ホタルの独り言 Part 2

ホタルの生態と環境を52年研究し保全活動してます。ホタルだけでなく、様々な昆虫の生態写真や自然風景の写真も掲載しています

桜雨

2023-03-27 14:05:45 | 風景写真/桜

 この週末は雨となった。私の自宅近くのJR国立駅からまっすぐ南へと続く1.3kmの大学通りには、約360本の桜が植樹され桜の並木道をつくっているが、気温も低く「花冷え」で 桜の花も、どこか悲し気に見える。この桜が咲く3月下旬~4月上旬に降る雨のことを桜雨(さくらあめ)や「花の雨」と言うらしい。春に降る雨には、この他にもいくつか呼び名がある。

  • 春雨(はるさめ)
    3月下旬から4月頃(旧暦の2月末から3月)にかけていつまでも降り続く地雨のようなしっとりした雨。「花散らしの雨」とも呼ばれる。立春から3月初め(旧暦の正月から2月の初め)に降る「春の雨」とは区別し、 それ以降を「春雨」としている。
  • 春時雨(はるしぐれ)
    春に降る時雨のこと。時雨は晴れたと思ったら降りだし、降りだしたと思ったら止むを繰り返す定まらない雨のこと。
  • 花時雨(はなしぐれ)
    桜の時期に降る時雨のこと。

 これ以外にも状況に応じた呼び名があるが、桜にまつわる言葉にも色々ある。桜が一面に咲き続き、遠くから見るとまるで白雲のように見えることを「桜雲」といい、川面に映った桜を「桜影」、たくさんの花弁が水の上を帯状に流れる姿を「花筏」など、多様な表現があり風情がある。
 春は人が精神的に不安定になりやすい時期でもあり、肌寒く桜の花びらに滴る雫を見ると、儚さや寂しさを感じることも多い。桜雨の時に見る桜は、青空の下で春の陽に当たる桜とは、まったく違うが、見方を変えれば、 感じ方も変わる。交感神経(緊張モード)が副交感神経(リラックスモード)に変わり、自律神経のバランスも整うのである。

 写真は、過去に撮影した東京都あきる野市にある龍珠院のしだれ桜である。桜雨の朝、靄に煙る光景を撮ったもので蔵出し写真のため掲載した。次の週末からは、およそ一か月かけて、これまで撮っていない桜をいくつか追いかけてみたいと思っている。これまでに撮影した桜の写真を使ってスライドショー動画も作成してみたのでご覧頂きたいと思う。
 また、桜雨の時期は、ゲンジボタルの幼虫が上陸する時期とも重なるので、タイミングが合えば、観察を撮影を行う計画である。

以下の掲載写真は、1920*1280 Pixels で投稿しています。写真をクリックしますと別窓で拡大表示されます。 また動画においては、Youtubeで表示いただき、HD設定でフルスクリーンにしますと高画質でご覧いただけます。

龍珠院のしだれ桜の写真
龍珠院のしだれ桜
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F2.8 1/15秒 ISO 100 +1 1/3EV(撮影地:東京都あきる野市 2012.4.14)
桜/Japanese cherry blossom tree(再生時は、設定からHDお選び頂きフルスクリーンにしますと高画質でご覧いただけます)
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東京ゲンジボタル研究所 古河義仁/Copyright (C) 2023 Yoshihito Furukawa All Rights Reserved.


冬から春にかけての星空

2023-03-20 17:23:17 | 風景写真/星

 冬から春にかけての星空を信州・霧ヶ峰高原で撮ってきた。何と、写真撮影は今年になって3回目で、2月6日以来である。東京では、桜が開花し三分咲き。 トンボやチョウも活動を始め、そろそろ春らしい絵を撮りたいところだが、今しか撮れない星空を収めておきたかった。ちょうど天気も良く、思い切っての遠征である。
 19日(日)の午前中は本の執筆をし、14時に出発。撮影場所をどこにしようかと色々と悩んだが、昨年の12月4日に撮影した「霧ヶ峰より冬の星空」では、あいにく雲に邪魔されて綺麗には撮れかったこともあり、リベンジの意味も含めて霧ヶ峰に決定。ただし、前回とは違う場所で撮ることにした。
 表題にあるように「冬から春にかけての星空」がテーマで、雪原と冬の星座、雪原と夏の天の川を撮れる場所をあらかじめGoogle Mapのストリートビューで細かく探しておいた。当日は16時半に現地に到着し、3カ所をロケハン。食事をしたのち、19時から撮影を開始した。20時からは、日本ホタルの会のZoomでのリモート会議があったため、車内のスマートフォンで参加。21時からは、二カ所目で撮影を行う。その後、仮眠をして翌20日の午前2時半から三カ所目で撮影。4時で現地を引き上げた。
 先月の「パール紅富士」は、雲がかかってしまい全く撮れなかったが、今回の星空は50/100点。冬の星空撮影にはソフトフィルターが欠かせないのだが、間違えてCPLフィルターを持っていってしまったのが 減点である。

 来月は、天候次第ではあるが「月光紅富士」を予定しており、その後は、まだ撮ったことがない桜をいくつか撮りたいと思っている。チョウとトンボは、間に少しずつ収めて いきたい。

以下の掲載写真は、1920*1280 Pixels で投稿しています。写真をクリックしますと別窓で拡大表示されます。 また動画においては、Youtubeで表示いただき、HD設定でフルスクリーンにしますと高画質でご覧いただけます。

霧ヶ峰より冬の星空の写真
霧ヶ峰より冬の星空
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / マニュアル露出 F2.8 30秒×35カット ISO 1250(撮影地:長野県霧ケ峰高原 2023.3.19)
霧ヶ峰より冬の天の川アーチの写真
霧ヶ峰より冬の天の川アーチ(パノラマ合成)
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / マニュアル露出 F2.8 30秒×10カットパノラマ合成 ISO 1250(撮影地:長野県霧ケ峰高原 2023.3.19)
霧ヶ峰より夏の天の川の写真
霧ヶ峰より夏の天の川
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / マニュアル露出 F2.8 30秒 ISO 1250(撮影地:長野県霧ケ峰高原 2023.3.20)
霧ヶ峰より夏の天の川の写真
霧ヶ峰より夏の天の川
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / マニュアル露出 F2.8 30秒 ISO 1250(撮影地:長野県霧ケ峰高原 2023.3.20)
Starry sky from Winter Into Spring(再生時は、設定からHDお選び頂きフルスクリーンにしますと高画質でご覧いただけます)
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春近し、されど我が身は家の中

2023-03-06 16:07:31 | 風景写真/春

春近し  されど我が身は家の中  書いては丸めて投げるの繰り返し  私の春は遠々しい

 啓蟄を迎え、今週は最高気温が20℃になる日もあるとかで、春の近さを感じる今日この頃であるが、2月6日以来まったく写真撮影には出掛けていない。どこへでも出掛けて行けば、様々な写真は撮れるのだが、こうも出掛けていないと「まぁ、いいか」という気持ちにもなってしまう。ただし、休日は、家でゴロゴロしている訳でもなく、前々回の記事に書いたように、ほぼ一日中、ホタルの本の執筆活動に追われているのである。
 先週末に、一通り書き上げた97,000字の内容をもとに担当者と打ち合わせをしたが、とりあえず書いただけで自分自身でも納得がいかない部分が大半であった。専門書ならともかく、小学生が楽しく、しかも引き込まれるような内容と文章が求められているので、なかなか一筋縄ではいかない。自分が小学生であった45年以上も前の気持ちになるのは、一苦労である。とは言え、昨今問題となっている光害や幼虫の養殖放流などについては、しっかりと伝えたい。大人が読んでも、読み応えがあるものにしたい。
 ドラマで、小説家が書いては原稿を丸めて投げるという描写があるが、今まさに、そんな感じである。パソコンのWordで書いているので、紙ごみが増えることはないが、気持ちは同じである。それでも、全体の構成を考え直し、硬い言葉を優しい表現に変え、72,000字まで減らし、段々とそれらしくはなってきた。もう一工夫である。出版は、ホタルの時期に合わせて、来春を目指しているので、今年中に原稿を完成させればよいので、時間をかけて、よい本を作っていきたいと思う。

 次の投稿は、いつになるか分からないが、今月中旬以降には、撮影予定を組んでいる。これも天候次第ではあるが、これまで撮ったことがない光景なので、天に祈りながら、時を待ちたいと思う。(写真は、本記事とは関係のない過去撮影のものである)
 ちなみに、3月12日(日)20時から、オンラインで日本ホタルの会の談話会が開催される。内容は「ゲンジボタルの遺伝的多様性」を考慮した、東京近郊に由来する種ボタルの確保や飼育講習会についてである。どなたでも参加できるので、興味があればZoomを起動し「ミーティングに参加する」をクリックしていただき、次のIDとパスコードを入力。ミーティングに参加するだけならサインインの必要はなく、アプリも無料である。
https://us02web.zoom.us/j/85319340655?pwd=c2tDRHhoeDZYOUl0OE5tVzk1d1BXdz09
ミーティング ID 853 1934 0655
パスコード     966071

以下の掲載写真は、1920*1280 Pixels で投稿しています。写真をクリックしますと別窓で拡大表示されます。

蒲生の棚田の写真
蒲生の棚田
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F10 1/30秒 ISO 100 +1EV(撮影地:新潟県十日町市 2015.4.25 5:29)
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