ホタルの独り言 Part 2

ホタルの生態と環境を52年研究し保全活動してます。ホタルだけでなく、様々な昆虫の生態写真や自然風景の写真も掲載しています

オオミドリシジミ

2024-06-15 13:42:54 | チョウ/ゼフィルス

 オオミドリシジミ Favonius orientalis orientalis (Murray, 1875) は、シジミチョウ科(Family Lycaenidae)ミドリシジミ亜科(Subfamily Theclinae)ミドリシジミ族(Tribe Theclini)オオミドリシジミ属(Favonius Sibatani & Ito, 1942)で、ゼフィルス(Zephyrus)と呼ばれている樹上性のシジミチョウの一種である。当ブログPartⅡにおぴて単独で掲載したことがなかったため、今回、過去の撮影であるが紹介したい。
 本種は、平地~山地の広葉樹林に生息しており、幼虫の食樹は、コナラ、クヌギ、ミズナラなどで、成虫はクリの花などで吸蜜することもある。オスの翅表が青緑に輝く一群であるオオミドリシジミ(Favonius)属の中では、本種が最も淡い青味を帯びているが、構造色であるから光の当たり具合によって変化し、他種に引けを取らない美しさである。
 オオミドリシジミは、環境省版レッドリストに記載はないが、都道府県版レッドリストでは、福岡県、長崎県で絶滅危惧Ⅱ類に、千葉県、三重県、奈良県で絶滅危惧Ⅱ類に、東京都および他7県で準絶滅危惧種として記載している。食樹であるブナ科のコナラ・クヌギなどで形成される雑木林(里山)の減少が影響している。

 ゼフィルスの撮影は、2011年のアカシジミとミズイロオナガシジミが最初であるが、これらは下草に止まっていることが多く、生息地に行けば翅裏だけなら容易に撮る事ができる。その後、少しずつ撮る種を増やそうと思ったが、ゼフィルスは基本的に樹上性のシジミチョウである。翅表が美しい種ほど、頭上より高い木の葉上に止まっており、また種によっては産地が限られ、撮影は簡単ではない。そこで、まずは発生が6月上旬と早く、自宅から遠くない所にある雑木林にてオオミドリシジミを狙うことにしたのである。2013年のことである。
 その雑木林に行くと、個体数は多いが、案の定すべて頭上の遥か上ばかりに止まっている。オスは、葉の上で翅を全開にしてテリトリーを見張る行動をとる。他のオスが近寄ってくれば、飛び出して2頭がクルクルと飛び回り(卍飛翔という)追い払うと、また同じ葉の上に止まって翅を開くが、翅表は下からでは全く見えない。
 後に、早朝に長い竿で木をゆすると下草に降りてくる場合があることを知り、他の種ではそれを行い翅表を写したことはあるが、その写真は図鑑写真ではあっても、生態写真ではない。まずは、種の同定のために翅裏を、そして"葉上で翅を開きテリトリーを見張る仕草"を特徴的な美しい翅表とともに撮って残したい。ある時は、脚立に昇って撮影したこともあるが、様々な生息地で観察を続けていると、目線より下の葉上に止まる場所があったり、あるいは地形上、止まる葉先が見下ろせる場所も発見した。あとは、止まるのを待って撮れば良いのである。撮影がしやすい生息地を見つけること、そして生態、特に行動時間や行動パターンを知ることが、思うような写真を撮るには必要なのだと、その時改めて思った。
 しかしながら、発生時期を見定めて初期に撮影しないと、盛んに卍飛翔するために、すぐに翅が擦れてボロボロになってしまう。美しさを美しく撮るのは簡単ではないチョウである。

以下の掲載写真は、1920×1280ピクセルで投稿しています。写真をクリックしますと別窓で拡大表示されます。

オオミドリシジミの写真
オオミドリシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/320秒 ISO 2000(撮影地:東京都八王子市 2013.6.09 6:29)
オオミドリシジミの写真
オオミドリシジミ
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 + Kenko TELEPLUS PRO300 2X DG / 絞り優先AE F9.0 1/800秒 ISO 2000 -2/3EV(撮影地:東京都八王子市 2015.6.13 7:52)
オオミドリシジミの写真
オオミドリシジミ
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 + Kenko TELEPLUS PRO300 2X DG / 絞り優先AE F9.0 1/800秒 ISO 1250 -2/3EV(撮影地:東京都八王子市 2015.6.13 8:12)
オオミドリシジミの写真
オオミドリシジミ
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 + Kenko TELEPLUS PRO300 2X DG / 絞り優先AE F9.0 1/1000秒 ISO 1600 -2/3EV(撮影地:東京都八王子市 2015.6.13 8:16)
----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

東京ゲンジボタル研究所 古河義仁/Copyright (C) 2024 Yoshihito Furukawa All Rights Reserved.


ウラゴマダラシジミ

2023-05-26 15:12:53 | チョウ/ゼフィルス

 ウラゴマダラシジミ Artopoetes pryeri (Murray, 1873)は、シジミチョウ科(Family Lycaenidae) ミドリシジミ亜科(Subfamily Theclinae)  ミドリシジミ族(Tribe Theclini) ウラゴマダラシジミ属(Genus Artopoetes)で、ゼフィルスの一種である。
 北海道・本州・四国・九州に分布し、平地や丘陵地では谷戸や湿地周辺に、低山地や山地では河川や渓谷沿いの広葉樹林に生息している。翅表は濃い青または青紫色で、外縁付近は黒帯で縁取られる。翅裏は灰白色の地色に外中央部から亜外縁にかけて2列の黒点列がある。他のゼフィルスのように尾状突起がなく(チョウセンアカシジミもない)、ルリシジミ類に類似していることから、古くはルリシジミに近縁と考えられていた時期もあるが、本種は、ミドリシジミの仲間である。色彩や斑紋は雌雄でほぼ同じだが、メスは翅形が幅広く、翅表の青色部の白斑がやや大きいこと、オスは青色部の色彩がメスに比べて紫色を帯びることで区別される。
 成虫は年1回、5~6月に出現し、主に午後に活動し、15時ごろに最も活発になる。ミドリシジミ族としては訪花性が強く、幼虫の食樹であるモクセイ科のイボタノキや、その他クリなどで吸蜜する。午後に活動する本種は、午前中は翅を閉じて葉上で静止しているが、活動開始前には開翅することが多い。
 ウラゴマダラシジミは、他のゼフィルス類にはない地理的変異が知られている。北海道は小型で陸中地方と中部地方の山地帯に生息するものは翅表が黒化し、青色部が減退する。四国は黒化が顕著で、後翅表は一様に黒色となる。これらの黒化型は、静岡県や愛知県、神奈川県、山梨県の一部でも見られる。
 本種は、生息場所となるクヌギやコナラ林の二次林の減少に伴い、各地で少なくなってきている。環境省版レッドリストには記載されていないが、都道府県版レッドリストでは、14の都県で記載しており、秋田県と宮崎県では絶滅危惧Ⅰ類に、埼玉県・千葉県・奈良県・愛媛県・熊本県では絶滅危惧Ⅱ類としている。

 ウラゴマダラシジミは、東京では、ゼフィルスの中で一番早く5月下旬に出現する。次いでミズイロオナガシジミ、栗の花が咲く頃になるとアカシジミ、ウラナミアカシジミが発生し、中旬になるとミドリシジミが羽化する。その後、山地においてオオミドリシジミやメスアカミドリシジミなどが発生し、すべてを観察するには週末だけでは時間が足りないほどである。
 以下に掲載したウラゴマダラシジミは、2012年に東京都と山梨県で撮影したものだが、本ブログ(PartⅡ)で単独で取り上げたことがなかった。また、今年のゼフィルスの順調な発生を願う意味もあり再現像して掲載した。
 今年は、ゼフィルスの中では、撮影はしつつも、美しい全開翅の満足できる完璧な写真が撮れていないウラジロミドリシジミヒサマツミドリシジミキリシマミドリシジミに目標を絞っている。当然、遠征であるから天候や発生のタイミングとの兼ね合いもあるが、「一番美しい時期に、一番美しい瞬間を、美しい写真に残す」ことをしたい。目標は高く掲げ、前向きで情熱的に積極的に臨みたいと思う。

参考文献 / 伊藤 正宏・ 脇 一郎(1984)神奈川県内のウラゴマダラシジミの分布とその歴史的背景.神奈川自然誌資料 5:1~10

以下の掲載写真は、1920*1280 Pixels で投稿しています。写真をクリックしますと別窓で拡大表示されます。

ウラゴマダラシジミの写真
ウラゴマダラシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F6.3 1/250秒 ISO 800(撮影地:東京都 2012.6.10 12:28)
ウラゴマダラシジミの写真
ウラゴマダラシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F6.3 1/320秒 ISO 1000(撮影地:東京都 2012.6.10 12:28)
ウラゴマダラシジミの写真
ウラゴマダラシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 1000(撮影地:東京都 2012.6.10 12:30)
ウラゴマダラシジミの写真
ウラゴマダラシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F6.3 1/250秒 ISO 500(撮影地:東京都 2012.6.10 12:24)
ウラゴマダラシジミの写真
ウラゴマダラシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/320秒 ISO 640(撮影地:山梨県 2012.6.23 12:28)
ウラゴマダラシジミの写真
ウラゴマダラシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/200秒 ISO 500(撮影地:山梨県 2012.6.23 12:49)
----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

東京ゲンジボタル研究所 古河義仁/Copyright (C) 2023 Yoshihito Furukawa All Rights Reserved.


長野へチョウ探索その2

2021-07-09 19:05:34 | チョウ/ゼフィルス

 7月3日から7月11日までの9日間にちょっと早めの夏休みを頂いたことは、前々回の投稿でお知らせしているが、連休中には様々な計画を立てており、新型コロナウイルスのワクチンを会社の職域接種(モデルナ社製)で打つこともその1つであり、7月5日の月曜日に第一回目を接種してきた。接種後に倦怠感や発熱などの副反応は全くなく、注射をした部分が三日ほど触ると少し痛みを感じる程度であった。二回目のワクチン接種は8月20日に予約をしている。
 ワクチン接種をしたからと言って安心ではない。ワクチンは免疫により感染しても重症化を防ぐという効果があるが、新型コロナウイルスに感染もするし、感染すれば他の人へも移してしまう。大切な人を守るためには、ワクチンを接種しても感染防止対策を徹底して行わなければならないのである。
 私の住む東京は、7月12日から8月22日まで、4回目の緊急事態宣言が発令されることが決まったが、先日、朝方に仕事でNHKの近くのパブを通った時、マスクもしないで大声で騒いている20代の若者10人ほどがいた。朝まで飲んで大騒ぎ!これが現実である。今回の緊急事態宣言も飲食店がターゲットにされ、特に酒類を提供されている方々とその関係者のご苦労ご心痛は計り知れないものがあるが、毎晩ワイン一本空ける酒好きな者から言えば、酒(飲み食い)そのものと感染は関係ない。数人での会食が原因だと思っている。居酒屋でも、黙って一人で沢山飲んで食べれば良いと思う。後手後手の政府の方針や対策に文句を言うのも良いが、宣言が解除されれば、感染が再拡大する元凶は我々個々人にあることを肝に銘じるべきだろう。今後も、ワクチン接種の有無に関わらず、とにかく一人一人が自覚し行動することがすべてだと思う。
 私は、この一年以上、通常の生活をし、ホタルや昆虫の観察、風景写真の撮影で日本各地へ遠征してきても一切感染してこなかったのは、単に運が良かったわけではない思う。また緊急事態宣言が発令されるが、今後も感染対策を万全に行った上で予定通りに遠征したいと思う。

 さて、前置きが長くなったが、夏休み初日は長野県に前日入りしてチョウの探索を行ったが、夏休み5日目の7月8日も再びチョウ探索で長野県の同じ場所に向かった。目標は、ウラジロミドリシジミのオスの全開翅写真の撮影である。本種は2015年と2016年に撮っているが半開翅であった。同地区にはメスの全開翅写真を撮った2018年以来3年ぶりで、通算10回目、今週だけで2回目の訪問である。
 7月3日の時点では、ハヤシミドリシジミは見たもののウラジロミドリシジミは未発生であった。5日経過した7月8日では、ハヤシミドリシジミのオス1頭、メス5頭を確認。そしてウラジロミドリシジミはオス2頭を確認することができた。当地には久しぶりの訪問であったが、今も無事に生息していたことが嬉しい。
 朝5時の気温は20℃で曇り。カシワの木を叩いてみると、どの個体も全く降りてこない。ウラジロミドリシジミ2頭は、カシワの樹冠に上がってしまいお手上げ。ようやく下草に降りてきたのは、ハヤシミドリシジミの雌雄1頭ずつのみであった。ウラジロミドリシジミは諦め、ハヤシミドリシジミのオスの開翅を撮ろうとカメラをセットするがなかなか翅を開かない。1時間経過すると雨が降ってきて、傘を差しながら更に1時間ほどずっと見守ったが、結局、翅を開くことなくカシワの木へ飛んで行ってしまった。
 ウラジロミドリシジミは発生初期で、まだ撮影のチャンスはあると思うが、翅が擦れていない新鮮な個体を撮りたい。今年は、生息していたことに感謝するに留め、来年、再訪問しようと思う。
 以下には、今回下草に降りてきたものの翅を開かなかったハヤシミドリシジミの写真と映像、過去に東京都内の生息地で撮影した同種オスの開翅写真、そして今回は全く撮ることができなかったウラジロミドリシジミについては、過去に同地区と違う地区で撮影した半開翅写真を掲載したいと思う。

以下の掲載写真は、1920*1280 Pixels で投稿しています。写真をクリックしますと拡大表示されます。また動画においては、Youtubeで表示いただき、HD設定でフルスクリーンにしますと高画質でご覧いただけます。

ハヤシミドリシジミの写真

ハヤシミドリシジミ(メス)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F6.3 1/200秒 ISO 3200(撮影地:長野県 2021.7.08 5:32)

ハヤシミドリシジミの写真

ハヤシミドリシジミ(オス)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 3200(撮影地:長野県 2021.7.08 6:54)

ハヤシミドリシジミの写真

ハヤシミドリシジミ(オス)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/125秒 ISO 3200(撮影地:長野県 2021.7.08 7:13)

ハヤシミドリシジミの写真

ハヤシミドリシジミ(オス)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/100秒 ISO 3200 +2/3EV(撮影地:長野県 2021.7.08 7:24)

ハヤシミドリシジミの写真

ハヤシミドリシジミ(オス)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 400(撮影地:東京都 2018.6.24 7:09)

ウラジロミドリシジミの写真

ウラジロミドリシジミ(オス)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F5.6 1/160秒 ISO 3200 +1EV(撮影地:長野県 2015.7.5 5:20)

ウラジロミドリシジミの写真

ウラジロミドリシジミ(オス)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 1600 +2/3EV(撮影地:長野県 2015.7.5 7:12)

ウラジロミドリシジミの写真

ウラジロミドリシジミ(オス)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 200 -1/3V(撮影地:群馬県 2016.7.18 6:47)

ウラジロミドリシジミの写真

ウラジロミドリシジミ(オス)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 200 -1/3V(撮影地:群馬県 2016.7.18 6:47)

ハヤシミドリシジミ Favonius ultramarinus

----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

東京ゲンジボタル研究所 古河義仁/Copyright (C) 2021 Yoshihito Furukawa All Rights Reserved.


ヒサマツミドリシジミ

2021-06-12 14:40:55 | チョウ/ゼフィルス

 ヒサマツミドリシジミ Chrysozephyrus hisamatsusanus (Nagami et Ishiga, 1935) は、シジミチョウ科(Family Lycaenidae)ミドリシジミ族(Tribe Theclini)メスアカミドリシジミ属(Genus Chrysozephyrus)のチョウで、オスの翅表はクリソゼフィルス特有の金緑色に輝く。翅裏の斑紋には特徴があり、後翅裏面白帯の後端が他のゼフィルスはW字状であるのに対し、本種は、唯一後翅肛角の赤斑で1度折り返しV字状となっている。またオスの前翅裏面には黒い円状の斑紋がある。
 日本の特産種で、本州(東限は、太平洋側では神奈川県足柄上郡、日本海側では新潟県西頸城郡)、および四国、九州に分布するが、生息地域や場所は、極めて局所的であり、ゼフィルスの中で最稀少種と言われている。1970年に生態が解明されるまでは、「謎の蝶」「幻の蝶」「日本産最稀種」と呼ばれ、日本鱗翅学会が生態解明に懸賞金をかけたこともあったほどである。食樹は、尾根沿いや渓流沿い等の温暖湿潤な環境に生育するブナ科コナラ属のウラジロガシやアカガシ等である。
 環境省RDBに記載はないが、都道府県RDBでは鹿児島県で絶滅危惧Ⅰ類、熊本県・宮崎県・高知県・大阪府で絶滅危惧Ⅱ類、10の県で準絶滅危惧種に指定している。また、山梨県南巨摩郡早川町では、平成17年に文化財保護条例において本種を天然記念物に指定し保護している。卵・幼虫・蛹・成虫の全ての段階において、採集は禁止である。

 日本国内に生息するゼフィルスは、6月6日の記事(ヒロオビミドリシジミ)のようにオスの翅表が美しい種が多く、そのほとんどを撮影しているが、このヒサマツミドリシジミは、2015年と2016年に北陸の生息地を7回訪れたが、メスの吸水と開翅は撮ったものの、オスは撮影どころかその姿さえ確認できておらず、私には「幻の蝶」であった。今回、意を決して再び北陸の生息地に行って見ることにした。
 本種は、5月の下旬には羽化するが、その後一ヵ月ほどは、オスはテリトリーを見張る行動を一切せず、天候のよい日は雌雄ともに吸水するが、それ以外はほとんど飛ぶことなくじっとしている。精細胞が成熟する6月下旬頃になってから、オスは主に14~16時頃にテリトリーを見張る行動を行う。オスは、交尾後に死んでしまうが、メスは夏眠をし、9月に再び活動を開始して産卵をするのである。また本種は、兵庫県北部山地のように、羽化後は生育した食樹を離れて山頂付近に移動し生活することが知られているが、北陸と山梨の生息地では、食樹がある生育場所に留まって一生を終える地域特性がある。
 天候次第で比較的容易に撮影できそうな兵庫県北部山地への遠征も一昨年から考えてはいたが、梅雨の時期、撮影適期である6月下旬の週末土曜日が晴れるという時がなく、また、600kmを超える遠征、捕虫網との争いの場でもあることから、7年越し8回目の戦いの地は北陸を選んだ。

 今年は、まだ関東甲信、北陸、東北地方は梅雨入りしておらず、乾燥注意報が出るほど雨が降っていない。連日、週間天気予報をチェックしていると、この週末は晴れの予報になっていた。しかも、11日(金)は計画年次有給休暇で休みをとっており、更に10日(木)は昼で退社できる勤務交番。先週は、ヒロオビミドリシジミで片道約530kmを走ったが、今週はおよそ400km弱。10日の夕方出発し、北陸道のSAで車中泊。当日は午前6時に現地入りし、6時半から探索を開始した。
 この生息地は4回目。何キロにもわたって断崖絶壁にウラジロガシがへばりつく。ちょっとでも踏み外せば、50m下の谷底へ転落する。ヒサマツミドリシジミの生息域は広いのだろうが、どこでも飛んでいる訳でもなく、集まったり止まったりする場所は、ある程度決まっている。また順光で見下ろすように撮影しようと思うと、場所は更に限られる。この知識は、過去の経験所以であるが、その場所へも、命がけである。
 今回の撮影は、ひたすら待つ。飛んでくるのを待つ。待機して3時間弱が経った頃、翅をキラキラと輝かせて飛ぶ1頭のシジミチョウを発見。目で追うと、3m先の見下ろす枝先に止まって半開翅している。ただし、種類は分からない。急いでカメラを向けるが、300mmの単焦点レンズに2倍のテレコンを付けているので(600mm、35mm換算で960mm)ピント合わせは、カメラ背面のモニターに映してマニュアルで合わせなければならないので時間がかかる。レンズが長いためシャッターはレリーズで押す。角度が悪く後翅の色が付かないが、何とか1カット撮影。翅を閉じたので、翅裏も撮りたい。何故なら、ヒサマツミドリシジミの特徴である後翅裏面白帯のV字を確認したいからである。しかしながら、真横のカットではないため撮影後にモニターで確認ができない。ただし、前翅裏面の黒い円状の斑紋が確認できたので、ヒサマツミドリシジミと断定。その後、この個体は飛んで行ってしまった。
 ようやく、7年越しの目標を達成したが、できればオスの全開翅と翅裏の特徴が分かる写真を撮っておきたい。先ほどの個体が、また現れるのを待つことにした。2時間が経過。他にすることもなく、そこで待つだけでは疲れも溜まる。息抜きに、崖沿いの道を歩いて行くと、苔むした岩壁に何とオスのヒサマツミドリシジミが1頭止まっているではないか!いそいでカメラを取りに戻り、テレコンを外してカメラを向けた。
 地上50cmの眼の前。他のクリソゼフィルスより尾状突起は長く、全体的にかなり小さいという印象であるが、翅がまったく擦れていない奇麗な個体である。ちょっと飛んで移動した時に見えた翅表の輝きが素晴らしい。しばらくすると、翅をこすり合わせ始めた。これで翅を開いてくれたら思い残すことはない。すると、私に向かってオオスズメバチが飛んできた。慌てて逃げ、すぐに戻ってみるとヒサマツミドリシジミの姿はなかった。
 その後、15時半まで待機したが、本種はまったく姿を見せることはなかった。やはり、まだ不活性期間なのであろう。もう1~2週間もすれば、晴れた午後はテリトリーを見張る行動を開始すると思われるが、今年は他にも予定があるため、また来年以降に期待したい。

 この日は、9時間ほど生息地にいたが、誰一人として来なかった。ソーシャルディスタンスは、恐らく3km以上はあったであろう。先週に引き続き、長年の目標を達成できた喜びを味わいながら現地を16時に出発し、90分ほど走行してゲンジボタルの生息地へと向かった。その記事は次頁で紹介したいと思う。
 以下には、参考までに2015年に撮影したヒサマツミドリシジミのメスの写真も掲載しておきたいと思う。ムカシヤンマのメスの写真は、5月23日の記事に追加掲載した。

参照

  1. ヒサマツミドリシジミ(メスの吸水行動)
  2. ヒサマツミドリシジミの発生時期に関する考察

以下の掲載写真は、1920*1280 Pixels で投稿しています。写真をクリックしますと拡大表示されます。また動画においては、Youtubeで表示いただき、HD設定でフルスクリーンにしますと高画質でご覧いただけます。

ヒサマツミドリシジミの写真
ヒサマツミドリシジミ
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F8.0 1/400秒 ISO 3200(撮影地:北陸 2021.06.11 11:41)
ヒサマツミドリシジミの写真
ヒサマツミドリシジミ
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F8.0 1/500秒 ISO 3200(撮影地:北陸 2021.06.11 11:37)
ヒサマツミドリシジミの写真
ヒサマツミドリシジミ
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F8.0 1/500秒 ISO 3200(撮影地:北陸 2021.06.11 11:32)
ヒサマツミドリシジミの写真
ヒサマツミドリシジミ
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 + Kenko TELEPLUS 2X / 絞り優先AE F8.0 1/800秒 ISO 3200(撮影地:北陸 2021.06.11 9:21)
ヒサマツミドリシジミの写真
ヒサマツミドリシジミ
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 + Kenko TELEPLUS 2X / 絞り優先AE F8.0 1/320秒 ISO 3200(撮影地:北陸 2021.06.11 9:20)
ヒサマツミドリシジミの写真
ヒサマツミドリシジミ(メスの吸水)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 + Kenko TELEPLUS 2X / 絞り優先AE F9.0 1/800秒 ISO 640 -1/3EV(撮影地:北陸 2015.09.23 7:59)
ヒサマツミドリシジミの写真
ヒサマツミドリシジミ(メスの開翅)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 + Kenko TELEPLUS 2X / 絞り優先AE F9.0 1/800秒 ISO 12500(撮影地:北陸 2015.09.23 8:07)
ヒサマツミドリシジミ生息地の写真
ヒサマツミドリシジミの生息地
ヒサマツミドリシジミ生息地の写真
ヒサマツミドリシジミの生息地

ヒサマツミドリシジミの映像

----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

東京ゲンジボタル研究所 古河義仁/Copyright (C) 2021 Yoshihito Furukawa All Rights Reserved.


ヒロオビミドリシジミ

2021-06-06 15:49:37 | チョウ/ゼフィルス

 ヒロオビミドリシジミ Favonius cognatus (Staudinger, 1892) は、シジミチョウ科(Family Lycaenidae)ミドリシジミ族(Tribe Theclini)オオミドリシジミ属(Genus Favonius)で、国内25種類のゼフィルスの中でも京都府北部から山口県にかけての中国山地にのみに局所的に分布し、食樹であるブナ科のナラガシワを主体とする低山地の雑木林に生息している。
 ヒロオビミドリシジミは、開発等による雑木林(生息地)の消失や里山の放棄放置による生息環境の悪化等よって減少しており、環境省RDBには記載がないものの、都道府県RDBでは、大阪府(絶滅危惧Ⅰ類)、京都府、兵庫県、広島県、島根県(絶滅危惧Ⅱ類)、鳥取県(準絶滅危惧種)に選定している。
 オオミドリシジミ属のオスの翅表の色は、ジョウザンミドリシジミやハヤシミドリシジミのように青系統が多いが、ヒロオビミドリシジミの翅表は、前翅は青緑で、後翅は黄色味が強い金緑色である。今回、ようやく本種オスの開翅写真を撮ることができたので、紹介したいと思う。

 ヒロオビミドリシジミの撮影場所は、大阪府能勢町にある「三草山ゼフィルスの森」である。本ブログでは、基本的に撮影場所は都道府県名までとしているが、「三草山ゼフィルスの森」は大阪府自然環境保全条例に基づく緑地環境保全地域に指定された森で、公益財団法人「大阪みどりのトラスト協会」が地上権を設定しており、ナラガシワ林の育成(育苗、萌芽更新、受光伐、植樹)によるゼフィルス類の保護や蝶類の多様性確保のために下草の縞状刈り払いによる林内整備、不法採集防止のための巡視活動、観察会等による啓発等を行っている。採集した場合は、条例により罰せられるため、撮影場所を明記することにした。
 当地には、2015年と2017年、2019年と過去に3回訪れている。2015年には、オスの開翅を撮影できたものの残念ながら羽化不全の個体で翅が痛んでいた。そのリベンジで訪れた2017年は、発生時期よりも前に訪れてしまったため、一枚も撮ることができなかった。そして3回目の2019年は、メスの開翅しか撮ることができなった。昨年は、新型コロナウイルスの影響で取りやめたので、今回は、何としても「オスの全開翅」を撮りたい。しかも、羽化して間もない翅の擦れていない美しい個体で!
 天気予報では、4日は一日雨で翌5日は、曇りのち晴れ。過去二回と同じ天候であり、下草に降りているに違いない。問題は、発生しているかどうかであるが、次の週末の天気の事を考えると、わずかなチャンスを逃したくはない。そこで勤め先が半ドンであった4日(金)正午に東京を出発。途中、静岡県内は台風のような風雨に見舞われ、新東名高速道路を恐怖と共に走り抜けた。17時に名神高速道路の大津SAで昼食兼夕食。その後、新名神高速道路の茨木千提寺PAに止め、車中泊とした。いつもなら現地近くの「道の駅」で車中泊するのだが、高速料金の深夜割引(30%)を利用したく、今回は手前で寝ることにした。ちなみに、6月20日までは緊急事態宣言に伴い休日割引はない。
 5日。午前4時にPAを出発し「道の駅」で小休止。移動後、5時半より三草山へ向けて登山を開始した。

 ゼフィルスの森に6時到着。管理が行き届いた美しいナラガシワの森は、まだ霧に包まれていた。一部では伐採が行われており、萌芽更新されている。
 さて、息切れした呼吸が整った後に探索開始である。14.48haの森に私含めて撮影者は5人だけ。ソーシャルディスタンスは十分。気温15℃。下草の笹はかなり濡れている。ゼフ棒で枝を叩かなくても降りているはずと確信するが、林道沿いをいくら歩き回っても見つからない。一昨年の経験から、どのあたりの下草に降りているかは分かっていたので、その近くで待機することにした。すると、下草の葉の上に青色を発見。ヒロオビミドリシジミのオスが翅を開いて止まっていたのである。
 私が見つけたキラキラ輝く小さな命。ようやく訪れた大チャンス。ここは慎重に近づき1枚。その後、一旦翅を閉じてしまうが、30分すると撮影しやすい良い向きに止まって全開翅してくれた。しかも、翅が擦れていない新鮮な個体である。前翅は青緑で、後翅は黄色味が強い金緑色という本種翅表の特徴をしっかりと収めることができた。
 この個体は、撮影後にナラガシワの梢へと飛び立っていった。この日、下草に止まっていた個体は、この1頭だけで、あとはナラガシワの高い位置の葉上に1頭。時期的には、まだ早いようで、他のゼフィルスは全く見かけなかった。まさに奇跡であった。

 残るは、ヒサマツミドリシジミのオスの開翅。メスを撮った富山県に遠征予定だが、晴れないとダメなので、今度も奇跡が起きることを切に願う。
 今回は、大阪からの帰り道に、岐阜県関ケ原町のゲンジボタル生息地に立ち寄った。その内容は事項に記したい。

参考:三草山ゼフィルスの森

以下の掲載写真は、1920*1280 Pixels で投稿しています。写真をクリックしますと拡大表示されます。また動画においては、Youtubeで表示いただき、HD設定でフルスクリーンにしますと高画質でご覧いただけます。

三草山ゼフィルスの森の写真
三草山ゼフィルスの森
Canon EOS 7D / SIGMA 15mm F2.8 EX DG DIAGONAL FISHEYE / 絞り優先AE F8.0 1/125秒 ISO 6400 -1EV(撮影地:大阪府能勢町 2021.06.05 6:08)
ヒロオビミドリシジミの写真

ヒロオビミドリシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 6400 +1EV(撮影地:大阪府能勢町 2021.06.05 8:12)

ヒロオビミドリシジミの写真

ヒロオビミドリシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/640秒 ISO 6400 +1EV(撮影地:大阪府能勢町 2021.06.05 7:44)

ヒロオビミドリシジミの写真

ヒロオビミドリシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/800秒 ISO 6400 +1EV(撮影地:大阪府能勢町 2021.06.05 8:23)

ヒロオビミドリシジミの写真

ヒロオビミドリシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/1000秒 ISO 6400(撮影地:大阪府能勢町 2021.06.05 8:24)

ヒロオビミドリシジミの写真

ヒロオビミドリシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/800秒 ISO 6400(撮影地:大阪府能勢町 2021.06.05 8:29)

ヒロオビミドリシジミの写真

ヒロオビミドリシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/1000秒 ISO 6400(撮影地:大阪府能勢町 2021.06.05 8:33)

ヒロオビミドリシジミの映像
(動画の再生ボタンをクリックした後、設定の画質から1080p60 HDをお選び頂きフルスクリーンにしますと高画質でご覧いただけます)

----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

東京ゲンジボタル研究所 古河義仁/Copyright (C) 2021 Yoshihito Furukawa All Rights Reserved.


アイノミドリシジミ

2019-08-14 20:49:46 | チョウ/ゼフィルス

 アイノミドリシジミ Chrysozephyrus brillantinus (Staudinger, 1887) は、シジミチョウ科ミドリシジミ族で、日本産ゼフィルスの中でもオスの翅表が金緑色に輝くメスアカミドリシジミ属(Chrysozephyrus)の一種である。

 アイノミドリシジミは、2013年、2014年に撮影しているが、ゼフィルス撮影で目標としている「羽化したばかりで翅の擦れていない個体で、その種らしい一番美しい輝きの翅表」の写真は2013年に一枚(掲載写真1枚目)しか撮れていなかったため、本年は、本種のもっと美しい写真を撮ることを目標にしていたが、長梅雨と梅雨寒の週末続きで、低山地の産地に行くことができなかった。そこで、8月3日に発生が遅い標高の高い栃木県の多産地を訪れたが、1頭も見つからない。当地の発生時期としては最盛期と思われたが、目的は達成できなかった。しかしながら、先日遠征した長野県において、翅の擦れた個体ではあるが、とりあえず出会いだけは叶った。(掲載写真2~5枚目)

 早朝5時半。もしかしたら本種が生息しているかもしれないという期待で、朝日の当たる標高1500mの林縁にて探索開始。飛び始めたのは、10頭以上のヒメキマダラヒカゲ。1時間経ってもアイノミドリシジミは姿を現さない。ダメかもしれないと探索を諦め、他のチョウを撮るために登山を開始。9時過ぎに下山して戻ってくると、何と探索していた林縁で多くのゼフィルスが卍飛翔中であった。
 卍飛翔はいつ見ても面白い。自分のテリトリーに別のオスが侵入してくると、2頭、3頭が一定の距離を保ったままクルクルと高速で回りながら飛ぶ。どちらかが逃げ出すと、それぞれがお決まりの場所(葉先)に止まる。そして、また発進。その繰り返しである。止まったところで確認すると、本種の他にジョウザンミドリシジミもいる。異種であるアイノとジョウザン同士でも卍飛翔をするようである。
 アイノミドリシジミの活動は、これまで早朝5時過ぎからという知識があったが、過去の撮影データを見ても、どうやらそれは間違った知識であったようだ。天候と標高(気温)によって多少の差はあるだろうが、おおむね8時過ぎ頃からのようであり、10時頃には活動を止まてしまう。8月3日に訪れた栃木県の多産地においても、もう少し待っていれば、見られたかも知れない。来年は、これらの経験をもとに本種の美しい姿を残したいと思う。

お願い:なるべくクオリティの高い写真をご覧頂きたく、1024*683 Pixels で掲載しています。ウェブブラウザの画面サイズが小さいと、自動的に縮小表示されますが、画質が低下します。Internet Explorer等ウェブブラウザの画面サイズを大きくしてご覧ください。

アイノミドリシジミの写真

アイノミドリシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 500 -1/3EV (撮影地:栃木県 2013.7.21 8:49)

アイノミドリシジミの写真

アイノミドリシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F4.5 1/160秒 ISO 100 (撮影地:長野県 2019.8.10 9:13)

アイノミドリシジミの写真

アイノミドリシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/160秒 ISO 100 -2/3EV (撮影地:長野県 2019.8.10 9:14)

アイノミドリシジミの写真

アイノミドリシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/160秒 ISO 100 -2/3EV (撮影地:長野県 2019.8.10 9:15)

アイノミドリシジミの写真

アイノミドリシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F5.0 1/160秒 ISO 100 (撮影地:長野県 2019.8.10 9:23)

アイノミドリシジミの写真

アイノミドリシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F10 1/250秒 ISO 640 -1/3EV (撮影地:栃木県 2013.7.21 8:31)

アイノミドリシジミの写真

アイノミドリシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 400 -1/3EV (撮影地:栃木県 2013.7.21 8:37)

----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

東京ゲンジボタル研究所 古河義仁/Copyright (C) 2019 Yoshihito Furukawa All Rights Reserved.


三草山ゼフィルスの森

2019-06-16 20:34:21 | チョウ/ゼフィルス

 三草山ゼフィルスの森は、大阪府能勢町にあり、自然の豊かさと生息する希少種の存在を保護する目的から大阪府自然環境保全条例に基づく、 緑地環境保全地域に指定された森である。公益財団法人「大阪みどりのトラスト協会」が地上権を設定しており、ナラガシワ林の育成(育苗、萌芽更新、受光伐、植樹)によるゼフィルス類の保護や蝶類の多様性確保のために下草の縞状刈り払いによる林内整備、不法採集防止のための巡視活動、観察会等による啓発等を行っている。勿論、採集は禁止である。
 この三草山ゼフィルスの森には、多種のゼフィルスが生息しているが、京都府北部から山口県にかけての中国山地にのみに局所的に分布するオオミドリシジミ属(Favonius属)のヒロオビミドリシジミ Favonius cognatus latifasciatus Shirôzu et Hayashi, 1959 が生息している。

 三草山ゼフィルスの森には、2015年と2017年に訪れている。勿論、中国山地に生息するヒロオビミドリシジミを撮影するためである。2015年には、オスの開翅を撮影できたものの残念ながら羽化不全の個体で翅が痛んでいた。(ヒロオビミドリシジミ)そのリベンジで訪れた2017年は、発生時期よりも前に訪れてしまったため、一枚も撮ることができなかった。
 そして3回目の今回。翅の擦れていないヒロオビミドリシジミのオスの開翅撮影が目的である。(後の2021年6月5日に、全開翅の撮影に成功している。参照:「ヒロオビミドリシジミ」)

 計画では、15日(土)に兵庫県内で未撮影であるヒサマツミドリシジミのオスの開翅を撮影し、16日(日)に三草山ゼフィルスの森に立ち寄る予定にしていたが、生憎15日は大雨に強風。仕方なくヒサマツミドリシジミは諦め、ヒロオビミドリシジミ一本の予定に変更した。
 15日(土)14時に雨の東京を出発し、およそ500km先の大阪府能勢町を目指す。途中、鈴鹿を超えた信楽辺りは豪雨。新名神高速の川西ICで降りて、現地近くの道の駅に20時到着。いつものようにワイン一本開けて車中泊。良朝4時に目が覚めて、5時過ぎから登山開始。
 天候は曇り時々雨、後晴れ。気温19℃。前日は雨であったから、ヒロオビミドリシジミは下草に降りているのに違いない。朝から暑ければ木の上に飛んで行ってしまうが、低ければ下草上で開翅する。曇りなら、柔らかい光が回って、美しい青色が写せる。撮影には、完璧に近い気象状況である。イメージトレーニングしながら、急な上り坂を息を切らしながら急ぐ。ポイントに6時前に到着。日曜日であるから、翌日の仕事の事を考えると夕方には帰宅したいところ。逆算すれば、11時前には出発したい。下山の時間を入れれば、ポイントでの滞在時間は4時間程。その間に何とか撮りたい一心で探索。

 結果は、やはり多くのゼフィルスが下草に降りており、時間とともに開翅。ミズイロオナガシジミが多数。ウラミスジシジミとウラジロミドリシジミ(メス)も撮影できた。肝心のヒロオビミドリシジミは、下草で開翅するオスを2頭ほど目視したものの、撮影前に飛び立ってしまい写すことができなかった。代わりにメスの開翅(初)を撮影。飛んでいるオスも何頭か確認したが、気温が上がりナラカシワの高い梢にとどまるばかり。残念ながらタイムアウト。
 現地を10時半に出発し、不完全燃焼の気持ちを引きずりながら17時に帰宅した。また来年、挑戦したい。(経費/高速代:8160円×2、ガソリン代:6500円)

 参考までに、写真の最後に2015年に撮影した羽化不全のヒロオビミドリシジミのオスも掲載した。

お願い:なるべくクオリティの高い写真をご覧頂きたく、1024*683 Pixels で掲載しています。ウェブブラウザの画面サイズが小さいと、自動的に縮小表示されますが、画質が低下します。Internet Explorer等ウェブブラウザの画面サイズを大きくしてご覧ください。

ヒロオビミドリシジミ(メス)の写真

ヒロオビミドリシジミ(メス)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/125秒 ISO 3200(撮影地:大阪府能勢町 2019.6.16 6:48)

ヒロオビミドリシジミ(メス)の写真

ヒロオビミドリシジミ(メス)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/160秒 ISO 3200(撮影地:大阪府能勢町 2019.6.16 6:50)

ヒロオビミドリシジミ(メス)の写真

ヒロオビミドリシジミ(メス)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/160秒 ISO 3200(撮影地:大阪府能勢町 2019.6.16 7:52)

ヒロオビミドリシジミ(メス)の写真

ヒロオビミドリシジミ(メスの開翅)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/320秒 ISO 2000 -1/3EV(撮影地:大阪府能勢町 2019.6.16 8:31)

ヒロオビミドリシジミ(メス)の写真

ヒロオビミドリシジミ(メスの開翅)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/320秒 ISO 250 -1/3EV(撮影地:大阪府能勢町 2019.6.16 9:06)

ウラジロシジミ(メス)の写真

ウラジロミドリシジミ(メス)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/160秒 ISO 3200(撮影地:大阪府能勢町 2019.6.16 6:34)

ウラジロシジミ(メス)の写真

ウラジロミドリシジミ(メスの開翅)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 2500(撮影地:大阪府能勢町 2019.6.16 7:37)

ミズイロオナガシジミの写真

ミズイロオナガシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/320秒 ISO 1600(撮影地:大阪府能勢町 2019.6.16 8:45)

ミズイロオナガシジミの写真

ミズイロオナガシジミの開翅
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/320秒 ISO 1000 -1/3EV(撮影地:大阪府能勢町 2019.6.16 8:49)

ウラミスジシジミの写真

ウラミスジシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/80秒 ISO 3200(撮影地:大阪府能勢町 2019.6.16 6:27)

ウラミスジシジミの写真

ウラミスジシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 640 -1/3EV(撮影地:大阪府能勢町 2019.6.16 8:59)

ヒロオビミドリシジミの写真

ヒロオビミドリシジミ(オス)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F5.0 1/250秒 ISO 2000 +2/3EV(撮影地:大阪府能勢町 2015.6.06 9:53)

ヒロオビミドリシジミの写真

ヒロオビミドリシジミ(オス)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F6.3 1/50秒 ISO 3200 +2/3EV(撮影地:大阪府能勢町 2015.6.6 9:12)

ヒロオビミドリシジミの写真

ヒロオビミドリシジミ(オス)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F6.3 1/320秒 ISO 2000 +2/3EV(撮影地:大阪府能勢町 2015.6.06 10:10)

ヒロオビミドリシジミの写真

ヒロオビミドリシジミ(オス)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F6.3 1/320秒 ISO 2000 +1/3EV(撮影地:大阪府能勢町 2015.6.06 10:12)

----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

東京ゲンジボタル研究所 古河義仁/Copyright (C) 2019 Yoshihito Furukawa All Rights Reserved.


ゼフィルスの開翅

2018-08-01 21:52:25 | チョウ/ゼフィルス

 ゼフィルスは国内に25種類生息しているが、翅裏が特徴的な種類もあれば、翅表が青や緑に輝く種類もいる。出会うことさえ難しい種類もあれば、出会っても、その美しさを写すことが難しい種類が多い。ゼフィルスの仲間でも一際美しい FavoniusChrysozephyrus。その輝く翅表を写真に収めるのは簡単ではない。それぞれの種の生態と行動パターンを学んだ上で、生息地ごとの発生初期に合わせて訪問し、撮影テクニックを駆使して撮らなければならないが、その年の発生のタイミングや天候にも左右され、遠くに遠征しても空振りの事さえある。
 良い時期と天候、そして時間に訪問したとしても翅裏だけの写真で終わることも多い。一枚目の写真は、エゾミドリシジミ Favonius jezoensis (Matsumura, 1915) のオスだが、翅を開く前に飛んで行ってしまった。また、翅を開いたとしても、目線と同じ高さ、あるいはそれ以上の葉先で撮影角度が悪ければ、鱗粉が反射する光の加減で後翅が輝かずに黒く見えてしまう。(写真2.)また、生息環境も一緒に写し込む広角撮影は別にして、被写体の図鑑写真を目的とするならば、遠くの梢では写真的にインパクトがなく、証拠程度になってしまう。(写真3.)それに羽化から時間が経っていれば翅が擦れ、鱗粉も剥がれてしまう。個体の最高に美しい姿を写真に撮るという点では、昆虫の中では一番難しいと言えるのではないだろうか。

 そうしたゼフィルスの仲間でも、掲載したジョウザンミドリシジミ Favonius taxila taxila (Bremer, 1861) は、比較的撮りやすく、山地性ゼフィルスの撮影入門種と言えるかも知れない。
 ジョウザンミドリシジミは、ミズナラやコナラの林縁や林内のギャップにおいて、早朝からオスが飛び廻り、葉先に止まっては翅を開く。自分のテリトリーに他のオスが侵入してくるのを見張るのである。他のオスが侵入してくれば、飛び立って追い払う。相手が逃げ出すまで、互いにクルクルと卍飛翔を繰り返す。逃げだせば、また葉先に止まって見張る。
 種によっては、高い梢の葉先にしか止まらないが、ジョウザンミドリシジミは、個体によっては下草にもよく止まる。曇りや少し雨が降っていても活発に活動している時間帯であれば、葉に止まればすぐに翅を開くので撮影しやすい種だと思う。他の種でもそうだが、撮影者にとっては、この翅を開く瞬間がたまらない。
 掲載したジョウザンミドリシジミは、まさにテリトリーを見張っている瞬間である。翅を広げ始めると前脚2本を持ち上げ、戦闘姿勢に入る様子が分かる。他のオスが飛んで来れば、すぐに飛び出す構えである。
 ジョウザンミドリシジミは、過去に何度も撮影し、美しい姿を公開しているので参照いただきたい。今回は、翅が擦れ、片方の尾状突起が欠けている個体であるが、本年に撮影した個体なので記事として紹介した。

 筆者は、ヒサマツミドリシジミのオスを除く Favonius と Chrysozephyrus のオスの開翅はすべて撮影しているが、満足できる写真は少ない。今年は、ハヤシミドリシジミとウラキンシジミは達成できたが、他は未達。そろそろゼフィルスの季節も終わりである。来年は、十分に計画を練って、すべて達成できるよう楽しみたい。

ゼフィルス(Zephyrus)は、ラテン語でギリシャ神話の西風の神ゼピュロス(Zephyros)が語源となっている樹上性のシジミチョウ科(Family Papilionidae)の一群、ミドリシジミ族(Tribe Theclini)の俗称である。ゼフィルスという属名は、現在では分類学上(Thecla)属の同物異名として破棄されているが、長い間ミドリシジミ族の属名として世界的に使用されてきた関係もあり、またミドリシジミ族(現在では多数の属に分割されている)全体を表現する用語として便利なために一般によく使用されている。

参照:ジョウザンミドリシジミ

お願い:なるべくクオリティの高い写真をご覧頂きたく、1024*683 Pixels で掲載しています。Internet Explorerの画面サイズが小さいと、自動的に縮小表示されますが、画質が低下します。Internet Explorerの画面サイズを大きくしてご覧ください。

エゾミドリシジミの写真

エゾミドリシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/250 ISO 3200 -2/3EV(撮影地:長野県松本市 2018.7.21 5:51)

ジョウザンミドリシジミの写真

ジョウザンミドリシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 400 -2/3EV(撮影地:長野県松本市 2018.7.21 6:55)

ハヤシミドリシジミの写真

ハヤシミドリシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 500 -2/3EV(撮影地:東京都 2018.6.24 7:22)

ジョウザンミドリシジミの写真

ジョウザンミドリシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / 絞り優先AE F8.0 1/160秒 ISO 640 -2/3EV(撮影地:岩手県二戸市 2011.7.16 7:38)

ジョウザンミドリシジミの写真

ジョウザンミドリシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / 絞り優先AE F8.0 1/160秒 ISO 640 -2/3EV(撮影地:岩手県二戸市 2011.7.16 7:38)

ジョウザンミドリシジミの写真

ジョウザンミドリシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / 絞り優先AE F8.0 1/125秒 ISO 640 -2/3EV(撮影地:岩手県二戸市 2011.7.16 7:38)

ジョウザンミドリシジミの写真

ジョウザンミドリシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / 絞り優先AE F8.0 1/125秒 ISO 500 -2/3EV(撮影地:岩手県二戸市 2011.7.16 7:38)

ジョウザンミドリシジミの写真

ジョウザンミドリシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / 絞り優先AE F8.0 1/160秒 ISO 640 -2/3EV(撮影地:岩手県二戸市 2011.7.16 7:39)

----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

東京ゲンジボタル研究所 古河義仁/Copyright (C) 2018 Yoshihito Furukawa All Rights Reserved.


ウラジロミドリシジミ(メスの開翅)

2018-07-30 22:17:39 | チョウ/ゼフィルス

 ウラジロミドリシジミ Favonius saphirinus saphirinus (Staudinger, 1887) は、シジミチョウ科(Family Papilionidae)ミドリシジミ族(Tribe Theclini)オオミドリシジミ属(Favonius属)のゼフィルスで、北海道、本州、四国、九州に分布し、東日本ではカシワを主に、西日本ではナラガシワを食樹としている。生息地は極めて局所的で、更には開発等によるカシワ林の消失や乱獲により各地で絶滅が危惧されており、多くの自治体のRDBに絶滅危惧Ⅰ類として記載されている。

 ウラジロミドリシジミのオスの翅表は、見る方向によっては学名(saphirinus)にあるように濃青色(サファイア・ブルー)を呈する。今年撮影した同属のハヤシミドリシジミ Favonius ultramarinus ultramarinus (Fixsen, 1887) のマリン・ブルーとは、また違った美しさがあり、その写真を撮ろうと、これまでに長野県や群馬県に何度も通い、苦労の末、2回ほど開翅の撮影をしている。しかしながら、全開翅ではなく、またサファイア・ブルーらしい色を捉えられていないかった。(参照:ウラジロミドリシジミ)そこで、今年もオスの開翅写真を撮ることを目標にしていた。
 いつもの遠征先にて、前泊で待機。気温が高いと梢から降りてこないのは経験済み。この日の早朝の気温は19℃で曇り。条件的にはまずまず。早速、カシワの木を叩くと1頭のウラジロミドリシジミが降りてきた。ただし1頭しかおらず、しかもメスである。周囲のカシワを叩いても全く姿がない。今年は、昆虫の発生が例年よりも10日ほど早い傾向にあるので、この地のウラジロミドリシジミも発生終盤なのだろう。こちらもスケジュール調整が難しく、また遠方であるから仕方がない。とりあえず、下草に止まった本種を丁寧に撮影することにした。
 ウラジロミドリシジミのメスは、羽化して間もないようで、たいへん美しい個体である。最初の1カットを撮ってから1時間が経過すると、葉先の方に歩き始めた。そして徐々に翅を開き始め、全開翅。地味な色合いであるが、翅がまったく擦れていない綺麗な個体である。天候は曇りで、柔らかい光。構図も良い。もし、これがオスであったら、どれだけ美しかっただろう。
 今までオスの開翅ばかりを狙ってきたので、メスの開翅を撮ったのは初めてであった。また、メスが健在であるという事は、来年に、また発生が期待できるということでもある。楽しみに待ちたいと思う。本記事では、参考までに過去に撮影したオスのウラジロミドリシジミ(半開翅)も掲載した。また、本種は絶滅が危惧され、生息場所も局所的であるため、採集者を意識して記事掲載を意図的に遅らせています。

お願い:なるべくクオリティの高い写真をご覧頂きたく、1024*683 Pixels で掲載しています。Internet Explorerの 画面サイズが小さいと、自動的に縮小表示されますが、画質が低下します。Internet Explorerの画面サイズを大きくしてご覧ください。

ウラジロミドリシジミの写真

ウラジロミドリシジミ(メス)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/40秒 ISO 3200 -2/3EV(撮影日:2018.6.30 4:49)

ウラジロミドリシジミの写真

ウラジロミドリシジミ(メス)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 3200 -2/3EV(撮影日:2018.6.30 5:45)

ウラジロミドリシジミの写真

ウラジロミドリシジミ(メス)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/200秒 ISO 3200 -2/3EV(撮影日:2018.6.30 5:45)

ウラジロミドリシジミの写真

ウラジロミドリシジミ(メス)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/160秒 ISO 3200 -2/3EV(撮影日:2018.6.30 5:45)

ウラジロミドリシジミの写真

ウラジロミドリシジミ(オス)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 1600 +2/3EV(撮影日:2015.7.05 7:12)

ウラジロミドリシジミの写真

ウラジロミドリシジミ(オス)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 1600 +2/3EV(撮影日:2018.7.05 7:12)

ウラジロミドリシジミの写真

ウラジロミドリシジミ(オス)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 200 -1/3EV(撮影日:2016.7.18 6:47)

----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

東京ゲンジボタル研究所 古河義仁/Copyright (C) 2018 Yoshihito Furukawa All Rights Reserved.


ウスイロオナガシジミ

2018-07-25 21:39:39 | チョウ/ゼフィルス

 ウスイロオナガシジミ Antigius butleri butleri (Fenton, [1882])は、 シジミチョウ科(Family Papilionidae)ミドリシジミ族(Tribe Theclini)ミズイロオナガシジミ属(Genus Antigius)のゼフィルス。同属のミズイロオナガシジミ Antigius attilia attilia (Bremer, 1861) より、オナガシジミ属のオナガシジミ Araragi enthea enthea (Janson, 1877) に似るが、翅裏のオレンジ帯が前翅に波及しないのが本種である。
 北海道、本州、九州、淡路島に分布し、四国には産していない。幼虫はミズナラ、カシワ、コナラなどを食樹とし、おもに低山地~高標高地にかけての広葉樹林帯に生息しているが局所的である。成虫は晴天の日中は、日陰の葉上に静止していることが多いが、夕刻や曇天の日には活発に飛翔する。
 本種は、環境省カテゴリに記載はないが、食樹の伐採、針葉樹植林、都市化等により 東京都及び鹿児島県で絶滅危惧Ⅰ類に、埼玉県、神奈川県、群馬県、島根県で絶滅危惧Ⅱ類に、茨城県で準絶滅危惧種に選定している。また、鹿児島県栗野岳亜種 Antigius butleri kurinodakensis Fujioka, 1975 は、環境省カテゴリで絶滅危惧ⅠA類(CR)に選定している。

 ウスイロオナガシジミは、今年の撮影目標にはない種で、しかも葉上に静止していたところを偶然に見つけたのだが、こうして羽化したばかりの美しい個体に出会えると嬉しい。
 以下の写真には、比較のためにミズイロオナガシジミとオナガシジミも掲載した。

お願い:なるべくクオリティの高い写真をご覧頂きたく、1024*683 Pixels で掲載しています。Internet Explorerの画面サイズが小さいと、自動的に縮小表示されますが、画質が低下します。Internet Explorerの画面サイズを大きくしてご覧ください。

ウスイロオナガシジミの写真

ウスイロオナガシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / 絞り優先AE F8.0 1/160秒 ISO 3200 +1/3EV(撮影地:岩手県二戸市 2018.07.15)

ミズイロオナガシジミの写真

ミズイロオナガシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/80秒 ISO 3200 +1EV (撮影地:山梨県北杜市 2011.7.16)

オナガシジミの写真

オナガシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/100秒 ISO 3200 +1/3EV (撮影地:山梨県北杜市 2011.7.16)

----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

東京ゲンジボタル研究所 古河義仁/Copyright (C) 2018 Yoshihito Furukawa All Rights Reserved.


ウラキンシジミ(odai型)

2018-07-20 17:51:59 | チョウ/ゼフィルス

 ウラキンシジミ Ussuriana stygiana (Butler, 1881)は、シジミチョウ科(Family Papilionidae)ミドリシジミ族(Tribe Theclini)コンゴウシジミ属(Genus Ussuriana)のゼフィルスで、前翅長14~20㎜。翅表は暗黒褐色、翅裏は文字通り「金色」(橙黄色~黄褐色)で、亜外縁に橙色斑列がある。雌雄の斑紋は、ほとんど同様であるが、メスの翅表の色彩は、オスに比べてやや明るい。翅裏の色彩は雌雄ともに地理的変異や遺伝的変異があり、岩手県陸中地方で出現する翅裏亜外縁部の黒紋が消失したodai型や埼玉県秩父地方で出現する黒化型等が知られている。
 ウラキンシジミは、日本特産種で北海道~九州まで分布し、低山地から高山地帯の落葉広葉樹が主体の渓流沿いなどを主な生息地としているが、かなり局所的である。幼虫はブナ類ではなく、モクセイ科のトネリコやコバノトネリコを食樹としており、終齢幼虫は葉先を噛み切ってパラシュートのように地上に落下し蛹になる。成虫は、夕方に活発な活動をし、 ノリウツギやクリなどによく訪花する。日中は葉の上に止まっていることが多い。
 落葉広葉樹林の伐採による生態環境の消失と針葉樹の植林による生息地の環境悪化などで、近年は生息地での個体数が減少している。環境省カテゴリにはないが、千葉県、宮崎県で絶滅危惧Ⅰ類、 茨城県、和歌山県、大阪府、香川県、佐賀県で絶滅危惧Ⅱ類、埼玉県、高知県、愛媛県、島根県、山口県、福岡県、熊本県では準絶滅危惧種として選定している。

 ウラキンシジミは、2014年に岐阜県高山市で1頭(写真6)撮影しただけで、その後は出会いすら叶っていなかった。今回の岩手遠征では、確実な生息地情報は分かっていなかったが、訪れた場所は偶然にも本種がたくさん生息しており、探さなくても何頭ものウラキンシジミに出会い、撮影することができた。しかも、翅裏亜外縁部の黒紋が消失したodai型も撮ることができた。

お願い:なるべくクオリティの高い写真をご覧頂きたく、1024*683 Pixels で掲載しています。Internet Explorerの画面サイズが小さいと、自動的に縮小表示されますが、画質が低下します。Internet Explorerの画面サイズを大きくしてご覧ください。

ウラキンシジミの写真

ウラキンシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 2000 +2/3EV(撮影地:岩手県 2018.7.15)

ウラキンシジミの写真

ウラキンシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 3200 +2/3EV(撮影地:岩手県 2018.7.15)

ウラキンシジミの写真

ウラキンシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/320秒 ISO 1600(撮影地:岩手県 2018.7.15)

ウラキンシジミの写真

ウラキンシジミ(odai型)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/320秒 ISO 800(撮影地:岩手県 2018.7.15)

ウラキンシジミの写真

ウラキンシジミ(odai型)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/500秒 ISO 200 -2/3EV(撮影地:岩手県 2018.7.15)

ウラキンシジミの写真

ウラキンシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F3.5 1/250秒 ISO 200 -2/3EV ストロボ使用(撮影地:岐阜県高山市 2014.8.3)

----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

東京ゲンジボタル研究所 古河義仁/Copyright (C) 2018 Yoshihito Furukawa All Rights Reserved.


ハヤシミドリシジミ

2018-06-25 21:49:57 | チョウ/ゼフィルス

 ハヤシミドリシジミ Favonius ultramarinus ultramarinus (Fixsen, 1887) は、シジミチョウ科(Family Lycaenidae)シジミチョウ亜科(Subfamily Lycaeninae)ミドリシジミ族(Tribe Theclini)オオミドリシジミ属(Genus Favonius)のチョウで、国内では北海道・本州・九州に分布している。四国には産しない。オスの翅表は学名(ウルトラマリン)にふさわしく、サンゴ礁の海のような青緑色が特徴である。和名は、チョウの研究者、林慶氏にちなむ。
 ゼフィルスの多くはブナ科の数種を食樹としているが、本種はほぼカシワしか食べない。そのため、丘陵地や高原のカシワが散在する明るい二次林に多く生息し、年1回、6月中旬~7月上旬頃に発生、卵で越冬する。
 本種は、食樹のカシワの樹林からほとんど離れず、日中は雌雄共にカシワの葉上などに静止していることが多いが、オスは、午後3時を過ぎる頃からカシワの梢上を活発に飛翔したり、カシワの葉に静止してテリトリーを見張る占有行動を行う。

 ハヤシミドリシジミは、限られた場所に生育するカシワに依存して生息していることから、産地はいずれも局地的であるが、 近年では、混交林の繁茂や管理放棄に伴いカシワの生育が不全となったり、伐採によってカシワが無くなる地域が多く、本種の個体数は減少傾向にある。
 環境省カテゴリーにはないが、18の都府県ではRDBに記載しており、茨城県、群馬県、愛知県では絶滅危惧Ⅰ類に、山形県、栃木県、埼玉県、東京都、神奈川県、岐阜県、兵庫県、熊本県では絶滅危惧Ⅱ類に選定している。

 ハヤシミドリシジミは、2013年にカシワの葉上で翅を広げてテリトリーを見張る様子を撮影している(写真.9)。これは生態写真であり、ウルトラマリンの翅表も美しく撮れている貴重な1枚であるが、更に翅に擦れや欠損がない個体にて、その特徴である翅色が分かるような美しい図鑑写真を撮りたいという欲が出る。
 昆虫写真は様々である。撮影者が何も拘りを持たず、ただその姿を写すだけならば、トンボやチョウでも苦労なく撮れる種は多いが、撮影に目標や理念を持つとハードルが高くなる。撮りたい種の生態と行動パターンを学んだ上で生息場所に行き、丹念に探せば何とかなる場合もあれば、証拠程度の写真すら苦労する場合もある。更に産卵や羽化と言った生態写真になれば、より多くの知識と経験、撮影機材とテクニック、時には運も必要になるが、撮影成功の鍵は、執念かも知れない。
 では、チョウである本種の開翅写真はどうだろうか?生態と行動パターン、攻略法を学ぶことは言うまでもない。その上で、まずは発生初期に行くこと。今年は、どの昆虫も例年に比べて発生が10日ほど早く、本種も同じように早いと予想。そして一番重要なのが気象条件である。

 ハヤシミドリシジミの生息地。天候は、曇り時々小雨。早朝4時半から何本もあるカシワを1本ずつ周る。カシワの葉から何頭も飛び出しても、それを追うのが大変で、運良く下草に降りても、見失ってしまう。やっと見つけても、翅を開かず飛び立ってしまうことも。1時間くらいすると雨が降り出し、一旦中断。止んでも、すぐにまた雨。気温は18℃から15℃に下がった。
 ようやく雨があがり、途中から来られた同じ目的を持ったお二方とともに連携作業を繰り返す。そのうち1頭のオスが下草に静止。10分ほど経過すると奇跡的に薄日がさす。すると、その個体は徐々に翅を広げた(写真.3~7)。よく見ればカメラ目線で、こちらの思いが通じたかのようだ。その後、見事に全開翅。他のゼフィルスでもそうだが、この瞬間はいつも緊張と安堵、そして感動と興奮である。この個体は、5分ほどマリンブルーを披露してカシワの木へと飛び去っていった。気温が高ければ降りては来ないし、気温が低ければ翅は開かない。また、チョウの翅に直射日光が当たれば、青よりもキラキラした緑色が強く出てしまう。位置がちょっと変わるだけでも後翅は黒色になってしまう。 将にすべての条件が揃った5分間であった。

 写真撮影とブログへの掲載は、個人的趣味の自己満足の域を出ないが、これら写真から、ハヤシミドリシジミという美しい小さなチョウの魅力が少しでも伝われば幸甚である。また、下草での開翅写真は、撮影のために人為的な手段を用いるため、生態学的には意味をなさないものであることを付け加えておきたい。

お願い:なるべくクオリティの高い写真をご覧頂きたく、1024*683 Pixels で掲載しています。Internet Explorerの画面サイズが小さいと、自動的に縮小表示されますが、画質が低下します。Internet Explorerの画面サイズを大きくしてご覧ください。

ハヤシミドリシジミの写真

ハヤシミドリシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 400(撮影地:神奈川県 2018.6.24 7:09)

ハヤシミドリシジミの写真

ハヤシミドリシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/320秒 ISO 640(撮影地:神奈川県 2018.6.24 7:02)

ハヤシミドリシジミの写真

ハヤシミドリシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 500(撮影地:神奈川県 2018.6.24 7:08)

ハヤシミドリシジミの写真

ハヤシミドリシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 500(撮影地:神奈川県 2018.6.24 7:08)

ハヤシミドリシジミの写真

ハヤシミドリシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/320秒 ISO 640(撮影地:神奈川県 2018.6.24 7:08)

ハヤシミドリシジミの写真

ハヤシミドリシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/320秒 ISO 640(撮影地:神奈川県 2018.6.24 7:08)

ハヤシミドリシジミの写真

ハヤシミドリシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/320秒 ISO 640(撮影地:神奈川県 2018.6.24 7:08)

ハヤシミドリシジミの写真

ハヤシミドリシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 500(撮影地:神奈川県 2018.6.24 7:13)

ハヤシミドリシジミの写真

ハヤシミドリシジミ
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 + Kenko TELEPLUS 2X / 絞り優先AE F8.0 1/1000秒 ISO 1600(撮影地:東京都 2013.06.30 15:19)

----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

東京ゲンジボタル研究所 古河義仁/Copyright (C) 2018 Yoshihito Furukawa All Rights Reserved.


フジミドリシジミ

2018-06-13 21:39:52 | チョウ/ゼフィルス

 フジミドリシジミ Sibataniozephyrus fujisanus fujisanus (Matsumura, 1910) は、シジミチョウ科(Family Lycaenidae)シジミチョウ亜科(Subfamily Lycaeninae)ミドリシジミ族(Tribe Theclini)フジミドリシジミ属(Genus Sibataniozephyrus)のチョウで、北海道(南西部)、本州、四国、九州に分布する日本の特産種。食樹はブナ科のブナ、イヌブナで山地のブナの自然林に生息し、二次林にはほとんど生息しない。翅の開張は33mm内外でミドリシジミ族のなかではもっとも小さく、翅表の色彩が強い青色を帯びるのが特徴である。最初に富士山で発見されたことが和名の由来である。
 フジミドリシジミは、環境省カテゴリーに記載はないが、佐賀県のRDBで絶滅危惧Ⅰ類、福岡県、熊本県、三重県、愛知県のRDBで絶滅危惧Ⅱ類、茨城県、埼玉県、岐阜県、島根県、愛媛県、高知県のRDBで準絶滅危惧種として記載している。地球温暖化に伴うブナ林の分布域縮小やシカの下草の食害による裸地化が個体数の減少の原因として挙げられている。

 フジミドリシジミは、ブナの樹冠部で早朝と夕方に活動していることから目にすることも稀であり、写真に撮ることはまず無理である。しかしながら、東京都内には、フジミドリシジミが生息するブナの冠部を上から眺めることができる場所が一ケ所だけあり、奇跡的に撮影できる。それでも、距離は数メートルあるから、小さなチョウを撮るのは簡単ではないし、撮っても証拠程度の写真が多い。しかし、その生態を知り行動を細かく分析すると、場所を変えれば状況は変わってくる。
 フジミドリシジミは花から吸蜜することはなく、活動場所のブナの樹冠部で吸水するが、樹冠部で吸水できなければ林道脇などの下草に降りてくるのである。
 ある時、訪れたブナの森は大木ばかりで、樹冠は10mも上。見上げたが、飛びまわっているフジミドリシジミは1頭もいない。林道沿いを見て回る。すると、ブナの森を流れる小さな沢と林道との出会いの周辺で10頭を越えるフジミドリシジミのオスが下草上で見られた。これほど狭い範囲の下草に多くのフジミドリシジミが見られるとは驚きであった。下草に朝日が当たり始めた頃、葉に付いた夜露を舐め、翅を開いて体を温め、しばらくすると弱々しく羽ばたきながらブナの梢へと飛び立っていった。

 偶然や奇跡的に撮影できたものも一つの記録であると思うが、昆虫の生態を知り、行動を詳細に観察することによって確実に収めることができた写真は、学術的にも裏付けとなる貴重な生態写真となる。ただし、撮影しやすいということは、採集もしやすいということにもなる。本種は、環境悪化以外に採集者による乱獲も減少に拍車を掛けていることから、撮影場所の詳細は記さないこととし、撮影場所の問い合わせに関しても一切お答えしないこととしたい。また、本記事の写真は、全て過去に撮影したものである。

お願い:なるべくクオリティの高い写真をご覧頂きたく、1024*683 Pixels で掲載しています。Internet Explorerの画面サイズが小さいと、自動的に縮小表示されますが、画質が低下します。Internet Explorerの画面サイズを大きくしてご覧ください。

フジミドリシジミの写真

フジミドリシジミ
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 + Kenko TELEPLUS 2X / 絞り優先AE F10 1/4000秒 ISO 6400(撮影地:東京都 2014.6.1 6:06)

フジミドリシジミの写真

フジミドリシジミ
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 + Kenko TELEPLUS 2X / 絞り優先AE F8.0 1/1600秒 ISO 6400(撮影地:東京都 2014.6.1 5:56)

フジミドリシジミの写真

フジミドリシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 800 +1EV(撮影地:岐阜県 2015.7.12 7:29)

フジミドリシジミの写真

フジミドリシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 2000 +1EV(撮影地:岐阜県 2015.7.12 7:31)

フジミドリシジミの写真

フジミドリシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 1250(撮影地:岐阜県 2015.7.12 7:25)

フジミドリシジミの写真

フジミドリシジミ
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 + Kenko TELEPLUS 2X / 絞り優先AE F10 1/320秒 ISO 6400(撮影地:東京都 2014.6.1 6:37)

フジミドリシジミの写真

フジミドリシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 2000 +1EV(撮影地:岐阜県 2015.7.12 7:25)

フジミドリシジミの写真

フジミドリシジミ(メス)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 + Kenko TELEPLUS 2X / 絞り優先AE F10 1/1000秒 ISO 6400 -1/3EV(撮影地:東京都 2014.6.1 7:52)

----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

東京ゲンジボタル研究所 古河義仁/Copyright (C) 2018 Yoshihito Furukawa All Rights Reserved.


ミドリシジミ

2018-06-03 20:11:08 | チョウ/ゼフィルス

 ミドリシジミ Neozephyrus japonicus japonicus (Murray, 1875) は、シジミチョウ科(Family Lycaenidae)シジミチョウ亜科(Subfamily Lycaeninae)ミドリシジミ族(Tribe Theclini)ミドリシジミ属(Genus Neozephyrus)のチョウで、日本では北海道、本州、四国、九州に分布するが、九州では九重山系にのみ産する。
 翅の裏面は雌雄とも灰褐色であるが、オスの翅表は金緑色で和名の由来になっている。メスの翅表は、遺伝的多型があることが知られ、褐色無紋のO型、橙赤斑をもつA型、大形の藍紫斑をもつB型、藍紫斑と橙赤斑の両方をもつAB型と4タイプが知られている。
 幼虫の食草はハンノキ、ヤマハンノキなどなどのカバノキ科であるから、低地から山地のハンノキが生える湿地に多く生息するが、ヤマハンノキが生育する山地にも生息している。ちなみに筆者は、2014年8月23日に標高1,200mの山地にて蕎麦の白い花で吸蜜するオスのミドリシジミを撮影している。(ミドリシジミ(吸蜜)
 本種は、環境省RDBに記載はないが、熊本県で絶滅危惧Ⅰ類、千葉県、岐阜県、奈良県、香川県、島根県、大分県では絶滅危惧Ⅱ類に選定している。撮影した埼玉県では準絶滅危惧種に選定しており、平成3年には県の蝶に指定している。

 ミドリシジミの写真は、その魅力である輝く翅表を収めたものでありたい。2012年に撮影し「ミドリシジミ(開翅)」として掲載してはいるものの、片方の尾状突起が欠損した個体であった。その後、ハードルの高い山地性ゼフィルスを主として撮影していたため、なかなかチャンスがなかったが、今年は、ミドリシジミの翅の擦れと欠損がない美しい個体を撮ることを目標として定め、3週に渡って生息地へ通った。先週は未発生であったが、今回は発生のピーク。到着した6時半には、10数頭の個体が一畳ほどの範囲の下草に止まっていた。また、湿地全体のあちこちで下草にいる個体を確認できた。
 日が当たり気温上がってくると半開翅した後、ハンノキの梢に飛び上がってしまう個体が多かったが、しばらくすると降りてきて下草で開翅する個体や、地上で羽化したばかりの個体が下草で開翅するという場面に多く遭遇できた。翅の擦れた個体や欠損した個体の写真は「生態写真」として言い訳できるが、図鑑写真として新鮮な個体を美しく撮ることが第一の目標である。しかしながら、ミドリシジミの生態や成虫の行動に関する知識を持っていても、綺麗に撮るのは簡単ではない。近づくとすぐに飛び立ってしまう個体も多い。それでも何とか複数個体を様々な角度から撮影することができたので紹介したい。
 ミドリシジミの翅表の色は、サブミクロン・スケールの微細な構造によって作り出される物理的な色、すなわち「構造色」であり、入射した光線のある波長の山と山が重なり合ったときに金属光沢をもつ強烈な色を形成し、見る方向によって異なった色を示す。同じ個体でも見る角度で翅色が緑色や青色に見えるのである。写真のミドリシジミの翅表の色も、太陽光の角度や撮影方向で違っている。

 今回は、これまであまり興味がなかったメスのミドリシジミも撮影した。橙赤斑をもつA型である。メスの遺伝的多型の図鑑写真を撮りたいという意欲が湧いてきたが、今年は、ヒロオビミドリシジミ、ハヤシミドリシジミ、ウラジロミドリシジミ、ヒサマツミドリシジミ、アイノミドリシジミ、キリシマミドリシジミを綺麗に撮り直したいと思う。

お願い:なるべくクオリティの高い写真をご覧頂きたく、1024*683 Pixels で掲載しています。Internet Explorerの画面サイズが小さいと、自動的に縮小表示されますが、画質が低下します。Internet Explorerの画面サイズを大きくしてご覧ください。

ミドリシジミの写真

ミドリシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/320秒 ISO 1600 -1/3EV(撮影地:埼玉県入間市 2018.6.02 10:36)

ミドリシジミの写真

ミドリシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 1250 -1/3EV(撮影地:埼玉県入間市 2018.6.02 10:37)

ミドリシジミの写真

ミドリシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/320秒 ISO 1000 -2/3EV(撮影地:埼玉県入間市 2018.6.02 8:34)

ミドリシジミの写真

ミドリシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 800 -2/3EV(撮影地:埼玉県入間市 2018.6.02 9:03)

ミドリシジミの写真

ミドリシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/320秒 ISO 3200 -2/3EV(撮影地:埼玉県入間市 2018.6.02 7:45)

ミドリシジミの写真

ミドリシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 1600(撮影地:埼玉県入間市 2018.6.02 7:14)

ミドリシジミの写真

ミドリシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 800 -1/3EV(撮影地:埼玉県入間市 2018.6.02 9:12)

ミドリシジミの写真

ミドリシジミ(翅裏)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/320秒 ISO 640 -1/3EV(撮影地:埼玉県入間市 2018.6.02 9:09)

ミドリシジミ(メス)の写真

ミドリシジミ(メス)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 2000 -2/3EV(撮影地:埼玉県入間市 2018.6.02 8:41)

----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

東京ゲンジボタル研究所 古河義仁/Copyright (C) 2018 Yoshihito Furukawa All Rights Reserved.


ゼフィルスの季節

2018-06-02 18:09:45 | チョウ/ゼフィルス

 ゼフィルスの季節が今年もやってきた。ゼフィルス(Zephyrus)は、ギリシャ語だが、語源はギリシャ神話の西風の神ゼピュロス(Zephyros)で、樹上性のシジミチョウの一群(ミドリシジミ亜科)をゼフィルスと呼んでいる。かつては分類学上の呼称であったが、現在でもそのまま使っている。国内には25種類生息しており、キタアカシジミを除く24種類を撮影しているが、満足のいく図鑑写真は多くない。
 今年は、ミドリシジミをはじめ、山地性ゼフィルスの撮り直しを計画。まずはミドリシジミの生息する湿地を訪れた。湿地では、平地性ゼフィルスがすべて発生しており、特にアカシジミとウラナミアカシジミは大発生であった。平地性ゼフィルスが発生すると、次はより美しい山地性ゼフィルスが舞い始める。これらの発生時期がよい指標となる。
 この日の目的であったミドリシジミは次の記事で紹介することとし、今回は5種を掲載した。ただし、毎年、平地性ゼフィルスの同じような写真を撮影し掲載したのでは単なる撮影日記で進歩がない。そこで今回は、特徴が分かる翅裏と開翅写真を並べた。アカシジミとウラナミアカシジミにおいては、翅を開いて止まることがないため、少しだけ翅を開いた写真を掲載した。

お願い:なるべくクオリティの高い写真をご覧頂きたく、1024*683 Pixels で掲載しています。Internet Explorerの画面サイズが小さいと、自動的に縮小表示されますが、画質が低下します。Internet Explorerの画面サイズを大きくしてご覧ください。

アカシジミの写真

アカシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/500秒 ISO 3200(撮影地:埼玉県入間市 2018.5.26)

ウラナミアカシジミの写真

ウラナミアカシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/320秒 ISO 1250 -1/3EV(撮影地:埼玉県入間市 2018.6.02)

ミズイロオナガシジミの写真

ミズイロオナガシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/320秒 ISO 1250(撮影地:東京都西多摩郡 2012.06.17)

ミズイロオナガシジミの写真

ミズイロオナガシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F6.3 1/320秒 ISO 1000(撮影地:東京都西多摩郡 2012.06.17)

ウラゴマダラシジミの写真

ウラゴマダラシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 800 -1/3EV(撮影地:埼玉県入間市 2018.6.02)

ウラゴマダラシジミの写真

ウラゴマダラシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/320秒 ISO 800 -1/3EV(撮影地:埼玉県入間市 2018.6.02)

オオミドリシジミの写真

オオミドリシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F6.3 1/320秒 ISO 800(撮影地:東京都八王子市 2016.6.19)

オオミドリシジミの写真

オオミドリシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/320秒 ISO 400 -1/3EV(撮影地:埼玉県入間市 2018.6.02)

アカシジミとウラナミアカシジミの写真

アカシジミとウラナミアカシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/160秒 ISO 800(撮影地:埼玉県入間市 2018.6.02)

----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

東京ゲンジボタル研究所 古河義仁/Copyright (C) 2018 Yoshihito Furukawa All Rights Reserved.