我が家に長いこと居るのになかなか紹介してあげられなくてかわいそうなイエローリップダムゼル。イエローリップダムゼルはその名のとおり、黄色い唇が特徴的なスズメダイの仲間。体高が高く、クラカオスズメダイ属に含まれる。
この種はよく「ヤマブキスズメダイ」という名前で販売されている。チャームなど海水魚専門店でも同様だが、この名前で呼ばれる種はやや深場にすみ、もっと黄色が強い。またイエローリップダムゼルの尾柄に見られる模様はヤマブキスズメダイには見られないよう。
生息地もだいぶ異なる。イエローリップダムゼルはサンゴ礁域の浅瀬で見られるが、ヤマブキスズメダイはやや深いドロップオフのような環境にみられるという。日本ではヤマブキスズメダイのみが分布し、イエローリップダムゼルは分布しない。イエローリップダムゼルはインドネシアのバリ周辺に生息しているが、ほかではほとんど見られないようだ。インドー西太平洋域に生息するバツナズダムゼルの変異個体である可能性もある。
イエローリップダムゼルはほかの魚との混泳もできる。ただしあまり小さいのは避けたほうがよいだろう。我が家ではクマノミやカクレクマノミ、コガシラベラなどやや性格強めの魚と飼育しているが、これらの魚との相性はかなり良いようである。このイエローリップダムゼルは2018年の12月に我が家にやってきた。3匹購入したが病気になったりでこの個体のみが生き残った。ただし定期的な水かえをしっかりしていれば、初心者マリンアクアリストで合っても飼育は難しくはない。ただ混泳には大きめの水槽が欲しいところだ。