本日は門馬→ミヤシタ→三越→スカイホール→さいとう→ivory→道新→時計台→STV北2条→大同→紀伊国屋→教育大サテライト→CAI02→富士フイルムの14か所。
■GALLERY門馬「久野志乃個展 飛ぶ鳥のはなし」。雨天でもあり、気持ちが負けてはいかんと、まずは一番最初に行ってみた。総評としては、今年度のベスト展覧会の一つと言って過言ではない素晴らしさだった。
「声を探す人々」:水仙かヒヤシンスのような花畑の間に、何かを探す人々。空があえて白というところが面白い。
「境に透聴する」:森の中、大きな脚立を立てて、その上に女性が立っている。森の声なき声を聴くのか。
「Lemon drop」:崖に腰かける人の上に、降り注ぐ黄金の光。
「水を渡る」:海辺の潮騒を渡る二人の少女。二人の関係性に思いを馳せてしまう。
「真夜中、音のない光」:自分の背丈よりも高い植物の間に3人の少年少女。地面の色彩が赤茶、水色、レモンクリーム色と実に複雑である。
「家をたてる」:湿地のわずかな隙間にテントを張る5人。これを「家」と呼ぶのは、あまりにも危うい冒険だ。
これまで久野志乃については、色彩と物語性という観点で見てきたのだが、今回気が付いたのは「音」についてである。たまたま作品タイトルのいくつかに「音」を思わせるものがあったからだが、彼女の作品は何となく無音の印象を受ける。あまりに色彩と光が軽やかなので、音の要素を感じないのだ。視覚性を非常につきつめた作家だと思う。
それから、何となく作品を見ているうちに胸がつまるような思いがしてくるのは、私だけなのだろうか。そういう意味で、他の人がどう受け止めるのかが予想できないが、私個人の感想としては、必見の展覧会である。
下の写真はANNEXのテラスより。
■ギャラリーミヤシタ「置田貴代美写真展 phase -回帰、次の未来へ-」。故郷の浜頓別の写真展。同じ道北とは言え、私が住んでいた富良野市とは大違いだ。富良野は全方向を山に囲まれている感じなのだが、浜頓別はとにかく平坦に見える。
■さいとうギャラリー「後藤文子銅版画展」。ほのぼのとして心和む。
■ギャラリーivory「彫刻慕情あばれ坂」。北海道教育大岩見沢校の彫刻専攻展である。
花田美紀「pm3:00」:ミニチュアのお茶と八つ橋、さらに団子のセットで一服だ。
高橋和加奈「情報社会3(本当はローマ数字)」:一部”へそ”のようにへこんだ球体に活字を貼り付けたもの。仕上がりの良さがいい。
■時計台ギャラリー「齋藤洪人 齋藤周 親子展」。
齋藤周「今、目の前にみえるもの」:カラフルな大地が描かれている。描線が橋のように見えたり、色彩が飛び地のように見える。そこを歩いて人々は遠くへ向かっている。
齋藤周「黄色の海」:私を黄色いグラウンドに連れてって、という感じだ。
齋藤周「相談」:フォビスムのような色彩の中、二人は相談して立ち向かうのだ。
齋藤周「ピンクの砂」:一見してパステル調の色彩は柔らかいが、次第に圧倒されるほどの迫力がある。そんな中、人はどこへ向かおうとしているのか。
齋藤周と久野志乃の類似性を感じたのだが、今、調べてみると一緒に展覧会をやっていたのか。
■STV北2条ビル エントランスアート「中野邦昭日本画展」。
以前、ニワトリの木彫が置かれていたことがあったが、今度は猫VSカラスだ。
「はまなす」:これから北海道の長い冬が始まる。はまなすの咲く頃は、まだ遠い。
■CAI02「(展覧会名失念)」。
高橋喜代史「drawing#1」:白いキャンバス下に弱弱しい線が1本。いったいどうやってこんな変な作品を作ったのか。制作ビデオが上映されているので、ぜひこれを見てほしいものだ。