散歩日記X

札幌を中心に活動しています。食べ歩き・飲み歩き・ギャラリー巡り・読書の記録など

小旅行(1) 森林公園

2015年09月23日 11時29分43秒 | ART
連休中の小旅行である。今日は一日散歩切符を使い、琴似駅を出発。快晴である。



祝日なのでラッシュに会うこともなく森林公園駅に到着。



ここからバスで北海道博物館へと向かう。もちろん目的は「夷酋列像」展である。

 

混雑を予想して少し早目に来たのだが、なんと入口に一番前に到着。私以外の人が並ぶ気配もあまりない。



入場したら「最初の展示は後回しにして、まずブザンソン美術考古博物館の夷酋列像を見よう」と作戦を練っていたのだが、入口からわずか5mくらいの所にそれがあった。東京の展覧会のイメージもあり、力み過ぎていたのは私だけの模様。

その後、一時ブザンソンの夷酋列像の所が混雑していたが、後で見ると時には誰も見ていなかったりして、拍子抜けの混雑の無さであった。

さて、その後、恒例のごとくメモを取りながら見ていたのだが、警備員氏から「鉛筆の使用は禁止です」とのお言葉。シャープペンシル禁止はわかるが(インクの出るペンとの区別がつきにくい)、まさか鉛筆禁止とは思わなかった。警備員氏が勘違いしているのだろうと思い、受付嬢に聞いたところやはり禁止とのこと。ここで言い合ってもらちが明かないので、後日事実確認をすることしよう。ということで、あまりここに書くべきことがない。

「夷酋列像」だが、蠣崎波響のものを元本として、写本が作成されていく。実に正確に写本がされているのだが、やはりどこかで変形してしまい、二人の人物が合体した作品になったり、一般的なアイヌ民族を表す形にすり替わって行ったりする。また蠣崎自身も「関羽図」や西洋人物図をもとにした所もあるようで、当時の絵画イメージの流れが分かる展覧会であった。また私は夷酋列像に十二神将のイメージも含まれているのではないかという気がした(武器を持ったポーズや動物が良く描かれていることから)。

その他、円山応挙の作品があり、蠣崎波響の花鳥画が非常に上手いことも分かった。後、いわゆるアイヌ文様だが、展示の流れを見ているとその原型は龍と雲図ではないかという気もするのであった。

大変興味深い展覧会だったのだが、いつもメモを取る身としては、鉛筆使用禁止がなあ…。生まれて初めてそんな展覧会にであったよ。

常設展示は今回スキップし(早く見に来なくては)、移動開始。帰りはバスの時間が合わず、森林公園駅まで歩く。天気がいいので少々暑くなってきた。


20150921最近読んだ本

2015年09月21日 23時57分27秒 | 読書
■「論理爆弾」有栖川有栖

■「沈黙のエール」横関大

■「キングを探せ」法月綸太郎

■「河原町ルヴォワール」円居挽
かなりのレベルのストーリーに仕上がっているがゆえに、惜しい僅かな傷が気になる。

■「勝手に! 文庫解説」北上次郎
日本作家の作品には同意するところ多し。海外の冒険小説、アクション小説には全く興味が持てない。

■「星を撃ち落とす」友桐夏

■「マルディグラの工作員 ペリーローダン505」ヴルチェク、グリーゼ
コンピュータウイルスでありながら、人間の体も改変してしまうナノテクっぽい技術が登場。これが書かれたの、1980年だからローダンも意外と最先端を行っているのかも。

以下、図書館の2冊。
■「「ワンピース世代」の反乱、「ガンダム世代」の憂欝」鈴木貴博
私、どっちでもないからな。

■「名画の暗号」西岡文彦

なぜか北九州(21) さらば小倉 ありがとう名店

2015年09月21日 20時00分22秒 | 食べ歩き
今日もホテルの朝食会場は大混雑。思い切って開始の6時半に行ってみたのだが、合宿か大会遠征中の学生と思われる集団がいて、裏目に出る。但し、奥座敷の方はまだ混雑していなかったので、そちらで食べれば快適。



午前中は最後の小倉散策とお土産購入。今回の旅でも大量にアート系写真と下らない写真を撮ったので、いずれ順次公開していきたい。さて、ここで最後の昼食である。

2日前、ホテルの近くの角打ちで飲んでいた時に話をした地元氏に、ランチならここイイですよと勧められていた2軒。その2軒はきわめて近い所にあるのだが、ふぐ定食を出す店は今日はお休み。自動的に鰻の「I」に行ってみることになった。西日本の鰻も久しぶりに良いだろう。

ところが、店に近寄りつつある間にも何組かの客が入っていく。ここ小倉じゃ有名な店なのかな。店内に入ると12時前であるにもかかわらず、かなりの混雑状況。なんとかテーブル席に座ることができた。

メニュートップは「せいろ蒸し」とあって悩むが、通常のうな重(松)を注文。松と言っても梅が一番高級バージョンなので、それほどの値段ではない。但し、天然うなぎの値段は松で5000円くらいと、目の玉が飛び出るような値段だった。いや、今となってはそれが普通なのか。

さて、うな重は拍子抜けするくらいの速さで到着。ついでに冷酒も頼んでしまったが、まずはうな重に集中しよう。



さらにうな重アップ!



食べてみると柔らかいというよりは焼き上がり重視の関西風の仕上げ。タレはあっさり目、ご飯も美味しい。肝吸いの肝は歯触りがしっかりしており、臭みがない。これは十分旨い鰻だ。途中から山椒をかけると、これまた香りが引き立っていい。

最後に残した漬物で冷酒を飲むという、逆、鰻屋方式で(一般的には鰻は焼き上がりに時間がかかるので、しばらく漬物で一杯やりながら待つのである)堪能した。

ちなみに周りを見るとせいろ蒸しを頼んでいる人が多く、横目で見るとご飯に鰻と金糸卵を乗せて蒸したもののようであった。卵が入っている分、うな重より若干値段が安いという所が人気の秘密なのかもしれない。いや、意外とふんわりした鰻が好まれているのかな?



この後はバスで北九州空港へ移動。



羽田で乗り継ぎ、新千歳空港へ。さらにJRで琴似に移動してから、タクシーで自宅に戻る。さすがに移動で疲れ、腹も減ってきた。特に北九州のお土産という訳ではないが、珍しさに購入してしまった、「ゆかり」塩焼そばを食べよう。

 

これで私の夏の大旅行も終了である。

なぜか北九州(20) 小倉ラストナイト

2015年09月20日 21時46分44秒 | 飲み歩き・道外(東京以外)
今日は小倉で最後の夜だが、日曜日とあって制約は多い。すっかり気に入った名居酒屋や、もう一度行きたいバーも今日は休み。まあ、少々疲れてきたところもあるし、ごくオーソドックスな居酒屋へ行こう。

通しは何だか忘れてしまったあなあ。最初だけビール、続いて繁枡を燗でもらう。

 

何だかんだと九州の魚を堪能。またもや刺し盛りを注文。マグロ、イカ、タイ、カンパチ?、カツオの5点である。これまでカンパチと書いてきたのだが、メモにはヒラマサとあって、ひょっとするとそうなのかも知れない。この名の分からぬ魚は見た目柔らかそうだが、歯ごたえがものすごい。



続いて疲れた時は酢のものかい、ということで海老、カニ、ホタテ、タコの酢の物。酢加減が飲めるくらいで、酸っぱ過ぎずにちょうど良かった。



それから、私の大好物を発見してしまったね。秋の気配、土瓶蒸しである。中に入っているのは海老、鱧、松茸。その辺もいいのだが、何と言っても美味いのは出し汁だ。濃厚な汁が体にしみいるようだ。



最後にカワハギ煮付、漬物盛り合わせで燗酒をゆるゆる飲む。ああ、やりきった感があるね。

 

注文が結構贅沢三昧だったので、値段もそこそこ行ったが、ちゃんとした居酒屋として押さえておける店だ。



今日はこの1軒で終了。大浴場で汗を流して就寝。

なぜか北九州(19) 下関に来たらそれはふぐ

2015年09月20日 16時29分48秒 | 食べ歩き
つい「ふぐ」と書いてしまったが、下関では「ふく」と呼ぶのである。唐戸市場ではなかなか旨そうなものもあったのだが、どうにも落ち着かない。大人は店に入ろう。

しかし、そろそろ中休みに入る店もでるタイミング。さんざんさまよった挙句、すし「YK」という回転すし店に入る。まずはビール小を一杯。いや、暑い中結構歩いたからね。とにかく旨い!



回転すしのセオリーなど全く無視して刺身3点を注文。とにかくこの辺では右端のカンパチ? のような魚がとにかく旨い。タイはいい状態になるまで寝かせた、むっちりした歯触り。マグロは冷凍を上手に解凍した感じかなあ。もちろんここで金冠黒松という岩国の酒を注文。



ビールを少し残したところでふぐの空揚げ。もちろん出来立て。まあ、それほど上等なふぐじゃないのだろうが、旨い。



それからふぐ三昧(だったかな?)。ふぐの生、炙り、皮の軍艦の3点盛りだ。



ま、おやつ代わりだし、これで十分かな? 昼間の回転ずしを居酒屋使いするというのも悪くないものである。



この後、フェリーに乗り込み、わずか5分で門司港に逆戻り。

 

フェリーと言っても小さな船だったが、これ以上乗れるのだろうか? というくらいの込みっぷりだった。

門司港駅から小倉に戻る。

 

なぜか北九州(18) 鉄オタじゃない&山口初上陸

2015年09月20日 14時08分24秒 | 旅日記
さて、昼食も終わった所で、北九州銀行レトロライン「潮風号」というのに乗って見よう。私、鉄道ファンではないのだが、まあ、目の前にあれば乗るよね。ということで、出光美術館駅から乗車。



本日は休みの日とあって、九州鉄道記念館駅で乗り込んだ親子連れでほぼ満席とあって、立ったままでの乗車となった(まあ、わずか数分の事である)。途中で本日のイベント「ゆるキャラと潮風号の徒競争」等を見て、途中トンネルをくぐって、終点のめかり駅に到着。



さて、今回の旅の最大の目的は実はこれだったのである。



そう、「水曜どうでしょう」にも登場した、関門トンネル人道を歩いて通るのである。早速、エレベータで降下。



この人道、人道でありながら国道2号線なのか? 住所は北九州市門司区門司である。



人道内を人力車が通っていたりするのには驚く。



そしてお約束の福岡県・山口県境。両県にまたがって写真を撮ったり、「せーの」と掛け声をかけて向こうの県に渡ったりはしない(恥ずかしいから)。



そして山口県側へ。こちらは下関市みもすそ川町。



地上に上がった所に料金箱がある。歩行者は無料、原付・自転車は20円なのだが、皆さんちゃんと払っているのだろうか? 私が出てきたタイミングでは原付・自転車の人がいなかったので、実態は不明である。



山口県側からみる関門橋。とにかくデカい。



船が通ると数10センチレベルの波がやってくる。



ということで、飲食店やフェリー乗り場のある唐戸ターミナルへと向かう。バスはあるのだが、歩いて行けそう。しかし、とにかく暑い。

なぜか北九州(17) 謎のB級グルメ

2015年09月20日 12時14分11秒 | 食べ歩き
歩いて、門司港の観光エリアに到着。実際にクラシックな建物もあるのだが、どうも小樽メルヘン交差点界隈の香りがして、あまり好きな雰囲気ではない。

ちょうど上がっていた跳ね橋が下りる所を見て、その橋を渡る。橋の上大混雑…



門司港レトロ展望台(展望台そのものは31階のビル)に昇り、周辺を見渡したり、お土産屋さんに立ち寄ったりして、段々腹が減ってきた。



さて、この門司港で私が食べたかったもの、あの有名な焼きカレーではない(有名じゃない?)。北海道の人はまず知らないのではないだろうかと思われる「ちゃんらー」である。いや、今、検索してみたところヒット件数が237万件だったので、もしかして有名なのかも(そんなことないか)。

とてもおおざっぱに言うと、ラーメンのスープにちゃんぽんの麺を使用して作られた料理で1960年頃にできたものらしい。ラーメンスープといっても和風出汁なので、一般的な感覚としてはうどん出汁といった方が近いかもしれない。

それが食べられるという二代目「K」食堂へ。どう注文するか悩んだのだが、焼きめしとちゃんらーのセットにしよう。待つことしばし、まずはちゃんらーから。



そして焼きめし。



早速食べてみると、まずはちゃんらーの出汁が体にしみわたる。ごくあっさり目なのだが、上に乗っている豚肉を炒めた香りが入り、香ばしさがある。焼きめしの方は、これぞ「ザ・焼きめし」と言う感じ。脂が強くないので、まさに自宅で作ったような味なのだが、こちらも醤油風味の香ばしさがいい。また焼きめしを食べてからのちゃんらースープというように、2品の味の組み合わせも抜群である。焼きめしは安易な店だと作り置きしておきたくなるだろうが、たった今、作りたての所が嬉しい。

この他にもメニューには焼きちゃんらー、冷やしちゃんらー等のバリエーションや、おでん、カレーといったものもあるので、近所にあればぜひ再訪したい店である。いや、それよりもまずは飽きのこないちゃんらーをもう一度食べるべきだな。

時には行列ができるであろうこの店(表に椅子が用意されていた)、なぜか今日は空いていたが、お店の人の感じも良く、いい思い出になった。


なぜか北九州(16) 門司へ

2015年09月20日 10時49分16秒 | ART
今回の旅行も4日目。シルバーウィークに突入したため、突然ホテルの宿泊客数が増えた。前日は落ち着いて食事が取れたのだが、本日は大混雑である。それでも、奥の方の座敷席が空いていたため、そちらで新聞を読みながら朝食。



内容は昨日とさほど変わらず、きのこご飯、豚汁あたりが入れ替わったところか。そういえば今回、フルーツビネガードリンクというのを毎朝飲んだが、なかなか朝食には悪くないものであった。

さて、今日は門司方面へと向かう。



電車に乗ることわずか、門司港駅へ到着。



門司と言ったら、美術に関心のある人にとっては、まず出光美術館(門司)だよね。

 

ところで、現在、出光美術館(門司)は改装工事中で、旧大阪商船2階に間借りしているのである。なので、本来の出光美術館(門司)は見ることができず残念。間借りした部屋もあまり広くはなく、見通しの効く一室の展示であった。

さて、現在やっているのは「やまと絵と水墨画」と題した展覧会である。

狩野守供「四季花鳥図屏風」:厳しい寒さと新緑を表現した六曲一双の屏風。緑と赤の色彩が非常に良く残っている。
作者不詳「酒呑童子絵巻(下巻)」:鬼が酒を飲みすぎたオジサンのような顔になっている。女性の着物が奇麗。
古伊万里「色絵縞文角徳利」:茶色、緑色、朱色など斬新な色使いで斜めに縞模様を入れた徳利。
古伊万里「色絵菊花文輪花鉢」:4種の紋様を4回つないで花の形を作り出しており、賑やかだが下品ではない。

私が見に行った時、ちょうどカメラ(TV?)が入り、展示作品の撮影をしていた。「日曜美術館」のアートシーンに私の後ろ姿が登場したりしないものだろうか。



ところで、わたせせいぞうも北九州出身だったようで、同じ建物に展示コーナーがあった。このお方の作品「ハートカクテル」だが、ちょうど私の学生時代と連載時期が重なっていたのだが、あまりにも縁遠い世界だったので完璧に無視していた記憶がある(当時の私は恐ろしいほどマンガを読んでいたのだが)。


なぜか北九州(15) 角打ちと交流

2015年09月19日 19時13分20秒 | 飲み歩き・道外(東京以外)
結構酔っぱらってホテル方面へと歩く。しかし、確かホテルの裏手の方に角打ちがあるんだよな。と思いつつふらふら歩いて行くと、そう、ありました。「H」酒店である。



完全に酒屋さんの中にカウンターがある。その一角に立ち、アルコールの弱そうな本搾りオレンジを頂く。つまみはゴボウチップとグリーン豆と乾きものだ。

 

これでしばらく飲んでいた所、私よりもう少し若い男性2名(後で聞いたら44歳だとか)が隣にやって来て飲みだした。しばらくすると「私たち○○から来たんですが、どちらから」と話しかけられた。

私にはローカル地名○○というのが聞き取れないというか、全くピンと来ない。北九州市は昔いろいろな市が合併したできたため領域が広大で、約40分くらいかけて電車で来たのだそうだ。札幌で言うと「星置」とか、そういう感じなのかな?

で、私は札幌から来て、主目的は割と角打ちに行くことであると言うと、「そりゃいいですね」といたく感心された。この後、札幌には立ち飲みの文化がなくて、などといろいろ話をするがあまり記憶にない。地元氏が冷奴(ハーフで70円という素晴らしい値段)を頼むと、おっとりした店主(女性)が「明日から連休なので、切れちゃったのよ」とキャベツのポン酢かけをサービスしてくれた。



それから地元氏は「これが名物らしいですよ」とソーセージを注文。出てくるのを見ると、玉ねぎスライス大量の上に魚肉ソーセージを乗せ、さらにマヨネーズ・一味唐辛子をかけると言う超B級(C級?)の一品。ありがたくご相伴にあずかる。



その後も会話は続き、酎ハイレモンを追加。実に楽しいのだが、私は5軒目とあってそろそろ足腰が立たなくなってきた。何とか2缶目のドリンクを飲んだところで、「まだこれからですよ」という地元氏と別れ、ホテルに帰る。



やっぱり角打ちってイイね。その余韻を楽しみながら、ホテルでよろめきつつ大浴場に行き(幸い他に誰もいなかった)、早目に沈没する私であった。

なぜか北九州(15) 名店再訪

2015年09月19日 17時43分53秒 | 飲み歩き・道外(東京以外)
やはり小倉に来てもう一度行きたくなる店と言えば、「なぜか北九州(9) 小倉の名店」で登場した居酒屋「M」だろう。今回は比較的開店直後に訪問したところ、1階の座席の埋まり度合いは6割程度であった。念のため2階に入れるかどうか聞いてみたところ、やはり予約で無理とのこと。これだけは心残りだった。

さてビールとともに、おばいけから注文。これは札幌ではめったに見ないが、さらしくじらの酢味噌和えである。ほとんど味のないさらしくじらであるが、食感が面白いのだ。



続いて単品でしめ鯖を注文。となると燗酒だな。

 

後は最初に来た時に気になっていたあいがもつくねを注文。卵の黄身と醤油をからめて食べるのだが、これはいい。ちなみに本日は土曜日とあって、カウンター内の店員さんも3名に増加。注文の聞き取りや配膳が安定している。



続いて肉責めだが、豚の角煮を注文。そうそう、疲れてくるとこういう甘めの味付けが嬉しいんだよな。豚の角煮と言えば店によっては高級ゾーンで800円くらいしたりするのだが、この店は400円。気軽に注文できる値段である。



最後にあさりバター(これがかなり濃厚な貝の味+バター味だった)を注文して、終了。



いや、いい店だった。いつかまた来ることがあればと真剣に思う私であった。しかし、控えめに飲んでいるとはいえ、ここで4軒目。少し酔ってきたな。

なぜか北九州(14) 小倉死闘編

2015年09月19日 16時14分36秒 | 飲み歩き・道外(東京以外)
もう一つ小倉で気になっていたもの、それは「角打ち」である。いわゆる立ち飲みの店は各地にあるが(札幌には少ない)、特に酒屋で飲ませる店を北九州では「角打ち」といい、そのような店がかなり多いらしい。

ということで1軒目は店がなかなか見つからずに焦ったが、旦過市場内にある「A」酒店へ。流儀があまり良く分からないので、目の前にある日本酒メニューから出羽桜をハーフで注文(先は長い)。小さめの桝にグラスを入れ、約半合の酒を店主がついでくれた。

酒を飲みつつ、何かつまみたいところだが、昼食の直後とあって無理そうだ。先客が1名いるのだが、その年配氏が話しかけるのも店主は何となく受け流している模様。店にも「飲食は30分以内で」「店内の無断撮影はお断り」といろいろ掲示があり、まあ、酒屋の店頭なのだから黙って飲むのかな? という感じ。

2杯目に北九州の酒、天心を注文。ここで年配氏がいなくなり、いよいよ静かに飲むべしか、と思ったところ店主が「日本酒がお好きですか」と話しかけてきた。「まあ、何でも飲むんですが、目の前に酒の銘柄があったので頼んでみました」と私。実はそれほど寡黙な店でもなかったようで、ちょっと意識しすぎだったか。

まあ、次もあるし、そろそろ行くか。



市場内でトイレを拝借し、モノレールの旦過駅へ。小倉にはモノレールが走っているので、ぜひ一度乗っておきたかったのである。

 

駅にいればモノレールの高さは感じないが、走行を始めるとビルの5階くらいの結構な高さにいるのだ。

 

2駅で小倉に到着。モノレールが到着したのと逆サイドはホームドアがないので、レールまで、さらには地面までスケスケ状態で高所恐怖症の私にとっては、ちょっと怖い。



小倉駅から右手側に広がる怪しげなゾーン(ストリップ劇場があった)に侵入し、ぐるぐる回った結果、次の店は「T」だ。店内は大きく2つのエリアに分かれており、片方は年配の女性1名、もう片方は若い男から年配男性まで先客4名。私も男性ゾーンのカウンターに立ち、酎ハイレモンを注文。



若い奴ら3人は小テーブルの席に腰掛けて早くも小宴会モードか。もう一人の年配氏はテレビの「解決ビフォーアフター」に釘づけの昼下がりである。

続いて蕎麦焼酎の水割りを控えめに注文したところ、結構な量の水割りが到着した。



まだ腹も減らないし、残念ながらつまみを注文出来ない。でも、クラシックな店構えを堪能することができた。

テレビに夢中の年配氏。

 

さて、再び少しぶらぶら歩く。天気もいいし、新幹線が止まるだけあって立派な小倉駅が眩しい。札幌駅に新幹線が到着する日まで私は元気なのだろうか? と余計なことを考えてしまいそうだ。



次はごく普通の立ち飲み店「M」へ。店構えは普通だが、午前中に開店するようで、そういう店が札幌にも欲しいと思う。飲み物はトリスハイボールを注文。昼食からかなりたったので、牛スジポン酢でも注文してみるか。

 

牛スジポン酢はスジというよりは肉っぽい部分が多く、値段の割に悪くない一品。もう一つ、そうだなあ、餃子でも頼んでみるか。



到着したのは焼き餃子というよりは揚げ餃子に近い一品。これも値段を考えると悪くない。このように気軽に入れて、安く飲める店がぜひ繁華街にあって欲しいものである。

なぜか北九州(13) 小倉ラーメン

2015年09月19日 12時02分55秒 | 食べ歩き
小倉と言えば名物は焼うどんだよなと思っていたのだが、ある店を目にして、吸い込まれるように入ってしまった。キーワードが「らーめんセット」「創業昭和12年」の店「Y」である。

こちらに来た際に北九州の飲食店本を購入したのだが、その中でも印象的な店だったのである。何が印象的かというと「らーめんセット」でラーメンについて来るのが寿司なのである。

早速、店に入りらーめんセットを注文。寿司は巻物10種ほどから選べるのだが、鉄火巻きを選択(後でゆっくりメニューを見たら、鯖しそ巻というのがあり、それにも心ひかれた)。まずは寿司が到着。



それからラーメンが到着。熱いものから食べることにしよう。



うーむ、セットの斬新さに目が奪われていたが、このラーメンが実に旨い。割とあっさりした味ながらも、スープの程よい甘みと麺が良くあっている。これはなかなか手が止まらない。

そして鉄火巻きの方はちゃんと寿司屋さんで出てくるような、程よくふんわりした巻き方で、こちらもいい味だ。これは昔から評判のセットというのも頷けるだろう。

あっという間に食べてしまい、勘定のときに「旨かったです」と店のご主人に言うと、「おや、そうかい。また来てくださいね」とおっとりした返事を頂いた。もし小倉に住んでいたら、すかさず再訪確定の店だと思う。


なぜか北九州(12) 美術館など

2015年09月19日 11時35分41秒 | ART
小倉城庭園では企画展「ポーラ・コレクション~東西の美意識を探る~ 日本と西洋の御粧」展をやっていた。

興味深いのは飲食関係の資料で、天皇家の歯固の料理として、イノシシ肉、シカ肉、鯛、鯉、鮎、茄子、粕漬け、鏡餅に鮎・大根・木の実を持ったものが出されていた。万物を頂くという、由来があるんだろうな。

本膳料理の紹介コーナーでは、本膳に鮎飯寿し、鯛潮汁、生アワビ、黒豆、鯛酒焼きカラスミばさみ、ほやとナマコの腸和え、二の膳に澄まし汁蒸し芋、鮭とイクラ煮、ゴマ豆腐、さらにホタテ羹、長芋醤焼き、ムカゴ、香の物、茄子漬、アワビ、マツタケ、海老と今でも文句のつけようのない豪華な料理が仕立てられていた。



しかし、「撮影禁止」と書いているのに、何度もスマホでうるさい音を立てて撮影していたのは、最近では珍しい文盲の人なのだろうか。ちゃんと日本語は母国語として話せていたようだったしなあ…。

庭園としては池のある庭と書院造の建物があるのだった(そんなに興味なし)。



続いて、リバーウォークという私には縁遠そうなしゃれた施設の中にある、北九州市立美術館分館へ。ちなみに現在、市立美術館は修復のため閉館になっているらしい。ここで「ムルロ工房と20世紀の巨匠たち」という版画展を見る。

ジョアン・ミロ「アルバム13」:赤い丸と黒の縦棒。どこか日本、禅を思わせるデザイン。
ジョアン・ミロ「人物と赤い太陽I」:オレンジの太陽と黄色の人を配置した変な画。
パウル・クレー「クレー展」:ムルロ工房で作製したポスターだが、まさにクレーのイメージ通り。

マックス・エルンスト「マックス・エルンストの博物誌展」:じれにエルンストの作風がきっちり出ていて、欲しい!
ジャン=ミッシェル・フォロン「フォロン版画展」:缶を開けるとカラフルな目が一杯。センスある。
ロジェ・ブゾンブ「空/エール・フランス」:今は亡きコンコルドを配したスマートなポスター。



点数が多く、かなり見るのに時間がかかった。この辺で昼食にしようかな。

なぜか北九州(11) 朝食と散歩

2015年09月19日 10時19分30秒 | 食べ歩き
やっと主目的の地、小倉で目覚める。まずはホテルのバイキング朝食。

 

カレー少々、焼きうどん(朝から何だという感じだが、小倉の名物なのである)、蒸し野菜、マカロニサラダ、じんだ煮、焼き鯖、がめ煮、ミートボール、明太子、味噌汁。2セット目はご飯に昆布とゆかり、鶏空揚げ、スクランブルエッグ、インゲン胡麻和え。地元の料理もあり、ゆっくり食べることができて良かった(明日朝から大混雑だったが)。

ホテルを9時半頃出発し、まずは旦過市場へ。この時間帯だと飲食店は開いていないが、市場としては活況を呈している。観光客だけではなく、市民も来ている模様。今日半額セールだった肉屋さんには、大行列ができていた。その他、魚屋さんで刺身用にさばいているものがあったが、ちょっと見たことがないほどきれいなイカがあったり、素晴らしい品ぞろえだったように思う。

 



ちなみに新旦過街という所にもつながっており(新旦過街”え”というのがすごい)、確実に迷いそうな路地ばかりであった。

その後、小倉城を眺めてから、小倉城庭園へ。

なぜか北九州(10) 小倉の名店2

2015年09月18日 21時15分30秒 | 飲み歩き・道外(東京以外)
さて、2軒目はバーだなあ、とふらふら歩いているうちに、何ともディープな市場の入口にたどり着いてしまった。ちょっと様子を見てみるかと進入するが、当然、市場の店は開いていない。



しかし、事前に調べておいたバー「S」があるのを発見。見た感じバーというかスナックのようにも見えるため、かなり敷居が高かったのだが、酔っているので思い切って進入してみることにした。



先客は3名。「お、コイツ何もの?」という視線を浴びてしまうのはやむを得ないだろう。カウンターに座り、オーソドックスな店ならばということでジンフィズを注文。店のマダムはすんなりジンフィズを作ってくれた。



出て来たのは炭酸で爽やかというよりは、昔ながらのジンフィズである。ここで、隣のオヤジが「バーのカクテルといえば、昔はジンフィズ、マンハッタンとかなあ」と喋り出し、マダムが「あら、この人(私の事)ジンフィズ頼んだのよ」と言ったのでオヤジが焦り出した。

「いや、注文にけち付けようとしたんじゃなくて、懐かしいなあって…」とオヤジ。もちろん皮肉っている訳ではなく、私が何を頼んだか気がつかないで話し始めたような感じなので、「いやいや気にしないでください。私もクラシックなカクテルなので、いつも頼んでいる次第で…」と返事をしておいた。こんなきっかけから、マダムも焼き銀杏を出してくれて、私も徐々に店の雰囲気にもなじむことができた。



しばらくすると先客のオヤジは恐縮しつつ帰って行ったので、これはマンハッタンがいいなと注文してみることにした。登場したマンハッタンはバランタイン12年にベルモット多目、レモンジュース少々ということで、かなりイメージと違う味わいだ。



あまりウイスキーっぽすぎると、飲むのがつらい人が多かったのかな。これを飲んでいると、マダムがさらにぬか漬けを出してくれた。この旅で何度か食べたぬか漬けは非常に旨かったのだが、茗荷が入っているのがさらに嬉しい。



この店は創業56年になるらしい。本日はマダムが一人でやっていらっしゃるようだが、今調べてみるとマスターは昨年お亡くなりになったとのこと。お一人でやるならもっと小ぢんまりやられてもいいような気もするが、随分多くのフルーツを揃えて営業されているようだ。

最後にクラシックなカクテルならサイドカーかなと注文してみると、「あんた、結構強いでしょ。マティーニ飲みなさい」と強引にマティーニを出されてしまった。



常温のジンで作り、ライムピールを投入するという独自スタイルながら、このクラシックな味わいはかつての横浜「P」を思わせる味だった。私は3杯で定量となってしまったが、この店は素晴らしい店である。末長く営業を続けて欲しいと思うのであった。

帰りにコンビニで水などを購入。ホテルに戻り、大浴場でのんびり風呂に入り就寝。