魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中です。ご容赦願います。 ぶろぐの写真はオリジナルです。無断転載はお断りします。

マルアジ

2022年10月11日 17時47分41秒 | 魚紹介

今回は「超」久しぶりにぶろぐに登場する、しかし写真がまだアップされていなかったアジ科の魚をご紹介。アジ科・ムロアジ属のマルアジ。

マアジ

マルアジはマアジに非常によく似ている。属としてはマルアジはムロアジ属、マアジはマアジ属とそれぞれ別属であるが、初めて本種を釣った人がこの2種を見分けるのはちょっと難しいかもしれない。ということで、まず、マアジとマルアジの見分け方をご紹介。

マルアジの尾柄。小離鰭がある

マアジの尾柄。小離鰭がない

マルアジとマアジ、この2種を見分けるのに大きなポイントとなるのはまず小離鰭の有無である。この小離鰭はマルアジをふくむムロアジ属で見られるが、マアジ属では見られない。

マルアジの側線曲走部。稜鱗がない

マアジの側線曲走部、マアジは側線全体に稜鱗が発達する

もう一つ重要なポイントは側線の稜鱗、つまりぜんご、ぜいごである。この稜鱗はマアジでは側線全体にあるのに対し、マルアジでは側線直走部にのみあることにより見分けられる。現物がない場合、つまり見分けたいが写真しかないというときにはこちらのポイントで見分けるのがよいだろう。ムロアジやモロなどとは側線直走部の全域に稜鱗があることにより見分けられ、同様の特徴をもつアカアジやオアカムロとは尾鰭が赤みをおびないことにより見分けられる。

マルアジの分布は正確にはわからないが、少なくとも青森県以南の日本各地沿岸、朝鮮半島沿岸、台湾、および中国にはいると思われる。東南アジアでマルアジとされているものの中には、おそらくインドマルアジなどの別種も混ざっているように思われる。琉球列島の「マルアジ」とされる個体もあわせて再度よく見てみるべきだと思われる。ただしこの2種は見分けるのはやや難しいようで、背鰭前方鱗域が眼中央に達するのがマルアジ、達しないのがインドマルアジとされるが、この特徴では体側から撮影しただけの写真では見分けることはできない。マルアジのタイプ標本は日本から得られている。学名Decapterus maruadsiもおそらく「マルアジ」を意味するのだろう。

マルアジはかなり美味しい魚である。マアジよりも大きくなるように思い、そのような個体は大味かもしれない。大阪では活魚で入荷し、マアジより高価とされていたようである。本種を食べた話をするのは2009年以来なので、13年ぶりである。そのときはリュウグウノツカイやヒレジロマンザイウオなどと一緒に獲れたものを食べた。今回は刺身で食したが、脂がのり美味であった。しかし個人的には刺身よりもタタキのほうが美味のように思うので次はタタキで食べたい。一方大きくなる同属のムロアジなどは刺身のほうが好きである。今回のマルアジは長崎 印束商店の石田拓治さんより。いつも、ありがとうございます。

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