この週末は雨となった。私の自宅近くのJR国立駅からまっすぐ南へと続く1.3kmの大学通りには、約360本の桜が植樹され桜の並木道をつくっているが、気温も低く「花冷え」で 桜の花も、どこか悲し気に見える。この桜が咲く3月下旬~4月上旬に降る雨のことを桜雨(さくらあめ)や「花の雨」と言うらしい。春に降る雨には、この他にもいくつか呼び名がある。
- 春雨(はるさめ)
3月下旬から4月頃(旧暦の2月末から3月)にかけていつまでも降り続く地雨のようなしっとりした雨。「花散らしの雨」とも呼ばれる。立春から3月初め(旧暦の正月から2月の初め)に降る「春の雨」とは区別し、 それ以降を「春雨」としている。 - 春時雨(はるしぐれ)
春に降る時雨のこと。時雨は晴れたと思ったら降りだし、降りだしたと思ったら止むを繰り返す定まらない雨のこと。 - 花時雨(はなしぐれ)
桜の時期に降る時雨のこと。
これ以外にも状況に応じた呼び名があるが、桜にまつわる言葉にも色々ある。桜が一面に咲き続き、遠くから見るとまるで白雲のように見えることを「桜雲」といい、川面に映った桜を「桜影」、たくさんの花弁が水の上を帯状に流れる姿を「花筏」など、多様な表現があり風情がある。
春は人が精神的に不安定になりやすい時期でもあり、肌寒く桜の花びらに滴る雫を見ると、儚さや寂しさを感じることも多い。桜雨の時に見る桜は、青空の下で春の陽に当たる桜とは、まったく違うが、見方を変えれば、
感じ方も変わる。交感神経(緊張モード)が副交感神経(リラックスモード)に変わり、自律神経のバランスも整うのである。
写真は、過去に撮影した東京都あきる野市にある龍珠院のしだれ桜である。桜雨の朝、靄に煙る光景を撮ったもので蔵出し写真のため掲載した。次の週末からは、およそ一か月かけて、これまで撮っていない桜をいくつか追いかけてみたいと思っている。これまでに撮影した桜の写真を使ってスライドショー動画も作成してみたのでご覧頂きたいと思う。
また、桜雨の時期は、ゲンジボタルの幼虫が上陸する時期とも重なるので、タイミングが合えば、観察を撮影を行う計画である。
以下の掲載写真は、1920*1280 Pixels で投稿しています。写真をクリックしますと別窓で拡大表示されます。 また動画においては、Youtubeで表示いただき、HD設定でフルスクリーンにしますと高画質でご覧いただけます。
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