ホタルの独り言 Part 2

ホタルの生態と環境を52年研究し保全活動してます。ホタルだけでなく、様々な昆虫の生態写真や自然風景の写真も掲載しています

ルーミスシジミ

2015-11-30 21:51:44 | チョウ/シジミチョウ科

 ルーミスシジミ Arhopala ganesa loomisi (H. Pryer, 1886)は、シジミチョウ科のチョウで、過去に2度、千葉県大多喜町で撮影しているが、今年は、千葉県鴨川市の生息地を訪れた。

 ルーミスシジミは、国外では台湾(山地)・中国西部・ヒマラヤ地方に、国内では千葉県の房総半島南部を北東限として紀伊半島・中国・四国・九州・隠岐・屋久島に、局地的に分布しているが、環境省のRDBに絶滅危惧Ⅱ類として記載されている絶滅危惧種である。
 生息環境は、イチイガシ、ウラジロガシを含むシイ、タブ、カシ類の高木が生い茂る自然度の高い照葉樹林帯で、林床には低木が茂り、高湿で薄暗く所々こもれ日が当たるような林内環境だが、周囲の開発や開墾により照葉樹林の孤立化や破壊が進んだこと、台風等による自然災害の影響によって樹林に大きな被害が発生したこと、更にはマニアによる乱獲によって生息個体数が減少しており、絶滅が危惧されている。
 千葉県の房総半島では、年間の平均気温が15.8℃で年間を通じて気温差が少ない亜熱帯気候のため、山間部では自然度の高い照葉樹林が形成されており、イチイガシ等のカシ類が生い茂る君津市、鴨川市、夷隅郡の一部に生息している。

 さて、29日の朝の気温5℃(国立市)快晴。自宅を6時に出発して鴨川市のルーミスシジミ生息地に向かった。現地に9時着。車を止めて、早速、生息ポイントに向かう。カメラをセットし、ギャップ(樹林の中にぽっかりと空いた空間)で待機。林道沿いよりも風がなく、差し込む日差しが暖かい。しばらくすると、1頭のルーミスシジミのオスが降りてきてくれた。気温はおそらく10℃前後だったろう。暑過ぎず、寒過ぎず。絶好のルーミス日和だったかも知れない。
 ルーミスシジミの翅は、暗褐色の表面中央に明るいスカイブルー(俗にルーミス・ブルー)の紋があり、その紋は、メスの方が大きく、オスは小さい。また、オスの方が全体的に小さい。その後、メスも降りてきて、採集者にまったく邪魔されることなく存分に撮影することができた。
 今回、狭い範囲において、少なくとも5~6頭のルーミスシジミを確認したが、オスは1頭で、後はすべてメスであった。
 午前10時を過ぎ、気温が高くなってくると、ルーミスシジミは、イチイガシの樹幹辺りをチラチラと飛んで下には降りてこなくなった。そろそろ帰ろうとした時、1頭のルーミスシジミが迷走した後、何と、私のあごに止まった。手でそっと触ると飛び立ち、地面に降りたので最後のショットを撮って終了した。

ルーミスシジミの生態

 11月下旬でありながら、今回、撮影したルーミスシジミの多くは翅がほとんど擦れていない個体であった。この事は、秋にルーミスシジミを撮影している多くの愛好家によっても目撃され、中には羽化したばかりのような美しい個体も存在している。初夏に羽化した成虫が、この時期においても、美しい翅のままで存在しているのだろうか?
 ルーミスシジミは、食樹であるイチイガシ等のカシ類の新芽鱗片の内側に1個ないし2個産卵し、孵化した幼虫は、 新芽と若葉を摂食する。同じカシ類であるウラジロガシを摂食するヒサマツミドリシジミの場合は、秋にウラジロガシの冬芽に産卵し、翌春に孵化した幼虫は新芽と若葉を摂食する。そして5月末から6月中頃には羽化し、メスは夏眠した後、秋に産卵する。この時のメスの翅はかなり傷んでいることは、本年、実際に観察し撮影している。 (「ヒサマツミドリシジミ(メスの吸水行動) 」)
 では、ルーミスシジミが、11月下旬でも翅が擦れていないのは、何故なのか。
 ルーミスシジミの詳しい生態は、未だ完全には解明されておらず、特に成虫の発生回数や時期については諸説ある。以前は、初夏に1回の発生と言われていたが、6月中~下旬に第1世代、さらに8月に第2世代、9月に第3世代が発生する(川副・今立, 1956)という説や年2回という説があるが、11月下旬の翅の痛み具合から考えると、少なくとも年に複数回の発生であることは間違いないように思う。
 実は、イチイガシ等のカシ類を含む常緑樹は、春だけではなく夏の土用(7月下旬から8月上旬)の頃に二次的に伸長する芽(土用芽)があり、この新芽を摂食すると考えれば、初夏に羽化した第1世代は土用芽に産卵し、それを摂食した幼虫は、夏から秋に羽化することになる。この世代は、そのまま越冬し、翌年の春に産卵するというサイクルならば、疑問は解ける。今回、翅の擦れている個体が少なかったのは、この地が8月にマニアによって採集ツアーが組まれ乱獲される場所であるため、それ以降に羽化した個体が生息していたと思われる。

参考文献

  1. 川副昭人・今立源太良,1956. ルーミスシジミの生活史. 奈良県,史跡名勝天然記念物調査抄報, (9):1-18, pls.17-19.
  2. 木下隆方,1988. 清澄山周辺のルーミスシジミ. 日本の生物, 2(12):48-51. 文一総合出版, 東京.
  3. 仁平 勲,1980. 房総半島のルーミスシジミ. 月刊むし, (114):3 -16. むし社, 東京.

 このルーミスシジミの撮影をもって、今年計画した昆虫撮影は、全て終了となった。年末に「今年の自己ベスト(昆虫編)」としてまとめたいと思う。

お願い:写真は、1024*683 Pixels で掲載しています。Internet Explorerの画面サイズが小さいと、自動的に縮小表示されますが、 画質が低下します。Internet Explorerの画面サイズを大きくしてご覧ください。

ルーミスシジミ

ルーミスシジミ(オス)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F8.0 1/200秒 ISO 3200(2015.11.29)

ルーミスシジミ

ルーミスシジミ(オス)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F10 1/320秒 ISO 2500(2015.11.29)

ルーミスシジミ

ルーミスシジミ(オス)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 1600 +1EV(2015.11.29)

ルーミスシジミ

ルーミスシジミ(メス)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 640(2015.11.29)

ルーミスシジミ

ルーミスシジミ(メス)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F10 1/250秒 ISO 640(2015.11.29)

ルーミスシジミ

ルーミスシジミ(メス)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F10 1/320秒 ISO 640(2015.11.29)

ルーミスシジミ

ルーミスシジミ(メス)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F10 1/320秒 ISO 500(2015.11.29)

ルーミスシジミ

ルーミスシジミ(メス)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F10 1/250秒 ISO 400(2015.11.29)

ルーミスシジミ

ルーミスシジミ(メス)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F10 1/320秒 ISO 1000(2015.11.29)

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ダケカンバのある風景

2015-11-25 22:51:01 | 風景写真

「まとめシリーズ第七弾」~ダケカンバのある風景~

 ダケカンバ(岳樺)は、カバノキ科カバノキ属の落葉広葉樹で、ソウシカンバとも言う。シラカンバ(シラカバ、白樺)とよく似ているが、樹皮がシラカンバよりも少し赤茶色がかっている。
 若いダケカンバの幹は白っぽいく、積雪と雪崩や強い風に耐えて灌木状に生長した樹形、特に葉を落とした秋から春の時期に見せる 光景は、絵画的で一種独特なものを感じる。「静の中の動、叫び・・・」一体、なんだろう?

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ダケカンバ
Canon 5D Mark2 / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F16 0.4秒 ISO 100(撮影地:長野県松本市/美ヶ原 2011.11.23)

ダケカンバ
Canon 5D Mark2 / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F14 0.5秒 ISO 100(撮影地:栃木県日光市/戦場ヶ原 2012.5.19)

ダケカンバ
Canon 5D Mark2 / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F11 1/4秒 ISO 100 -2/3EV(撮影地:栃木県日光市/金精峠 2011.11.3)

ダケカンバ
Canon 5D Mark2 / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F14 0.6秒 ISO 100 -1/3EV(撮影地:栃木県日光市/光徳牧場 2012.5.19)

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美ヶ原の霧氷風景

2015-11-23 15:40:46 | 風景写真/霧氷

 美ヶ原の霧氷風景を撮りたい!

 もう、紅葉の季節が終わろうとしている。それにも関わらず、この秋は10月18日の乗鞍高原「まいめの池 ~紅葉~」以来、写真撮影の遠征はなく全くシャッターを切っていない。理由は3つある。
 1つは、目的とする昆虫と風景だけを撮るスケジュールにしたこと。
 2つ目は、天候によってスケジュール通りにいかなかったことである。
 別に目標を定めず車で流しながら美しいと思う被写体を探すのも良いだろう。あるいは、里山を散策しながら出会った昆虫のマクロ撮影を楽しむのも良いだろう。しかし、今はそうして撮影した結果に満足できないでいる。写すこと。そのものが楽しかった初心は、どこへ行ってしまったのか?
 1番の理由は、月~金の本業があまりにハードで、平日で精魂使い果たしてしまっていることである。退職者がでたために二人分の仕事を強いられ、昼食も取れない状況が続いている。更には、朝6時過ぎには出勤しなければならず、片道40kmを車通勤に変えたため、睡眠時間も短縮となってしまった。何とかして欲しい・・・

 さて、11月21日~23日の三連休。目標は、美ヶ原の霧氷であった。毎年、この時期に美ヶ原へ行っているが、未だに思うような風景に出会えていない。そして、今年も目標は達成できなかった。
 11月としては気温が高く、また天候の巡り合わせも悪く、霧氷が付く条件ではないのである。しかも、美ヶ原へ行くビーナスラインは、明日24日から冬期通行止めになり、マイカーでは行くことができなくなってしまうのである。一体、いつになったら、目標を達成することができるのであろうか?
 そんなわけで、今回も過去に撮影した未公開画像を含めた不満足の駄作ばかりを集めてみた。いつかは、美ヶ原ならではのスケールの大きな、そして美ヶ原でしか撮ることのできない霧氷の風景を撮りたい。

 今週末は、日本ホタルの会シンポジウムで基調講演をしなければならないので、三連休は原稿をつくることで終了である。

関連投稿記事:美ヶ原の霧氷

お願い:写真は、1024*683 Pixels で掲載しています。

美ヶ原の霧氷

美ヶ原の霧氷
Canon 5D Mark2 / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F22 5秒 ISO 100 +1/3EV(撮影地:長野県松本市/美ヶ原 2011.11.23)

美ヶ原の霧氷

美ヶ原の霧氷
Canon 5D Mark2 / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F14 0.4秒 ISO 100 +2/3EV(撮影地:長野県松本市/美ヶ原 2012.11.18)

美ヶ原の霧氷

美ヶ原の霧氷
Canon 5D Mark2 / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F14 0.4秒 ISO 100 +2/3EV(撮影地:長野県松本市/美ヶ原 2012.11.18)

美ヶ原の霧氷

美ヶ原の霧氷
Canon 5D Mark2 / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F8.0 1/5秒 ISO 100 +1EV(撮影地:長野県松本市/美ヶ原 2012.11.25)

美ヶ原の霧氷

美ヶ原の霧氷
Canon 5D Mark2 / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F8.0 0.8秒 ISO 100 +1/3EV(撮影地:長野県松本市/美ヶ原 2012.11.25)

美ヶ原の霧氷

美ヶ原の霧氷
Canon 5D Mark2 / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F11 1/13秒 ISO 100 +1EV(撮影地:長野県松本市/美ヶ原 2012.11.25)

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山粧ふ

2015-11-18 21:02:05 | 風景写真

 日本には「四季」があり、自然は「春夏秋冬」それぞれ美しい光景を見せてくれる。
 その季節を日本人の伝統的な美意識で17文字から成る世界最短の定型詩として謳った「俳句」。季節は「季語」として表現されているが、中国の北宋時代の山水画家「郭煕」の著書である『臥遊録』(呂祖謙編)が由来とされる「山笑ふ」「山滴る」「山粧ふ」「山眠る」も季語として使われる。
 絵画の極意として書いた文章に、以下の様な文章で四季を表している。

春山淡冶にして笑うが如く
夏山蒼翠として滴(した)たるが如し
秋山明浄にして粧うが如く
冬山惨淡として睡(ねむ)るが如し

 今は「山粧ふ」季節から「山眠る」季節へと変わろうとしているが、本記事では、4つの季語を表わす四季の風景を並べてみた。
 前記事同様に、すべて東京都内(多摩西部)で撮影したものである。どれも作品ではなく、観光スナップの範疇に留まるものであり、 歌人の美意識に刺激を与える光景(写真)ではないかもしれないが、季節は感じて頂けるだろう。

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秋川渓谷の新緑の写真

山笑ふ(春紅葉)
Canon EOS 5D Mark2 / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F13 0.3秒 ISO 100 +2/3EV(撮影地:東京都あきる野市 2011.4.16)

奥多摩の渓流の写真

山滴る(緑の谷)
Canon EOS 5D Mark2 / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F14 1/6秒 ISO 100 -1/3EV(撮影地:東京都西多摩郡奥多摩町 2012.5.4)

秋川渓谷の紅葉の写真

山粧ふ(紅葉)
Canon EOS 5D Mark2 / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F14 1/0.5秒 ISO 100 -2/3EV(撮影地:東京都西多摩郡檜原村 2010.11.21)

奥多摩の雪景色の写真

山眠る(雪景色)
Canon EOS 5D Mark2 / EF17-35mm f/2.8L USM
絞り優先AE F20 0.6秒 ISO 400(撮影地:東京都西多摩郡奥多摩町 2013.01.14 7:56)

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秋の色彩

2015-11-16 19:41:05 | 風景写真/紅葉

 子供の頃は、何も感じていなかった。若い頃は、秋バテなど無縁で、気分転換などしなくても基礎体力で季節の変わり目を乗り越えられた。しかし、いつの頃からだろうか?秋が苦手になった。涼しくなり、日が沈むのも早い。どことなく悲しげな雰囲気。自律神経のバランスを崩しやすい季節でもあり、心身ともに憂鬱さを感じていた。そして、遂に厄年に体調を崩す。精神的にもダウンした。
 今では、秋は好きな季節となった。二人の子供は大きくなり、妻も自分の趣味に休日を使っている昨今。月~金は、家族のために企業戦士としてコンクリート・ジャングルの中でもがいていても、土日は、ホタルをはじめとして様々な昆虫や自然風景との出会いを求めて大自然の中に身を置くと、 四季折々の自然の美しさが体を包んでくれる。そして、心を癒し、興味を掻き立ててくれるのだ。

 秋の魅力は、何と言っても紅葉の「色彩」だろう。1本の木でも、それらが集まった木々でも、色々に染まった様子を光景として捉えることで美しく感じることができる。
 以前「紅葉は難しい」という記事を掲載しており、本記事の写真も「色彩に惑わされて、人間が五感で感じたものを整理せずに、 直感でただ撮ってしまったというものばかり」だが、今回は、東京都内である奥多摩町の光景を並べた。
 勿論、都心の公園でも秋を感じることはできるが、コンクリート・ジャングルを抜け出して、小一時間西で進むだけで、 このような自然に出会う事ができる。東京にも、秋の色彩が溢れているのである。

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氷川渓谷の紅葉

氷川渓谷の紅葉
Canon EOS 5D Mark2 / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F22 0.6秒 ISO 100 -2/3EV(撮影地:東京都西多摩郡奥多摩町 2010.11.05)

日原渓谷の紅葉

日原渓谷の紅葉
Canon EOS 5D Mark2 / EF17-35mm f/2.8L USM
絞り優先AE F22 5秒 ISO 100(撮影地:東京都西多摩郡奥多摩町 2011.11.19)

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ほたると水辺の環境学習会

2015-11-15 19:54:18 | ホタルに関する話題

北九州市ほたる館~ほたると水辺の環境学習会~

 北九州市建設局河川部水環境課から依頼があり、北九州市ほたる館で定期的に行われている「ほたると水辺の環境学習会」の 講師として、11月14日に現地を訪れた。

 14日(土)羽田9:10発 スター・フライヤー75便で北九州空港へ向かう。天候は小雨。離陸後、高度10,000nまで上昇すると、 そこは雲の上で快適な空の旅。しかし、向かう先の天候も雨。着陸のために高度を下げ始める。窓から見える厚い雲に時速900kmで突入である。これでもかと機体が揺れ、 時折り急に落ちる。アナウンスで「機体の安全性には問題ございません。ご安心ください。」と流れるが、やはり恐怖を感じる。
 雲を抜けると安定し、無事に北九州空港へ着陸。そこからエアポート・バスで小倉駅へ。そこで昼食。ご当地のものを食べようと思ったが、どこも混雑。並んでも食べる気はないため、迷わず牛丼屋でさっと済ませた。
 13時半。小倉駅からタクシーに乗り、目的地である「北九州市ほたる館」へ。到着後は、ほたる館の館長、新海 正信 氏、北九州ほたるの会の会長、中村 光男 氏、北九州市建設局河川部水環境課ほたる係長の梅田 和宏 氏と歓談。15時から「ゲンジボタルの野外保全のための具体的ノウハウ」と題して講演と行った。
 1時間40分の講演は無事に終了し、ご参加いただいた方々には、喜んで頂けた様子でほっとする。その後は、小倉駅近くのホテルに移動し、宿泊。特に親睦会等の予定はなかったので、ホテルのレストランでフレンチのフルコースにワイン飲み放題をプラスして頂くことにした。庭の綺麗なイルミネーションを見ながら、一人寂しく、いや、紳士的に上品にフレンチを頂く。
 かなり飲んだが、まだ物足りず、コンビニでワインのボトルを買ってきて、部屋でテレビを見ながら飲み干すと、いつの間にか寝ていた。目覚めると午前2時半。その後は1時間毎に時計を見る始末。講演会の緊張感が抜けないのか、寝た気がしない。7時に起床し、レストランで朝食をとり、早めに空港に向かうことにした。
 北九州11:45発 スター・フライヤー80便で東京に戻る。帰りは天候も良く、少し揺れただけで羽田に到着。パーキングに止めてあった愛車で自宅へと向かい、無事に帰宅した。

 今回の講演会では、私も得るものがあった。「北九州市ほたる館」では、ゲンジボタルの飼育を行っているが、「夏に孵化して10月頃までに大きく育った幼虫は死亡率が非常に高い」というのである。次から次と死んでしまうので、なるべく大きく育たないように餌を控え、10月頃までに放流するといった現状。私の経験では、「大きく育った幼虫は死亡率が非常に高い」というのは初めて聞く話であり、経験もない。原因は不明で、今後、詳しく調べたいと思う。
 以下の写真は、「北九州市ほたる館」の様子を許可を得て携帯電話で撮影したのもである。詳しくは、ホームページをご覧いただきたい。尚、今回の講演会では、市から業務委託された株式会社コムディア 田中 いずみ 氏にお世話いただいた。

北九州市ほたる館

ホタルの幼虫の飼育装置

ホタルの幼虫の上陸用装置

ホタルの生態水槽

北九州市ほたる館の展示

スター・フライヤー80便から見た富士山

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星のある風景

2015-11-11 22:21:22 | 風景写真/星

「まとめシリーズ第六弾」~星のある風景~

 東京の夜空では、星は数える程しか見えないが、街明かりの届かない場所に行くと、空にはこれほどの星々が輝いているのかと驚かせれる。天体に関しては素人だから、星座は良く分からないし、星の名前すら知らないものもある。しかし、じっくり見上げれば、果てしない宇宙の大きさやロマンを感じる。
 天体写真を専門に撮影している方々の足元にも及ばない駄作ばかりだが、これまでに幾つか撮影しているので、まとめて掲載した。 今後は、もっと勉強して、美しい星空を風景写真の作品として成り立つように撮影したいと思う。

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有明の月の写真

有明の月
Canon EOS 5D Mark2 / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F18 0.4秒 ISO 100 -2/3EV(撮影地:長野県諏訪市/霧ヶ峰高原 2011.2.19 6:25)

霧氷と星空の写真

霧氷と星空
Canon EOS 5D Mark2 / EF17-35mm f/2.8L USM
バルブ撮影 F2.8 15秒 ISO 1600(撮影地:長野県松本市 2012.11.25 5:22)

富士山と日周運動の写真

富士山と日周運動
Canon EOS 5D Mark2 / EF17-35mm f/2.8L USM
バルブ撮影 F2.8 30秒 ISO 1000 50カット多重(撮影地:静岡県富士宮市 2014.11.23 0:00)

天の川の写真

山里の星空(天の川)
Canon EOS 5D Mark2 / EF17-35mm f/2.8L USM
バルブ撮影 F2.8 45秒 ISO 1600(撮影地:長野県下伊那郡阿智村 2011.4.29 3:49)

天の川の写真

天の川(来間大橋より)
Canon EOS 7D / SIGMA MACRO 50mm F2.8 EX DG
絞り優先AE F2.8 10秒 ISO 6400(撮影地:沖縄県宮古島市 2012.09.08)

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棚田の風景

2015-11-09 22:13:31 | 風景写真

「まとめシリーズ第五弾」~棚田の風景~

 「棚田」と言えば、一般的に「急傾斜の山間地の階段状の水田」を指すが、農林水産省は、傾斜度が20分の1(水平距離を20メートル進んで1メートル高くなる傾斜)以上の水田を「棚田」と定義している。
 棚田における稲作の歴史は古く、武家社会が始まると共に棚田開発がどんどん進められた。現在の平野部に広がる水田は、一定の農学・土木技術が発展した近世以降の水田で、それ以前は棚田が中心であった。また棚田は、その立地条件を活かした特色ある農業生産の場だけではなく、水資源のかん養や水質浄化、土砂流亡防止、更には、多様な動植物や貴重な植物の生息空間や美しい景観の提供などの多面的機能を有している。
 しかしながら、近年では離農や減反政策、過疎によるお年寄りだけの労働力等の問題で、放棄され荒廃している棚田も少なくない。一方、棚田の維持・保全の取組を国が積極的に評価し、農業・農村の発展を図るとともに、国民的な理解を深めようと「日本の棚田百選」(農林水産省)が設けられ、1999年に134地区・117市町村が認定され、「グリーンツーリズム」の場として大勢が訪れている棚田もある。

 棚田は、よく「日本の原風景」「日本人の心の風景」と言われるが、東京下町出身の私には懐かしさは感じないし、心象風景でもない。しかしながら、景観の美しさと生物多様性にみる生態系の豊かさに心惹かれ、癒される。
 棚田の四季折々の風景を求めて、これまで幾つかの棚田を巡っているが、その中から3か所の光景3点を掲載しておきたい。本年は、初雪が積もった棚田を撮影したいと思っている。

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蒲生の棚田の写真

蒲生の棚田
Canon EOS 5D Mark2 / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F10 1/30秒 ISO 100 +1EV(撮影地:新潟県十日町市 2015.4.25 5:29)

大山千枚田の写真

大山千枚田
Canon EOS 5D Mark2 / EF17-35mm f/2.8L USM
絞り優先AE F11 6秒 ISO 100(撮影地:千葉県鴨川市 2012.4.7 4:56)

星峠の写真

星峠の棚田
Canon EOS 5D Mark2 / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F18 3.2秒 ISO 100 -2/3EV(撮影地:新潟県十日町市 2013.05.18 4:21)

星峠の写真

星峠の棚田
Canon EOS 5D Mark2 / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F14 1/40秒 ISO 100(撮影地:新潟県十日町市 2013.05.18 5:03)

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ミゾソバ

2015-11-07 18:37:02 | 野草

 ミゾソバ(Polygonum thunbergii または Persicaria thunbergii )は、タデ科タデ属 (Polygonum) またはイヌタデ属 (Persicaria) に分類される一年生草本植物である。東アジア(日本では北海道・本州・四国・九州)に分布し、小川沿いや沼沢地、湖岸など肥沃な水湿地に群生している。
 花は、8月から10月にかけて咲くが、3~4mmほどの淡紅色が混じった白い小花が集まって花をつける。 花の蕾(つぼみ)が、コンペイトウのように見えることから、コンペイトウグサとも呼ばれている。
 ミゾソバは薬草で、リューマチに対して薬効があるようである。花にはフラボノイド・クエルセチン配糖体のクエルチトリン、ペルシカリン等が含まれ、ドクダミの葉にも含まれているクエルチトリンは、利尿作用もあるという。
 食用には、新芽や柔らかい葉を、塩を入れた熱湯で茹でて、水に浸してアク抜きをしてから、おひたし、ごまあえ、佃煮、油いためにして食べると良いらしい。

 里山の谷戸に行くと、放棄水田が湿地化した所は一面ミゾソバに覆われており、その生命力に驚かされる。かっては、飢饉の時の救荒食として、水田の脇で有用植物として栽培していたとのことだが、今では、食べることも無い。しかも、葉柄の短い棘と茎の逆棘に触れれば痛いので、邪魔な雑草と化している。
 葉茎に触れぬように近づいて見れると、花は可憐で美しい。(花と言っても、花弁に見える部分は萼であり、花弁はない。)昆虫の少なくなった谷戸田では、マクロレンズが活躍する絶好の被写体である。

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ミゾソバ

ミゾソバ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1
絞り優先AE F5.6 1/160秒 ISO 2000(撮影地:東京都八王子市 2010.09.20)

ミゾソバ

ミゾソバ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F5.6 1/250秒 ISO 500(撮影地:東京都あきる野市 2011.10.16)

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ススキのある風景

2015-11-04 19:18:56 | 風景写真/紅葉

「まとめシリーズ第四弾」~ススキのある風景~


 ススキとは、イネ科ススキ属の植物。平地からやや高い山までの、高原、草原、道端、空き地に、ごく普通に見られる多年生草本である。花言葉は、「活力」「生命力」。
 さて、夏が過ぎ初秋を迎えると、ススキの穂は膨らみ、徐々に黄金色に色を変えていく。群生地では、秋の陽を受け黄金色の柔らかな絨毯を敷き詰めたような光景が広がる。紅葉とは違う「秋」を感じる風景をススキに求めた「まとめシリーズ第四弾」である。


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夏のススキ原


夏草
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1
絞り優先AE F2.8 1/500秒 ISO 200(撮影地:長野県諏訪市霧ヶ峰 2014.7.12)


秋のススキ原


ススキ原
Canon EOS 5D Mark2 / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F11 1/13秒 ISO 100 +2/3EV(撮影地:長野県白馬村 2013.10.12)


秋のススキ原

ススキ原
Canon EOS 5D Mark2 / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F11 1/60秒 ISO 100(撮影地:長野県諏訪市霧ヶ峰 2012.10.20)


秋のススキ原

ススキ原
Canon EOS 5D Mark2 / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F6.3 1/15秒 ISO 100 +23EV(撮影地:長野県諏訪市霧ヶ峰 2012.10.20)


秋のススキ原


ススキ原
Canon EOS 5D Mark2 / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F8.0 1/6秒 ISO 100 +1/3EV(撮影地:長野県諏訪市霧ヶ峰 2012.10.20)


秋のススキ原


ススキ原
Canon EOS 5D Mark2 / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F8.0 1/6秒 ISO 100 +1/3EV(撮影地:長野県諏訪市霧ヶ峰 2012.10.20)


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ビゼー「アルルの女」/ドボルザーク 交響曲第8番(玉川大学管弦楽団)

2015-11-02 22:25:51 | 音楽

シリーズ:自演クラシック音楽2.~玉川大学管弦楽団

ビゼー「アルルの女」第二組曲からパストラーレとメヌエット 玉川大学管弦楽団

ドボルザーク 交響曲第8番 ト長調 作品88より第一楽章 玉川大学管弦楽団

 ビゼー「アルルの女」は、ドーデの同名の戯曲の付随音楽として作曲されたもので、物語は南フランスのアルルに近い農村を舞台にした牧歌的な悲劇である。第1組曲と第2組曲の2つから構成され、第1組曲はビゼー自身が選んだ4曲、第2組曲の方はビゼーの死後、友人のギローが4曲を選んだものである。
 この音楽ムービー前半は、「パストラール」で、後半は「メヌエット」を演奏している。この「メヌエット」のメロディーは 歌の旋律ではなく、歌にかぶさる対旋律(オブリガート)で、フルートがソロを努める。ピアノやハープの伴奏で単独曲として演奏されることも多い。

 もう一曲は、ドボルザーク 交響曲第8番。ドボルザークと言えば交響曲第9番「新世界より」が有名だが、この8番は、とても甘美なメロディーが印象的である。

 今回の演奏も、玉川大学管弦楽団。フルートは私である。1985年9月に北海道へ演奏旅行に行き、道東を一週間かけて巡りながら小中学校を中心に演奏会を行った時のものである。録音も演奏も良いものではないが、今でも忘れることのない学生時代の良き思い出である。当時の団員が聞いたら、さぞ、懐かしく思うだろう。

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ビゼー「アルルの女」第二組曲からパストラーレとメヌエット(1985年9月 北海道にてライブ録音)

ドボルザーク 交響曲第8番 ト長調 作品88より第一楽章(1985年9月 北海道にてライブ録音)

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