散歩日記X

札幌を中心に活動しています。食べ歩き・飲み歩き・ギャラリー巡り・読書の記録など

小樽にて(2)

2011年03月20日 22時41分53秒 | 飲み歩き・北海道内
小樽の2軒目はいつものバー「A」へ。他にも良いバーはあるのだが、ここに行くのは小樽へ行った時の最大の楽しみなのである。1杯目はいつもの特濃厚ジンフィズ。



目の前にゼリービーンズがあったので、ちょっとだけ頂く。これは私がなぜか好きなお菓子なのだが、非常に歯にくっついて閉口させられた。



本来の通しは、チーズ、鮭トバ等。トバはお客さんが自作したものらしい。ちょっと塩気が強いが、ソフトな歯触りで、これは良いつまみだ。



2杯目はマンハッタン。マッカラン12年入りとあって、非常に上等。ウィスキーの味がしっかりしている。



3杯目はカクテルブックを読みながら、マティーニのオンザロックスタイルで、ベルモットをティオペペに変えてもらう。すなわち、先日飲んだサウダージ類似のカクテルである。シェリー風味が効いており、ロックスタイルなのでマティーニよりは少しだけ飲みやすいのだ。



どんどん調子が良くなり、ジン+シャルトリューズ+レモンのスプリングフィーリング。今日は少し春めいてきたと言えるかも知れない。最後に私の定番、レディーズカクテルを飲み終了。これだけ飲めば十分だろう。

小樽駅に戻るとタイミングが悪く、結局22時半の電車で帰ることになった。普通に乗車券を買えば4040円。1日散歩切符を使用して、1840円の得なのであった。

※追記
マスターから「ウチを紹介されたというお客さんが先日来たんですが、多分、紹介されたのはSHさんのことじゃないかと…」と話があった。多分、そうですよマスター。この店はほとんど雑誌やネット上に情報がないので、こういう形でバー好きの方を紹介できるのは、嬉しい限りなのである。

小樽にて(1)

2011年03月20日 18時27分29秒 | 食べ歩き
16時半になり、居酒屋「S」へ。今日は海産物方面を食べよう。



寒かったので燗酒でスタート。通しは小イカ煮(写真ボケた)。



まずは酒の肴で、鯨ベーコン、ホヤ酢。鯨は高いが、これはおつまみ量なので手頃な値段で食べることができた。ホヤも特有の香りがするが、かなり鮮度は良いと思う。





ここで刺身の盛り合わせ(単品注文だが)が到着。タコはかなり太い足で、良い歯ごたえがする。ニシンは極薄切りにしたもの。もちろん小骨は歯に触らず、良い脂がまわっているのが分かる。ホッキは大好物なので、これまたたまらない。



食べ物も温かものを行こう。カキフライは醤油、タルタル、ソースで食べる。



つぶのガーリックバター炒め。あまりガーリックの香りは強過ぎず、貝はちょっとネットリした歯触りがいい感じだ。



次に、小樽ならではの八角焼き。八角は味噌をぬって軍艦焼きにすることが多いが、ぜひシンプルに焼いた味を食べてみたかったのだ。最初、大きさにちょっと驚いたが、あまり食べるところは多くないのでホッとする。さて問題の味だが、つぼ鯛を淡白にした感じかな。やはり淡白なので、味噌を使うのも分かるな。



最後は贅沢に店長お任せ握りを注文。特筆すべきはマグロ。大トロなのかな? 口に入れると脂が溶け出し、ご飯を噛んでいるうちに液化してなくなってしまう。蝦蛄も特大、そうとう良い味だった。鮭のあら汁を飲んで、食べるのはここまで。場所を移動しよう。





しかしこの店、懐かし邦楽・洋楽がずっと流れ続けており、非常に気になる。どうしても思い出せない曲があって、今調べてみたのだが、ジンギスカンの「めざせモスクワ」という曲だった。ああ、すっきりした。

西へ

2011年03月20日 15時53分18秒 | ART
鈍行に乗り続けること2時間強。第二の目的地小樽についた。途中はうとうとしたり、読書をしたり。苫小牧の雪のなさからうって変わって、雪深い景色となる。



まずはいつも行く古本屋さんで文庫本を3冊購入。都通商店街では、最近、小樽で力を入れているあんかけ焼そばののぼりが立っている。



オーセントホテルのギャラリーを経由して、小樽美術館へ。展覧会を見る前に、1階の様変わりに驚いた(通りに面した入り口側は変わりなし)。新しい案内板を見ると、1階奥が市民ギャラリーになり、3階は一原有徳記念ホールになるようだ。





非常にきれいな廊下にビックリである。左手が休憩室(文学館のカフェが改装中のため)、右手が事務室。つき当たり右手が市民ギャラリーだ。



外には色内驛の駅舎が再現された。建物が新しすぎて、ちょっと雰囲気には欠ける。



一通り眺めてから、2階に上り「大月源二と富樫正雄展」を見る。まずは大月作品から。



「走る男」:巨大なヒマワリとカンナの下を男が必死に走る。一種異様な雰囲気が漂う。
「虹立つ港」:小樽港なのだろうか。鮮やかな虹がすっと走っている。
「福さん」:復員兵姿というのかな。煙草を手に持った老人の姿だが、温和でしっかりした人柄が伝わってくるようだ。

「五月の陽がいっぱい」:建物がヨーロッパ庭園のあずまやのように見える。
「干し草積み」:新川でスケッチしたらしいのだが、これもヨーロッパ風景のように見える。
「春雪の札幌駅構内」:1966年の作品だが、駅前にはビルが立ち並んでいる。

大月源二というとプロレタリアアートというか、もう少し重苦しいものを思い浮かべるのだが、意外に明るい画が多い。自分のりんご農園を洞爺丸台風で失ったり、辛いこともあっただろうが、北海道の自然が与えるものはプラスに作用したように思える。

続いて富樫正雄作品だ。
「石狩平野と虹」:中央に巨大な暗雲が残っているが、そこに虹が浮かんでいるのだ。
「秋晴れのポプラ」:ポプラの木を中央に1本。その周りのスコーンとつきぬけた青空がきれいだ。
「春近い手稲山麓」:雪が解け割れて、下を水が流れている。北海道の人ならば誰しも春を予感させる図だ。しかし、まだまだ風は冷たいのだ。
「冬鳥」:これが絶筆とのこと。空を見上げると木々の枝が広がり、鳥が飛び立とうとしている。人生最後にして、まだ上を見続けていたんだろうなと思わせる作品だ。

二人とも東京芸術大学に進学したが、どうも水に合わなかったようだ。北海道の空気が体に染みついた、二人だったに違いない。

小樽文学館では「蜂谷涼展」を見る。いつもの喫茶コーナー、古本コーナーが工事中なのが残念(下の写真は事務室側)。



それから割と無造作に村上芳正の版画やイラストが飾ってあった。私には何と言っても「家畜人ヤプー」の装丁をした人というイメージが強い。好き嫌いが分かれる人だと思うが、ファンにはたまらないと思う。

今見ると、文学館では4月2日から「一原有徳・俳句と山岳小説の世界展」「文学に捧げる花束-村上芳正展」をやるようだ。同時期に3階の一原有徳記念ホールもオープンするようだし、5月21日からは「世田谷美術館コレクションによるアンリ・ルソーと素朴な画家たち」が開催される。今年も小樽には何回か来てしまいそうだ。

北へ

2011年03月20日 13時16分32秒 | 食べ歩き
ちょうど昼時に移動になるので、どこで食事をとろうかと迷っていたが、苫小牧で食べていくことにした。記憶をたどって、駅前の施設「egao」7階へ。何とも寂しい雰囲気で、とても笑顔が出そうにない。などと言いつつ、ラーメン「AD」へ。実は今まで、この店名物のカレーラーメンを食べたことがないのだ。



ちょっと時間が早めとあって、客は私ひとりなので、すぐにカレーラーメンが登場した。私は最近のスープカレーラーメンとでも言う感じのカレーラーメンになじめないので、このかなりとろみの付いたスープに好印象をいだく。麺はカレーに負けないように相当太め。とろみがついて熱々の所を早速食べる。



印象はカレー要素は強いが、やはり「カレーラーメン」という料理として完成されているように思える。それ程辛くはない味だが、段々食べていくうちにじわじわ効いてくる。しかし決して刺激的過ぎはしないところが、万人に受け入れられるところだろう。メンマに中華風の味付けがついていたり、ワカメも入っているが、もうこれはこれでOKと思える。

満足した後、食堂街のショーケースを見て歩くが、なぜかソーメンメニューがやたらと多い。天プラソーメン(天プラうどんのソーメン版)、ソーメン定食、玉子ソーメンなんて言うのがあった。



それからデザートカレー、デザートうどんというぎょっとするメニューがあったが、それぞれカレーとうどんに、パフェが付いたもので、ネーミングセンスだけが不思議なのであった。

電車の時間待ちで苫小牧を散策。日曜日なのに(いや、地方都市は日曜日だけにと言うべきか)、人が全然出歩いていない。もの凄くさびしい気持ちにおそわれ、駅方面へ。

小川幸造「輝」。苫小牧はスケートの街なのだ。



同「風」。



本郷新「緑の環」。



12時20分の電車で北へと向かう。



これも鈍行なので、普段止まらない駅にことごとく止まっていく。急いでも時間が余るだけなので、ゆっくり行こう。






南へ

2011年03月20日 11時00分35秒 | 旅日記
本日は7時39分の電車に乗り、苫小牧へと向かう。朝食は車内でおにぎり2個とお茶。



完全各駅停車の鈍行列車だが、すいていることと、乗り換えなしなのが嬉しい。9時14分、苫小牧到着。ちょっと驚くくらい雪が少ない。気象条件としては、札幌とは全く違うエリアと言うことなのだろう。



本日の目的地、苫小牧市博物館へ向かう。途中で、彫刻を発見。一つ目は飯田善國「水の火炎」。あまり火炎っぽくないなあ。



二つ目は、國松明日香「NIKE」。成程、女神をかたどっているのか。



博物館の展示は開館25周年記念「所蔵優品展~博物館の宝箱~」である。



展示されているのは、薬草標本、化石、屏風、蒔絵、古い電化製品、古い雑誌など脈絡はないが面白い。
「元禄図屏風」:左が紅葉、右が桜見物の様子を描いたもの。池のほとりの建物で、商人らしき人々が酒、踊り、ゲーム、楽曲、掛軸鑑賞、かるた等を楽しんでいる様子が見てとれる。風流というよりは、思い切り楽しそうだ。

それから古い雑誌(よいこ、めばえ、冒険王、小学1年生等)の表紙&ふろくで盛り上がる。見てとれたものは、ゲッターロボ、ウルトラマンレオ、ウルトラマンエース、みなしごハッチ、ロボコン、フランダースの犬、魔女っ子メグ、ハイジ、カリメロ、ロッキーチャック、グレートマジンガー、仮面ライダーアマゾン、電人ザボーガー、サンダーマスク、ミラーマン、アイアンキング、ファイアーマン、ガッチャマン、キカイダー、オバケのQ太郎など。これだけで、しばらく酒が飲める。

後は苫小牧の今はなき名旅館「富士館」由来の物が面白い。「元禄図屏風」も富士館にあったものらしいのだが、何と言っても私の興味を引くのは、併設されていた洋食堂の当時のメニューだ。ビーフカレーライス100円、ビーフヒレステーキ(松坂牛の鉄板焼き)600円。カレーから類推するに、ステーキは今で言うと3~4000円と言ったところだろうか。苫小牧には古くからの洋食店が他にもあるし、なかなか侮れない街なのだ。

メニューの下の方を見ていくと、マリモライス、ハントニーライス、カラツプライス、クロバーライス等の謎のご飯料理がある。この店が今でも続いていれば、エスカロップやトルコライスのような苫小牧限定名物になったかもしれない。他にもスパゲツテーアラスカ(カニ入り)や、北寄貝または鮭フライ(時価!)という、苫小牧らしいメニューもある。

博物館の人に「展示コーナーには引き出しもあって、その中もぜひ見て下さいね」と言われたので、常設展示コーナーも見ていくことにした。すると、これがなかなか面白いのだ。生物系では貝の標本が充実しているのと、食器(三平皿や大皿)が良かったと思う。この博物館、これらをじっくり見れば相当時間がかかることは間違いない。北海道の生態系の展示もしっかりしているし、館内の整備も行き届いているので、ぜひ興味のある人は一度行って欲しいと思う。なにしろ、日曜日なのに、見学者は私一人だったのだ。

苫小牧駅に戻る途中、あんかけ焼きそばを押す店を発見した。小樽でもプッシュ中なのだが、苫小牧でも名物なのだろうか。