お寺のオバサンのひとりごと

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ソ満国境 15歳の夏

2016年08月21日 | 雑感
 昨日は、先日、ご紹介した映画

 

を、これまた夫婦で鑑賞。ご門徒さんがお世話なさっている団体が主催の 文科省選定作品(少年向け)の映画です。

 本当は、主人公たちと同じ中学生が観るべき映画ですが、観客は中高年が主。
中高年と言っても、戦後70年。戦争を実体験された世代より、戦争を知らない観客が、大多数だったように思います。

 実体験を書かれた原作(田原和夫「ソ満国境 15歳の夏」をもとに、作られた、映画です。 

 太平洋戦争末期、昭和20年5月にソ蓮と中国満州(当時、たくさんの日本人が住んでいた)国境付近に、農作業の勤労動員として送られた「新京第一中学」(日本人学校)3年生の生徒たち。
敗戦間近の8月9日、突然、日ソ中立条約を破棄し、満州に攻め込んだソ連。

ソ連と満州の国境付近に置き去りにされた15才の少年たちの過酷な逃避行。敗戦後は50日間、ソ連の捕虜になり、解放後、餓死寸前のところを満州の村人に助けられ、その後、故郷に帰るまでを書いた著書。

 その70年前の少年達のことを知る、現代の15才(東日本大震災の原発事故で故郷を追われ、仮設住宅暮らしの15才たち)

 涙、涙・・・鑑賞できて、本当によかったです。

 8月9日以降、満州では20万人の日本人が逃げまどったそうです。これは映画にはありませんが、 終戦後も、ソ連兵の民間日本人に対する略奪、婦女暴行は、ひどく、女性は髪を切り、男性になりすまして逃げた・・・という話も耳にしたことがあります。
 戦争の悲惨を伝える最近の佐賀新聞で、引き揚げ船で無事帰国できた若い女性で、強姦により身ごもった方が多々おられ、堕胎が秘密裏に行われていたことも報道されていました。
 
 映画の中で、餓死寸前の少年達を一時保護した中国人村長さんの言葉が心に残ります。
 人間はやさしい心も持つが、時として、残虐な心ももつ

 戦争は、最も恐ろしい地獄の心を作り出すものだと、しみじみ思います。

 

 
コメント (2)
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