ホタルの独り言 Part 2

ホタルの生態と環境を52年研究し保全活動してます。ホタルだけでなく、様々な昆虫の生態写真や自然風景の写真も掲載しています

和の桜

2021-03-28 15:05:07 | 風景写真/桜

 私が一年の中で一番「和」を感じる季節。特に桜は、わびさび、凛、雅・・・など普段は忘れている和心を呼び覚ましてくれる。
 昨年は、新型コロナウイルスの感染拡大で一度も桜を撮ることができまなかった。21日で一都三県の緊急事態宣言が解除され、昨日は、既に満開となっているところでは大勢の花見客で賑わいを見せていが、そんな桜に対しては、撮りたいという写欲が湧かない。
 今日の風雨に舞う桜の花びらに、人の心の儚さを重ねつつ、私だけの「和」を見つけたい。そんな風に思っている。

お願い:なるべくクオリティの高い写真をご覧頂きたく、縦800 Pixelsで投稿しています。ウェブブラウザの画面サイズが小さいと、自動的に縮小表示されますが、画質が低下します。ウェブブラウザの画面サイズを大きくしてご覧ください。

しだれ桜の写真

しだれ桜
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F32 1秒 ISO 1000(撮影地:東京都国立市 2012.4.08 18:12)

----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

東京ゲンジボタル研究所 古河義仁/Copyright (C) 2021 Yoshihito Furukawa All Rights Reserved.


開田高原の星空(天と地の融合)

2021-03-21 17:18:12 | 風景写真/星

 開田高原の星空を撮影してきた。テーマは「天と地の融合」である。写真撮影は2月27日以来3週間ぶりとなる。
 東京では3月14日にソメイヨシノの開花が発表され、春の到来である。昆虫関係においては、都内でオツネントンボが産卵を開始し、神奈川県内ではギフチョウも飛び始めた。虫屋としては、すぐにでもそれらの観察と撮影に駆け付けたい気持ちは当然あるのだが、新型コロナウイルスの感染拡大の緊急事態宣言中は、「写真撮影は人が集まらない夜の光景を単独で」と自分で決めたからには、緊急事態宣言が解除される21日までは守り抜きたい。
 この週末、東京の天気は20日土曜日が曇り、21日日曜日は雨で強風という天気。土曜の夜が雨ならば、迷わずゲンジボタル幼虫の上陸観察に出掛けるが、残念ながら雨は日曜日になってから。月曜日からの仕事を考えると出掛ける訳にはいかない。
 東京はこのような天気でも、信州は金曜から土曜日にかけて晴れの予報が出ていた。月は午前0時に沈む。GPV気象予報を見ても、雲がなく絶好の星空撮影日和である。目的は、夏の天の川のアーチを撮ること。単に天の川アーチを撮るだけならば、晴れの区域で南北が見渡せる光害のない所ならどこでも良いと思うが、主役には脇役が必要だ。しかも「天と地の融合」がテーマである。2月20日に「富士山と天の川アーチ」を撮って本ブログに掲載しているが、勿論、満足できる結果ではなかった。そこで今回は、過去に何度も訪れている長野県木曽町の開田高原にある「木曽馬の里」に行くことにした。
 19日金曜日は、会社に5時40分に出社し、19時に退社。自宅には帰らずそのまま開田高原へ向かった。「木曽馬の里」には、翌0時半に到着。カメラのセッティング位置などは予め決めておいたので、天の川が昇り始めるまで車内で待機し、午前1時半から撮影を開始した。二か所でタイムラプス動画用の撮影を行い、最後は天の川アーチ。春霞と東の低い空に薄い雲がかかっていたことで、2019年5月に撮った時よりも、天の川は肉眼で薄っすらとしか確認できなかったが、何とか撮影だけは行い、現地を4時半に撤収、帰路についた。
 久しぶりの徹夜。しかも会社出勤前から撮影遠征で帰宅するまで30時間以上一睡もしていなかった。事故もなく無事に帰宅したが、年齢を考え、今後は無理のない計画にしようと思う。

 撮影は、ピントは無限大にし絞りは開放。開放では、写真四隅の周辺光量落ち等のケラレが目立つが、これは現像時のレンズプロファイルで補正するとし、今回は「光を集める」ことにした。次に、星を点で捉えるためにNPFルールで計算した露光時間に近くなるようにISO感度を設定し、絞り優先AEで連写モードで撮影した。また今回は、アンタレスの赤など「星の色」を出すためにソフトフィルターを使用した。RAW現像は、Lightroomで行い、パノラマ合成もLightroomである。結果はご覧の通りで、今のカメラとレンズでは、これが限界である。高感度でもノイズレスな最新のデジタルカメラとF2くらいの明るい単焦点超広角レンズなら、きっと美しい結果が得られるだろう。
 タイムラプス動画は、フリーソフトのSequatorで加算平均合成を行った後、SiriusCompで作成した。尚、以下に掲載した動画は、過去に撮影した動画を含めて編集した。

 今回のテーマは「天と地の融合」である。丘の上にある一本の「ナラの木」を地上の象徴とし、その上に天の川のアーチを配置することでイメージに近づけた。「天と地」は「二つのものの間に大きなへだたりや違いのあるさまのたとえ」であるが、その融合は、相反する世界が一つになり自然と共に美しく融合してゆく世界であり、平和を表すと思う。ただし、平和には「人」の存在が欠かせない。
 中国戦国時代の思想家「孟子」の言葉に「天の時は地の利に如かず 地の利は人の和に如かず」がある。何事かを達成しようとする時、天の時を得ていて、地の利がなければ成就できない。しかし、それらを得ていても、人の和がなければ成就できないという意味である。この世は「天・地・人」の三つの関係で成り立っており、宇宙間に存在する万物はバランスで成り立っているが、「人」は和を乱しバランスを崩そうとしている。「人」は自然に順応し、その一部として生き、自然の理法に従うことが大切だと改めて思う。

以下の掲載写真は、1920*1280 Pixels で投稿しています。写真をクリックしますと拡大表示されます。 また動画においては、Youtubeで表示いただき、HD設定でフルスクリーンにしますと高画質でご覧いただけます。

開田高原の星空(天の川アーチ)の写真

開田高原の星空(天の川アーチ)
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / PRO1D プロソフトン[A](W)使用 / 絞り優先AE F2.8 20秒 ISO 2000 10カットをパノラマ合成(撮影地:長野県木曽町/開田高原 2021.3.20 3:22)

開田高原の星空(天の川アーチ)の写真

開田高原の星空(天の川アーチ)
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / PRO1D プロソフトン[A](W)使用 / 絞り優先AE F2.8 20秒 ISO 2000 20カットをパノラマ合成(撮影地:長野県木曽町/開田高原 2021.3.20 3:41)

開田高原の星空(天の川アーチ)の写真

開田高原の星空(天の川アーチ)
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / PRO1D プロソフトン[A](W)使用 / 絞り優先AE F2.8 25秒 ISO 2000 28カットをパノラマ合成(撮影地:長野県木曽町/開田高原 2021.3.20 3:49)

開田高原の星空(夏の天の川)の写真

開田高原の星空
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / PRO1D プロソフトン[A](W)使用 / 絞り優先AE F2.8 20秒 ISO 2000(撮影地:長野県木曽町/開田高原 2021.3.20 2:47)

開田高原の星空(夏の天の川)の写真

開田高原の星空(夏の天の川)
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / PRO1D プロソフトン[A](W)使用 / 絞り優先AE F2.8 25秒 ISO 2000 Sequatorで5カットを加算平均合成(撮影地:長野県木曽町/開田高原 2021.3.20 3:12)

----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

東京ゲンジボタル研究所 古河義仁/Copyright (C) 2021 Yoshihito Furukawa All Rights Reserved.


桜月夜

2021-03-14 15:31:55 | 風景写真/桜

 桜月夜とは、桜の花が月夜に照りはえるさまを言い、与謝野晶子は「みだれ髪」の中で「清水へ祇園をよぎる桜月夜こよひ逢ふ人みなうつくしき」と詠っている。「桜咲く月夜にすれ違う人々とその顔が美しい」と言っているわけだが、自身の満ち足りた気持ちと桜月夜によって、見るものすべてが美しく見えるという心の変化を表している。
 東山魁夷は、自身の作品とともに、月と桜について以下のように述べている。
   丸い大きな月。静かに古代紫の空に浮び上る。
   花はいま月を見上げる。
   月も花を見る。
   桜樹を巡る地上のすべて、ぼんぼりの灯、篝火の焔、人々の雑踏、それらは跡かたもなく消え去って、
   月と花だけの天地となる。
   これを巡り合せというのだろうか。
   これをいのちというのだろうか。

 本記事で掲載した写真桜月夜は、2011年の撮影である。
 新型コロナウイルスの感染拡大が始まり一年が過ぎた。家族全員、自宅でのテレワークではなく都心に通勤しているにも関わらず、幸いにもこれまで一切、新型コロナウイルスには感染していない。飲食店での会食はせず、最大限の感染防止を行っているからであろう。特に緊急事態宣言中は、休日の過ごし方にも注意をし、日中は不要不急の外出を控えるようにしている。趣味である写真撮影においては、車での移動、人に合わない近づかないを徹底するべく、日中の移動は止め、撮影は夜間において星景写真を主として行ってきた。
 東京の山間部では、梅林が満開に近く、河津桜や八重桜は開花の所もある今日この頃。日中に人の来ない里山で越冬昆虫を撮ることも問題ないと思う。昨年のこの時期は完全に自粛し、里山等で春らしい光景を一切撮らなかったので、今年こそはと思っていたが、3月7日に解除予定であった緊急事態宣言が21日まで延長され、緊急事態宣言中は夜間撮影のみと自身で決めた以上は守りたい。
 テーマと撮影場所も決めている。以前に宣言した「海と星空」では「東日本大震災の復興」を大きなテーマとして撮りたいと思っているが、天候が味方してくれない。月と雲がない澄んだ空が条件だが、3月になってから2週続けて条件を満たしてくれない。今週末は石化鵜の新月でありながら雲が広がってダメであった。このテーマは、緊急事態宣言解除後も追い求めたいと思うが、季節が限定されるため、チャンスを待ちたいと思う。
 そんな理由から、3月になってから一度も撮影に出掛けていないため、過去に撮影した写真をデジタルならではの比較明合成処理を行って初公開した。

 月には、昔から大きなパワーがあることが知られており、月の満ち欠けは心と体に影響を及ぼしている。満月では、達成、完了、収穫、実りなどのエネルギーがあり、感情の起伏が大きくなり、気分も高揚しがち。新月では、育てる、新しいことを始めるというパワーが強いとされる。
 東日本大震災から10年。過日ではあるが、3月13日は魚座の新月。12星座の連なりの最後の魚座は、次のサイクルへ向けて「癒やしと解放」を行い、出発点に戻るような意味合いを持っていると言う。そして新月は、精神性の浄化や自分の深いところからの気づきを促してくれると言う。
 これまでの自分を大きく反省し、見るものすべてを美しく、また命の尊さを感じ、他者の悲しみや痛みに心から寄り添える人になりたいと、月に願おうと思う。

お願い:なるべくクオリティの高い写真をご覧頂きたく、1920*1280 Pixelsで投稿しています。ウェブブラウザの画面サイズが小さいと、自動的に縮小表示されますが、画質が低下します。Internet Explorer等ウェブブラウザの画面サイズを大きくしてご覧ください。

桜月夜の写真

桜月夜
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 比較明合成(撮影地:山梨県身延町 2011年)

桜月夜の写真

桜月夜
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 比較明合成(撮影地:山梨県身延町 2011年)

----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

東京ゲンジボタル研究所 古河義仁/Copyright (C) 2021 Yoshihito Furukawa All Rights Reserved.