イボダイ科のメダイHyperoglyphe japonica (Döderlein)です。
日本にはイボダイ科魚類は3属4種が知られていますが、このメダイは全長80cmまでなり、これら4種の中では最大です。
メダイは鹿児島県などで釣りなどによって漁獲される有名な魚です。この個体は宮崎県沖の流れ藻でモジャコ漁の副産物として獲れたものです。
流れ藻とはちぎれて海に浮かぶホンダワラなどの海藻のことで、その下には稚魚のパラダイスが存在します。隠れ家が少ない沖合いを移動するための「装甲」といえるでしょう。
もっともそんな流れ藻を探す肉食魚もいます。シイラがその典型的な例でしょう。シイラは流れ藻周辺に居着き、餌の小魚を捕食します。しかし人間はそんなシイラの習性をうまく利用した「シイラつけ」という漁法で、そんなシイラをとらえるのです。
メダイは大きくなると流れ藻を離れてしまいます。そしてそのあとは沖合いのやや深い海でくらします。