコラボレーションは無理でも、満天の星が夜の水田に映る様子、これが「星峠の棚田と星空」だという写真をいつか撮ろうと思っていた。
 水鏡の棚田と星を撮るには、田んぼに水が張られ、空気の澄んだ秋しかない。しかし、新潟県はなかなか晴れない。晴れても、月がなく、無風でなければならないし、私の休日とも合致しなければ撮影は不可能であるが、ようやく14日の夜にそのチャンスが訪れた。

 日没時間は16時32分。快晴ゆえに夕焼けはなかったが、目的は星々。気温は3℃まで下がった、ゆっくりと暮れる空を眺めながら、星が輝き始めるのを待って撮影開始。
 20時を過ぎると風も出てきて水鏡ではなくなってきたため、また次の予定もあったので星峠を引き上げた。帰宅後に現像してみると、星景作品としては細かな課題が山積であるが、星峠の棚田と星空という目標だけは達成できた。

 11月12日ごろが極大とみられるおうし座北流星群だろうか、撮影中にいくつかの流星が横切り、一つは明るい火球であったが、残念ながらフレーム外。今年の12月には、ふたご座流星群が好条件のもとで見られるので、どこで星景として捉えるか思案中である。候補としては、これまでの星景撮影の経験から、光害がほとんどなく星が奇麗に見える場所の中から選択しようと思うが、撮影を含め、すべては天気次第である。

関連ブログ記事

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星峠の星空の写真

星峠(棚田と星空)
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / バルブ撮影 F2.8 45秒 ISO 1600(撮影地:新潟県十日町市 2020.11.14 17:46)

星峠の星空の写真

星峠(棚田と星空)
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / バルブ撮影 F2.8 41秒 ISO 2000(撮影地:新潟県十日町市 2020.11.14 18:28)

星峠の星空の写真

星峠(棚田と星空)
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / バルブ撮影 F2.8 41秒 ISO 2000(撮影地:新潟県十日町市 2020.11.14 1:41)

星峠の星空の写真

星峠(棚田と星空)
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / バルブ撮影 F2.8 47秒 ISO 2000(撮影地:新潟県十日町市 2020.11.14 18:54)

星峠の星空の写真

星峠(棚田と星空)
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / バルブ撮影 F2.8 53秒 ISO 2000(撮影地:新潟県十日町市 2020.11.14 18:58)

星峠から星空の写真

星峠から星空
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / バルブ撮影 F2.8 18秒 ISO 2000(撮影地:新潟県十日町市 2020.11.14 20:01)

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晩秋の美人林

2020-11-15 16:51:08 | 風景写真/秋

 晩秋の美人林を訪ねて新潟県十日町市へ。

 南か、北か・・・和歌山にサツマシジミを撮りに今期3度目の挑戦をするか、あるいは新潟に風景写真を撮りに行くか?今回も悩んだが、一か八かの大遠征は諦め、新潟の十日町市にある「星峠」で星景を撮ることにした。私の休日と新潟の晴れが合致する確率は低くいが、運よく14日(土)の夜は快晴の予報。月もなく絶好の星景日和である。
 自宅を午前10時に出発。しばらく一般道を走り、圏央道青梅ICから高速に乗った。鶴ヶ島JCから高坂SAまで渋滞。秩父や長瀞辺りの紅葉が奇麗なんだろう花園ICも出口で渋滞していた。そう言えば、ここ数年まともに紅葉の写真を撮っていない。今回、星峠の撮影だけでも良かったが、時間もあるため、紅葉のピークは過ぎていることを承知で「美人林」に、まず立ち寄る計画にした。
 美人林は、新潟県十日町市松之山の丘陵に約3万平方メートルにわたって樹齢90年ほどのブナの木が生い茂る林である。昭和初期、木炭にするため、この辺りのブナはすべて伐採され原野となったが、その後、全てのブナがまっすぐ均一に成長し、幹の太さや高さが整って、すらりとした立ち姿が美しい林になったと言われる。

 美人林を訪れるのは、これで5回目。春の残雪と新緑、緑豊かな頃や秋雨降る紅葉の最盛期にも訪れている。いつもは早朝の訪問だが、今回は午後の太陽が傾いた頃にした。
 予想通りに美人林は晩秋の装い。時折、林の中を吹き抜ける風に、葉がひらひらと舞ってくる。シャンソンの代表的な楽曲「枯葉」(Les Feuilles mortes )のメロディーが浮かぶが、ここは和テイストを感じて撮影。枯葉の美しさを引き立てたことで、今まで撮ったことがない「美人林」の光景を収めることができたと思う。
 参考までに、過去に撮影した違う季節の写真3点も併載しておきたいと思う。本格的な紅葉の写真は、来年、「秋山郷」で撮ることにしたい。

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晩秋の美人林の写真

美人林(晩秋)
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / 絞り優先AE F8.0 1/13秒 ISO 100 CPLフィルター使用(撮影地:新潟県十日町市 2020.11.14 14:20)

晩秋の美人林の写真

美人林(晩秋)
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / 絞り優先AE F7.1 1/4秒 ISO 100 +2EV CPLフィルター使用(撮影地:新潟県十日町市 2020.11.1 14:32)

晩秋の美人林の写真

美人林(晩秋)
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / 絞り優先AE F11 0.6秒 ISO 100 +1EV CPLフィルター使用(撮影地:新潟県十日町市 2020.11.14 15:19)

晩秋の美人林の写真

美人林(晩秋)
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / 絞り優先AE F13 1.6秒 ISO 100 CPLフィルター使用(撮影地:新潟県十日町市 2020.11.14 14:29)

晩秋の美人林の写真

美人林(晩秋)
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / 絞り優先AE F11 1/5秒 ISO 100 -2/3EV CPLフィルター使用(撮影地:新潟県十日町市 2020.11.14 14:43)

晩秋の美人林の写真

美人林(晩秋)
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / 絞り優先AE F11 1/5秒 ISO 100 -2/3EV CPLフィルター使用(撮影地:新潟県十日町市 2020.11.14 15:14)

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美人林の写真

美人林(根開き)
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F10 1/5秒 ISO 100 +1EV(撮影地:新潟県十日町市 2015.4.25)

美人林の写真

美人林(初秋)
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Carl Zeiss Planar T* 1.4/50 ZE / 絞り優先AE F8.0 1/5秒 ISO 100(撮影地:新潟県十日町市 2017.10.08 6:49)

美人林の紅葉の写真

美人林(紅葉)
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Carl Zeiss Planar T* 1.4/50 ZE / 絞り優先AE F8.0 4秒 ISO 100 -1 1/3EV(撮影地:新潟県十日町市 2017.11.12)

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紅葉とリストラ

2020-11-08 16:53:10 | 風景写真/紅葉

 紅葉も終盤となり、葉も散り始めている。冷たい風に舞う落ち葉は、リストラで職を失った会社員にも思える。新型コロナの世界的な流行で需要回復のめどが立たず 根本的なリストラをしなければ経営を継続できない企業が多く、航空業界やアパレル業界等は生き残りに必死である。実は、美しく彩る紅葉や黄葉は、木々が生き残るために葉をリストラする前兆であり、 落ち葉はリストラされた姿なのである。

 落葉広葉樹の葉は、春から夏にかけて光合成をして樹体にエネルギーを送り続けているが、葉自体も光合成をしながら呼吸も行っておりエネルギーを消費している。秋になり、気温が低下すると光合成効率が著しく悪くなってくる。そうなると、葉はもはや生産工場ではなくエネルギーを消費するだけの厄介者となってくる。また土の水分が凍結すると根から水分を吸収しにくくなり、葉から蒸散により水が失われる事が多くなってしまう。これを避けるには、葉を落としエネルギー消費等を押さえる必要があるのである。早急にリストラしなければならない状況に陥る。
 落葉広葉樹は、ただ単に葉を落とすだけではない。葉の中の葉緑体には貴重な窒素等の栄養成分が多くあるので、窒素などの成分は葉を落とす前にできるだけ回収するのである。その後、道管と師管が閉ざされ、葉にはエネルギーも水分もいかなくなってしまう。回収されずに葉に残ったアントシアニンやカロテノイド等は、葉を赤や黄色に変え、寒さなどから身を守ろうとするが、やがて枯れて落ちるのである。
 落葉広葉樹にとっては、冬を生き残るためのリストラ戦略ではあるが、葉は、春から夏にかけて働くだけ働いて、使い物にならなくなったら切られる運命。見事な色づきは、十分に栄養を回収され、 まもなく落とされる葉の最後の足掻きであり、それを美しいと観賞する我々人間は、何と無情なのだろうかと思うが、葉にとっては、役目を全うした充実感と喜びの輝きでもあると理解したい。そして、「美しい光景を見せてくれて、ありがとう。」という感謝の念を忘れてはならない。

 何だかんだで、昨年も今年も「紅葉」の写真を一枚も撮っていない。予定はあったものの、昆虫撮影や天候等のタイミングで外してしまった。東京都23区内でも葉が色付き始めているので、山間部は見頃を過ぎてしまっているだろう。そろそろ霧氷の便りも届いているので、今年も「リストラされる葉」の様子は撮らないかも知れない。以下に掲載した写真は、いずれも過去に撮影したものを再現像したものである。

 幸いにも、このコロナ渦において私の勤める企業ではリストラの兆しはないが、不確実な世の中、いつどうなるのか分からない。とりあえずは定年まで辛抱強く今のまま頑張りたい。

参考図書:稲垣栄洋 著 面白くて眠れなくなる植物学

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紅葉の写真

紅葉
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Carl Zeiss Planar T* 1.4/50 ZE

紅葉の写真

紅葉
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Carl Zeiss Planar T* 1.4/50 ZE

紅葉の写真

紅葉
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Carl Zeiss Planar T* 1.4/50 ZE

紅葉の写真

紅葉
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Carl Zeiss Planar T* 1.4/50 ZE

紅葉の写真

紅葉
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Carl Zeiss Planar T* 1.4/50 ZE

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北か、南か・・・

2020-11-01 15:39:47 | チョウ

 北か、南か・・・北に紅葉の写真を撮りに行くか?それとも南にサツマシジミの写真を撮りに行くか? 31日の朝は、この秋一番の冷え込みの予報。奥日光の小田代ヶ原へ行けば、昨年同様のカラマツ霧氷が見られるかもしれない。栃木や群馬の北部では紅葉が盛りで、素晴らしい光景に出会えるだろう。さんざん悩んだ挙句、どうしてもサツマシジミの開翅写真を撮っておきたくて、2週続けての紀伊半島遠征に決めた。
 先週の和歌山は往復1,350km、今回は三重県南部で往復900km。ほぼ全線、高速道路なので体力的、精神的にも少し楽である。30日は仕事が昼で終わりの日であったため、会社を13時に出発し、自宅へは帰らずにそのまま向かった。新東名高速道路から伊勢湾岸自動車道へ。途中、御在所SAで昼食と夕食を兼ねた食事。先週は、南紀まで行きながら、SAで食べたものは日本そばとカレーライス。今回は、ご当地名物の味噌カツ定食を頂いた。渋滞もなく伊勢道の多気PAに19時着。ここで車中泊である。
 翌31日は、PAを6時に出発しサツマシジミのポイントへ向かう。その場所は、食樹であるサンゴジュが多くあり、2015年の5月には6頭がまとまって飛んでおり、初めてサツマシジを撮影した所である。2018年は10月20日に訪れ、1頭もいなかったが、10日も違えば出ているだろうと言う予測の下での場所決定である。当地では朝7時からロケハン開始。気温は9℃だが、快晴無風。サツマシジミが翅を開く絶好の気象条件だと思われる。食樹付近の花咲く場所にて待機することにした。
 太陽の日差しも強くなり、日の当たる下草ではムラサキシジミが開翅。多くのヤマトシジミとウラナミシジミも飛び始めたが、いつになってもサツマシジミは現れない。10時の時点での気温は16℃。それらしいチョウが飛んできたと思ったら、ヤクシマルリシジミのメスであった。後30分、もう30分待てば・・・結局、11時になっても現れず、私的な時間切れ。開翅どころか出会いさえ叶わなかった。
 帰りの伊勢道で、このまま先週と同じ和歌山のポイントに移動し、車中泊して翌日曜日もと一瞬思ったが、現地を午前11時に出発すると帰宅は19時は過ぎる。翌月曜日の仕事の事を考えると無理はできない。現役会社員は、仕事が一番大切なのである。心折れながら、帰宅することにした。帰路も450km。休憩を1回も取らずに高速道路を走り切り、中央道・国立IC近くで洗車し、16時に帰宅した。

 先週は和歌山で新鮮なオス1頭の翅裏を撮影しているので、今回も和歌山に行っていれば、開翅写真を撮れたかも知れないが、確実ではない。とにかく情報もなく遠方の生息地に行くのは、賭けである。情報があったとしても、天候の問題もあるから、次の週末に行けるかどうかも分からない。私にとって「サツマシジミの開翅」は、ヒサマツミドリシジミ同様に永遠の課題である。(ヒサマツミドリシジミは、メスの撮影済んでいるが、オスは一度も出会ったことすらない被写体である。)
 この記事は撮影日誌にすらならないものだが、今後に訪問する時の参考記事としたい。写真は、待機中に撮影した花と蝶を掲載しておきたいと思う。

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ヒメツルソバの写真

ヒメツルソバ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F2.8 1/320秒 ISO 100(撮影地:三重県伊勢市 2020.10.31 8:11)

ヒメツルソバの写真

ヒメツルソバ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F2.8 1/320秒 ISO 100(撮影地:三重県伊勢市 2020.10.31 8:53)

ヨメナの写真

ヨメナ(野菊)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F2.8 1/320秒 ISO 100 -2/3EV(撮影地:三重県伊勢市 2020.10.31 10:50)

ムラサキシジミの写真

ムラサキシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/320秒 ISO 400(撮影地:三重県伊勢市 2020.10.31 8:36)

ヤクシマルリシジミの写真

ヤクシマルリシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/320秒 ISO 500(撮影地:三重県伊勢市 2020.10.31 10:06)

ウラナミシジミの写真

ウラナミシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 400 +1EV(撮影地:三重県伊勢市 2020.10.31 10:28)

キタキチョウの写真

キタキチョウ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/320秒 ISO 500 +1EV(撮影地:三重県伊勢市 2020.10.31 10:39)

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