今日のフィリピン魚は、イットウダイ科イットウダイ属のアオスジエビスSargocentron tiere (Cuvier)です。
そういえばフィリピン魚のコーナーで、イットウダイ属魚類の登場は初めてでした。イットウダイ属の魚は、前鰓蓋隅角部に強くて長い棘があり、背鰭棘条部の最後の棘は後ろから2番目の棘と第1軟条の中間またはそれに近いところにあるのが特徴とされます。フィリピンには大体13種類ほどが生息していると思われます。
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和名の「アオスジ」は、体側の縦帯にちなむのでしょう。しかし、他のイットウダイ属の魚、たとえばニジエビス、アヤメエビスなどと比べてあまり目立ちません。色も、白っぽくなく、和名のとおり、なんだか青というか、灰色っぽいような・・・。
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アオスジエビスは全長30cmをこえ、この仲間では比較的大型になる種類です。日本では琉球列島に分布し、小笠原にも生息しています。Fishbaseでは、兄島で撮影された写真が掲載されています。海外では、東アフリカのインド洋からハワイまでの非常に広い範囲に分布します。
イットウダイ属の大型種は食用としての価値もありますが、前鰓蓋の棘には毒があるといわれており、取り扱いには注意が必要です。